仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十二章/ホルスの世界⑧

 

 

―クラナガン・巨体ハイドラグーン現場―

 

 

『ATTACKRIDE:SLASH!』

 

『SWORD VENT!』

 

 

『ハアァァァァァッ!!』

 

 

―ガギィンッ!ガギィンッ!ガギィィィィンッ!!―

 

 

『ウエァッ?!』

 

 

―ドゴオォォォォォォンッ!!―

 

 

ディケイドとホルスは現在巨大ハイドラグーンの留まったビルの屋上を目指してビルの階段を駆け上がり、その途中に待ち伏せていたシアゴーストの群れを斬り伏せながら先へと進んでいた。そして残りの階段が後半分近くになったところまで来ると、ホルスはディケイドの隣を走りながら口を開いた。

 

 

ホルス『ディケイド、何やら昨日とは様子が違うな?』

 

 

ディケイド『そうか?別に何処も悪くない筈だが……ハァッ!』

 

 

ホルスからの問いにディケイドはシアゴーストを斬り伏せながら答え、ホルスもドラグセイバーでシアゴーストを斬り落としながら先へと進む。

 

 

ホルス『いや、寧ろその逆だ。昨日お前と戦った時、お前の攻撃には何処か迷いを感じた…だが、今のお前からはそれが感じられない。何かあったのか?』

 

 

ディケイド『…………』

 

 

ホルスがそう聞くとディケイドは一瞬昨夜のなのはとの会話を思い出し、ホルスに気付かれないように小さく笑った。

 

 

ディケイド『…そうだな…今までずっと引きずってた物が、何処のお節介の言葉で軽くなった…ってところだ』

 

 

ホルス『?』

 

 

ディケイドは微笑しながらそう答えるが、ホルスにはその意味がよく分からず首を傾げてしまう。ディケイドはそんなホルスの反応を見て思わず苦笑してしまうが、すぐに階段を駆け登り屋上まで疾走し屋上に出ると、其処には巨大なハイドラグーンを守るように立ち塞がるシアゴーストの群れが存在していた。

 

 

ディケイド『チッ…あくまでも通すつもりはないって訳か…』

 

 

ホルス『ならば、倒して先へと進むのみ…だろう?』

 

 

ディケイド『あぁ……ならやるか!』

 

 

ディケイドはホルスに頷くとライドブッカーから一枚のカードを取り出し、ディケイドライバーへと装填しスライドさせていく。

 

 

『KAMENRIDE:FAIZ!』

 

 

電子音声が鳴り響くと同時にディケイドの身体に赤いラインが延びて一瞬輝き、輝きが晴れるとディケイドは岡崎が変身するのと同じDファイズへと変身した。そしてDファイズは両手を払いながらライドブッカーからもう一枚カードを取り出し、ディケイドライバーへと装填してスライドさせていく。

 

 

『FORMRIDE:FAIZ!AXEL!』

 

 

電子音声が鳴り響くと共にDファイズの胸部のアーマーが展開し、肩の定位置に収まるとボディの色が銀と黒、そして瞳の色が赤色へと変わった姿、高速戦闘を得意としたファイズ・アクセルフォームへとフォームチェンジしたのである。そしてフォームチェンジしたDファイズは左腕に装着された腕時計、ファイズアクセルのボタンを押し、ホルスもデッキから取り出したカードをバイザーにセットしベントインする。

 

 

『START UP!』

 

『FINAL VENT!』

 

 

『キエェェェェェェーーーーーーッ!!』

 

 

Dファイズ『フッ!』

 

 

ホルス『ハァッ!』

 

 

二つの電子音声が鳴り響くとDファイズは風を切り裂きながら高速でモンスターの群れへと突っ込み殴り掛かっていき、ホルスは両手にファルブレードを構えると近くの鏡からウインドファルコンが姿を現し、モンスター達に向かって竜巻を放った。そして……

 

 

Dファイズ『ハアァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!!』

 

 

