仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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ホルスの世界
第十二章/ホルスの世界


 

 

 

様々なトラブルに見舞われながらも何とか電王の世界を旅立った零達一行。果たして、この世界で彼等を待ち受ける役目とは……?

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

――――夢…また夢を見ている。

 

何処までも暗く…何処までも深い闇が包み込む…一筋の光も射さないあの場所。

 

あの時と同じ…あの時見た夢と同じ場所だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――よぉ、久しぶりだな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っ……またお前かっ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また、なんて随分な挨拶だな…そこまで俺は嫌われてるのか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あれだけの事を言われて……好きになれると逆に思うか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッ……俺はただ事実を述べたまでさ……いつまでも逃げ続ける……臆病者な破壊者様に……な」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っ……それで、今度は一体何の用だ…?

 

用がないならさっさと消えろ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「随分な扱いだな……まあいいさ。それより、漸く力を取り戻したみたいじゃないか?どうだ?久々に戻った力の感覚は…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ッ?!力……まさか、左目のコレの事か?!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それ以外に何があるっていうんだ?…全てを滅ぼす破壊の源…神々すらもその存在を恐れる究極の兵器……因子(ファクター)……それがそいつの名さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…神々すら恐れる…究極の兵器…因子(ファクター)…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そっ…でも驚いたなぁ?まさかその力を取り戻す日がこうして拝めるなんて…それで?またその力で人を殺すのか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ッ?!な…何を言って……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また殺すんだろう?その力を使って……アリを踏み殺すように戸惑いもなく、次から次へと何度も何度も……ククク」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くっ…いい加減にしろっ…俺はそんな殺戮マシーンみたいな事はしない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…してたじゃないか……何の躊躇もなく……大切な家族を守ろうとお前と戦った人間達を虫の様に殺し……子供だけは助けてくれと悲願してきた母と子を剣で引き裂いて……嘗ては父と母だった肉片に縋りついて泣いていた子供をバラバラに斬り刻んで……ククク…それでもお前は心を痛めてなんていなかったなよなぁ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な…何をっ……ワケの分からない事を!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……力を取り戻した今、お前が全てを破壊し続ける殺戮者に戻る日は近いだろう……そうなれば、お前はまた孤独になる……何処へ行っても……お前を受け入れてくれる世界なんて存在しなくなる……お前だってとっくに気付いてるんだろう?もし自分が本当に危険な存在なら…アイツ等の傍にいるべきではないのかもしれない…自分の存在がアイツ等に危害を与えるかもしれないと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………っ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クククッ…図星か?だがそれは間違っちゃいないさ……お前はアイツ等の傍にいてはいけない……だけどお前も馬鹿な奴だよな……アイツ等に心を許したりしなければ……いやそもそも、お前みたいな殺戮マシーンが『感情』なんかを持った事こそが間違いだったんだ……そんなモノを持たずにいれば……あの女に心を許したりしなければ……そんなに苦しむ事もなかったのになぁ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っ…黙れっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうやってまた耳を塞いで…目を閉じて…アイツ等の世界に逃げ込む。あの女の面影を持ったアイツ等を必死に守って、あの日の事もなかった事にする気か……人殺しが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

っ!?ち…違っ…俺はっ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「破壊者…殺戮者…悪魔…化け物が…お前みたいな奴が生きていい世界なんてこの世の何処にもない…お前は所詮破壊する為だけに生まれてきた殺戮兵器なんだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

違う…違うっ…俺はっ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前はアイツ等の手を握る資格も、触れる事も許されない…何故か?お前の手は血で染まってるからさ。その手でどれだけの命を奪ってきた?どれだけの世界を壊してきた?人の命を奪う事になんの戸惑いもしなかったお前が……人並みの幸せを手に入れていいと本当に思っているのか…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…っ…それっ…はっ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい訳ないよなぁ?お前さえいなければ…お前さえ生まれてこなければ…誰も死なないで済んだんだ…お前みたいな破壊者さえ存在しなければ……アイツも死なずに済んだんだよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やめろっ…違うんだっ…俺はっ……俺がっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リィル『零♪』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が殺したんじゃないんだああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ…もっとだ…もっと苦しめ…もっと歎け…その感情が俺の目覚めを早くする…そうすれば俺の力が…お前に……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

零「ぐっ…うぁっ……」

 

 

はやて「零君!零君!」

 

 

零「っ……はっ!!ハァ…ハァ…ハァ…ハァ……」

 

 

