仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十四章/キャンセラーの世界⑩(後編)

 

 

 

 

―シュパアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!!―

 

 

 

 

その一方、暴走したディケイドの身体から突然溢れた暖かな光が臨海公園を包み込み、ライダー達はあまりの眩しさに光から目を背けていた。

 

 

Gディケイド『クッ?!何だ……この光は?!』

 

 

クーフーリン『な、なんも見えねぇぞ?!』

 

 

閃華「………だけどこの光………とても暖かい……」

 

 

フェザー『うん……それに凄く……優しく感じる……』

 

 

クラウン『……これは……まさか……』

 

 

ディエンド『……成る程……彼女の力か……』

 

 

溢れ出した光に包まれながらも、それぞれ言葉を口にするライダー達。そして、光が徐々に晴れて視界が戻っていくと……

 

 

 

 

 

 

ディケイド『…………』

 

 

 

 

 

 

バロンP『……ッ?!零ッ!…………って、あれ?』

 

 

姫華「こ、これは……?」

 

 

アーサー『……公園が……直ってる……?』

 

 

そう、光が完全に晴れた先には体中に先程公園を包んだ光を纏い呆然と立ち尽くすディケイドの姿があり、更に暴走したディケイドによって破壊された筈の公園と青空が元の姿へと完全に修復されていたのである。それを見たライダー達が驚き戸惑っていると、ディケイドの身体がぐらりと揺れて倒れそうになり、それに気付いたライダー達が咄嗟に走り出そうとした。その時……

 

 

 

 

―……ドサッ―

 

 

クラウン『…………』

 

 

 

 

ディエンド『ッ!クラウン……?』

 

 

そう、クラウンがいつの間にかディケイドの傍にまで移動し、何故か倒れるディケイドの身体を抱き留めたのであった。そして、クラウンは白色に煌めくディケイドの左胸を見つめながらポツリと呟いていく。

 

 

クラウン『……成る程……貴女は今でも……零氏を守っているのですね……』

 

 

雷牙『……何?』

 

 

ディケイドの左胸の煌めきを見つめながら呟いたクラウンの言葉にライダー達は疑問げに首を傾げてしまうが、ヴェクタスは今の光に驚愕し後退りしていた。

 

 

ヴェクタス(ば、馬鹿な……今の光は再生の?!そんな馬鹿なっ!!)

 

 

ありえない。頭の中で何度もその言葉を並べ、目の前で起こった現象を首を左右に振りながら否定していくヴェクタス。

 

 

ヴェクタス(そうだ…ありえない!アレはあの女と共に消滅した筈だ!それがこんな所に、それも奴が持っている筈が……いや、待てよ……)

 

 

今の出来事を認められないと否定し続けていたヴェクタスの脳裏にふとある可能性が思い浮かび、ヴェクタスは一度冷静になって深く思考に浸っていく。

 

 

ヴェクタス(……そうだ……今考えれば不自然だ……確か奴は破壊の因子を捨てただの人間となったはずだ……なら何故、奴は因子を取り戻す前もあんな驚異的な回復能力を持っていた?過去のロストロギア事件の時もそうだ……何故ただの人となっていたアイツがあれだけの致命傷を負っていながら、それで死ななかった?普通の人間なら死んで当たり前だという傷を負っていながら……)

 

 

今起きた出来事と過去の零の身に起きた今までの出来事を合わせながら思考していくと、ヴェクタスはそれである核心を得て忌ま忌ましげに拳を握り締める。

 

 

ヴェクタス(………そうか……それなら今までの事にもつじつまが会う……奴の驚異的な回復能力……あのロストロギア事件でアイツが一命を取り留めた理由も……そうか……そういう事だったのかッ!!)

 

 

―バッ!!―

 

 

『…ッ?!』

 

 

ヴェクタスは全てを理解したと同時に突然地を蹴って勢い良く駆け出し、右手に剣を出現させながらクラウンに抱えられるディケイドに向けて大きく剣を振りかぶった。

 

 

クラウン『ヴェクタス氏ッ?!』

 

 

ヴェクタス『"またか"!!またそうやって邪魔をするのかッ!!この魔女があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!』

 

 

コスモス『なっ…止めろぉッ!!!』

 

 

エデン『チィッ…!!』

 

 

ギルガメッシュ『チッ!!これ以上我の前で好き勝手にはさせんぞ!!』

 

 

怒りの咆哮を上げながら剣を振り上げるヴェクタスにライダー達はすぐに自分達の武器をヴェクタスに放とうとし、ディケイドを抱えるクラウンもそれを迎え撃とうと咄嗟にナイフを取り出した。その瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

 

―ガギャアァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

 

 

 

 

 

 

『なっ…………』

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴェクタス『な……なに……?』

 

 

 

 

 

 

 

公園中に鳴り響いた金属音。ディケイドに向けて振り下ろされた剣の先を見て、ライダー達とヴェクタスまでも驚愕の表情を浮かべていく。何故ならその剣が振り下ろされた先には……

 

 

 

 

 

 

メモリー『―――どうやら、ギリ間に合ったみてぇだな』

 

 

エデン『なっ……お前?!』

 

 

ギルガメッシュ『幸助?!』

 

 

そう、其処にはクロノスの姿に酷似し騎士が身に付けているようなマントを背中に羽織った一人のライダー……天満 幸助が変身した『メモリー』がメモリブレイドでヴェクタスの振りかざした剣を受け止めていたのだった。

 

 

ヴェクタス『な、何故だ……何故貴様が此処に?!』

 

 