『Three…Tsu…Wan…』

 

 

『キエェェェェェェーーーーーーーーッ!!』

 

 

ホルス『ムンッ!ウオォォォォォォォォォォーーーーーーーーッ!!!』

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガァッ!!!ズギャアァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―

 

 

『ウエアァァァァッ!?』

 

 

―ドッガアァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―

 

 

『TIME OUT!』

 

 

Dファイズはモンスター達に回し蹴りを放って怯ませていき、その隙にホルスは両手に握られたファルブレードを構えながら竜巻の中に飛び込み自身の必殺技……旋風斬をモンスター達に向かって放つとモンスター達は断末魔と共に爆発し、Dファイズは爆炎の中を駆け抜け電子音声と共にディケイドへと戻っていった。

 

 

ディケイド『なんとか全部片付いたな…』

 

 

ホルス『あぁ、後はコイツをどうにかするだけだ』

 

 

ディケイドとホルスはモンスター達が爆発して起こした炎から目の前にいる巨大なハイドラグーンへと視線を移していく。だが、ホルスは難しげな表情でハイドラグーンを見つめながら腕を組んで考える。

 

 

ホルス(さて、此処からどうする?ジェノデストロイドを召喚して倒すにもあの大きさではな…)

 

 

ホルスは腕を組んだままハイドラグーンを倒す方法を頭の中で考えていると、隣に立っていたディケイドはライドブッカーから一枚のカードを取り出しディケイドライバーへと装填しスライドさせていった。

 

 

『FINALFORMRIDE:HO・HO・HO・HORUSU!』

 

 

―シュンッ…カシャン!―

 

 

ホルス『何!?』

 

 

電子音声が響くとホルスの腕にデストクロー、背中の部分にはファルブレード、そして仮面の前にはドラグクローが浮かび装着されていった。それを見たホルスが驚愕して戸惑っているとディケイドはホルスの背中に触れながら話し掛ける。

 

 

ディケイド『ちょっとくすぐったいぞ』

 

 

ホルス『な、待て!?これは不味――!?』

 

 

ディケイドが何をしようとしてるのか気付いたホルスは慌ててディケイドから離れようとするが、ディケイドはそのままホルスの背中を勢いよく押していった。すると背中を押されたホルスは宙に浮きながら身体から様々なパーツを出現させて巨大化していき、巨大な鳥のような姿……『ホルスデストロイド』に超絶変形しハイドラグーンへと突っ込んでいった。

 

 

『グギャアァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!!』

 

 

―シュウゥゥゥゥ…ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァッ!!!!―

 

 

『ブウンッ?!』

 

 

―ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!!!―

 

 

ディケイド『…………ん?あれ?もしかしてコレ……不味い事したか?』

 

 

ホルスデストロイドはハイドラグーンに向かって巨大な閃光を複数放ち、それを受けたハイドラグーンは勢いよくビルの屋上から落とされ近くのビルに向かって弾き飛ばされ、その光景を間近で見ていたディケイドは仮面の奥で冷や汗を流していた。そしてその間にもホルスデストロイドはハイドラグーンに向かって飛び立ち容赦ない攻撃を放ち始め、その近くにあるビル達はホルスデストロイドの攻撃の巻き添いを喰らい音を立てて崩れ去っていた。

 

 

ディケイド『……どうみても理性が消えてるよな……アレ……』

 

 

そんな大怪獣バトルを眺めながらディケイドが冷汗を流したまま頬を掻いていると、上空からシアゴースト達を掃討していたTフェザーがディケイドのいるビルの屋上へと降り、トランスに戻りながらディケイドに駆け寄っていく。

 

 

トランス『ちょ、零君一体何したの!?鷹さんどうみても理性が消えちゃってるよ!?』

 

 

ディケイド『いや、何をというか……ただいつも通りに鷹に「ちょっとくすぐったいぞ」ってしただけだぞ?あんな風になるとは予想外だったが…』

 

 

