仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
それから約二時間後、ある程度この世界について情報を集めた零達は一旦写真館へと戻り、それぞれが集めた情報を交換しながら話をしていた。だが……
零「…如何やら、この世界のライダーであるホルスが犯罪者である事は間違いないようだな」
フェイト「ッ…一体何を考えているの!?この世界のライダーは!?」
ヴィータ「確かにな……幾らなんでもこれは酷過ぎだぜっ…」
なのは「うん、数百人以上の人を殺してるなんて酷過ぎるよ!」
それぞれが集めてきた情報を交換しながらなのは達はこの世界のライダーであるホルスに対し怒りを覚えていた。
最初の頃は何かの間違いでホルスが犯罪者にされてるのではないかと思いホルスの情報を徹底的に探していた一同であったが、見つかったのはやはりホルスが数百を超える人間を殺害したというものばかりであり、その情報がすべて事実だと知ったなのは達はホルスに対し怒りを押さえ込む事が出来ないでいたのだ。だがそんな中で、ティアナだけは冷静に自分が調べた情報を皆に話していく。
ティアナ「…それについてなんですけど、どうも様子がおかしいんですよ」
スバル「え?おかしいって、何がなのティア?」
ティアナ「この世界の六課についてよ……この世界の私達は何度かホルスと接触してるみたいなんですが、そのホルスを捕まえる素振りすらしていないらしいんですよ。それに私達の世界とは決定的に違う所が在るんです……居ないんですよ、この世界の六課にフェイトさんが」
『…ッ!?』
難しげな表情で告げたティアナの言葉に零達は驚愕してしまう。それもそのはずだろう。自分達の世界では当たり前だが、祐輔の世界や稟の世界、滝の世界などの平行世界にある機動六課にはどれもフェイトは所属している。だがこの世界のフェイトは親友である筈のなのはやはやてがいる六課に所属してないとだと言うのだから当然の反応だ。
フェイト「……ティアナ、それ本当なの?この世界の私が六課に居ないって言うのは?」
ティアナ「はい、間違いありません。私も最初は信じられなくて何度も調べましたから」
なのは「……どう言う事なの?フェイトちゃんが六課にいない上に、この世界の私達が犯罪者を捕まえようとしないなんて……」
零「……さあな。それについてはまだ分からないが、今は先ずホルスを探してみるのが一番だろ。事の真相は全てホルスが知っている筈だからな」
フェイト「…うん…そうだね。先ずはホルスを探そうか」
このまま此処でこうしていても仕方ない。そう思った零は全ての真相を知ってると思われるホルスを探す事を提案し、なのは達もそれに同意すると一行は写真館を出て再び街へと飛び出していくのであった。
◆◇◆
―クラナガン―
それから数十分後、ホルスを探して写真館を出た零は優矢とヴィヴィオとチンク達と別行動を取り、帽子を深く被ったなのはとフェイトを連れて街中を歩き情報を集めていた。だがどんなに探し回っても大した情報は何も得られず、三人は疲れた表情を浮かべて一休みしていた。
零「…駄目だな。ホルスの情報は愚か、この世界のフェイトの所在すら全く分からない」
フェイト「そうだね…」
なのは「でも、どう言う事だろう?ホルスの情報はともかく、フェイトちゃんの情報まで分からないなんて…」
零「全く、今までの世界と勝手が違うからどうもやり難いな…どうしたものか…」
ホルスは愚か、この世界のフェイトの情報すら見付からず零達は途方に暮れてしまい、これからどうしようかと街中を行き交じる人達をぼんやり見つめていた。そんな時……
「――随分と困ってるようじゃないか、零?」
