仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十三章/セイガの世界⑪

 

 

その頃、郊外の山の付近にある荒野では洞窟から天の石を持って逃げ出したクラウン、そのクラウンを追って来たディエンドとディサイドとディエンド(ベル)がそれぞれのドライバーでクラウンに銃弾の雨を降り注がせていた。

 

 

ディエンド(ベル)『待ちなさい!この道化っ!!』

 

 

―ドシュンッ!ドシュンッ!ドシュンッ!!―

 

 

クラウン『おっと!残念、今のは少し惜しかったですねぇ?』

 

 

ディエンド『チィッ!』

 

 

ディサイド『こいつっ!』

 

 

降り注ぐ銃弾の雨を余裕でかわしながら逃げ続けるクラウンに思わず舌打ちするディエンド達。このままではまんまと逃げられてしまう。そう悟ったディエンド達は射撃を止め、直ぐさま左腰のカードホルダーからディエンドとディサイドは一枚ずつカードを、ディエンド(ベル)は二枚取り出しそれぞれのドライバーへと装填してスライドさせた。

 

 

『KAMENRIDE:FAIZ!』

 

『LYRICALRIDE:TEANA!』

 

『BRAVERIDE:GREGA!HEROINERIDE:NIGHT FARUZA!』

 

 

『フッ!』

 

 

―バシュウッ!―

 

 

電子音声が鳴り響くと共にドライバーの引き金を引くと残像が辺りを駆け巡り、その残像が四ヶ所で重なると一つは黒鉄の装甲を持つライダーであるファイズに、一つはオレンジ色のツイテールの髪を持った少女であるティアナ、最後の二つはライオンのような姿をした戦士と騎士のような姿をした戦士……『グレイガ』と『ナイトファルザー』となって姿を現した。

 

 

クラウン『おやおや…一気に七対一になってしまいましたか。これは少し私に分が悪いでしょうかね?』

 

 

ディエンド『そうやって余裕でいられるのも今の内だ…!』

 

 

ディエンドがそう言いながらクラウンを指鉄砲で指差すと三人の喚び出した戦士達はそれぞれ武器を構え、クラウンへと突っ込み攻撃を仕掛けようとする。だがその一方で、不利な状況に立たされてる筈のクラウンは何故か足を止めて振り返り、仮面越しに不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

クラウン『フフッ…すみませんが、貴方達三人を相手にしても私では勝てませんからね……助っ人を呼ばせて頂きますよ?』

 

 

―ザアァァァァァァ…!―

 

 

『ッ?!』

 

 

実に愉快そうに笑いを浮かべるクラウンの前に前触れもなく歪みの壁が出現し、突然のそれを見たファイズ達は思わず動きを止めて後退りをしてしまう。そして歪みが消え去ると其処には複数の同じ姿をしたライダー達……ローカストとライオトルーパーの軍勢がそれぞれの武器を構えて立ち構えていたのだ。

 

 

ディサイド『ッ?!コイツ等は…?!』

 

 

クラウン『とある方達から頂いた贈り物の一部ですよ。あなた方の足止めにはこれぐらいがちょうどいいでしょうからね……ではそろそろ時間も迫っていますので、私はこの辺で』

 

 

クラウンは不敵な笑いを浮かべたまま天の石を手の中で遊ばせながらローカストとライオトルーパーの軍勢を残してこの場から離脱しようと動き出した。だが、それをみすみすと見逃す程この三人が甘いハズがない……

 

 

ディエンド(ベル)『舐められたモノね…私達から逃げ切れると思ってるの?』

 

 

ディエンド『そう…狙ったお宝は逃がさないさ!』

 

 

軍勢には目もくれずディエンドとディサイドはホルダーから一枚ずつカードを、ディエンド(ベル)は二枚のカードを取り出しドライバーへと装填してスライドさせていった。

 

 

『FINALFORMRIDE:FA・FA・FA・FAIZ!』

 

『FINALFORMRIDE:TE・TE・TE・TEANA!』

 

『FINALFORMRIDE:G・G・G・GREGA!N・N・N・NIGHT FARUZA!』

 

 

ディエンド『痛みは一瞬だ』

 

 

ディサイド『少し我慢しなさい』

 

 

ディエンド(ベル)『苦痛は一瞬よ』

 

 

―ズキュウンッ!―

 

 

『ウグッ?!』

 

