仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十三章/セイガの世界⑧

 

―光写真館―

 

 

一時間後、写真館に戻った零達は先程の戦闘で負った怪我の治療を終えて優矢を自室で寝かせた後、錬次とこの世界のなのはに事情を説明していた。

 

 

錬次「――つまり、貴方達は自分達の世界を救う為に世界を旅している…と?」

 

 

零「あぁ、簡単に言えばそんなところだな」

 

 

なのは(錬次)「…信じられない…私達と似た世界が他にもあるなんて�」

 

 

竜胆「そう思うのも仕方がないが、信じてもらうしかない。実際こうして実在するワケなんだからな」

 

 

なのは「まぁ、私達も最初の頃は戸惑いはしたけど�」

 

 

確かに、いきなり自分達の世界に似た世界が複数存在すると言われても混乱するのは仕方ないだろう。未だ困惑気味のなのは(錬次)になのはは苦笑してしまい、零はそれを横目にカメラで錬次を撮影していく。

 

 

零「とまあ、俺達の事はこんな所だ……次は、そっちの話を聞かせてくれないか?」

 

 

錬次「………はい、分かりました」

 

 

錬次は一度深く考え込んだ後、何かを決意したような表情を浮かべて話を始めていった。以前北の県で発見された謎の遺跡。そこから発見されたミイラとそれに付けられたベルトに宝玉が埋め込まれた物体。ベルトが外された直後に現れた謎の未確認生命体…ベリアス。そしてベリアスに襲われたこの世界のカリムを救う為、錬次がベルトを身につけセイガとなった事を……

 

 

零「…成る程…じゃあお前はカリムを救う為だけに、自分からセイガになったっていう事か…」

 

 

錬次「はい。だけど、別に後悔なんてしてませんよ?成り行きではあったけど…この力なら、アイツ等からなのは達や色々な人達を守る事が出来る。もうアイツ等の為に、誰かが涙を流す姿なんて見たくないから…だから俺はセイガとして戦うって、決めましたから」

 

 

なのは(錬次)「……錬次お兄ちゃん…」

 

 

何の迷いもない笑みを浮かべながら力強く答えた錬次になのは(錬次)は何処か不安げに呟き、そんな錬次を見た零は脳裏にある人物達の顔を思い浮かべていた。

 

 

零「(…成る程…似てるな…稟や滝達と…他人の為に自分の身すら投げ出しそうな所とか……それに…)」

 

 

其処で一度なのは(錬次)へと視線を動かし、やはりかと言った感じに深い溜め息を吐いた。

 

 

零「(…大事に思ってる人に心配を掛けるところとかも、アイツ等ソックリだな……いや、俺が言えたことじゃないか…)」

 

 

友人達の事を考えてる途中で自分の事を思い出し、今の発言は自分にも当て嵌まるかと苦笑いをこぼしてしまう零。するとそんな中、錬次がそんな零にある疑問を投げ掛けてきた。

 

 

錬次「ところであの…彼の方は大丈夫なんですか?」

 

 

零「?彼って…もしかして優矢の事か?」

 

 

錬次「はい。彼と戦った時に、何となく感じたんですけど……とても深い暗闇に囚われて苦しがっている…みたいな感覚がしたんです…」

 

 

シグナム「深い暗闇に…囚われている?」

 

 

零「…本当にそんな感覚を感じたのか?」

 

 

錬次「…はい…何となく、頭の中にそんなイメージがしましたから…」

 

 

竜胆「……(まさか、古代戦士同士の戦いで心が共鳴していたとでもいうのか?…クウガとセイガ…その力は酷似している部分もあるからそういうのもありえるかもしれんが…二人の戦士の間に何か関係が?)」

 

 

零達と錬次の会話を聞いていた竜胆はクウガとセイガの間に何か関係があるのかと推測するが、やはりどう考えても答えは見つからない。そして隣に座っていた零も同じ事を考えているのか、顎に手を添えながら何かを考え込んでいると……

 

 

零「――だったら、自分の目で確かめにいくか?その方が俺から伝えるより良いと思うし」

 

 

錬次「………そうですね、お願いします」

 

 

錬次が零の提案に頷くと、零達は優矢の様子を確かめる為に錬次を連れて部屋から出ていくのであった。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

それから数分後、錬次を連れて部屋を出た零達は優矢の自室へと訪れていた。

 

 

オットー「あ、零、竜胆」

 

 

零「よっ。どうだ、優矢の様子は?」

 

 

ディード「…それが…全然目を覚ます様子がなくて…」

 

 

シャマル「多分安静にしていれば直に目覚めると思うんだけど……スバル達から聞いた黒い雷の影響が残っているかもしれないから、取りあえず様子を見てみないと……」

 

 

竜胆「……そうか」

 

 

