仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
翌日……
当麻「ハァ…ハァ…!」
昨日からずっとアンノウン達から逃げ続けていた上条は人気のない場所を走り、何処か隠れられる場所はないかと辺りを見回しながら先を進んでいた。だが、一つの建物の屋上からその様子を見ていたバッファローロードは杖の矛先を上条に向け光の十字架による攻撃を放つ。その時……
零「危ないっ!!」
―ガバァッ!―
当麻「な…ッ?!」
―ドゴオォォォォォォォォォォォォォォンッ!!―
バッファローロードの攻撃が目前まで迫った瞬間零となのは、幸村となのは(幸)が現れ上条と共にその場から飛び退きバッファローロードの攻撃をかわしたのだ。そして零達は攻撃を免れた後、上条を連れて近くの建物の中に身を隠した。
当麻「…何故だ…何故其処までして俺を守る?!」
幸村「…言った筈だろう?お前は俺達が守ると…それに…」
零「お前が死ねば…インデックスや綾瀬達が悲しむ…」
当麻「…ッ!?」
零から聞かされた綾瀬の名を聞いた瞬間、上条は目を見開き驚愕の表情を浮かべた。インデックスの事はともかく何故零達が綾瀬達の事まで知ってるのか?何故零達は自分達の身を危険に曝してまで赤の他人である自分を守ろうとするのか?それが理解出来ない上条はただ困惑するばかりであった。
◇◆◇
一方その頃、警視庁の入口付近では優矢とティアナ、そしてヴィータとシャマルが対策本部に出社しようとバイクを押しながら中に入ろうとしていた。だが……
フェイト「ハァ…ハァ……優矢!」
優矢「え?…フェイトさん?」
入口付近の近くにあった地下鉄への階段からフェイトが走って現れ、優矢はフェイトに気付いて疑問の声を漏らしているとフェイトは優矢に向かって慌てた様子で話し始めた。
フェイト「優矢、お願い!零達を助けてあげて!」
優矢「え?零をって…っていうかアイツどうしちゃったんですか?急に化物みたいな奴を守るとか言い出して…」
フェイト「…化物じゃない。彼は上条当麻…G3の最初の装着員であり、綾瀬刑事達にとって大切な人だったんだよ」
『…なッ?!』
フェイトから話された事実に一同は驚愕してしまう。上条の名前だけなら聞いていた優矢も上条が警視庁と何らかの関係があるのではと予想していたが、まさか上条がG3の装着員だったとは予想もしていなかったのだ。そしてフェイトはポケットからあの破れた手紙を取り出すと、それを優矢へと渡して見せた。その手紙には……
―上条君へ
貴方が私達の前から消えてしまってから、数ヶ月が経ちました。もしかしたら、前の家に戻って来ることがあるかもしれないと期待しこの手紙を出します。私達にだって、貴方を守る事は出来ます!G3をより強化したG3-Xなら、あの怪物達とも対等に戦う事が出来る筈です!どうか…どうかもう一度帰って来て下さい!私にも美琴さんにも…貴方が必要です!
綾瀬翔子―
優矢「…………これが……姐さんの達……願い……」
その手紙に書かれていた事…綾瀬や美琴が上条を守りたいという気持ち、そして上条に帰って来てほしいという強い願いが込められた言葉が綴られたモノであった。それを見た優矢は手紙をゆっくりと閉じ、そして何かを決意したかのような真剣な目付きで対策本部へと向かっていった。
―警視庁・未確認生命体対策本部―
そして対策本部へとやって来た優矢は部屋に入ってすぐにG3-Xのアーマーを手に取っていき、それを見ていた綾瀬と美琴は一瞬驚きながらも慌てて優矢に呼び掛けた。
綾瀬「ま、待ちなさい桜川君!出撃命令は出して「…連れてきます」…え…?」
優矢「…俺が連れてきます。G3-Xの…本当の装着者を…」
決意の込められた目付きで二人にそう告げると優矢はアーマーを装着し始め、それを聞いた綾瀬と美琴はただ呆然とした表情で立ち尽くしているしか出来ないでいた。
◇◆◇
その頃、零達と上条はアンノウン達からの攻撃を逃れつつアンノウンからの追跡をやり過ごそうと建物の中に隠れていた。ずっとアンノウンから逃げて続けていたせいか一同は息絶え絶えといった感じに呼吸をし、特に幸村はアンノウンからの攻撃に対し能力をかなり使ったせいか一人その場でしゃがみ込み、なのは(幸)に支えられている。そんな時、今まで口を閉じていた上条がポツリと喋り出した。
