仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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セイガの世界
第十三章/セイガの世界


 

ホルスの世界に別れを告げ次なる世界へと訪れた零達一行。零達は早速この世界について調べる為、写真館を出て街中を歩いていた。

 

 

零「…どうやら、また九つのライダーの世界じゃない外史のライダーの世界みたいだな」

 

 

はやて「みたいやね……やっぱり、この世界でも滅びの現象が起き始めてるって事なんかな?」

 

 

零「かもしれんな。或いはこの世界に訪れなければいけない理由でもあるのか…まあ、どっちにしろ俺達のやる事に変わりはないハズだが」

 

 

自分達の世界と同じ海鳴市の中にある交通道路を様々な車が行き交う中、零達は本来の正史の世界ではないこの外史のライダーの世界について考えながら街を歩いていた。因みに現在零と行動を共にしているメンバーははやてとリインと優矢の三人だけとなっている。その理由は一つ、写真館から外に出たメンバーの中で服装が変わったのがこの三人だけだったからであり、その格好というのが零は警官、はやてとリインは婦警の格好という物であった。

 

 

 

優矢「にしても、また今回もスッゲェ格好だよなぁ…てか、こんな街中でそんなの着て歩いてたらかなり目立つだろ?�」

 

 

零「ほっとけ……というか、コレはどうみてもお前の世界の使いまわしじゃないか……」

 

 

隣を歩く優矢が苦笑気味に呟くと、零は街の風景をカメラに納めながら溜め息混じりに呟き返す。確かに今の零の格好は優矢の世界…クウガの世界で着ていた物と全く同じ物となっている。そして今の優矢の言葉の通り、先程から道を行き通る通行人のほとんどが一体何事?と言った表情で四人を二度見してきていた。

 

 

はやて「あはは�やっぱりこないな格好で歩いてたら、目立ってもしょーがないか…�」

 

 

リイン「うぅ~//何だか今になって恥ずかしくなって来たですぅ~//�」

 

 

零「……いや……多分目立ってるのは俺達じゃなくて、きっとアレだと思うぞ」

 

 

優矢「…?アレ…?」

 

 

通行人に自分達の格好を見られてる事を意識して恥ずかしがるはやてとリインを見た零は落ち着いた様子で自分達の来た道を指差し、優矢達はその指先を視線で追っていく。其処には……

 

 

 

 

ルミナ「ムグムグムグムグ♪……Σングッ?!ん~!!ん~!!�」

 

 

 

 

……四人から四メートル程離れた先にある電柱の陰。其処には茶色い長めのコートと茶色い帽子を身に纏い黒いサングラスを掛け、両腕に大量の肉まんの入った包みを抱えながらこちらを見て慌てふためくルミナの姿があったのである。

 

 

はやて「ル、ルミナさん?何してんのやあの人?�」

 

 

零「さあ…?多分尾行でもしてるつもりなんじゃないか?」

 

 

優矢「び、尾行って…何でそんなこと?」

 

 

零「多分海道の奴の差し金だろう。大方、自分の邪魔をしてこないようにアイツに俺達を見張らせてるとかそんな所じゃないか?」

 

 

リイン「で、でもあれって……全然尾行になってないですよぉ?�」

 

 

呆れたように言いながらカメラで撮影を続ける零にリインは何とも言えない表情で後方にいるルミナに目を向ける。……何処からどうみても不審者にしか見えない怪しげな格好、こちらが後ろへ振り返ると肉まんを口に加えたまま物陰に隠れる挙動不審な態度……全然尾行にもなっていないし、あれなら通行人が二度見して来るのも頷けるだろう。

 

 

優矢「な、なるほど…て事は…写真館を出た辺りからあんな尾行紛いなコトしてたって訳か�」

 

 

零「らしいな……まあ取りあえず、アイツの事はノータッチでやり過ごせ。下手に関わればバカが移りかねん…」

 

 

はやて「あ、あはは…零君も結構遠慮無いんやね�」

 

 

後ろからついて来るルミナ(バカ)に関わればまた面倒な事になりかねない。そう考えた零はルミナは無視して街中の風景を撮影し続けていき、優矢達はそんな零に苦笑しながら歩き出し、ルミナも零達に気付かれないようにと肉まんをくわえながら四人の後を忍び足で追っていく。そんな時……