『…ッ?!』
背後から突然聞き覚えのある声が聞こえ、三人はそれを聞くと慌てて意識を戻し背後へと振り返っていく。其処にいたのは……
大輝「やぁ零、それになのはさんとフェイトさんも」
零「ッ?!お前…海道?!何でこの世界に居るんだ?!」
そう、其処にいたのはポケットに手を入れながら三人にいつもの爽やかな笑みを向ける海道大輝だったのだ。突然現れた大輝に零達は驚愕して思わず問い掛けるが大輝は笑みを浮かべたまま告げる。
大輝「ふふふ、簡単さ。この世界には最高のお宝が在る…そのお宝は他の君達に似た世界では既に失われているのさ。だから俺は必ずそれを手に入れる!」
零「また泥棒か?そんな事を許すと思っているのか!」
ただでさえまだこの世界について分からない事だらけなのに、これ以上場を引っ掻き回されるわけにはいかない。そう思った零はポケットからディケイドライバーを取り出し変身しようとするが大輝は笑みを止めずに零に告げる。
大輝「そんなに戦いたいならこっちは構わないけど、俺なんかを相手にしてて良いのかな?そのお宝は君の娘を殺せる物だぞ?」
零「…っ?!」
なのは「娘って……まさかヴィヴィオ!?」
フェイト「そんな…在り得ないよ!?ヴィヴィオには聖王の鎧があるんだよ!?」
大輝「簡単さ、そのお宝は聖王の鎧を無効化することが出来るんだよ。何せ、そのお宝は"聖王を断罪する為に作られた物"だからね」
『ッ!!?』
大輝の告げた衝撃的な事実に零達は驚愕してしまう。まさかあの聖王の鎧を無効化出来る上に、聖王を殺す事まで出来る物が存在していたとは思っても見なかったからだ。その事実に驚愕する零達を見た大輝は怪しげに微笑むと、更に言葉を続ける。
大輝「そして、そのお宝は現在はホルスが所持しているそうだ。この世界に生まれた…"二人の聖王"を殺す為にね」
零「っ?!な、何だと?!」
なのは「この世界の聖王が二人いる?!それってどう言う事なの?!」
大輝「さあね?其処までは知らないけど、分かっているのはホルスが聖王を殺そうしていると言う事だけだ。そして今、君の娘は桜川君達と一緒に街を探索している……もしホルスに見付かったらどうなるかな?」
零「ッ!?」
大輝「しっかりと娘をホルスから護るんだな、零」
大輝は零達に指鉄砲を向けながら告げると歪みの壁の中に姿を消してしまった。そしてそれを見た零は険しげな表情を浮かべながらなのは達と顔を見合わせる。
零「クソッ!なのは!フェイト!二手に別れてヴィヴィオを探すぞ!絶対にホルスから護るんだ!」
なのは「う、うん!!」
フェイト「うん!急ごう!?」
三人はそう叫び合うとなのはとフェイトはすぐにヴィヴィオを探す為に街に向かって走り出し、零は近くの鏡の前に立ちディケイドライバーを装着してカードを取り出していく。
零「ヴィヴィオッ…待ってろよ!変身ッ!」
『KAMENRIDE:DECADE!』
カードをバックルにセットすると零はディケイドへと変身し、更にライドブッカーから一枚のカードを取り出しディケイドライバーに装填してスライドさせる。
『KAMENRIDE:RYUKI!』
電子音声と共にディケイドはD龍騎へと変身し、すぐに鏡の中に飛び込みミラーワールドへ入るとヴィヴィオを探しに向かった。そしてそれを影に隠れて見ていた大輝は寄り笑みを浮かべながら口を開く。
大輝「計画通りだ…流石にホルスが相手となると俺でもやばいからね。零、しっかりとホルスを疲弊させてくれよ?そして俺はその隙にホルスからあのカードを奪って俺の物にしてやるさ……"聖王の剣"をね」
大輝はそう呟くと再び歪みの壁に飲み込まれ何処かへと消えてしまったのであった。果たして、大輝が狙う聖王の剣とは一体……?
