仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
ディエンドのディメンジョンシュートによってビルから落とされてしまった電王。だが、頑丈なアーマーを身に纏っていた為か奇跡的に無事であった。そして、ビルの上にいたディエンドもその後を追いかけビルの下へと降りてきた。
ディエンド『…どうかな?そろそろ俺の物になる気になった?』
電王『グッ…誰がなるかッ!!』
電王は地面に倒れたままディエンドに足払いを掛けディエンドへと反撃しようとするが、ディエンドの攻撃とビルからの落下せいで力を思うように発揮する事が出来ず意図もたやすくディエンドにかわされてしまう。
ディエンド『ふぅ……仕方ない。今日は何だか機嫌が悪いみようだし、一旦引き上げるとしよう』
電王『ッ?!逃がすよこの野郎ォッ!』
何処かへ去ろうとするディエンドを止めようと電王は体中に走る痛みにも構わず立ち上がってディエンドへと突進していき、それを見たディエンドは仕方ないといった感じに溜め息を吐きながらディエンドライバーの銃口を電王の足元に向け動きを止めようする。しかし…
―………カランッ…ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァアァンッ!!!―
電王『なっ…?!ぐわあぁッ!!?』
ディエンド『ッ?!』
突然何処からか電王とディエンドの間にボールのようなモノが投げ込まれいきなり爆発を起こし、ボールの近くにいた電王はその爆発に巻き込まれ吹っ飛んでしまい、ディエンドも突然の出来事に困惑と驚愕の表情を浮かべた。そして爆発から発生した爆煙が晴れていくと、先程ボールが爆発した場所に一人の異形…先程鳴滝と一緒にいたクラウンが悠然とした様子でそこに立っていた。
電王『ぐぅ……ッ?!な、なんだてめぇは!?』
クラウン『フフフ…駄目ではないですか電王氏?その身体は貴方のモノではない…下手に無茶などしてしまえば、その身体の持ち主は壊れてしまいますよ?』
電王『ッ!んだと…?!』
突然現れたクラウンの言葉に電王は驚愕の表情を浮かべながらフラフラと身体を起こしていき、クラウンはそんな電王に背を向けディエンドと向き合っていく。
クラウン『こうして会うのは始めましてですね、海道大輝氏?』
ディエンド『…誰かな君は?俺は君みたいな奴に名を名乗った覚えはないけど?』
クラウン『あぁ、いきなり失礼しました……私の名はクラウン。firstの世界のショッカーに造られたダークライダーです。以後お見知りおきを…』
ディエンド『firstの世界のダークライダー?…そのライダー君が、一体何の用かな?』
警戒するディエンドに対しクラウンは紳士的な態度で名を名乗りながら頭を少し下げていくが、ディエンドは一切警戒を解かずにクラウンにそう問い掛けると、クラウンは頭を上げながらそれに答えていく。
クラウン『いえいえ、特に大した用事ではありませんよ。ただ私の名を貴方にも覚えてもらおうと思い、こうして挨拶に訪れただけですからね』
ディエンド『挨拶…?』
クラウン『えぇ…私は人を観察するのが楽しみでしてね?零氏と同様に、貴方にも興味があるのですよ……特に、貴方がこうしてお宝集めに没頭する訳である……"兄"の事とか……』
ディエンド『ッ!!?』
怪しげに微笑むクラウンが放った言葉にディエンドは驚愕の表情を浮かべて動揺し、ディエンドのその反応を見たクラウンは仮面越しに満足げに微笑みながら話を続ける。
クラウン『貴方の事は良く知ってますよ……ホントに可哀相な方だ……正しいと思いずっと信じ続けていたモノから裏切られ…挙げ句の果てにはそのせいで大切な人まで失ってしまった……本当に気の毒な―――』
―フッ………ドガシャアァッ!!!―
クラウン『ッ?!ガッ?!』