 

 

 

 

『港区付近の廃棄工場に未確認生命体11号、12号、13号が出現。付近の警官は速やかに現場に急行して下さい』

 

 

 

 

『ッ?!』

 

 

零とはやてとリインの通信機から突然通信が届き、それを聞いた四人はピタッと足を止めて驚いてしまう。だが四人が一番驚いたのは、その送られてきた通信の内容である。

 

 

優矢「み、未確認生命体…だって?!」

 

 

はやて「な、なぁ零君…今の未確認生命体って…確か…」

 

 

通信から届いた内容に優矢は呆然とした顔で固まり、はやては動揺を浮かべながら零に視線を向けると零は真剣な表情でそれに頷く。

 

 

零「あぁ…どうやら今回の世界も色々とありそうだな…取りあえず、俺達もその現場に向かうぞ!」

 

 

優矢「…え?ちょっ、お、おい零っ?!」

 

 

未だ呆然と立ち尽くす優矢達を置いて零は先程の通信で未確認生命体が出現したという港区へと向かって走り出し、優矢達はそれに少し遅れながらも慌てて零の後を追っていった。

 

 

 

 

ルミナ「オォ~!大判焼きおいしそぉ~♪」

 

 

「そーだろうそーだろう♪なんなら買っていくかい?今なら特別にサービスするよ~?」

 

 

ルミナ「ホントに?!わーい♪ありがとうオジサーン♪………………あれ?」

 

 

その一方、四人を尾行していたルミナは途中で呼び止められた大判焼き屋の亭主に大判焼きをサービスしてもらい、目の前に視線を戻した時には既に四人の姿はなかったのであった。

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

―海鳴市・港区廃棄工場―

 

 

 

零達のいる海鳴市から離れた地区にある港区。その中にある使われなくなった廃棄工場の中に、一人の男性が苦痛の表情を浮かべて吹き飛ばされてきた。

 

 

「がっ?!ハァ!ハァ!だ…誰か!誰か助けてくれぇっ!?」

 

 

男性は怪我を負っているのか、左腕を右手で抱えながら目の前からくる何かから逃れようと尻餅をついたまま後退りしていく。そして男性が吹き飛ばされてきた廃棄工場の入り口の方から、三体の異形がゆっくりと姿を現していく。

 

 

『ギャゲルゾ、ガグルゾンババクンバ』

 

 

『ジレゼラス、ウゲルバンゼゼルンガ』

 

 

『ゾゲルバ、ゼゼガボガルンガ』

 

 

三体の異形は理解出来ない言葉でなにかを話し合いながら男性へと歩み寄っていき、男性は呼吸を乱しながら後退り壁際へと下がっていく。

 

 

『ゲジサスゾ、グゴガギレゾゾンバ?』

 

 

『ギゲルバ、イメゼガゾンババウバ』

 

 

「ひっ?!く、来るな!!来ないでくれっ!!誰か、誰かあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

せめてものの抵抗にと男性は自分の周りに落ちている石や何かが壊れた破片などを異形達に投げつけていくが、異形達はそんなものに怯みもせず男性に近づき、そして獲物を逃がさない様にと逃げ道を塞ぐかのように男性を包囲していく。その時だった……

 

 

 

 

 

 

―……ゥゥウウウウウンッ!ガシャアァァァァァァァァァァァァァァンッ!!―

 

 

『ッ!?』

 

 

突如、工場の入口の方から何かを突き破るような轟音が鳴り響き、男性や異形達はそれの響いてきた方へとすぐさま振り返った。異形達が向けた視線の先、其処から一台のバイクに乗った青年が猛スピードで突っ込み異形達を男性から離れさせ、青年は男性の前でバイクを止めて降り男性に駆け寄る。

 

 

「大丈夫ですか?!早く此処から逃げて下さい!!」

 

 

「え……は、はい!」

 

 

駆け寄ってきた青年の言葉に男性は一瞬唖然となってしまうが、すぐにその言葉の意味に気付き慌てて工場から走り去っていった。そしてそれを確認すると青年は異形達へと視線を移動させ、異形達は態勢を立て直しながら青年に身構えていく。

 

 

