仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十章/アギト×とある魔術の禁書目録の世界⑦

 

―警視庁・未確認生命体対策本部―

 

 

 

一時間後、先程の場所から警視庁の未確認対策本部に戻って来た大輝と優矢は、先程の戦闘で起きた経緯を綾瀬と美琴、そして対策本部に残って先の戦闘の様子を映像で見ていたティアナ達に報告していた。

 

 

美琴「スゴイじゃないですか海道さん!あのグロンギを二体も倒すなんて!」

 

 

大輝「まあね…でも、新しい敵には全く敵いませんでした」

 

 

綾瀬「…新しい敵?」

 

 

大輝「えぇ、俺がグロンギを倒した後、グロンギとは全く別の新しい敵が現れたんです。なぁ?桜川君?」

 

 

優矢「は、はい…」

 

 

大輝は先程の戦闘の経緯を綾瀬に報告して優矢に振ると突然話を振られて優矢は一瞬戸惑うも同意を込めて頷いた。そして大輝からの報告を聞いた綾瀬は思わず小声で呟く。

 

 

綾瀬「…アンノウン、ね」

 

 

優矢「…アンノウン?なんですかソレ?」

 

 

綾瀬が呟いたアンノウンという聞き慣れない名に優矢が雪野に問い返すと、綾瀬と美琴は一度顔を見合わせた後それに答える。

 

 

綾瀬「私達はそう呼んでるのよ。未確認生命体との区別をつける為にね…」

 

 

美琴「今までも何度か学園都市で目撃されてはいたんですが…その対象の全ては、学園都市の生徒である能力者達や武器を持った警察とアンチスキル、そしてグロンギだけなんです。だけどそれとは逆に、非武装員や無能力者などが襲われた事は全くといってなくて」

 

 

ヴィータ「って事はつまり…そのアンノウンって奴等は力や武器を持ってる奴は襲うけど、何の力も持たない民間人には手を出さない…って事か?」

 

 

シャマル「…でもそれってどういう事?それじゃまるで……」

 

 

シグナム「あぁ、まるで力のない者を護ってるみたいに思える…と言うんだろう?私達も同じ事を考えていたんだ」

 

 

アギト「だけど、アイツ等滅多に姿を現さないからな…アイツ等に関する資料も全くないから調べるのに結構時間掛かったよ」

 

 

ティアナ「……力ある者を駆除する怪人、アンノウン…その目的って一体……」

 

 

何故アンノウンは力を持たぬ者は襲わず、逆に持つ者を襲うのか。不可解な動きを示すアンノウンの行動が理解出来ず優矢達は怪訝な表情を浮かべるばかりだが、そんな中で綾瀬は険しい表情で口を開いていく。

 

 

綾瀬「…けど、奴等による被害が出ているのは事実よ。学園都市の学生達にこれ以上被害が及ばない為にも、アンノウンへの対抗作も考えているわ」

 

 

大輝「なるほど。つまり、G3-Xの更なるバージョンアップ…という事ですね?」

 

 

アギト「っ?!マ、マジかよ綾瀬刑事…?!」

 

 

綾瀬「……えぇ、本気よ。奴等に対抗する為にもG3-Xのパワーアップは必要不可欠……せめて今現在も出没しているグロンギをすべて倒せる程にはね……」

 

 

シグナム「そんな…ただでさえパワーが問題視されているのに、そんな事をすれば上層部が黙ってはいないぞ!?」

 

 

綾瀬「…それでもやるしかないのよ…奴等を倒す為には…どうしてもね…」

 

 

美琴「………………」

 

 

綾瀬はシグナムやアギトの意見も聞かずG3-Xのパワーアップを行う事を告げると何故か美琴は暗い表情で顔を俯かせてしまい、綾瀬は用件だけを告げると作戦室から出ていってしまった。そして残された一同は口を閉ざしたまま何も語らなくなってしまい、このままこうしていても仕方ないと思い今日の所は解散する事にしたのであった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

そして対策本部で解散してから一時間後、時刻は既に夕刻となり、ロッカールームで着替えを終えた優矢は外で待つティアナ達の下に戻ろうとロッカールームを出ようとしていた。そして優矢がロッカールームの扉前に辿り着いた、その時…

 

 

「…グスッ…うっ……」

 

 

優矢「……ん?」

 

 

近くで少女の泣き声らしき声が聞こえ、優矢はそれに気付くとその声が聞こえたロッカーの一角の方を覗き込む。すると其処には一つのロッカーの前で涙を流しながら俯いている少女……美琴の姿があったのだ。

 

 

優矢(……御坂さん?)