クラウンが最後に何かを言いかけたその瞬間、なんと突然目の前にいた筈のディエンドが一瞬でクラウンの目の前に現れ、クラウンの顔面を思いっきり投げつけていった。突然の攻撃にクラウンは後ろへと倒れるように吹っ飛ばされるが、ディエンドは関係無いと言わんばかりにクラウンの強化スーツの襟を握り締め、全力で殴り続ける。
―ドゴォンッ!!!ドゴォンッ!!!バギャアバギャアバギャアァッ!!!!―
クラウン『ガハッ!?』
ディエンド『死ね…道化師風情が…』
―ズガガガガガガガガガガガガガガガガァッ!!!!ドグオォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―
クラウンを殴り続けていたディエンドはクラウンの襟から手を放すと、今度は手に持っていたディエンドライバーをクラウンの腹部に押し当て容赦なく銃弾を放ち続けていく。そしてクラウンは銃弾に吹き飛ばされビルの壁に激突していき、それを確認したディエンドはクラウンにトドメを刺そうとホルダーからカードを取り出そうとする。が……
『――――成る程、それが貴方の本当の力…という訳ですか』
『…ッ?!』
ディエンドと電王の背後から聞こえてくるはずのない声が聞こえ、二人は背後に振り返ってその声が聞こえてきた方を見ると、そこにはディエンドの攻撃を受け吹っ飛ばされたハズのクラウンが無傷の状態で電柱の上に立っていた。
電王『なっ?!ど、どうなってんだ…オメェさっきこいつにやられてただろうが?!』
クラウン『フフッ…そんなに驚く程の事ではありませんよ。私はこう見えて手品が得意でしてね…ちょっとしたマジックを使っただけです』
電王『マジック…?』
クラウンがそう言うと電王は先程クラウンが吹き飛んだビルの壁に視線を向ける。そこには、半壊したビルの壁に埋もれるクラウンに似た人形があった。
クラウン『ですが今の攻撃は本当に危なかったですよ…もしも私があれを受けていたら、冗談抜きで致命的なダメージを受けていたでしょうね。しかもあれでまだ一割だけの力と言うのだから、尚の事恐ろしい……フフフフ』
ディエンド『っ…お前ッ!』
紳士的な態度でありながら何処か挑発的に見えるクラウンを見てディエンドは険しい表情でディエンドライバーを構え、今度こそクラウンを仕留めようと引き金に手を掛けた。その時……
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!?またかアテナァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!?」
『……ッ?!』
上空から聞こえてきた悲痛に似た悲鳴。その声はその場にいた全員の耳に届き、ディエンド達がソレの聞こえてきた上空へと顔を上げると……
稟「どいてくれえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!!?」
電王『な、何だありゃ?!』
ディエンド『あれは…具現化の少年?』
―ドガシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!―
いきなり空から降ってきた少年…稟を見た一同が呆然としている間に稟は地上へと落下し、そのままコンクリートの地面に向かって叩き付けられ巨大なクレーターを作り上げていった。
いきなりの事態にディエンドも電王も後がついていけないといった状態になりながらピクリとも動かず地面に倒れる稟を見るが、クラウンは一人仮面越しに微笑みながら落下してきた稟を見つめていた。
クラウン『おやおや、また新たな来訪者がこの世界へ訪れてくれたようですね?フフフ…これはまた楽しみが一つ増えましたよ』
ディエンド『…これも君の仕業か?』
クラウン『いえいえ。彼はどうやら自分からこの世界へとやってきたようです。私は何も余計な事はしていませんよ』
クレーターの中で倒れ込む稟を顎で指しながら問い掛けるディエンドにクラウンは両手を広げながら首を左右に振って否定する。そしてクラウンはおもむろに数枚のトランプを取り出し、それを手の中で上手く切りながら口を開く。
