仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
番外編/世界から消えた存在、その名は…『ロスト』
何処かに存在するとある世界。そこに人の姿は一人もなく、辺りは深い霧に包まれ霧の中には廃墟と化した都市が存在している。深い霧に包まれ、瓦礫と化したその世界の中に、怪しくうごめく複数の影があった…
『グウゥゥゥゥッ……!』
霧に包まれた都市の中心に存在する影……それの正体とはライダーの世界に存在する様々な怪人達であった。グロンギ、アンノン、ミラーモンスター、オルフェノク、アンデッド、魔化網、ワーム、イマジン、ファンガイアなど、様々な世界に存在する怪人達が大量に群れを成してある一点を睨みつけていた。その視線の先にいるものとは…
「………………」
「………………」
この廃都市の中心、異質な空気を漂わせるその場所に、二人の少女達が背中合わせに立ち構えていた。一人は腰まである銀髪に赤い瞳をした黒服の少女。もう一人の少女は金色の髪に赤い瞳をした19歳程の少女…その容姿はフェイト・T・ハラオウンと全く瓜二つの姿をしていた。
『グルルルッ!ウグオォォォォォォォォ!!!』
『…………………』
少女達の周りを数百近くの怪人達が二人を包囲するように囲んでおり、何処にも逃げ道はない。だが少女達はそんな怪人達を見ても表情一つ変えず、銀髪の少女は懐から機械のようなものを取り出しそれを腹部に当てると、機械はベルトような物となって銀髪の少女の腰に巻き付いていき、それと共に金髪の少女の腰にも銀髪の少女が巻いているのと同じベルトが出現した。更に、銀髪の少女は懐から一本の黒のメモリースティックのような物を、金髪の少女も黒青いメモリースティックを取り出しボタンの部分を人差し指で押していく。
『FREEZE!』
『ACE!』
二つのメモリースティックから電子音声が響き、それが響くと共に二人は逆向きにメモリースティックを構えていく。そして…
『…変身!』
二人は同じタイミングで叫び、先に金髪の少女がメモリースティックをベルトのバックルの二つある差し込み口の右側にセットし、それに続くように銀髪の少女も自分の持っていたメモリースティックをバックルの空いている左側の差し込み口に装填し二人はほぼ同時にバックルをWの形に開いた。
『FREEZE!ACE!』
バックルから電子音声が響き、吹き荒れる風と共に二人の身体が互いに引き合うように重なり眩い光を放った。そうして光が止み始めると、そこには二人の少女の姿はなく、変わりに一人の戦士がその場に佇んでいた。赤い瞳に右半身は黒の掛かった青、左半身は黒という早瀬 智大が変身するツヴァイと同じアンシンメトリーな身体。そして首に黒色のマフラーを靡かせる二対の戦士……そう、仮面ライダーであった。
『グウゥゥゥゥ!ウガアァァァァァァァァ!!!』
ライダーの姿を見た怪人達は高い雄叫びを上げ、一斉にライダーへと飛び掛かって来た。ライダーは最初に襲い掛かって来た怪人を足蹴にして吹っ飛ばすと、華麗な動きで次々と怪人達を吹き飛ばしていき、怪人達はライダーの動きに上手く対処出来ず翻弄されていた。そしてライダーはバックルを元の位置に戻して両側のメモリを抜き、代わりに今度は紫色のメモリと鋼色のメモリを取り出しボタンの部分を人差し指で押す。
『GRAVITY!』
『SPEAR!』
メモリースティックから電子音声が鳴り響き、それと同時にライダーは紫と鋼色のメモリをベルトの両側の差し込み口にセットし、再びWの形に展開していく。
『GRAVITY!SPEAR!』
電子音声が響くとライダーの右半身が紫、左半身が鋼色へとそれぞれハーフチェンジしていった。そして、ライダーは背中にある身の丈を越える程の長さを持つ銀色の槍の様な武器を取り出し、バックルの左側にあるメモリを引き抜き槍に取り付けられているスロットへと装填する。
『SPEAR!MAXIMUM DRIVE!』
電子音声が響くと同時に、ライダーは体制を低くして投擲の構えを取る。すると、周囲の重力が螺旋を描くように槍の先端へと徐々に集束されていき、ライダーは槍の先端の狙いを怪人達の群れへと定める。そして…
『…スピアグラビネイト』
―シュウゥゥゥゥ…ドシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーンッ!!!!―
『グ、ウ、ウガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!?』
ライダーはそう呟くと共に槍を大きく振りかぶり、怪人達の群れに向かって思いっきり投げつけていった。ライダーが放った槍は全体に重力の螺旋を纏いながら猛スピードで怪人達の身体を貫いていき、怪人達の群れの中心に槍が突き刺さると、槍から巨大な衝撃破が発生し、周りにいた数百体以上の怪人達がその衝撃破に呑み込まれ一瞬の内に塵一つ残さず消滅していったのだった。
『……………………』
怪人達が消滅したのを確認すると、ライダーは構えを解きその場で佇んでいた。何もせず、全く動こうとしない。勝利の笑みも喜びも表そうとしない。ただ、まるで何かを待っているかのようにその場に立ち尽くしていた。そうして暫くすると、ライダーの前に一枚の通信パネルが現れた。
クアットロ『はぁ~い♪お疲れ様『ロスト』ちゃん♪今回のデータは十分に取れたから、次のシュミレーションまで休んでていいわよ~?』
『……………………』
通信パネルに表示された通信の相手は先の魔界城で零達と戦った少女…クアットロであった。その通信を聞いたロストと呼ばれたライダーはバックルから二つのメモリを抜き取りベルトを外すと変身が解除され、銀髪の少女と金髪の少女へと戻っていき、何処かへと向かって霧の中を歩いていったのだった。
◆◇◆
―???―
クアットロ「んふふ♪中々良い具合に仕上がってるじゃない…二人で一人の仮面ライダー♪」
生命ポットらしき物が複数立ち並ぶ不気味な部屋。そこには先程ロストと呼ばれるライダーに通信を送っていたクアットロがモニターを見つめて上機嫌に微笑んでいた。そしてクアットロは近くのデスクの上に置いてある三つのベルトに目を向け、その中の一つを手に取って眺める。
クアットロ「…あのシャドウとかいう奴が持って来たダークライダーのベルトと早瀬智大の変身するツヴァイの戦闘データ…それらを元に開発した新たなライダーシステム。ふふ、予想以上の出来ね…本当に良いものを持ってきてくれたわ~シャドウの奴♪」
上機嫌のままクアットロはライダーベルトから視線を外し、今度は近くのモニターに映る二人の少女に目を向けて微笑んだ。
クアットロ「そしてあの二人…これからの戦力としても大いに期待出来そうねぇ…あの二人を使えば、あのディケイド達も簡単に倒せるかもしれない。特に、あのプロジェクトFの遺産と夜天の主がどんな反応を示すか…ふふふ、今から凄く楽しみ~♪」
甘ったるい口調でそう呟き、クアットロはモニターに映る銀髪の少女と金髪の少女の姿を見て邪な微笑みを浮かべていたのだった。
仮面ライダーロスト
解説:クアットロがダークライダーのベルトとツヴァイのデータを元に開発したダブルタイプのライダー。本来のダブルのような一方が精神体になるというワケでなく二人の身体が融合し一人の仮面ライダーとなる。変身者はフェイトとはやてとは所縁が深い相手らしいが…?
所有ガイアメモリは以下の通り。
右半身の変身者所有ガイアメモリ
・フリーズ
・グラビティ
・ダーク
左半身の変身者所有ガイアメモリ
・エース
・スピア
・ショット