トランス『と、とにかく早く何とかしてよ!?このままじゃあのモンスターよりも、鷹さんがミッドを滅ぼしちゃうでしょ!?』

 

 

トランスが血相変えてそう叫び、それを聞いたディケイドは目の前に視線を戻していく。確かにホルスデストロイドの攻撃によってハイドラグーンの周りは壊滅状態に近い。このままでは地上でモンスターと戦っている局員達まで巻き込まれるのは時間の問題だろう。其処まで考えたディケイドは仕方ないといった表情を浮かべながらライドブッカーからカードを一枚取り出していく。

 

 

ディケイド『そうだな……そろそろ決めるとするか』

 

 

『FINALATTACKRIDE:HO・HO・HO・HORUSU!』

 

 

『グギャアァァァァァァァァァァーーーーーー!!』

 

 

バックルにカードをセットしてスライドさせると電子音声が響き、それと同時にホルスデストロイドはいきなり自身の腹を食い破り腹に穴を出現させ、それを確認したディケイドはビルの屋上から跳び出しハイドラグーンに向かって身体を捻りながら蹴りを放っていった。そして……

 

 

ディケイド『ハアァァァァァァァァ……デェアァァァァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!!』

 

 

―ドグオォォォォォォォォォォォォンッ!!!―

 

 

『ブウンッ!!?』

 

 

―ブザアァァァァァァアンッ!!―

 

 

『グギャアァァァァァァァァァァァァァァアッ!!』

 

 

ディケイドとホルスの必殺技、DOD(ディメンジョン・オブ・ディ)が見事に炸裂し、ディケイドの蹴りを喰らったハイドラグーンはそのまま吹き飛ばされホルスデストロイドの腹に吸い込まれていった。そしてホルスデストロイドは歓喜の叫び声を上げながら腹を閉じるとホルスへと戻っていく。

 

 

ホルス『ハァ…ハァ…ハァ……グッ?!』

 

 

ディケイド『ッ?!どうしたホルス?!』

 

 

元に戻ったホルスは地上に降りると腹を抑えながら膝を付き、それを見たディケイドとビルの屋上から降りてきたトランスはホルスを心配して駆け寄り、ホルスは腹を抑えたまま苦しげに答える。

 

 

ホルス『ッ………覚えてはいないのだが、何やらとんでもないものを腹に入れたような気がする……』

 

 

ディケイド『うっ……あー、まあ気にするな……それよりも早く此処から離れるぞ。何時局員達が此処にやってくるか分からない』

 

 

ホルス『む、それもそうだな…ならば早くセリア達と合流しよう』

 

 

トランス『ア、アハハ……』

 

 

ディケイドは先程の出来事についてごまかすとホルスに肩を貸して身体を起こさせ、三人は局員達が来る前にセリア達と合流しようとその場から去っていった。

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

そして同じ頃……

 

 

 

『……チッ…もう片付けたのか……』

 

 

フェイクと零王と戦っていた黒いライダーはディケイドがハイドラグーンを倒す様子を見て舌打ちし、ボロボロになりながらもこちらに身構えるフェイクと零王に視線を移していく。

 

 

零王『ハァ…ハァ……残念だったな?これでお前が出る幕は無くなった訳だ…』

 

 

『…その様だな…ならば、もうこの世界に留まる必要もなくなった訳だ…』

 

 

フェイク『ッ!逃げるつもりかっ!?』

 

 

戦意を喪失したかのように両手を下ろした黒いライダーを見たフェイクは次に起こす行動を予測し、そうはさせまいと瞬時に零王と共に黒いライダーへと向かって駆け出し武器を振り下ろした。が、黒いライダーはそれをかわすように二人の頭上を飛び越え空中で態勢を立て直し、二人の背後に着地した。

 

 

『まったく、本当にうっとうしい奴らだ。貴様等さえいなければ、今頃作戦通りに事が進んでいた物を…』

 

 

零王『ウルセェ!そうはさせねぇって何度も言ってんだろう!』

 