クラウン『それでは…挨拶はこのくらいにして、私はそろそろこの辺で失礼させて頂きます。また次のステージでお会いしましょう、大輝氏、電王氏……トランプフェイド!』
クラウンはそう言いながら取り出したトランプを空に投げ出すとトランプはクラウンの身体を包むかのようにクラウンの周りを舞う。そして一度クラウンの姿がトランプに隠れてトランプが全て地に落ちていくと、そこには既にクラウンの姿は無くなっていた。
ディエンド『チッ!逃がすか…!』
電王『なっ…お、おい待ちやがれ?!』
ディエンド『……今は君を見逃すけど、俺がまた来る時まで良く考えときなよ?今の君は実体の無い、何者でもないって事をね』
電王『ッ?!なんだとテメェ…!!』
ディエンドは逃げ去ったクラウンの後を追って電王の下から去っていき、電王もそれを追いかけようとするがダメージが響いて身体の自由が利かず、ディエンドを逃してしまった。そしてディエンドを逃してしまった電王は苛つきながら変身を解き、I優矢へと戻ってクレーターの中で倒れる稟に駆け寄っていく。
I優矢『おい!おい坊主!しっかりしろ!おい!』
稟「…………」
倒れる稟の身体を抱えて呼び掛けるI優矢だが、当たり所が悪かったのかどうやら気絶してるようだ。取りあえずこのまま放っておくワケにもいかないと思い、I優矢は小さく舌打ちしながら稟を抱えて近くのベンチに寝かせ、此処から見える街の景色を険しげに見つめる。
I優矢『クソッ…なんなんだよ一体……どうやったら戻るんだよ……俺は……俺は何処だァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』
I優矢は腹の底から声を出して力の限り叫ぶが、それに答えてくれる者は何処にもおらず、I優矢の叫び声はただ虚しく街中に響くだけであった。
◆◇◆
一方その頃、電王との戦いを終えデンライナーに乗車した零達は各自テーブルに着きながら奇抜な格好をした女性、ナオミからコーヒーを貰って休憩していた。だがナオミの出したコーヒーはどれもグロテスクな見た目をしており、なのは達は誰一人としてコーヒーには手を付けておらず、零に至ってはさりげなくなのはの方にコーヒーを移動させていた。
リィル「……と、一応此処までなんですが、大体の事は分かって頂けましたか?」
スバル「あー…え~っと…まあ大体の事は…」
零「いや、良く分かった…あっちのオッサンが、デンライナーのオーナー。それと客室乗務員のナオミちゃん。そしてなのはに憑いてくれたこのイマジン達を纏めているのがお前、フェリ・ロス。そして、はやてとリインは以前あの時の砂漠とかいう場所で倒れていた所を偶然見つけてお前達が保護した……だろ?」
まだ現状がよく呑み込めていないなのは達とは別に、事情を把握した零はそう言いながら周りにいるメンバーの写真をカメラに納めていく。だが何故かその写真にオーナーが入ってくるが、零はそれを綺麗にスルーしながらメンバーの写真を撮り続ける。
なのは「でも、どうして二人はあんな砂漠で倒れてたの?」
はやて「ん~……それが、私等にもよくわからへんのや……気が付いたらあそこに倒れてて、また目を覚ました時にはいつの間にかデンライナーの中に……」
オーナー「…彼女達はこの世界のじゅぅにんではありませんからねぇ~。彼女達を知る人間はこの世界にはそぉんざいしない…だからお二人はあそこにいたのでしょうねぇ?」
すずか「え?それって……どういう意味ですか?」
意味深な言葉を口にするオーナーにすずかが思わず聞き返すと、オーナーは表情を変えずに再び語り出す。
オーナー「我々電王の世界では、じかぁんときぉくが人の存在を成り立てていますからねぇ~。この世界の誰の記憶にもいない彼女達は一時的ではありましたが、この世界から弾き出され、あの砂漠に倒れていたのでしょう」
零「…一時的?」