 

 

美琴「っ…何やってんのよアンタは……勝手にいなくなって…綾瀬刑事にも心配掛けて……私だってっ…」

 

 

ロッカーの前で涙を流して俯く美琴を見て優矢は疑問そうに首を傾げ、そのロッカーに書かれている名前に目を向ける。そこには……

 

 

優矢「…上条…当麻?」

 

 

そう、ロッカーに書かれていた名前は零が今守ろうとしているギルスの変身者、上条の名前だった。優矢も零やなのは達から少しだけ話しは聞いていたが、何故上条のロッカーが警視庁ににあり、美琴がその上条のロッカーの前で涙を流しているのか分からなかった。そんな時……

 

 

―ガチャッ―

 

 

優矢「……え?」

 

 

不意にロッカールームの扉が開き優矢はロッカーの陰に隠れて扉の方を見ると、其処から大輝が堂々と姿を現し、大輝はそのまま美琴の前に悠然と立つと妖しい笑みを浮かべる。

 

 

美琴「海道…さん?」

 

 

大輝「…どうやら、大切なものはそこに仕舞ってる様だね♪」

 

 

美琴「…へ?―ドンッ!―キャッ?!」

 

 

何時もと変わらぬ笑みを浮かべながら言い放った大輝の言葉の意味が分からず、美琴は思わず呆然と大輝に聞き返すが、大輝はいきなりロッカーの前から美琴を押し出し上条のロッカーを開いて中を漁り出した。そして大輝は中を調べていると何かを見つけたのか満足げに笑い、それをロッカーから取り出し手に取って眺める。

 

 

美琴「そ、それは…!」

 

 

大輝「やっと見つけたよ…G4チップ♪やっぱり完成してたみたいだね?」

 

 

上条のロッカーから出したG4チップと呼ばれる小さなクリアーケースを手に取り大輝は嬉しそうに笑うが、その様子を見ていた優矢はロッカーの陰から飛び出し美琴の前に立った。

 

 

優矢「海道さん?!貴方何を…!?」

 

 

大輝「フッ…悪いね桜川君?俺はこの辺で抜けさせてもらうよ!」

 

 

―スチャッ、ズガガガガガガガガガガガガァッ!!―

 

 

美琴「なっ?!」

 

 

優矢「ッ?!危ないっ!!」

 

 

優矢に見付かった大輝は笑いながらそう言うと直ぐに冷たい表情へと一変し、ディエンドライバーをいきなり二人に向かって発砲し出した。それを見た優矢は直ぐさま美琴を屈めて銃弾を避けていくが、大輝はその隙にロッカールームから逃げ去っていった。

 

 

 

 

◆◆◇

 

 

 

 

その頃、なのはの手により写真館に運ばれた零は傷の治療を済ませ今はなのは達に看病されソファーで眠っていた。その隣では、ヴィヴィオが零の手を取り包帯だらけとなった零を心配そうに見ている。

 

 

ヴィヴィオ「…パパ…」

 

 

すずか「…大丈夫だよヴィヴィオちゃん。零君はただ眠ってるだけだから、きっとすぐ目を覚ますからね」

 

 

ヴィヴィオ「…うん」

 

 

すずかは不安げに表情を曇らせるヴィヴィオを安心させようと頭を撫で、ヴィヴィオも少しだけ元気を取り戻しすずかに頷き返した。そしてその隣ではなのはが零の額に乗せてあるタオルを取って桶の水に付けると零の額に再び乗せていく。

 

 

フェイト「まだ…目を覚まさないね、零…」

 

 

なのは「うん…でも大丈夫だよ…零君なら絶対大丈夫…心配ないよ」

 

 

なのは(幸)(…信頼してるんだね…こっちの私は彼の事を…)

 

 

幸村(あぁ、それがコイツ等の…零達の強さでもあるからな…)

 

 

ソファーで眠る零の手を強く握り、零が目覚めるのを待つなのは達を見てふとそう思う幸村となのは(幸)。そんな時……

 

 

零「………ッ…うっ…」

 

 

ヴィヴィオ「…ッ!パパ!」

 

 

なのは「零君!目が覚めた!?」

 

 

気を失っていた零が漸く意識を取り戻し、額を抑えながら起き上がって辺りを見回していく。そしてそれを見たなのは達も安心したというような表情になりホッと一息吐いていた。

 

 

零「っ……俺は……そうか……あの時……」

 

 

フェイト「う、うん…気分はどう?何処か痛まない?」

 

 

零「……あぁ、特に問題はない……だが、また心配掛けたみたいだな……すまない」

 