 

電子音声と共に引金を引きファイズとティアナとグレイガとナイトファルザーを撃ち抜くと、四人は悲痛の声をあげながら宙に浮かびその姿を変えていった。ファイズはファイズブラスターに、ティアナはティアナバレル、グレイガとナイトファルザーは巨大なパーツに変形して互いに連携して合体し、巨大なキャノン砲……『グレイガサテライトキャノン』へと超絶変形しディエンド達の手に収められていった。そして三人は更にカードを取り出しドライバーへとセットしてスライドさせていった。

 

 

『FINALATTACKRIDE:FA・FA・FA・FAIZ!』

 

『FINALATTACKRIDE:TE・TE・TE・TEANA!』

 

『FINALATTACKRIDE:G・G・G・GREGA!N・N・N・NIGHT FARUZA!』

 

 

電子音声が響くとファイズブラスターとティアナバレル、グレイガサテライトキャノンの銃口にエネルギーが集束していき、その銃口を向かってくる軍勢と背中を見せて逃げるクラウンに向けていく。そして……

 

 

『ハアァァァァ……ハアァァァァァァァァァァァァァーーーーーーッ!!!!』

 

 

―チュドオォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーンッ!!!!―

 

 

『グッ?!グガアァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!?』

 

 

クラウン『…ッ!フッ!』

 

 

―ドグオォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーンッ!!!!―

 

 

ディエンドとディサイドとディエンド(ベル)の撃ち出した高エネルギー弾が軍勢を一人残らず吹き飛ばしながらクラウンへと向かっていった。だが、クラウンはエネルギー弾が直撃する前に身体から闇を溢れさせて身体に纏い上空へと跳躍し、三人の一斉射撃を軽々とかわしてしまった。

 

 

ディエンド(ベル)『っ…!かわされた?!』

 

 

クラウン『残念でしたね?今のは確かに良い攻撃でしたが、当たらなければどうという事はありませんよ!』

 

 

ディサイド『チッ…!』

 

 

勝ち誇った笑いを浮かべながら宙に浮くクラウンに苛立ちを見せるディサイドとディエンド(ベル)。そんな二人を見下ろしながらクラウンは何処からか複数のナイフを右手の指の間に挟みながら取り出した。

 

 

クラウン『流石のあなた方でも空を飛ぶことまでは出来ないでしょう?いい加減追いかけっこも飽きてきましたし……そろそろこの辺で終わらせましょうかね?』

 

 

『クッ…!』

 

 

クラウンの言う通り、この二人には空を飛ぶ能力など持ってはいない。それとは対照にベリアルから古代の闇の力を授かり飛行能力を持つクラウンが圧倒的に有利であろうし、自在に空を飛び回れるなら二人の攻撃も安易に回避する事も出来る。故に彼女達が彼を追い詰める事はそう簡単には出来ないだろう。そう……

 

 

 

 

 

 

『あぁ…君が先に俺を仕留めていれば、それも叶っただろうね』

 

 

クラウン『!?』

 

 

 

 

 

 

彼の力を失念していなければの話だが

 

 

『BRIONAC!』

 

 

クラウン『後ろ?!』

 

 

電子音声と共に背後にある気配をしっかり感じ取ったクラウン。直ぐに振り向きながら指に挟んだナイフをすべて投げ放っていくが、ナイフが放たれた先にいた人物……ウィングメモリを使いクラウンの背後に飛翔していたディエンドWはドライバーでナイフを撃ち落とし、左手に持った冷気を纏うディエンドブレードをクラウン目掛けて振るう。しかし、クラウンはディエンドブレードの刃を紙一重で回避して距離を取るが、冷気に触れてしまった為かクラウンの左肩から肘部分までが凍り付けになっていた。

 

 

クラウン『なっ…凍ったっ!?』

 

 

ディエンドW『ウオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーっっ!!』

 

 

凍りついた自身の体を見て戸惑い一瞬硬直してしまうクラウンだが、ディエンドWはその隙を逃さず追撃を仕掛けようと背中の羽根を羽ばたかせ、クラウンへと突進していく。

 

 

クラウン『クッ…!何時かの時のようにはいきませんよ、大輝氏ぃ!!』

 

 

―ブォンッ!シュンシュンシュンシュンシュンシュンシュンシュンッ!!―

 

 

ディエンドW『!』

 