当麻「…一年と少し前…俺と御坂と綾瀬班長は、G3の完成を間近にしていた。だがそんなある日、俺の身体に異変が起きた…俺の中で不思議な力が目覚めたんだ…」
上条はこれまで自分の身に起きた出来事を零達に告白していく。ある日突然ギルスの力が覚醒し、アンノウンから狙われるようになってしまった事、そして綾瀬や美琴、インデックスを巻き込まない為に彼女達の前から姿を消した事を……
当麻「…怖かったんだよ…俺のせいで、関係のない誰かが傷付いてしまう事が…だから俺は逃げ出してしまった……なのにアイツは、インデックスは俺を探し続けた…そのせいで、アイツまで危険に曝しちまったんだ…」
『……………』
上条は壁に額を当てながら後悔するかのように唇を噛み締め、上条の話を聞いた零達は何も言わず、ただ全てを知って納得したかのような表情で上条を見つめていた。だがその時……
―バッ!―
『キシャアァッ!!』
当麻「ッ?!―ドゴォッ!―ガッ?!」
なのは(幸)「ッ?!上条君ッ!?」
零「クッ?!もう此処が見付かったのか?!」
突如建物の奥からアンノウン達が飛び出して上条へと殴り掛かって吹っ飛ばし、上条はその拍子に零から奪ったディケイドライバーとライドブッカーを地面に落とした。そして更に奥からバッファローロードが現れ上条に杖を向けながら近づき、零達は上条を守ろうと戦闘態勢に入っていくが…
当麻「クッ…今の内に早く逃げろ!グアァァァァァァァァァァアッ!!」
上条は直ぐさま零達の前に立つと吠えるように叫びながらギルスへと変身し、バッファローロード達へと殴り掛かってそのまま何処かへと消えていった。そしてそれとはすれ違いにG3-Xを装着した優矢がバイクに乗ってサイレンを鳴らしながら零達の元へとやって来た。
零「…よぉ、やっと見つけた居場所の居心地はどうだ?気に入っただろう?」
なのは「れ、零君!そんな言い方…!」
少し皮肉げに言う零になのはが横から止めに入るが、優矢は何も答えずマスクを外して静かに呟く。
優矢「…手紙を見た。上条当麻が…綾瀬さんや御坂さんにとってどういう人なのか…」
零「…そうか…」
優矢「……でも、どうしてお前があの人を守るんだ?お前は何も関係ない筈じゃ…」
優矢は疑問の表情を浮かべながらそう問い掛けるが、そう思うのも無理はない。確かに上条は綾瀬達にとって大事な人だが、無関係な筈の零が何故そんなにボロボロになってまで上条を守ろうとするのか?その問いに対し零は顔を反らしながら答えた。
零「……どこぞの人食いシスターがアイツに会いたがっていたから仕方なくだ…それにアイツが死ねば、そのシスターも御坂美琴も…綾瀬も笑顔を失う…綾瀬の笑顔を守るのが…お前の望みじゃなかったのか?」
優矢「え……?じ、じゃあまさか……俺の為に…?」
優矢は零が上条を守ろうとした理由を聞いて唖然としてしまうが、そんな優矢の反応を見た零はバツが悪そうに舌打ちしながら優矢の肩を叩いた。
零「ほら、ボヤッとしてないでさっさと行け!アンノウンがアイツを追ってるんだ!」
優矢「え?あ、あぁ……」
零は照れを隠す様に優矢に怒鳴ってに先を急ぐように促し、優矢もそれに戸惑いながらマスクを再び装着しギルスを追いかけるようにバイクを発進させていった。
零「…ホントに何やってんだろうな…俺は…」
幸村「お前も意外と素直じゃないんだな?」
なのは(幸)「そうだね、私的にはもっと素直になっていいと思うけどなぁ♪」
零「……俺はいつでも素直に生きてるつもりだが?」
幸村となのはの言葉に対し零は不満げに答える。なのははそんな零の態度に苦笑すると地面に落ちたディケイドライバーとライドブッカーを拾い、零に差し出した。
なのは「それじゃ、私達も早く行こう?優矢君が今度こそ……綾瀬さんの笑顔を守れるように」
なのはは力強く零にそう呼び掛けると、幸村となのは(幸)も同意するように頷き、零はライドブッカーからシルエットだけのアギトのカードを取り出し、なのは達に向けて小さく頷いた。
零「あぁ。あの馬鹿の願いを手助け出来るのは…俺達しかいないからな」
零は苦笑しながらアギトのカードを仕舞うと、なのは達と共にギルスとG3-X…上条と優矢を追いかけ、その場から駆け出したのであった。