仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十一章/電王×鋼毅のレギオスの世界⑤

 

 

そして数十分後、漸く落ち着きを取り戻した一同はオーナーを除いたデンライナーメンバーと共に写真館の部屋に場所を移し、なのは達はフェリからこれまでの経緯を、零は宗介達から話を聞いていた。

 

 

零「――つまり、お前達はこっちに転移して来る時にいきなり変なライダーに襲われてしまい、そのせいで間違って別の世界へと転移してしまった。それで漸くこの世界に着いて俺達の写真館を探そうとした矢先、デンライナーが現れて成り行きで乗る事になった……って事か?」

 

 

宗介「まあ、大体はそんな感じだな」

 

 

零「成る程……だが、何でお前達がデンライナーに乗れたんだ?確かこれに乗るにはパスかチケットが必要だったハズだが…」

 

 

海人「それはほら、慧の奴が持ってるだろ?シャイニングに変身する時に使ってるアレ」

 

 

零「……あぁ、そういう事か」

 

 

海人の説明に出たアレという言葉に納得して頷く零。確か慧の変身するライダーシャイニングは変身時に零の持つのと同じパスを使っていた筈だ。恐らく彼等がデンライナーに乗れたのはソレがあったのお陰なのだろう。零はそう考えながらカメラの手入れをしていると、奥のキッチンの方からエプロンを身につけた紫苑が零達の下へやってきた。

 

 

紫苑「あ、あのー…ちょっといいですか?」

 

 

零「…ん?お前は…?」

 

 

紫苑「あっ、始めまして、僕は風間紫苑といいます、それであっちにいるのが僕の仲間である光。零さんと同じくライダーの世界を旅しています」

 

 

零「ライダーの世界を…?じゃあ、お前もディケイドなのか?」

 

 

紫苑「はい、零さんの事は宗介さん達から聞いています。零さんも自分達の世界を救うために旅をしているって」

 

 

海人「紫苑とは、俺達が別世界に飛ばされた時に知り合ってな。だけどその時にまたあのピエロライダーに襲われて一緒にこっちに飛ばされちまったんだよ」

 

 

零「そういう事か……なら悪いが、元の世界に帰るのはもう少し辛抱してくれ。今はちょっとそれどころじゃないらしいからな…」

 

 

零はそう言いながら紫苑達から視線を外し、テーブルの方でフェリから今までの経緯を聞いているなのは達へと視線を移した。

 

 

なのは「…話を纏めると、建物や人が消えたのは過去が変えられたからってことだよね?イマジンが過去で暴れているから」

 

 

フェリ「えぇ…数日前からイマジンのボスみたいなのが現れて、仲間のイマジンを過去に送り込んでいるみたいなんです」

 

 

零「…成る程な。それってつまり、イマジン達も時を越える列車とやらを持ってるって事か?」

 

 

フェリ達の会話を聞いていた零はカメラの手入れを終えてフェリに尋ねてみるが、フェリは首を横に振って否定する。

 

 

フェリ「イマジンは人の記憶を使って過去へ跳ぶんです。人の記憶を、過去へと繋がる道にして……過去が変われば、今も変わってしまう。それが積み重なっていけば、時間は歪んでしまう……」

 

 

フェイト「それってつまり…歴史が変わってしまうって事?」

 

 

フェリ「…簡潔に言えばそういう事です。実は、私達の仲間にも影響が出ていて……」

 

 

―キイィィィィィィィ…ゴゴゴゴゴゴォ……ッ!!―

 

 

『ッ?!』

 

 

フェリが途中まで何かを言い掛けたその時、デンライナー全体が突然大きく揺れだし、全員がバランスを崩して倒れてしまった。因みにどうでもいい話だが、この揺れでオーナーの食べていた炒飯に刺さっていた旗が倒れてしまい、オーナーはかなりショックを受けていたらしい。

 

 

はやて「イッタタ……な、なんや今の揺れ?!」

 

 

零「くッ…どうやら、この列車にも影響が起き始めてるみたいだな…」

 

 

宗介「なあフェリ、そのイマジンのボスとかいう奴がどこにいるのか分からないのか?」

 

 

フェリ「いえ、それが中々見付けられなくて……イマジンは人から人へ乗り移っていきますから……目印になるのは、身体から出る砂だけなんです」

 

 

なのは「…身体から出る砂…………あっ?!」

 

 

フェリの言った目印を聞きなのはは何か思い出した様に立ち上がった。先程キンタロスに憑かれ零と戦っていた時に現れた怪人達……その怪人達の影で砂を吹き出しながらモールイマジンと共にその場を去っていく警官の姿があった事を……