 

しかしそうはさせまいと、クラウンは空いた右手を真横に振るいディエンドWの周りに存在する無空間から無数のナイフを生成し展開していく。その数……約数百以上。

 

 

クラウン『残念ですが大輝氏。これでGAME OVERです!!』

 

 

―パチッ!……ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!―

 

 

ディエンドW『ッ!』

 

 

―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―

 

 

『大輝ッ?!』

 

 

クラウンが指を鳴らすと共に無数のナイフ達は一斉にディエンドWへと降り注ぎ、ディエンドWは爆発の中へと飲み込まれ姿を消していった。その光景を地上から見上げていたディサイドとディエンド(ベル)も思わず身を乗り出してしまう。

 

 

クラウン『…フフッ…残念ですよ大輝氏。貴方の事は嫌いではなかったのですが……貴方が予想以上にしつこいせいで手に掛けてしまいましたよ』

 

 

自分の技は確かに彼に直撃した。無数のナイフに四方から襲い掛かれれば流石の彼も逃れられる筈もない。これで後は問題もなくベリアルと合流出来そうだと。安心しきったその時……

 

 

 

 

 

 

『BRIONAC!MAXIMUM DRIVE!』

 

 

 

 

 

 

クラウン『?!』

 

 

聞こえてくる筈のない電子音声。真下から確かに聞こえてきたソレにクラウンは顔色を変えながら真下へと顔を向ける。其処には……

 

 

 

 

 

 

『ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーっっ!!!!』

 

 

ディエンドW『…………』

 

 

 

 

 

 

背後に巨大な氷結の龍を従わせ、クラウンを真下から睨みつけるディエンドWが静かに宙に浮かんでいた。

 

 

 

 

 

クラウン『ばっ――!?』

 

 

 

 

 

ディエンドW『――ブリューナク、アイスデッドクラッシュッ!!!』

 

 

 

 

 

『ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーッッ!!!』

 

 

 

 

 

―ドガッアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!カシャアァンッ!!!―

 

 

 

 

 

ディエンドWがディエンブレードの切っ先をクラウンに向けると共に、氷結の龍はそれに従うようにクラウンへと突っ込み突撃したのであった。そしてクラウンと龍が衝突すると同時に氷色の爆煙が上空に広がり、煙が晴れると其処には巨大な氷の塊が静かに宙に浮遊していた。

 

 

ディエンドW『……最後の最後で油断したのが君の非だ、クラウン。君との因縁も……いい加減終わらせてもらったよ』

 

 

宙に浮遊する氷の塊を見つめながらポツリと呟くディエンドW。技が直撃したのならクラウンとて無事では済まないだろうが、天の石には恐らく大した支障などはないだろう。上空で浮遊し続ける氷の塊を見上げながらそう思った、その時……

 

 

―………………ピシッ……ガシャアァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―

 

 

ディエンドW『?!』

 

 

氷の塊は突如真っ二つになって砕け散り、空中で氷の粉と化して消え去ってしまったのである。そして氷の中から飛び出てきた人物…クラウンが両手にナイフを構えながら物凄いスピードでディエンドWの下へ降下してきていた。

 

 

ディエンドW『クラウンッ?!』

 

 

クラウン『詰めが甘かったですねぇ大輝氏!凍り付けにする程度では私を倒す事など出来ませんよッ!!』

 

 

ディエンドW『クッ!コイツッ!!』

 

 

物凄い勢いで急降下してくるクラウンに向けてすぐにディエンドライバーを連射していくディエンドW。だがクラウンは僅かに軌道を変えてそれを回避し進行を止める事はせず距離を詰めナイフを振りかざし、射撃では無駄だと悟ったディエンドWはディエンブレードを構えクラウンを向かい入れようとする。だが……

 

 

 

 

『FINALATTACKRIDE:DI・DI・DI・DI-SIDE!』

 

『FINALATTACKRIDE:DI・DI・DI・DI-END!』

 

 

―ズドオォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!―

 

 

クラウン『…っ?!ぐぅっ!ツアァァァァァアッ!!』

 

 

―ドガアァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

ディエンドW『!』

 

 