激しく肩を揺さ振られ、カッと目を開けば最初に感じたのは頬を伝う汗の感覚。動悸が激しく高鳴るのを感じながらけだるく頭を起こすと、目の前にはベッドに腰を掛け、心配そうな表情を浮かべて自分を見下ろすパジャマ姿のはやての姿があった。

 

 

零「っ…はや…て…?」

 

 

はやて「うん、私や…大丈夫か?なんやうなされてたみたいやけど…」

 

 

零「あ、あぁ…大丈夫だ…ちょっと…寝覚めが悪かっただけだ……」

 

 

はやて「そっか…せやけどあんま無理せんといてな?悩みとかあるなら、私等も相談に乗るさかい…」

 

 

零「…ああ…すまない…」

 

 

心配そうに呟いたはやてにそう言いながら零は身体を起こしていくが、そこである違和感に気付いた。何故か自分ははやてのベッドに身体を預けるような態勢で寝ており、服は昨日着ていた私服のままだ。はて?と首を傾げながら昨夜の記憶を掘り返していくと、近くに置いてある水の入った桶を見て漸く思い出していく。

 

 

零「(…ああ、そうか…)…はやて、身体の調子はどうだ?」

 

 

はやて「へ?ああ、それやったらもう平気や♪昨日よりかは調子も戻ってきたみたいやし♪」

 

 

零「そうか…皆で看病した甲斐があったみたいだな…」

 

 

はやて「うん……せやけどごめんな?私のせいで皆に迷惑を……」

 

 

と、はやては申し訳なさそうに顔を俯かせて頭を下げる。実は昨日の夜中、皆の目の前ではやてが突然熱を出して倒れてしまい大騒ぎになったのだ。そして零達は急いではやてを自室へと運んで交代で看病をし、零は看病してる最中で寝オチてしまったようだ。

 

 

零「別に迷惑かけられたなんて思っていない…仲間なんだから当然の事だろう?それにお前が元気になったなら看病した甲斐もある…だから気にするな」

 

 

はやて「…うん…零君もなのはちゃん達も、ホンマにありがとうな♪」

 

 

零の言葉を聞いたはやては明るげに微笑み返し、零はそんなはやてに釣られる様に微笑しながらはやての前髪を掻き分けようと手を伸ばしていく。だが…

 

 

 

 

―お前はアイツ等の手を握る資格も、触れる事も許されない……何故か?お前の手は血で染まってるからさ…―

 

 

 

 

零「…ッ?!」

 

 

はやて「…?零君?」

 

 

零「…へ?あ、いや…なんでもない…」

 

 

不自然に動きを止めた零を見てはやてを怪訝そうに聞き返すが、零は平静を保ちながら差し伸ばしていた手を背中に引っ込めた。

 

 

零「そ、それより、お前昨日の夜何も食ってないだろ?待ってろ、今何か作ってきてやるから�」

 

 

はやて「え?ちょ、れ、零君?!」

 

 

突然踵を返して部屋から出ていこうとする零を慌てて呼び止めるはやてだが、零はそれを聞かずまるで逃げ出すかのように部屋から出ていってしまい、扉に背中を預けていく。

 

 

零「…っ……何をやってるんだ……俺はっ……」

 

 

今の自分の行動に対し零は右手で顔を覆い隠しながらポツリと呟いた。はやてはまだ病み上がりだというのに、あんな挙動不審な態度を見せては余計な心配をかけてしまうではないか。そんな自分の軽率な行動に舌打ちしながら零は溜め息を吐き、右手を見つめて握り締める。

 

 

零「…そうだ…俺の過去に何があろうと関係ない…俺は俺なんだ…それ以上でもそれ以下でもない…なのは達を守る……その為に、俺は在るんだろう……」

 

 

右手を見つめながら自分に言い聞かせるように呟く。そしてもう一度深い溜め息を吐くと、はやての朝食でも作ろうとキッチンへと向かうのであった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

一時間後………

 

 

 

はやて「…なあ零君、本当になんもあらへんの?」

 

 

零「だからなんでもないと言ってるだろう?いい加減しつこいぞ…」

 

 

はやて「むぅ…せやけど、零君いつもそうやって隠し事するやんか。ほら、昔も良く体調不良を隠して任務を……」

 

 

零「…昔は昔…今は今だ。お前が気にする事じゃない…」

 

 

はやて「む~……」

 

 

先程からそっけなく返してくる零にはやては若干ジト目で睨みながら唸る。どうやらはやては先程部屋から出ていた時の零の様子が気になってるらしく、はやてのその様子を見た零は内心先程の自分に対し苛立ちを感じていた。

 

 

零「…ほら、いいから早く食って薬を飲め。まだ風邪は治ってないんだろう?」

 