 

すずか「い、いいよ謝らなくても!零君が無事だっただけで十分だから…」

 

 

頭を下げて謝罪する零を見てすずかは慌ててそう答えると零は小さく頷き返してなのは達から視線を外し、何かを探すかのように辺りを見回し始める。

 

 

零「…?そういえば…インデックスはどうした?姿が見えないようだが?」

 

 

なのは「え?あ…そ、それが…その…」

 

 

零「……?」

 

 

インデックスの姿が見当たらない事に気付きなのは達に問い掛ける零だが、その質問を受けたなのは達は急に黙り込んでしまい気まずそうに顔を俯かせてしまう。そんななのは達の様子を見た零は更に訝しげに眉を寄せて首を傾げていると、その様子を見兼ねた幸村が代わり答える。

 

 

幸村「…インデックスは今此処にいない…というよりは、また行方不明になっているといった方が正しいか」

 

 

零「…ッ?!行方不明だと?!どういう事だ…?!」

 

 

幸村「…俺達が上条当麻を追跡する為インデックスをなのは達に任せた後、インデックスは写真館に戻ろうとした最中突然いなくなったそうだ。恐らく上条当麻を探しに向かったのだと思うが……アイツを探しに向かったスバルとギンガ、ナンバーズの連中から一度も連絡が来てない辺り、まだ見付かっていないんだろう」

 

 

零「っ……そうか…なら、インデックスの事はスバル達に任せるしかないな…」

 

 

今の現状を説明する幸村の言葉を聞いて零は顔を俯かせるがすぐに決心した様な表情へと変わり、ソファーから立ち上がって若干ふらつきながら部屋から出て行こうとする。

 

 

なのは「ちょ、ちょっと待って!何処に行くの?!」

 

 

零「……行かなくちゃいけない……アイツを……守らないとっ……」

 

 

『…ッ?!』

 

 

上条を守られなければいけない。零のその言葉になのは達は驚愕し呆然としてしまうが、すぐに正気に戻ったフェイトは零の目の前に立ち部屋から出ていこうとするのを止めた。

 

 

零「…フェイト…そこをどいてくれ…」

 

 

フェイト「出来ないよっ!そんなボロボロになってるのに、なんでそこまでしてあの人を守ろうとするの?!お願いだからっ…これ以上無茶しないで!」

 

 

零「………………」

 

 

零の言葉も聞かず、フェイトは悲痛な表情を浮かべて上条の下へ向かおうとする零を止めようとする。それもその筈、零はあの上条のせいで危うく死に掛け更にはこんな怪我まで負わされてしまったのだ。また上条の下に行けば、今度はこれぐらいでは済まないかもしれない…フェイトはそれが心配でならないのだ。

 

 

零はそんなフェイトを見て仕方ないといった表情を浮かべると、ポケットから一通の破れた手紙……あの上条宛ての手紙を取り出しフェイトに見せ、なのは達はそれを見て疑問を浮かべながらも横からそれを覗き込み、その手紙の差出人の名前が書かれた所を見た。其処に書かれていた名前は……

 

 

なのは「…ッ?!この手紙の差出人…綾瀬刑事?!」

 

 

すずか「…これって一体…どういう事?」

 

 

そう、その手紙の差出人の名は未確認生命体対策本部の刑事であり、優矢が今守ろうとしている綾瀬だったのだ。

 

 

一体何故、綾瀬は上条に宛てて手紙を送ったのか?綾瀬と上条…この二人に一体何の関係があるというのか?それが理解出来ないなのは達は困惑するばかりだが、その真実を知る為に意を決し、その手紙を開いたのであった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

丁度その頃、警視庁の地下駐車場ではG4チップを手に入れた大輝がソレを手にして子供のように笑いながらチップを眺め、大輝を追ってきた優矢はそんな大輝を睨みながら身構えていた。

 

 

大輝「やはり素晴らしい!このG4チップは人間の脳の神経と肉体をダイレクトリンクさせる、まさに最高のお宝だ!」

 

 

優矢「お宝…?海道さん、貴方は一体…!?」

 

 

大輝「ん…?零から聞いて無いのかい?俺が興味あるのは、世界に眠るお宝だけなのさ」

 

 

優矢の質問に対し大輝は相変わらずといった感じで笑いながら答え、それを聞いた優矢は大輝の目的が最初からあのG4チップだけなんだと理解し、大輝を睨む目を更に鋭くさせていく。

 

 

優矢「返せ…それは姐さん達の物だ!」

 

 