刹那、電子音声と共に背後から放たれた二つの閃光がディエンドWの左右を通り過ぎクラウンに向かっていき、完全に不意を突かれたクラウンは強引に態勢を変えて一発目を回避するが、その直後に襲い掛かった二発目を受け地上へと落とされていった。そして閃光を放った二人……ディサイドとディエンド(ベル)は地上に落下したクラウンにドライバーの銃口を向けながら歩み寄っていく。

 

 

ディエンド(ベル)『私達の事も忘れないでもらえる?アンタと戦ってるのは大輝だけじゃないんだから』

 

 

クラウン『グッ…!そうでしたねっ…貴女方のことをすっかり失念していましたよ……貴女方は今の攻撃の機会を伺っていたワケですか……?』

 

 

ディサイド『えぇ。アンタが大輝との戦いに集中してこっちの射程距離まで下りてきてくれれば後はこっちのもの……大輝にしか注意を払わなかったのはアンタの落ち度よ、クラウン?』

 

 

クラウン『ッ…なるほどっ……どうやら貴女方が大した脅威にはならないと油断したのは間違いだったようですねっ…』

 

 

傷付いた身体を抑えながら近づいてくる二人から後退りしていくクラウン。先程のディエンドWの技はギリギリ致命傷には至らなかったがかなりの深手を負っている。加えて、今の砲撃を受けたのだからこれ以上の戦闘は禁物だろう。だが今の状況は未だ三対一と不利なままである。逃げ道のないこの状況をどう切り抜けるべきかとクラウンが仮面越しに冷や汗を流しながら思考に浸っていると……

 

 

―…………………パキッ…ピシピシピシッ…!―

 

 

クラウン『…!?』

 

 

ディエンドW『…え?』

 

 

一瞬静粛していたその場にひび割れる音が響く。クラウンがその音を辿って自身の手を見下ろすと……手に握られている天の石に亀裂の線が走っていた。そして……

 

 

―ピシピシッ……パキッ…パリイィィィィィィインッ!!―

 

 

『なっ…?!』

 

 

天の石は真っ二つに割れた後粉々に砕け散り、それと同時に石から白色の光が粒となって飛び出し、空へと上がって消えていったのであった。

 

 

ディサイド『い、石が…?!』

 

 

ディエンド(ベル)『そ、そんなっ…?!』

 

 

ディエンドW『おっ、俺のお宝あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!!?』

 

 

無惨にも砕け散った天の石を見たディサイドとディエンド(ベル)は驚愕の表情を浮かべ、ディエンドWは頭を抱えて絶望したーーっ!といった感じに悲痛な悲鳴を上げている……どうやらそこまでのショックを受けるほどあの石には価値があったようだ。

 

 

クラウン『クッ…!やはりあれだけの衝撃を受ければ石本体も持ちませんか……仕方ありませんね、一度引きましょう…』

 

 

ディサイド『ッ!待ちなさいっ!!』

 

 

目の前に歪みの壁を発生させて逃げようとするクラウン。それを見たディサイドは直ぐにドライバーを連射しながら走り出すが、銃弾は歪みの壁の前に遮られてしまい、クラウンは歪みの壁に包まれ何処かへと消えていってしまった。

 

 

ディサイド『ッ…逃げられたみたいねっ…』

 

 

ディエンド(ベル)『らしいわね……さて』

 

 

クラウンに逃げられた事に悔しげな表情を見せるディサイド。だが、ディエンド(ベル)は興味なさそうに答えながら地面に落ちた天の石の破片に近づき破片を手に取って眺める。が、ディエンド(ベル)は破片を暫く眺めた後ガッカリしたように溜め息を吐きながら破片を投げ捨ててしまう。

 

 

ディサイド『…どうやら、ソレは貴女の探し物じゃなかったみたいね』

 

 

ディエンド(ベル)『えぇ。確かにお宝としては価値の高い物だけど、私には必要ないわね………でも、あの道化士もどきは何が目的でコレを持ち帰ろうとしたのかしら?』

 

 

ディサイド『さあ?なんかベリアルがどうとか言っていたけど、別に興味ないわね……まあ、お宝に関しては大輝には悪いけど』

 

 

そう言いながらディサイドは背後へと首を回し、ディエンド(ベル)もそれを追うように背後へと視線を向けていく。其処には……

 

 

ディエンドW『お、お宝……俺の……俺のお宝がぁぁぁぁ……』

 

 

…ディエンドWががっくりと肩を落として座り込み、影を落としながら落ち込む姿があったのだった……。

 

 

 

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