仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
零「ゴホッゲホッ!!ッ…か、海道っ!?」
大輝「…ん?あぁ何だ、君達か。こんな所で何をしてるんだい?」
零「それはこっちの台詞だっ!!お前こそこんな所で何をやっている!?」
零は涙目になって何度か咳込みながらも目の前で微笑む大輝に何をしているのかと問い掛ける。大輝の今の格好は何処からどう見てもラーメン屋の店員。自分の知り合い……しかもあの大輝がい
きなりこんな格好で現れたら驚きもするだろう。
だが、その原因である大輝は何時もの爽やかな笑みを浮かべたままその問いに答える。
大輝「何をしているって言われてもねぇ…別に此処は俺の店なんだから、そんな可笑しいことはないと思うけど?」
零「……は?お前の…店?」
大輝「そ♪言ってなかったかな?この風麺を建てたの……俺だよ?」
『………え?えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーっっ!!?』
大輝の口から発っせられた予想外の事実に一同は再び驚愕の声を張り上げた。詳しく話しを聞いてみれば、どうやら大輝はある用事でこの世界を通り掛かった際に此処のラーメンを口にしたらしいが、余りのまずさに激怒してしまい、此処のマスターを無理矢理一から徹底的に鍛え上げたというらしい。しかも、ここのラーメン屋も以前の名前から風麺へと変えたのも大輝の意向らしい。
大輝「それからと言うもの売り上げは大繁盛してね♪今では此処とは別の場所に店も出してるよ。因みに、無効化の青年の世界と具現化の少年の世界、firstの世界と智大の世界にクロノスの世界やその他諸々の世界でも店を出してるよ?」
カノン「僕達の世界にまでですか?!」
フェイト「なんていうか…目茶苦茶だね…」
優矢「海道さんあんた……まさかラーメン業界を乗っ取りでもする気かよ?」
大輝「乗っ取り?失敬な…そんなちっこい目的の為にうちはこうして店をやってんじゃないよ。俺が目指すのは、風麺以外のラーメン屋の撲滅だ!!」
俊介「余計に悪いわ?!」
拳にグッと力を込めながら己の野望を告白する大輝にすかさずツッコミを入れてしまう俊介。そんな状況になのは達も苦笑して何とも言えぬような表情をし、ツカサや翔子は気にせずラーメンをお代わりして食べ続けていた。しかし…
―ガシッ―
大輝「…ん?」
零「海道…ちょっとこっちに来い」
屋台に座っていた零が険しい表情でいきなり大輝を無理矢理引っ張って歩き出し、屋台から少し離れた場所にまで来て大輝を放し向き合った。
大輝「何かな?俺は君と話す事なんてないんだけど?」
零「そっちには無くともこっちにはあるんだよ。お前…今度は一体何をする気だ?目的は何だ?」
大輝「目的…?そんな物はないよ。俺はただ風麺の様子を見に来ただけさ」
零「そんな話を信じるとでも思うか?たかだかお前がラーメン屋なんぞの様子見だけでこの世界へ来るハズがない……また盗みが目的か?」
零は笑って話しをはぐらかそうとする大輝に鋭い目付きを向けながら大輝の真の目的を問い質そうとする。そして大輝はそれを聞くと一度溜め息を吐きながら零に背中を向け、今度は先程と打って変わって冷たい表情を浮かべながら零の方へと振り返る。
大輝「……流石に勘だけはいいな?そうさ、俺が此処に来たのは風麺の様子見なんかじゃない……ガイアメモリさ」
零「ッ?!ガイアメモリ…だとっ?」