大輝「…はぁ…君は何か大きな勘違いをしてるんじゃないのかい?あの人は君の姐さんなんかじゃない…別世界の住人なんだよ?」

 

 

優矢「…そんなの関係ない。俺はただ、姐さんの悲しむ顔を二度と見たくないだけだ!」

 

 

優矢は力強く叫びながらクウガに変身しようと構えるが、それよりも早く大輝がディエンドライバーの銃口を優矢の顔に向けた。

 

 

大輝「俺の旅の行き先は、俺自身が決める」

 

 

優矢「…旅の…行き先?」

 

 

大輝「君の旅は此処で終わりのようだけど、俺は違う。ソレを君に邪魔される筋合いなんてない」

 

 

大輝は先程までの感じとは違い冷たい表情でディエンドライバーを優矢の目の前に突きつけ、変身を封じられた優矢は額から汗を伝わせながら鋭い視線で大輝を睨む。そんな状態が暫く続いていた、その時……

 

 

―バキュゥンッ!バキュゥンッ!バチィィィッ!―

 

 

『ッ?!』

 

 

突如優矢と大輝の間に数発の銃弾と青白い雷撃が放たれ、二人は思わず互いから離れて距離を離した。そしてその銃弾が撃たれてきた方には、いつの間にか銃を構えた綾瀬とティアナと、前髪から肩へと青白い火花を飛び散らせ大輝を睨み付ける美琴の姿があった。

 

 

美琴「さっきは良くもやってくれたわねぇ?この盗っ人!!」

 

 

ティアナ「零さんから話は聞いてはいたけど、まさかホントにそんな人だったなんてね……幻滅しましたよ、大輝さん!」

 

 

大輝「チッ!もう追い付いて来たのか…!」

 

 

銃を構える綾瀬とティアナ、そして今にも超電磁砲を撃ってきそうな勢いを見せる美琴を見て自分に分が悪いと判断したのか、大輝は直ぐさまディエンドライバーを仕舞いその場から逃げようと走り出す。だが…

 

 

優矢「待ちやがれ!」

 

 

―ガバァッ!―

 

 

大輝「うぉッ?!」

 

 

―ガシャンッ!―

 

 

逃げようとする大輝に優矢は直ぐさま背後から飛び掛かって態勢を崩させ、その拍子で大輝は手に持っていたG4チップを地面に落としてしまい、それを見た綾瀬は瞬時にG4チップに狙いを定めた。

 

 

―ズキュゥンッ!パリィンッ!―

 

 

大輝「…ッ!?お、俺のお宝が…!」

 

 

綾瀬はG4チップに目掛けて銃弾を発砲しチップを粉々に砕いてしまい、粉々に砕けたG4チップを見て大輝は悔しそうな表情を浮かべるが、綾瀬は今度は大輝に銃を向け淡々と告げる。

 

 

綾瀬「勘違いしないでくれる?それは貴方のモノなんかじゃないわ」

 

 

大輝「クッ!ホントに困った人だな…大切な物の価値が分からないなんて…」

 

 

美琴「うっさいわよ!いいからさっさと消えなさい!さもないと…!」

 

 

悔しげに毒づく大輝に美琴は怒りの表情を浮かべながら前髪から火花を散らして警告し、それを見た大輝は舌打ちしながらその場から逃げるように去っていった。

 

 

ティアナ「優矢さん!大丈夫でしたか?!」

 

 

優矢「あ、あぁ、なんとか…だけど、なんで皆が此処に…?」

 

 

美琴「私が綾瀬刑事達に知らせたんですよ。あの人がG4チップを勝手に持ち出して、桜川さんがそれを追っていったって…」

 

 

優矢からの問い掛けに美琴はそう答えると綾瀬の方へ顔を向け、綾瀬はそれに頷きながら優矢の下に近づいていく。

 

 

優矢「…だけどすみません…俺がもっと早く捕まえてれば…G4チップを…」

 

 

綾瀬「…いいのよ。あれは、本当に大切なものを守る為に作ったんだから…でも…」

 

 

優矢「……でも?」

 

 

言葉を放つ途中で言い淀んでしまった綾瀬に優矢は思わず聞き返すが、綾瀬は何も答えないで歩き出し警視庁の中へと戻ってしまい、美琴も去っていく綾瀬から優矢達に一度視線を向けるとすぐに綾瀬の後を追ってその場から去っていった。そしてその影では……

 

 

大輝「――G4チップより、大切なものだって?」

 

 

先程逃げ去ったと思われた大輝が駐車場の柱の影から今の会話を盗み聞き、何やら嬉しそうに笑いながら今度こそ外へと出ていったのであった。

 

 

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