優矢の看病をしていたシャマルがそう言うと零と竜胆はベッドで眠る優矢へと目を向けていき、二人の後ろにいた錬次はベッドの隣へと歩み寄り優矢を見つめる。

 

 

錬次「……こんな少年が…俺みたいにあんな怪物達と戦ってるんですね…」

 

 

零「まあな。実際ソイツはまだ高校生だし…ベルトを手に入れてなければ、今頃友達と楽しく過ごしていて……ライダーとして戦う事もなく……あんな思いもせずに済んだのかもしれないな……」

 

 

零は静かに眠る優矢を見つめながら以前グロンギとの戦いの中で亡くなった綾瀬と、綾瀬の死に涙を流していた優矢の顔を思い出し、何処か哀しげな表情を浮かべていた。錬次はそんな零の表情から何かを読み取ったのか一瞬切なそうな表情を浮かべた後、零に微笑を向けていく。

 

 

錬次「……大丈夫ですよ。確かに彼は辛い経験をしてきたと思いますけど、それを乗り越えて零さん達みたいな仲間に会えたんです。きっと彼も…それを良かったと思ってくれてますよ」

 

 

零「……だといいんだがな」

 

 

錬次の励ましの言葉に零は思わず苦笑をこぼし、錬次は微笑を浮かべたまま眠り続ける優矢の手を取った、その時……

 

 

 

 

 

―……キィィィィィィンッ!―

 

 

 

 

 

錬次「―――ッ?!」

 

 

突如鳴り響いた耳鳴りと共に錬次の脳裏に奇妙な映像が流れ出したのだった。

 

 

 

 

――辺りを埋め尽くす無数の異形達。そしてその異形達を全て薙ぎ倒し、互いに向き合い視線をぶつけ合う金で縁取りされた赤い戦士と朱い戦士の姿が……

 

 

 

 

零「―――錬次?」

 

 

錬次「……ッ?!え…?」

 

 

その映像に意識を奪われていた錬次だが、不思議そうに呼び掛けてきた零の声に反応しすぐに現実へと呼び戻された。そして、そんな錬次の反応を見た零や竜胆達は頭上に疑問符を並べていた。

 

 

竜胆「どうしたんだ?いきなりボーッとして?」

 

 

錬次「え…あ…いや…その…�」

 

 

『……?』

 

 

竜胆に問わられた錬次は今見た映像についてどう説明したらいいか分からずしどろもどろになってしまい、零達はそんな錬次の様子に怪訝な表情を浮かべた。その時……

 

 

―ガチャッ!!―

 

 

フェイト「零ッ!竜胆ッ!大変だよっ!!」

 

 

『…ッ?!』

 

 

突然部屋の扉が勢いよく開かれ、其処から血相を変えたフェイトが慌てて部屋の中へと駆け込んできたのだ。

 

 

竜胆「な、何だフェイト!此処には病人がいるんだから静かに…!」

 

 

フェイト「あ…ご、ごめん……ってそうじゃなくて!今大変な事になってるの!早く下に来て!!�」

 

 

零「は?ちょ、何だ!?腕引っ張るなって?!うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ?!!」

 

 

フェイトは無理矢理零の腕を引っ張って下の部屋へと戻っていき、竜胆や錬次、シャマル達はそんなフェイトの様子に首を傾げながらも二人の後を追っていくのだった。そして全員が部屋を出ていった後……

 

 

 

 

 

―………………バチッ……バチバチィッ……!―

 

 

優矢「……………………」

 

 

ベッドの上で眠る優矢の身体から、無数の黄色い火花が散っていたのだった……

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

フェイト「零早く!ほら、アレ!�」

 

 

零「痛ッ…だから何なんだ?!ちゃんと説明してくれないと分からな………ッ?!」

 

 

零を強引に部屋へと戻って来させたフェイトはなのは達が見るTVのニュースを指差し、零はフェイトが指差したニュースを見て驚愕の表情を浮かべ、二人の後を追いかけてきた竜胆と錬次達もそのニュースを見て同じように驚愕していた。その理由は……

 

 

『現在、警視庁特殊班が未確認生命体13号との戦闘を開始しました!付近の住民は十分に気をつけ、速やかに避難を……!』

 

 

零「あれは……」

 

 

錬次「未確認っ…!」

 

 

そう、ニュースに流れていたのは未確認生命体…ベリアスが黒い雷を放ち警察と戦っている真っ只中の中継だったのだ。そして中継を見ていたスバルやティアナ達は警察と戦うベリアスを見て驚愕していた。

 

 

スバル「こ、この怪人って…?!」

 

 

ティアナ「ッ!コイツです!この世界のなのはさんを襲って、優矢さんを可笑しくさせたベリアスは!」

 

 

竜胆「ッ?!なんだと?!」

 

 

零「…そうか…アイツが…」

 

 