 

 

なのは「そうだ…それなら私も見たよ!さっき戦ってた時に見たお巡りさんが砂を落としながら歩いてたし…モグラのイマジンと一緒だったよ!」

 

 

フェリ「ッ!それです!」

 

 

零「成る程な、この世界でするべき事が大体分かってきた…先ずはそのイマジンを叩く!」

 

 

海人「あ、おい零?!ちょっと待てよ!」

 

 

今街で暴れているイマジンのボスを倒す。それがこの世界での自分が果たすべき役目だと思った零はイマジンのボスを探す為デンライナーから降りて街へと出ていき、それを見たなのは達とシグナムとフェリ、そして宗介達とヴィヴィオ(小)とナンバーズ達も慌てて後を追いかけていった。

 

 

 

 

◇◇◆

 

 

 

 

デンライナーを降りてから数十分、とある繁華街の港区から出てきた零達はイマジンのボスを探す為に動き出していた。しかし、あの警備員が何処にいるのか分からない為、零達は取りあえず街へと足を向けながら何処を探そうかと考え込んでいた。

 

 

シグナム「だが、これからどうするんだ?そのイマジンとやら取り憑いた警備員を探そうにも、手掛かりはないんだろう?」

 

 

慧「うーん…街の何処かにいるんは間違いないみたいやけどなぁ……」

 

 

海人「やっぱあれか?街ん中片っ端から探していくしか……」

 

 

紫苑「いや、それも結構無理があると思いますよ?」

 

 

ウェンディ「そうッスよ、こんな広い街中から警備員一人探すなんて…」

 

 

チンク「確かにな。それにグズグズしていたら、そのイマジンも過去へと跳んでしまう可能性だってある…あまり郵貯な事はしていられないぞ」

 

 

宗介「…それもそうだな…なあ零?お前はなんか良い考えとかはな……い……のか…?」

 

 

どうやってイマジンのボスを探すべきか考えが浮かばない宗介は零の考えを聞こうと振り返るが、そこにあった光景を見て固まってしまう。そしてそれに気付いた海人達も頭上に疑問符を浮かべながら背後へと振り返ると……

 

 

 

はやて「ふふふ♪」

 

 

ヴィヴィオ「~♪」

 

 

なのは「………………」

 

 

フェイト「……………」

 

 

零「…………………」

 

 

右腕をはやてに抱きつかれ、左手でヴィヴィオの手を繋ぎ、背後を歩くなのはとフェイトに睨まれる零の姿がありました、はい。

 

 

零「あの……はやて?少し離れてもらえないかと……」

 

 

はやて「いやや♪」

 

 

零「いや…嫌とかそういう問題じゃなくて…この状態は少し歩きにく――」

 

 

はやて「いやや。私もリインもずっと列車の中におったんやで?久々に外に出てこれたんやし、ちょっとくらいはしゃいだってええやろ?」

 

 

零「…何故ちょっとはしゃぐ事が俺に腕に絡み付く事になるんだ……?」

 

 

はやて「気にしたら負けや♪」

 

 

零「いや気にしろよ…」

 

 

先程からどれだけ離れろと言っても全く離れてくれようとはしないはやてに内心泣きたい気分になる零。デンライナーから出て上機嫌となった彼女は何を血迷ったか、いきなり零の腕に抱き着いては離れないようになってしまっていたのだ。しかも背後にいる阿修羅姫の二人から睨まれてるせいか、体中から嫌な汗がとめどなく溢れてくる。

 

 

零「はやて…本当に頼むから離してくれ…このままだと流石に俺もキツイし…それに早くイマジン達も探さないといけないだろ?」

 

 

はやて「む~…」

 

 

この後自分の身に一体何が起きるか安易に予想出来た零は何とかしてはやてに離れてもらうように説得を試みる。イマジンを見つける前に、また理不尽な暴力で致命的なダメージを負わされるのはゴメンだ。そう思い零は心を鬼にしてはやてから少し強引に腕を抜き、はやては不満そうにジト目で零を睨んでくる。助かった、安息の溜め息を吐きながらそう思った矢先……

 

 

はやて「…それやったら、手を繋ぐ位はええんやろ?別に腕に抱き着く訳やないんやし!」

 

 

零「……ハ?」

 

 

何言ってんだコイツ?意味が分からないといった表情を浮かべる零だが、それを他所にはやては零の手を握りヴィヴィオと共に鼻歌を歌いながら歩いていく。そしてそれと同時に、阿修羅姫達から放たれるドス黒いオーラがレベルアップした。

 

 