◆◇◆
―クラナガン・ミラーワールド内―
D龍騎『ハァ……ハァ……クソッ!何処だっ…何処にいるだヴィヴィオ!?』
ミラーワールドに侵入したD龍騎は鏡の中のクラナガンの街中を駆けながらヴィヴィオの姿を探していた。ミラーワールドの中からならなんの障害もなく自由に動き回ってヴィヴィオ達を探せるが、やはりそう簡単に見つける事は出来ない。
D龍騎『ハァ、ハァ…聖王を…ヴィヴィオを、殺す?…ふざけるな…ふざけるなよホルスッ!!』
だが、それでもD龍騎は諦める事なくヴィヴィオの姿を探していく。彼が此処まで焦っているのも、やはり自分の娘が危機に陥ているという事もあると思うが、それだけではない。
D龍騎『殺させてたまるか……失ってたまるか……そんな事……二度とっ!』
ヴィヴィオを探して街の中を疾走しながら、D龍騎の脳裏に様々な映像が流れ出ていた。
救いたいと強く願い、それでも結局は救うことが出来なかったアリシアとリインフォース。
数年前に傍にいておきながら守れず、重傷の怪我を負わせてしまったなのは。
その一年後に、自分の無茶のせいで涙を流させてしまった少女達。そして……
『零♪』
……優しげな声で自分の名を呼ぶ銀髪の少女。何故かは分からないが、その少女の声を聞くだけで彼の中で渦巻く不安は更に大きくなり、余計に彼を焦り立たせていく。
D龍騎『クッ……ヴィヴィオ!何処だ!何処にいるんだ!?ヴィヴィオッ!!』
その不安に押し潰されてしまいそうになり、D龍騎は不安を吹き飛ばすかの様にヴィヴィオの名を叫びながら辺りを駆け回っていく。だがその時……
『ウゥ、ウゥ、ウゥ…』
―バッ!バッ!バッ!―
D龍騎『…ッ?!何?!』
突如D龍騎の目の前にシアゴーストの大群がぞろぞろと現れ立ち塞がり、それを見たD龍騎はすぐに足を止めて立ち止まった。
『ウゥ、ウゥ、ウゥ…』
D龍騎『チィッ!邪魔するな!こっちは先を急いでるんだ!』
群がるシアゴーストの大群を見てD龍騎は舌打ちしながらすぐにライドブッカーから一枚のカードを出し、ディケイドライバーに装填しスライドさせていった。
『ATTACKRIDE:ADVENT!』
『ギャオォォォォォォォォォォォォオーーーーーーッ!!!』
―ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドオォンッ!!―
『ウオォッ!?』
電子音声と共にD龍騎の上空から紅蓮の龍……ドラグレッターが口から火球弾を放ちながら現れ、火球球を受けたシアゴーストの大半は爆発を起こしながら消滅していき、D龍騎は残ったシアゴーストの大群に一気にトドメを刺そうとライドブッカーから再びカードを取り出しディケイドライバーにセットした。
『FINALATTACKRIDE:RYU・RYU・RYU・RYUKI!』
『ギャオォォォォォォォォォォォォオーーーーーーッ!!!』
D龍騎『フッ!ハアァァァァァァァァァ………』
電子音声が響くと同時にD龍騎は中国拳法の様な構えを取りながら態勢を低くしていく。そしてドラグレッターと共に高く跳ぶと上空で態勢を変えてキック態勢に入り、ドラグレッダーは背後から火炎弾を撃ち出しD龍騎のキックを更に勢い付けていった。
D龍騎『ハアァァァァァァァァァァァーーーーーーッ!!!』
―ドグオォォォォォオンッ!!―
『ウエアァッ!?』
―ドゴオォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!―
D龍騎の必殺技、ドラゴンライダーキックを受けたシアゴーストの大群は断末魔を上げる間もなく爆発して完全に消滅していったのであった。そしてそれを見たD龍騎は若干ふらつきながら歩き出すが、すぐにその場に膝を付いてしまう。
D龍騎『ハァ…ハァ…ハァ…クソッ…いきなり飛ばし過ぎたかっ………ん?』
肩で息をしながらなんとか立ち上がったD龍騎だが、その時目の前にある建物の窓を見て思わず動きを止めた。目の前の鏡……それには見慣れた黒い戦士と赤い戦士…ナンバーズとクウガの姿が映っていたのだ。
D龍騎『ッ!ヴィヴィオ!良かった、まだ無事だった……ッ?!』
ナンバーズの姿を確認したD龍騎はホッと一息吐きながら鏡に近づいていくが、其処である事に気付き目を見開いていく。ナンバーズとクウガの近くにもう一人の戦士…銀と緑のボディを持った仮面ライダーがいたのだ。そのライダーは……
