仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十三章/セイガの世界⑭

 

 

―光写真館―

 

 

 

そしてそれから数十分後。自室ではやてからの治療を受けた零ははやてと共に皆が待つ部屋へと戻り、先程現像したこの世界で撮った写真をテーブルに並べていた。すると優矢は、その中にあった一枚の写真を手に取り眺めていく。

 

 

優矢「おっ!これなんか良く撮れてるじゃんか?」

 

 

栄次郎「う~ん、笑顔を守る戦士かぁ……確かに中々良い写真だね」

 

 

零「あぁ、この世界はアイツに任せておけば大丈夫だろう…」

 

 

零は優矢と栄次郎が絶賛する写真……笑顔でサムズアップする練次の写真を見つめながら微笑し、栄次郎の煎れてくれた珈琲を飲んでいく。

 

 

はやて「……そういえば、結局あのライダー達とイリシットは何もんやったんやろ?」

 

 

なのは「?それって確か…はやてちゃん達の前に現れたっていう謎のライダー達のこと?」

 

 

はやての一言で零達の視線がはやてへと集まり、その中で事情を知る零はあの時現れたオーガ達の事を思い出していく。突然自分達の前に現れ、圧倒的な兵力と力を見せて自分と竜胆を追い詰めた彼等は何者だったのか?あの時はスバル達の助けに向かう事で大して考えていなかったが、彼等は一体何の目的で自分達の前に現れたのだろうか?一度考えたら、次々に絶える事なく疑問が生まれてくる。

 

 

零「…アイツ等が何者かは分からないが、今考えてもそれが分かる訳じゃない。それについては別の機会で考えた方がいいだろう」

 

 

今の所、あのライダー達については何も情報はない。そんな中で考えても答えが見つかる訳ではないのだから、その件については取りあえず保留しようと決めながら零はカメラの手入れを始める。そんな時……

 

 

「邪魔するぞ~」

 

 

零「………ん?」

 

 

部屋の扉が不意に開き、其処から見覚えのある黒髪の青年が部屋の中へと入ってきた。その青年とは……

 

 

幸助「――よぉ零、今回も無事に役目を終えたみたいだな?」

 

 

零「ッ!幸助?!」

 

 

そう、その青年とはこの前電王の世界で鬼の一族との戦いに手を貸してもらった青年…天満幸助だったのである。

 

 

零「……今回は何の用だ?また修行か…?」

 

 

幸助「いいや、今日は花見の誘いに来ただけだ」

 

 

フェイト「花見?」

 

 

若干警戒気味の零の隣でフェイトが疑問げな声を漏らし、幸助はそれに軽く答えながらポケットから招待状を取り出し零に差し出した。

 

 

幸助「近々バンデニウムで俺らの主催の花見が開かれるから、こうして招待状を持ってきたわけだ。因みに七柱神に苦労人同盟、他の世界のメンバー達も集まる予定だからな」

 

 

零「…成る程な、大体わかった」

 

 

幸助「ちなみに大輝は強制と伝えとけ」

 

 

零「オッケー(…アイツも強制ということは…まさかまた良からぬことを考えているのか?…いや、ただの考え過ぎかもな)」

 

 

他のメンバーもくるのなら今回ばかりは何も起きないだろう。そう思いながら、零は幸助の手から招待状を受け取っていく…………後からその考えが甘かったと後悔する事も知らずに。

 

 

幸助「んじゃ、場所と日時は今言ったとおりだから、絶対に来いよ?」

 

 

零「あぁ、分かったよ(…というか、行かなかったらまた弄られる可能性が高いから行くしかないんだが�)」

 

 

零は念押ししてくる幸助を見て内心苦笑を浮かべ、なのは達も同じことを考えているのか、若干苦笑いを浮かべながら部屋を後にする幸助に向けて手を振っていた。

 

 

セッテ「…用件だけ言って帰ってしまいましたね…」

 

 

なのは「まぁ、仕方ないんじゃないかな?多分別世界の人達にも招待状を渡しに向かったんだろうし」

 

 

セイン「それに、あの人はああいう人だしね~�」

 

 

用件だけを伝えて去ってしまった幸助に一同は苦笑しながら会話をし、零は竜胆からもらったチラシと幸助から受け取った招待状を手に取って眺めていく。

 

 

零「祭と花見の誘いが一気に来るとはな………まぁ、最近ノンビリする事も余りなかったし、たまには羽を伸ばして休むのもいいかもしれないな」

 

 

だが何故か妙に嫌な予感もするのだが……楽しみにしているのは違いはないので余り気にしないでおこう。そう思いながら零がチラシと招待状をテーブルに置いた瞬間……

 

 

―ガチャッ!ガララララララララッ……パアァァァァァァァアンッ!―

 

 

また背景ロールが独りでに下り、新たな絵が現れ別の世界に移ったのであった。その世界とは……

 

 

フェイト「あれ?これって確か……」

 

 

ギンガ「…green cafe?」

 

 

零「…キャンセラー…祐輔の世界か?」

 

 

新たに現れた絵に描かれていたのは、とある街の中に建つ一軒の喫茶店だけが描かれているという物だったのだ。果たして、この世界で零達を待つ試練とは…?