なのは「ふ~ん…良かったね零君?はやてちゃんに手を握ってもらえて♪」

 

 

零「…………あの……何故そんなにお怒りで……?」

 

 

フェイト「やだなぁ零♪別に怒ってなんかいないよ♪ただはやてと良い雰囲気になれて良かったねって言ってるだけなんだから♪」

 

 

零「……完全に目が笑ってないじゃないか……」

 

 

 

 

海人「あー……また始まっちゃったか……」

 

 

紫苑「な…なんかなのはさん達が怖いです…」

 

 

宗介「関わらない方が身の為だぞ?アレの巻き添いを喰らったら一たまりもないからな」

 

 

ディエチ「うん…こうなったらもう止められないしね…」

 

 

セッテ(…何故でしょう…何だか胸がモヤモヤする…)

 

 

自分達の背後で静かに繰り広げられる修羅場的光景に宗介達は苦笑し、取りあえず零達は放っておいてこれからどうするべきかもう一度考えていく。

 

 

宗介「…取りあえず、そのイマジンが憑いた警備員がいそうな場所を片っ端から探してみるしかないだろ。今の段階じゃ他に手立てもないんだしな」

 

 

慧「せやな…やっぱそれしかないかぁ~」

 

 

フェリ「そうですね…こんな時、モモがいてくれれば…」

 

 

『…モモ?』

 

 

フェリの呟いたモモという名前を聞いて宗介達は首を傾げながらフェリに聞き返し、それを聞いた零達も目の前に視線を戻した。

 

 

フェリ「はい。モモタロスといって、仲間のイマジンの一人なんです。ですが、時間の歪みのせいで実体が保てなくなってしまったみたいで……何処かに消えてしまったんです……」

 

 

フェイト「実体が保てなくなったイマジン……それってまさか、ちょっと乱暴な感じで、プリンとかが好きな?」

 

 

フェリ「ッ!知ってるんですか?!」

 

 

零「ああ、俺の身体に取り憑いて電王に変身してくれたからな…よく知ってる」

 

 

驚いて問いかけるフェリに対し零はウンザリとした顔を浮かべ、優矢に取り憑いたあのイマジンの事を思い出す。

 

 

フェリ「そうですか…本当は電王に変身する青年がいるんですが、今別のルートで時間の歪みを調べてて…それで、モモタロスの様子はどうでした?」

 

 

セイン「どんなって言ったら、かなり苛ついてたよね?」

 

 

ウェンディ「それに…なんかへこんでたッス」

 

 

フェリ「そうでしたか……イマジン達にとって、人のイメージで手に入れた姿はとても大切な物ですからね……怪物みたいですけど、それが彼等にとって全てですから」

 

 

零「成る程…それで自棄になってるって事か…」

 

 

フェリの話したモモタロスというイマジンについて聞くと、零は溜め息を吐きながら呟く。

 

 

零「なら取り敢えず、そのイマジンから先に探した方が良さそうだな。手当たり次第モグラのイマジン達をぶっ潰すとか言っていたし」

 

 

フェリ「はぁ…全く、本当に馬鹿ですね」

 

 

零「ああ、確かに馬鹿だな……だが、自分を無くしてまうっていう気持ちは分かる……戻れるものなら戻りたいだろうしな……」

 

 

なのは「…零君」

 

 

零ははやてとヴィヴィオから手を離すとポケットからライダーパスを取り出し、何処か哀しげな表情でパスを眺める。自分も高町家に拾われる前の記憶がない、本当の自分がどうだったのかも分からない。だから零も自分を無くしてしまったモモタロスの気持ちが良く分っていた。

 

 

零「…とにかく、そいつを探した方がイマジン見つける早いだろう。なんたって、馬鹿は目立つからな」

 

 

宗介「そうだな……よし、ならまずそのモモタロスに取り憑かれた優矢から探すぞ!」

 

 

紫苑「あ、はい!」

 

 

笑いながらそう言って街へと向かう零の後を追い、宗介達もモモタロスの憑いた優矢を探しに街の頻繁街に向かっていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその頃……

 

 

 

M優矢『待ちやがれこのモグラ野郎ぉ!!そこにいるのは分かってんだ!!』

 

 

「ヒ、ヒイィィィィィィィィィィィッ!!?」

 

 

稟「あっ?!逃げた?!」

 

 

M優矢『逃がすか!行くぞ坊主!!』

 

 

稟「はい!」

 

 

零達が向かった街の中心部に存在する通行道路。そこで渋滞する車達の中でモモタロスの憑いた優矢(以後M優矢)と稟が、一人の男を必死に追い掛け回す姿が存在していたのであった。

 

 

 

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