『ヌウゥゥゥゥ…ギグレザングゴルゲ!ググバンザイヌマッ!』

 

 

男性を逃がされた事に腹を立てているのか、異形の内の一体は身体を震わせながら青年を睨みつけていく。だが、青年はそれに億する事なく異形達と向き合い、腹部に両手を添えてベルトを出現させ構えていく。そして……

 

 

「……変身ッ!」

 

 

青年の叫びと共にベルトの中心が朱く輝き出し、それと同時に青年の身体が徐々に変化していく。すべての変化を終えたその姿は朱色のボディアーマーを身体に身に纏い、朱色のナックルガードに白色の手甲、更に朱色の脚絆を身に付けた仮面の戦士となったのである。

 

 

『ッ?!セイガッ…?!』

 

 

セイガ『…フッ!ハァッ!』

 

 

青年の変身した仮面の戦士…『セイガ』を見た異形達は恐怖の含まれた声で叫びながら一瞬後退り、セイガは異形達に身構えながら突っ込み戦闘を開始したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーおー、やっと出てきたみてぇだな♪この世界のライダーの……え~っと……なんつったけ?」

 

 

「……セイガ…」

 

 

「おっ!そーそー、セイガだセイガ!」

 

 

セイガと異形達が戦闘を開始したその頃、工場の外にある建物の屋上からセイガ達の戦いを傍観する二人の人物の姿があった。一人は黒の掛かった赤髪に陽気な笑みを浮かべる青年。もう一人は透き通るような青色の長髪に翡翠の瞳を持ち、無表情を浮かべる15歳位の少女であった。

 

 

「にしても、終夜も人使いわりぃよなぁ?買い物から帰ってきたばっかなのに、いきなり任務なんてさぁ」

 

 

「命令…だから…仕方ない……よ…」

 

 

「まあそーだけどさぁ……こっちとしてはちっと休ませて欲しいもんだよ。てか何だってあんなピエロ野郎と危ない戦闘狂のライダーと一緒に任務しなきゃなんねぇのさ?お前だってこんな任務不満だろ、麻衣?」

 

 

赤髪の青年は肩を落としてやれやれといった表情で溜め息を吐きながら問い掛けると、麻衣と呼ばれた青髪の少女は無表情のまま首をフルフルと振った。

 

 

麻衣「私は…いい…終夜のお願いなら…聞く……零に会えるなら…いい…」

 

 

「あぁ…さいですか�」

 

 

麻衣「…真也は?真也は零と…会いたくない?」

 

 

「ん…………?」

 

 

麻衣は小首を傾げながらそんな質問を投げ掛けると、真也と呼ばれた青年は一瞬意外そうな表情を浮かべた後に「ん~」と唸りながら何かを考え……

 

 

真也「……そーだな……俺はやっぱり……」

 

 

麻衣「…………」

 

 

真也「俺はやっぱり………フェイトに会えるならそれでいいかなぁ♪俺中学の頃からアイツのコト狙ってたんだよねぇ~♪」

 

 

麻衣「……………真也……やっぱり……変態……」

 

 

鼻の下を伸ばして笑う真也に麻衣は軽蔑の視線を向けながらそう呟くが、真也はそれを聞いてもただ陽気な笑みを浮かべ続けるだけであった。

 

 

真也「まあそれについては後でボチボチ話すとして、今はこっから離れっぞ。ほら、何かめんどくせぇのがドンドン集まって来てるみてぇだし」

 

 

麻衣「?」

 

 

真也が顎で下を指しながらそう言うと、麻衣は不思議そうに首を傾げながら下を見てみる。すると其処にはセイガと異形達が戦う場所を囲むように集まってくる数台のパトカー達の姿があった。

 

 

麻衣「…この世界の…警察…」

 

 

真也「巻き込まれない内にさっさとトンズラしちまった方が吉だろ。多分あのいけ好かねぇピエロ野郎達も準備を終わらせてるだろうし……早く行こうぜ、麻衣」

 

 

麻衣「ん…………」

 

 

このままこうしていればセイガと異形達と警察の戦いに巻き込まれるかもしれない。そう思った真也と麻衣は自身の背後に歪みの壁を出現させ、それを通り抜け何処かへと消えていってしまったのだった。

 

 

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