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

―とある平行世界―

 

 

 

真也「一体どうつもりだよ!終夜っ!?」

 

 

終夜「………………」

 

 

とある世界の建造物内にある玉座の間。その中には、先程の戦闘中に帰還命令を出されたことに納得が出来ないと叫ぶ真也と、冷静な態度で玉座に座る終夜。そして真也の後ろに立つ一人の青年……先程幽汽に変身していた裕司の姿があったのである。

 

 

真也「まだ任務を完遂してなかったのにいきなり帰還命令なんて!しかもあんなピエロ野郎達に後の任務を引き継がせるなんてよ……一体何考えてんだ!?」

 

 

裕司「口を慎め真也っ!誰に向かって物を言っている!」

 

 

真也「テメェは黙ってろ!俺をアイツと話してんだ!…さあ…どういう事なのかさっさと説明しろよ!!」

 

 

怒りを抑え切れず裕司の言葉にも耳を貸さないで終夜に怒鳴る真也だが、終夜は落ち着いた態度のまま口を開いていく。

 

 

終夜「…真也、俺が与えた今回の任務の内容を言ってみろ」

 

 

真也「ハァ…?何だよいきなり?」

 

 

終夜「いいから、言ってみろ」

 

 

いきなり本題と外れた内容を出してきた終夜に意味が分からないといった表情を浮かべる真也だが、取りあえず言われた通りに渋々と答えていく。

 

 

真也「…黒月零の持つ因子の覚醒率を調べ、目標にセイガの世界での役目を完遂させること…だろ?」

 

 

終夜「そうだ、俺は確かにそう言った。そしてもう一度聞くが……俺はお前に、一度でも因子の覚醒率を上げてこいと命令を出したか?」

 

 

真也「…………あっ…」

 

 

冷たい視線を送りながら言い放った終夜の言葉に真也は「しまった…」とバツが悪そうな表情をしながら顔を逸らしてしまう。

 

 

終夜「任務内容以外の勝手な行動…更には重要な目標に深手を負わせ任務に障害を齎そうとした事……これは立派な命令違反だ」

 

 

真也「ッ!け、けど俺は!後々の任務の為にそうした方が良いと思ったから!」

 

 

終夜「……それで?お前のその勝手な行動で覚醒率は少しでも上がったのか?」

 

 

真也「うっ……い…いや……それは……」

 

 

更に鋭い視線を向けてくる終夜に真也は言葉が詰まって何も言えなくなり、真也の背後に立つ裕司も小さく溜め息を吐いていた。そして終夜は、玉座から少し身を乗り出しながら口を開く。

 

 

終夜「今回の任務の一任はお前に任せていた。当然、処罰はお前が受けなければならない…」

 

 

真也「ッ…………」

 

 

終夜「命令に背いた貴様にはそれなりの処罰を与える…………が、今回は特別にチャンスをやろう」

 

 

真也「…?チャンス…?」

 

 

終夜「そう…お前にはもう一度ある世界に向かってもらう。其処での任務を果たせたのなら、今回の件は不問にしてやろう」

 

 

そう言うと、終夜は何処からか一枚の写真を取り出しそれを真也に向けて投げ渡した。

 

 

真也「ッ!……コイツは、確か…?」

 

 

終夜「阿南祐輔。現無効化の神であり、仮面ライダーキャンセラーの装着者でもある男だ」

 

 

終夜は写真に写った青年…祐輔の顔写真を見る真也に向けて軽く説明していき、それを聞いた真也は写真を軽く揺らせながら聞き返していく。

 

 

真也「んで、この無効化の神さんがどーしたってんだよ?」

 

 

終夜「…その男の持つ無効化の能力は実に使えるものだ。そいつをこの揺り篭に生体ユニットとして組み込めば、揺り篭は魔力を持つ攻撃を全て無効化する能力を身に付ける事が出来る…だから―――」

 

 

真也「―――成る程。ようはコイツを捕獲してくればいいって訳か……捕獲方法は何でもいいのか?」

 

 

終夜「あぁ、だが油断するなよ?相手は仮にも神なのだ……一筋縄ではいかない相手に違いない」

 

 

真也「へぇ……なら、手加減はいらねぇよな?」

 

 

終夜「……どうせ死にはしないのだ。手足を引きちぎろうが、両目を潰そうがどんな手を使っても構わん。捕獲が無理ならデータだけ取ってきても良し…ついでに奴の因子の覚醒率を上げてくれば更に良しだ」