 

『ギャンギャン良く吠える犬だ……まあいい、今回は元々様子見が目的だった訳だからな。機会は幾らでもある…』

 

 

黒いライダーがそう言うと周りの風景が歪みに包まれていき、それを見た二人は直ぐさま黒いライダーへと走り出すが、黒いライダーとの間に歪みの壁が発生し道を遮られてしまう。

 

 

『一応忠告はしておく……これ以上俺達の邪魔はしない事だ。貴様等が何度立ち塞がろう俺達は奴等を追い続ける。奴等が持つ二つの因子と、魔界城でジェイル・スカリエッティが作り上げた最強のライダーを手に入れる為に…な』

 

 

黒いライダーはそう呟くと周りの歪みが濃くなって黒いライダーを包み込んでいき、歪みが晴れると其処には既に黒いライダーの姿はなくなっていたのだった。

 

 

フェイク『チッ!逃げられたかっ…』

 

 

零王『反応も完全にロスト…これじゃあ後を追うのも無理そうだな…』

 

 

黒いライダーが消えたのを確認したフェイクと零王は腑に落ちない表情を浮かべながらベルトを外して変身を解除し、先程ホルスデストロイドとハイドラグーンが戦っていた場所を眺めていく。

 

 

「あっちもかなり大変な事になってるみたいだな……あの辺りのビルとかもうほとんどねぇぞ?」

 

 

「それだけホルスのファイナルフォームライドが強力だったって事だろ……それよりどうする?奴が動き出したって事は…恐らく…」

 

 

「ああ、遂に奴の組織……他の追跡者達も動き出したって事なんだろ。早くコイツを写真館に届けてアイツ等に知らせねぇとな…」

 

 

青年は険しい表情のまま手に握る封筒を見つめると、黒髪の青年と共に目の前に現れた歪みの壁を通り抜け何処かへと消えていったのであった。

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

事件解決から一時間後……

 

 

「ハァ……ハァ……お、おのれホルスめ!絶対に許さんぞ!この借りは必ず…!」

 

 

事件が終了した現場では、先程ホルスに殴り飛ばされた局員が壁にもたれながらホルスに向かって怨嗟の叫びを上げ、ホルスへの報復を決意していた。しかしそんな時、モンスター達との戦闘を終えたオルタナティブがその場に現れ背後から局員に近づいていく。

 

 

オルタナティブ『まだ生存者はいたのだな…』

 

 

「ッ!中将!?は、はい、自分は無事です!」

 

 

オルタティブ『そうか…それは良かった。今回の事件では局員にも多数の犠牲者が出たからな』

 

 

「そ、そうですね…では、自分は部隊に戻ります」

 

 

局員はそう言ってその場を去ろうとオルタナティブに背を向けて部隊に戻ろうと歩き出していく。だが次の瞬間、オルタナティブは顔を俯かせながら小声で呟く。

 

 

オルタティブ『…残念だ…更に死亡者の名前が記されるとはな』

 

 

「……え?」

 

 

オルタナティブの言葉を耳にした局員はその場で足を止め、思わず背後へと振り返った瞬間……

 

 

 

 

―…バシュン!ガシッ!―

 

 

『キキィイ!!』

 

 

「ヒッ!?な、何だコイツは!?ちゅ、中将!助けてください!?」

 

 

局員の背後にあった鏡から突然オルタナティブの契約モンスター…サイコローグが飛び出し局員を捕まえ、局員は恐怖に染まった表情でオルタナティブに助けを求めるがオルタナティブは背を向けながら局員に告げる。

 

 

オルタナティブ『ミッドの平和などどうでもいいと言ったのだ……お前に人々を護る資格など無い。せめてサイコローグの糧になるがいい…』

 

 

「そ、そんな?!ヒッ…!ギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

 

オルタナティブが静かに告げると、事件現場の一角で何かが喰われる音と一人の局員の断末魔の声が響き渡ったのであった。

 

 

 

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