大輝「そう、ガイアメモリ。それら一つ一つのメモリには、それぞれ星の記憶という力が封じ込められてる。それには普通の人間を怪人に変える力を持ってるけど、俺が欲しいのは裏で流通されてる一般のメモリじゃない。普通の人間が使う事の出来ないガイアメモリ……例えばそう……あそこにいる翔子って子が持ってるメモリみたいなね」
大輝は笑いながらそう言って屋台でラーメンを食べている翔子の方を顎で刺す。それを聞いた零は更に目付きを鋭くさせ、ズイッと大輝に詰め寄る。
零「ふざけるのも大概にしろ…お前は盗みの為ならあんな子にまで手を出すつもりか…?」
大輝「フッ。だから"例え"だって言っているだろう?今はそんな予定はないけど…まあ、目的の物が手に入らなければどうするか分からないけどね?」
零「…そんな事してみろ…そうなったら今度こそお前を此処で倒して行くぞ?」
目的のガイアメモリが手に入らなければ翔子のガイアメモリを奪い取ると告げる大輝に零は怒り、低い口調でそう言いながら懐からディケイドライバーを取り出し大輝の前に見せ付けるように出すが、大輝はそんな零を見ても笑みを浮かべたまま言う。
大輝「君が俺に勝てると思ってるのかい?前の世界で徹底的に負かしてあげたのに……君も案外学習能力がないみたいだね?」
零「ほお…あれだけの戦いでもう勝ったつもりでいるのか?だとしたらお前も脳天気な奴だな。こっちにはまだ奥の手が残ってるんだ…そうなったら今度は負けはしない…」
二人は互いに強烈な殺気を放ちながら自分の変身ツールを構えて睨み合い、今にも変身して激突してしまいそうな一触即発な状態となっていた。そんな時…
優矢「お~い零~!そろそろ行くぞ~!」
翔子「これからまた事件の事について話し合わないといけないんだから!事務所に戻るよ~!」
遠くの方から不意に声が聞こえ、二人がそちらの方に目を向けるといつの間にか会計を終えた優矢達が零が戻ってくるのを待っていた。それを見た零は一度大輝を見ると今まで放っていた殺気を消してディケイドライバーをポケットに仕舞い、そのまま大輝を無視して戻ろうとする零に大輝が最後に告げる。
大輝「一応断っとくけど、俺の邪魔だけはしないでくれよ?無事にお宝をゲット出来たら、風麺のラーメンをサービスしてやるからさ」
零「お断りだな。盗っ人に手を貸して犯罪者になるくらいなら、お前の邪魔でもして警察から感謝状でも貰った方がまだいい…」
邪魔をするなと釘を打ってくる大輝に零はそう応えながら優矢達と合流して風麺から去っていき、それを最後まで見送った大輝はディエンドライバーを仕舞い、今度はゴツゴツとしたディエンドカラーの携帯と一つのメモリースティックを取り出していく。
大輝「…まあ、君の許しなんてなくても勝手にやらせてもらうけどね。でも邪魔されるのは面倒だから監視はさせてもらうよ?」
『STAG!』
大輝は笑みを浮かべたまま自分の手に握られている携帯……『スタッグフォン』に擬似メモリを装填すると、スタッグフォンは変形してクワガタの形をしたメカへと変わり、そのまま零達が去った方向へと飛翔して飛んでいった。そして大輝はそれを確認すると屋台へと戻ってラーメンの仕込みを開始する。そこへ……
―バサッ―
「失礼、ラーメンを四つ頼んでもいいか?」
大輝「へいらっしゃっ……おや?今日は珍しいお客様が良く来るね?今日は何か特別な日だったかな?」
屋台に訪れて来た男女四人組の客。その四人の顔を見た大輝は若干驚いたような表情をし、その内の一人の男性がテーブルに腰を下ろしながら大輝の顔を見て口を開く。
「…お前か?あのディケイド達に付き纏っているディエンドと言うのは?」
大輝「へぇ…俺も意外と有名人になってるんだ?まさかアンタ達にまで知られてるとは思いもしなかったよ」