オーナー「ええ、一時的にこの世界から弾き出されてしまった彼女達ですがぁ、彼女達との記憶を持つ君達がこの世界に訪れたことによりぃ、彼女達はこの世界での"時間"を手に入れた…といった所です」
炒飯を食べながら言い放つオーナーの説明になのは達は分かったような分からないような微妙な表情を浮かべ、零は大体分かったような表情を浮かべながら撮影を続けていく。そして零はカメラで撮影していると、近くにいたイマジン…ウラタロス、キンタロス、リュウタロスに視線を向け目を細めてた。
零「それはそうと、さっきはよくもやってくれたじゃないか?お前等のおかげでこっちは仲間にまで殴られるわ、お前達には撃たれるわ斬られるわで散々な目に合ったぞ」
ウラタロス『ああ、それについては謝るよ。だけど、君だって話し合いもなしに僕達と戦ったでしょ?ならそれでおあいこだよね♪』
零「全く詫びれた様子も無しか?随分と自分勝手というか…ああ、そんなんだから俺にボロ負けしたんだろうな?」
キンタロス『んん?それはちょっと納得いかへんな?言うなればせいぜい、五分五分と言ったところやろ』
リュウタロス『そうそう!でももう一度やれば絶対に僕達が勝つよ!やる?』
零「ほぉ?随分と面白い冗談じゃないか…」
フェイト「だ、駄目だよ零!こんなところでやったら電車が壊れちゃう!」
全く悪そびれた感じもなく挑発してくるタローズ達に、零も対峙しようと一歩前に出ていこうとする。だが……
リィル「いい加減にして下さい!時間が歪んでしまった原因はディケイドのせいではなかったのに、それを貴方達はなのはさんに憑いた挙げ句黒月さんを襲ったりして…!」
ウラタロス『い、いやでもねフェリちゃん?―ゲシッ!―ノウッ?!』
フェリ「言い訳なんて聞きません!ちょっと外に出て反省でもしていなさい!」
フェリは全く謝る様子を見せないタローズ達に怒鳴りながらウラタロスのスネを蹴り、タローズ全員を纏めて押し出し乗客室から追い出そうとする。しかし……
ナオミ「あ、でもフェリさん?そっちは今写真館になってますよぉ?」
『…………へ?』
作業をしていたナオミから聞かされた言葉に、フェリだけでなく零達も一瞬唖然としてしまう。そしてすぐ立ち直った零達はすぐさまその隣の車両に繋がる扉を開けて奥を見ると……
栄次郎「――おぉ!ちょうど良かった零君!ホラホラ!いきなり景色が歪んだかと思ったら列車の中に移動しちゃったみたいだよ!いいねいいねぇ~♪」
宗介「そら、革命!」
光「えぇっ!?」
ヴィータ「何っ!?」
アギト「マ、マジか!?」
海人「何だってっ!?」
慧「何でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
シグナム「そう来るか……ならこれでどうだ?」
シグナム(宗)「ほお?中々良い手を使ってきたな…」
シャマル「えーっと、次はコレを鍋に…」
紫苑「ちょ?!シャマルさんそこは違いますって!?それじゃ甘くなっちゃいますよ!?」
ザフィーラ「…もう手遅れのようだぞ」
零「………何だコレ……」
ナオミ「なんか、気が付いたらいつの間にかオープンしてたんですよね~♪で、さっき宗介ちゃん達に事情聴取しに行ってもらったんですけど…すっかり居着いちゃったみたいです♪」
なのは「そ…宗介ちゃん達って…」
はやて「シ、シグナム!ヴィータ!シャマル!ザフィーラ!」
シャマル「え?……は、はやてちゃん?!」
シグナム「ッ?!あ、主はやて?!」
ザフィーラ「主?!」
ヴィータ「は、はやて!それにリインも?!」
隣の車両に出来た写真館…それは先程消えてしまった筈の零達の居場所、光写真館だったのだ。突然の消滅に先程まで心配していたのに、クマのぬいぐるみを抱きながら窓の外を見てはしゃぐ栄次郎や何故かトランプや将棋、料理などをしてくつろいでいる宗介達を見て零は思わず溜め息を吐きながら頭を抱えてしまい、それを他所にはやて達は守護騎士達との再開に喜んでいた。