ティアナから優矢の暴走の原因があのベリアスだと聞かされた竜胆達は再び驚愕し、零は険しい表情を浮かべてニュースに映るベリアスを睨みつけていた。そしてその時、ニュースを見ていた錬次は慌てて部屋を出ていこうとし、それに気付いた竜胆は咄嗟に錬次の腕を掴んで引き止めた。

 

 

竜胆「おい待てっ!何処にいく気だ?!」

 

 

錬次「ッ!決まってるじゃないですか!俺も現場に向かいます!」

 

 

シャマル「む、無茶よっ!まだ貴方の怪我は完治してないのよ?!そんな体で戦うなんて無謀過ぎるっ!�」

 

 

怪我を負っているにも関わらずベリアスと警察が戦っている現場へと向かおうとする錬次を引き止める竜胆達だが、錬次はそれに首を振りながら言い返す。

 

 

錬次「……俺は…決めたんです。今こうしている間にも彼処で泣いている人達がいる…その人達を守る為に戦う…もう誰にも涙を流させないって……だから!」

 

 

竜胆「……お前…」

 

 

錬次「…なのはを、お願いします」

 

 

なのは(錬次)「ッ!待ってお兄ちゃん!錬次お兄ちゃんっ!!」

 

 

なのは(錬次)は錬次を呼び止めようとするも、錬次はそれを聞かずに竜胆の腕を振り払い写真館から飛び出していった。

 

 

なのは(錬次)「……錬次…お兄ちゃん……」

 

 

すずか「…なのはちゃん」

 

 

はやて「…零君、これからどないするんや…?」

 

 

顔を俯かせて立ち尽くすなのは(錬次)を見たはやてが零にそう問い掛けると、零は中継を見つめたまま深い溜め息を吐いていた。

 

 

零「…本当に似ているな…アイツ等や俺と…特に周りを見ていない所とか……」

 

 

フェイト「……零?」

 

 

誰にも聞こえない小声で何かを呟いた零に怪訝そうに聞き返すフェイトだが、零はそれに答えずテーブルの椅子に掛けていたコートを手に取って羽織り、なのは(錬次)に近づいて頭を軽く手刀で叩いた。

 

 

なのは(錬次)「ッ?!な、なんですか…?」

 

 

零「……そんな顔するな。アイツにはちゃんと俺達が気付かせてやる……お前の心をな」

 

 

なのは(錬次)「…え?」

 

 

真剣な表情で言い放った零の言葉に一瞬唖然としてしまうなのは(錬次)だが、零はそれに構わず部屋を出て写真館から出ていき、竜胆とはやてとリインは慌てて零の後を追って外へと出ていくのだった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

そしてその頃……市街地。

 

 

 

『ヌゥゥゥゥゥゥゥオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーッッ!!!』

 

 

―バチバチッ!ズガガガガガガガガガァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―

 

 

『ウワアァァッ?!』

 

 

海音「クッ…!各小隊は未確認を包囲して迎撃!市街地への被害だけは何として阻止するんだ!!」

 

 

『了解ッ!』

 

 

中継で放送されていた現場では、海音が特殊班の部隊に的確な指示を送り市街地に現れたベリアスを凌いでいた。しかし、ベリアスは身体から無数の黒い雷撃を無差別に放ちながら警察に反撃していき、徐々に海音達を追い詰めていた。その近くのビルの屋上では……

 

 

ベリアル『――クックク…いいぜぇベリアス。もっとだ、もっと暴れ回れっ!!そしてあの忌ま忌ましいセイガをおびき出せぇ!』

 

 

ベリアスに闇の力を分け与えた本人である漆黒の仮面のライダー……ベリアルが海音達を追い詰めていくベリアスを愉快げに眺めていたのだった。とその時……

 

 

―……キイィィィィィィィィィィィィンッ!―

 

 

ベリアル『ッ!……ほう…漸く見付けたか、クラウン』

 

 

何かを反応したベリアルはゆっくり自身の背後………街の外れにある山の方へと振り返り、その山の山頂付近を見て不気味な笑みを浮かべていた。

 

 

ベリアル『ククク……ならそろそろ俺も動いていいよなぁ?やっとあの古代戦士がお出ましなんだ…』

 

 

ベリアルは笑みを浮かべたまま山から視線を外して下を見下ろすと、此処から少し離れた場所に朱い戦士……セイガに変身した錬次がバイクに乗って現場に向かっていく姿があった。それを見たベリアルは右手に闇の粒子を集め、粒子は巨大な大剣を形成していく。

 

 

ベリアル『クウガは仕留めそこなったみてぇだが……まあいいさ。まずはテメェから跡形もなく消し去ってやるよ…古代戦士ッ!!』

 

 

形成した大剣を握って一度大きく振り、ベリアルはその場から飛び降りベリアスと警察が戦う現場へと向かっていくのだった。

 

 

 

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