「それなりにはな…お前の噂は尽きなくて退屈しないぜ?中々面白い話ばかりでこっちも楽しめる」
大輝「そいつは光栄だ……だけど一つ訂正。俺は別に零達に付き纏ってなんていないよ。向こうが勝手にやってくるのさ」
「ほお?そうか、そいつは悪かったな……まあそれはそうと、今日はお前に頼みたいことがあって来た。聞いてくれるか?」
大輝「…頼みたいこと?」
男性の言った言葉に大輝は頭上に疑問符を浮かべ、男性は自分の隣にいる女性にアイコンタクトを送ると女性は何処からか黒いケースを取り出してテーブルの上に置き、ケースを開いていく。その中身は…
大輝「…ッ!?これは……ガイアメモリ?」
そう、その黒いケースの中身には九本のガイアメモリが横一列に並んで入っていたのだ。それを見た大輝は驚愕の表情を浮かべるが、男性はそんな大輝の反応を気にせず話を進める。
「KUUGAからKIVAまでの力が封じられたガイアメモリだ。今回俺達は、お前への依頼の為にコレを用意した」
大輝「…依頼だと?」
「そう、依頼だ…出来ればお前にも手伝ってもらたいんだよ。勿論タダってワケでもない、依頼を引き受けてくれる変わりに報酬としてコイツをお前にやる……どうだ?」
大輝「…………………」
男性からの突然の申し出に驚きながらもケースの中に入ったガイアメモリから目を離さない大輝。そして暫く頭の中でどうするべきかと考えを纏めていくと……
大輝「………いいだろう、アンタからの申し出と言うのも面白そうだ。その依頼とやら、聞かせてもらうか?」
「フッ…そうこなくっちゃ面白くない…」
◆◇◆
―園咲家・テラス―
園咲家。それはこの風都を影から操る園咲ファミリーの拠点と言ってもいい場所。普通の屋敷の五倍ぐらいに大きく、金持ちだからという理由もあってか領地もやはり広々としている。そんな園咲家の屋敷のテラスにあるテーブルで一台パソコンと向き合う女性………園咲家の一員である"園咲霧奈"がパソコンに移る女性……クアットロと何かを話していた。
霧奈「…いきなりこちらの回線に入って来たかと思えば……私を手伝ってくれるですって?」
クアットロ『えぇ♪貴方も知りたいと思ってるんでしょう?あの仮面ライダーの秘密を。だから私達がそれを手伝って差し上げますわ♪』
霧奈「…それは有り難い申し出ね。けど、一体どうすると言うの?あの仮面ライダーはかなりの手練れだわ。それに貴方の情報が確かなら、あの子以外の仮面ライダーがこの世界に来てるかもしれないんでしょう?」
クアットロ『そうなんですよねぇ~。私達もその仮面ライダーの一人に用があるんですけど、他のライダーに邪魔されるのは御免なんですよ…だから、貴方にはこれから話す作戦の通りに動いて欲しいワケ』
霧奈「作戦?」
クアットロの言う作戦とやらに霧奈は疑問そうに首を捻り、クアットロは更に言葉を続ける。
クアットロ『簡単な作戦ですよ♪ただあの仮面ライダー達が行動を起こしてからじゃないといけないんだけど……それでも私と貴方が目的にしてる仮面ライダーに会える可能性は高いですよ?どうします?』
霧奈「……興味あるわね。その作戦とやらを聞かせてくれるかしら、クアットロ?」
クアットロ『喜んで~♪』
作戦の内容を聞いてくる霧奈にクアットロは上機嫌にそう応え、霧奈に自分がプランした作戦の内容を説明していく。そしてその隅では……
??「…………………」
??「…………………」
霧奈とクアットロが話してるテラスの隅には、クアットロが放ったロストの変身者である銀髪の女性と金髪の女性が空に浮かび上がる月を眺めてる。そして金髪の女性の手にはビー玉ほどの大きさをした一つの玉……禍禍しい輝きを放つ黒い玉が握られていたのであった。