D龍騎『あれは……ッ!?ホルス!?』
そう、そのライダーの正体はこの世界の仮面ライダーであり聖王を殺そうと動いているライダー『ホルス』だったのだ。それに気付いたD龍騎は思わず後退りしてしまうが、その間にホルスはナンバーズとクウガに歩み寄っていき、それを見たD龍騎は直ぐさま鏡を抜けてディケイドへと戻るとライドブッカーからカードを取り出しディケイドライバーにセットした。
『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DECADE!』
ホルス『ッ!?何!?』
ナンバーズ『パパ?!』
ディケイド『ハアァァァァァァァァァァーーーーーッ!!』
電子音声と共にホルスに向かってディメンジョンフィールドが展開され、ディケイドはホルスに向かって跳び蹴りを放っていく。が、それを見たホルスは瞬時にベルトのデッキからカードを取り出し槍のような武器にセットする。
『FREEZE VENT!』
―パキイィィィィィインッ!!―
ディケイド『チッ!無効化されたか!』
電子音声が響くとディケイドの前に展開されたディメンジョンフィールドが消失し、必殺技を不発に終わらされたディケイドは舌打ちしながら着地する。そしてそれを見たホルスは疑問そうにディケイドへと問い掛ける。
ホルス『いきなり攻撃される覚えは無いのだがなディケイド?』
ディケイド『…そっちには無くてもこっちに在るんだよ、ホルス』
ホルス『む?私と貴様が会うのは今日が初めてのはずだが?』
ディケイド『ああ、確かにそうだな。だがな…こっちはお前が俺の娘を殺そうとしてるんだって聞いてるんだよ』
ホルス『なに?お前の娘をだと?何故私がそんな事をしなくてはならない?』
ディケイド『何故だと…?お前はこの世界の聖王達を殺そうとしているんだろう!!』
ホルス『ッ!!?』
ディケイドは怒りを込めてホルスに向けて叫び、それを聞いたホルスは一瞬息を拒みながら驚愕の表情を浮かべてしまう。
ホルス『私があの二人を殺すだと!?誰だ!そんな嘘を言ったのは!?』
ディケイド『嘘だと?なら何故お前は聖王を殺せる物なんて所持しているんだ!』
ナンバーズ『え?私を殺せる物?』
ディケイドとホルスの会話をクウガの隣で聞いていたナンバーズは首を傾げながら疑問の声を漏らすと、ナンバーズとクウガの背後になのはとフェイトが現れてナンバーズに叫ぶ。
なのは「そうだよヴィヴィオ!早くそいつから離れて!!」
フェイト「そいつはこの世界の聖王を殺す為に聖王を殺せる物を手に入れているんだよ!!」
ナンバーズ『えっ?でもさっき……』
クウガ『お、おい、それって本当なのか?』
なのはとフェイトから聞かされた話を聞くとナンバーズとクウガはそれが本当なのか確かめようとホルスに問い掛けるが、ディケイドは気にせずにライドブッカーをSモードに展開し切っ先をホルスに向けていく。
ディケイド『聖王を殺せる物とやら渡せ……そいつは俺が破壊する!』
ホルス『ッ!?アレを破壊するだと!?させん!絶対にさせんぞ!!』
『SWORD VENT!』
聖王を殺せる物を破壊すると告げるディケイドの言葉を聞いたホルスは怒りの表情を浮かべながらカードを槍のような武器…ファルバイザーにベントインすると電子音声が響き、それと共に鏡からドラグセイバーが飛び出しホルスの手に握られディケイドに構える。そして其れを見たディケイドはすぐさまライドブッカーから一枚カードを取り出しディケイドライバーに装填していく。
ディケイド『そっちがその気なら…こっちも本気でいくぞ!変身ッ!』
『KAMENRIDE:SKEITH!』
電子音声が鳴り響くとディケイドの身体に紋様が浮かび上がり、ハ長調ラ音と共にディケイドの身体全体が歪んでいく。そして歪みが晴れていくとディケイドは怪しく光る赤い三つの目を持った黒い異形のライダー……以前一行が訪れたスケィスの世界でハセヲが変身したスケィスに変わったのであった。そして変身を完了したDスケィスはライドブッカーを構え、ホルスもドラグセイバーを構えながら立ち回り、そして……
Dスケィス『ハアァァァァァァァァァァァアッ!!』
ホルス『オォォォォォォォォォォォォォォオッ!!』
―ガギイィィィィィィィィィィィィィィィィン!!―
互いに同時に走り出し剣と剣をぶつけ合い戦闘を開始したのであった。