 

 

任務内容を詳しく説明していくと、真也は口元を緩めながら終夜から背を向け、その場から歩き出し何処かへと向かっていった。

 

 

裕司「……いいのですか?アイツにあのような任務を任せても……」

 

 

終夜「…成果は大して期待しとらんさ。だが、今回の任務で奴も少しは成長してくるかもしれん……それを期待して待てばいいさ」

 

 

裕司からの問い掛けにそう答えると終夜は再び玉座に背を付け足を組んでいく。そんな時……

 

 

 

 

『――全く、お前にも以外と甘い所があるんだな……終夜?』

 

 

 

 

裕司「…ッ?!」

 

 

終夜「――ヴェクタスか…もう任務を終えたのか?」

 

 

玉座の間の入口から現れた一人の仮面の人物……赤と黒のアンダースーツに薄い装甲、顔を覆い隠すように身につけた黒い仮面が特徴の戦士……『ヴェクタス』と呼ばれたライダーが終夜の座る玉座の前まで歩み寄っていく。

 

 

ヴェクタス『あの程度の任務に掛ける時間なんてないさ。そんな事より、あんな奴等に奴のおもりをさせても時間の無駄だぞ…?』

 

 

終夜「…確かに色々と問題の多い奴らだが、アイツ等の実力は本物だ。それに俺自身もアイツ等を信頼している……問題はないさ」

 

 

ヴェクタス『フンッ、またお得いの仲良しごっこか?くだらないなぁ……』

 

 

ヴェクタスは鼻で笑いながらそう言うと、終夜から背を向けてその場から去ろうとする。

 

 

裕司「待てヴェクタスッ!何処に行くつもりだ?!」

 

 

ヴェクタス『…あんな奴らに任せっきりにしておくのもいい加減退屈だ。俺が奴を直々に鍛えてやる……』

 

 

裕司「なっ?!ま、待てヴェクタス…「いいだろう」…ッ?!終夜?!」

 

 

歩き去っていくヴェクタスを引き留めようとする裕司。だがそれを終夜が横から止めに入り、終夜は口の端を吊り上げながら語る。

 

 

終夜「奴はお前の『器』となる存在だ……品定めをするぐらいは許してやらんとな」

 

 

ヴェクタス『…フッ…相変わらず話が分かる奴だ…』

 

 

終夜の言葉に満足したのか、ヴェクタスは不気味な笑みを漏らしながら目の前に黒い歪みの壁を発生させ、それを通り抜けて何処かへと消えていってしまった。

 

 

裕司「ッ…終夜、本当にいいのですか?!アイツを向かわせるのはまだ早いんじゃ…?!」

 

 

終夜「……遅かれ早かれ顔を合わせる事になるんだ。零がアイツを倒せたのなら因子を更に進化させられる。仮に倒されるようなら、黒月零の実力は其処までのものだった、というだけだ」

 

 

ヴェクタスについて全く気に留めた様子もなく、寧ろ面白い物を見つけたような表情を浮かべる終夜。そんな終夜の様子を見た裕司もこれ以上言っても無駄だと思ったのか、深い溜め息を吐きながら玉座の間を後にした。

 

 

終夜「…旅を続け…自分の役目を果たし続けろ、零。それが因子の覚醒に繋がり…俺達の…悲願を果たす事に繋がるのだから」

 

 

一人玉座の間に残った終夜は瞳を閉じながら静かに呟き、玉座の間に再び静寂が訪れたのだった……

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

―謎の建造物内・麻衣の自室―

 

 

 

その頃、終夜達が根城する謎の建造物内にある一つの個室。其の部屋に置かれたベットの上では、任務から帰った麻衣が力無くベットの上に座り込んでいた。

 

 

麻衣「…………はやて…」

 

 

喋る気力すらないのか、麻衣は覇気のない声ではやての名を呟くと首に下ろしていた白い羽の装飾が入ったペンダントを手に取り、ペンダントを開いて中に入っていた一枚の写真を眺めていく。

 

 

麻衣「……ごめんねはやて……私達はもう……あの頃には戻れないの……だからもう……」

 

 

何処か悲しみに満ちた声でそう呟き、麻衣は無表情を浮かべたまま天井を見上げていた。そして麻衣が持つペンダントの中に入った一枚の写真、それには……

 

 

 

 

――三人は、ずっと友達♪

 

 

 

 

と大きく堂々とした文字が書かれ、無表情だが何処かビックリしたというような表情を浮かべる小学生位の青髪の少女、めんどくさそうな表情を浮かべる漆黒の髪をした中学生の少年。そして二人の肩と首に手を回し、笑顔を浮かべる茶髪の中学生位の少女の姿が写し出されていた……。

 

 

 

 

第十三章/セイガの世界END

 

 

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