 

はやて「……いやや」

 

 

零「は?」

 

 

はやて「私の質問に答えてくれへんなら何も食べへん…薬も飲まへんよ」

 

 

零「……お前なぁ…�」

 

 

ツーンと口先を尖らせながらそっぽを向くはやてに頭を抱える零。流石に料理と薬を口にしてくれないのは困る。もしもそれで風邪が悪化などしてしまえば自分の責任になってしまうからだ。それだけは絶対に避けなければならない……

 

 

零「……はやて、頼むからワガママは止めてくれ…�風邪が悪化したら、後から困るのはお前なんだぞ?」

 

 

はやて「ふーんだ…」

 

 

零「………�」

 

 

聞く耳を持たないとはこの事だろうか。全く言う事を聞こうとしないはやてに零は疲れたように溜め息を吐くと、何処からか一冊の本を取り出しそれに目を通していく。そして……

 

 

零「…………仕方ないな…こんなやり方はしたくなかったんだが……これもお前の為だ」

 

 

はやて「…へ?―ガバァッ!―Σひょわぁっ?!」

 

 

意味深な発言を口にする零にはやては思わず顔を向けてしまうが、その時なんと零がはやてを押し倒してしまったのだ。

 

 

はやて「な、なっ?!//い、いきなり何すんの零君?!//」

 

 

零「決まってるだろ?飯を食わせて、薬を飲ませる。また風邪なんか引いたりしたらどうする気だ…」

 

 

はやて「そ、そんなん言われたって…///って!ち、近い近い!零君顔が近いて!!?�////」

 

 

真剣な目付きで顔を近づけてくる零にはやては耳まで顔を真っ赤にし、目を合わせる事すら出来ない状態となっている。だが今の状況を良く考えてみよう?今零は顔を真っ赤にしたはやてをベッドに押し倒しており、しかも押し倒したショックのせいかはやての着てるパジャマが乱れて若干肩の部分が見え、下着も少し見えている。もしこんな状況を誰かに見られでもしたら……

 

 

―ガチャッ―

 

 

なのは「はやてちゃーん!お見舞いに来た………よ………」

 

 

フェイト「はやて大丈夫?具合はど…………う……」

 

 

はやて「……あっ//」

 

 

零「……ん?」

 

 

―ドサドサドサッ……―

 

 

不意に現れた高町なのはとフェイト・T・ハラオウン。だがはやてを押し倒す零と零に押し倒され服が乱れてるはやてを見て固まってしまい、その手に持っていたお見舞いの品を落としていく。

 

 

なのは「…れ、零…くん?」

 

 

フェイト「な、なに…してるのかな…一体?」

 

 

あからさまに分かるぐらいの動揺と怒りで問い掛けてくる二人。いつもの彼女達なら言い訳も聞かず直ぐに零へと制裁するのであるが、なんとか冷静を保ち問い掛ける。こうして怒りを抑えて話しを聞こうとしてる辺り、祐輔や智大の世界のフェイトからのアドバイスが効いているのであろう。だが……

 

 

零「?なにをしてるって…見れば分かるだろ?はやてを押し倒してるんだ」

 

 

―…ブチィッ!!―

 

 

……この男の紛らわしい発言のせいで、それも無駄に終わるのであった……

 

 

―ガシィッ!―

 

 

零「…え?」

 

 

なのは「にゃはは♪そうだよねぇ♪わざわざ聞く必要なんてなかったよね~♪」

 

 

フェイト「うん♪聞くだけ無駄だったみたいだね♪」

 

 

零「え……え……?な、何で二人共怒ってるんだ?俺はなにもしてないぞ!?俺はただはやてに風邪薬を…ちょ、何故!?なん―――!?」

 

 

―バタンッ!!―

 

 

……結局、毎度の事ながら阿修羅を浮かべるなのは達によって連れ出され、この数十分後に彼の悲鳴が写真館の中に響き渡るのは言うまでもない。

 

 

はやて「………はぁ…せやけどまさか、零君があんな大胆な事するやなんて…//だけどちょっと惜しかったなぁ…//なのはちゃん達が来なければ…今ごろ…///」

 

 

そんな彼が血祭りに上げられてる一方で、はやては零に押し倒された時のことを思い出しながら自分の身体を両手で抱きしめ、顔を真っ赤にしてプルプル震えたり、ボーっとしたりしながら自分の世界に入り込んでいた。

 

 

 

 

因みに先程零が読んでいた本……『アテナ&ノア特製の女性攻略マニュアル』が部屋の片隅に放置されていたのを、この時はやては気付いていなかった。

 

 

 

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