メモリー『零の世界のフェイトの気が薄れ始めていたのに気付いてな……ちょいと様子見に来てみたんだが、まさかこんなことになっていたなんて……なっ!』

 

 

―ギィンッ!ガギャアァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

ヴェクタス『グッ?!グアァッ!!』

 

 

メモリーはそう言いながら受け止めていた剣を弾いてヴェクタスに斬り掛かり、ヴェクタスは直ぐに背後へと跳ぶが完全に回避し切れず、数メートル先まで地を転がるように吹っ飛ばされていった。それを確認したメモリーはクラウンに抱えられるディケイドに視線を向け、左胸の煌めきを見て少し口を閉ざした。

 

 

メモリー『―――――成る程な……やはりそういう事か……』

 

 

メモリーはディケイドの左胸の光を見て何か納得したように呟き、ディケイドに向けて左手を翳していく。するとメモリーの左手から光のようなモノが放たれてディケイドを包んでいき、ディケイドの身体を纏っていた光が消えて瞳の形状も元の緑色の複眼へと戻っていった。メモリーはそれを確認して一息吐くと、再びヴェクタスに視線を向けて剣の切っ先を向けていく。

 

 

メモリー『さぁて……次はテメェの話を聞かせてもらおうか?お前の中から感じる佐知の事とか……お前がそん中に入れている"ソイツ等"の正体とかな』

 

 

ヴェクタス『……フン、答えろと言われて答える馬鹿がいるとでも?』

 

 

メモリー『……確かにな。なら……肉体言語と逝こうか?』

 

 

あくまで質問に答えようとしないヴェクタスにメモリーはメモリブレイドを構え、ディエンド達もヴェクタスを包囲して完全に退路を断っていく。

 

 

ヴェクタス(チッ…まさか断罪の神まで出て来るとはな……どうする?この女と融合しているせいでアレは使えないし、リミッターはまだLEVEL1までしか外せない……やむをえん、アレを使うか)

 

 

自分を包囲するライダー達を見て内心舌打ちしながら立ち上がり、ヴェクタスは何かをしようと立ち上がった。その時……

 

 

―……ドグンッ!!―

 

 

ヴェクタス『……ッ?!!なっ……にっ?!』

 

 

『ッ?!』

 

 

ヴェクタスは突然自分の胸を抑えながら苦しみ出し、身体から微かな光を溢れさせて震えながら後退りしていた。更にその瞬間……

 

 

 

 

―……ない……させない……これ以上は…!―

 

 

雷牙『えっ……こ、この声は…?』

 

 

姫華「これは……まさか……!」

 

 

頭に響くように聞こえてきた聞き慣れた声に、一同は思わず反応してしまう。そして……

 

 

―みん、な……聞こえて……る……?―

 

 

閃華「ッ!この声は……やっぱり!」

 

 

バロンP『さ、佐知さん?佐知さんなのか?!』

 

 

『ッ?!』

 

 

そう、その声の正体はヴェクタスに取り込まれた佐知の声だったのだ。しかも聞こえてきたのはヴェクタスの身体からである。

 

 

ヴェクタス『ば、馬鹿なっ……何故だ?!"怨念の檻"に封じていた筈なのに何故……ッ!そうかっ……さっきのあの光か?!』

 

 

―ッ……そう、よ……あの子がっ……私をあそこから出してっ………導いてくれたのよっ…!『零達を助けて欲しい』って、お願いしてきてね…!―

 

 

ヴェクタス『チッ!!』

 

 

動きを止めたヴェクタスは佐知の言葉に思わず舌打ちし、身体から溢れる光を抑えながら自身の背後に黒い歪みを出現させた。

 

 

クーフーリン『ッ!アイツ……まさか逃げる気か?!』

 

 

ヴェクタス『ッ…フフフ…まあいいさ……因子の力は解放させた……当初の目的は果たせたのだから問題はない……ついでにあの三人の手伝いでもしてやるか……』

 

 

バロンP『なっ…おい待て!佐知さんを返せ!!』

 

 

不気味な笑みを浮かべながら歪みに包まれていくヴェクタスを見て直ぐさま引き留めようと走り出すライダー達だが、その前にヴェクタスは歪みを通って何処かに消えていってしまった。

 

 

エデン『チッ…!逃げられたか!』

 

 

ギルガメッシュ『フン……流石は雑種、といったところか……逃げ足だけは特別速い』

 

 

コスモス『関心してる場合じゃないだろう?!まだ佐知さんの身体が乗っ取られたままなんだぞ?!』

 

 

ディエンド『落ち着きたまえ。恐らく奴は、まだこの世界を出てはいないはずだ………アイツ等を手伝うと言っていたから、多分この世界にいる仲間の下に逃げただけなんだろう……それより』

 

 

ライダー達と話し合っていたディエンドは話を切ってその場から歩き出し、ディケイドを抱えるクラウンの下に歩み寄っていく。

 

 

ディエンド『……どういうつもりかな?君が零の暴走を止めるのを手伝ってくれるなんて?』

 

 

クラウン『……フフフッ、別に深い意味はありませんよ。ただ我々ショッカーの目的は世界制服ですからね。我々が世界を手に入れる前に世界を破壊されては、我々が困ってしまいますから』

 

 

ディエンド『…またお得意のおぶさけか。そうやって真意を話さずはぐらかすから、君は気に入らないんだよ』

 

 

クラウン『それはそれは…失礼しましたね。今度からは気をつけておきましょう。では、私はこの辺で失礼させて頂きます。どうやら零氏も……彼女のおかげで大事にはならなかったようですからね』

 

 

クラウンはそう言ってディケイドをディエンドに預けて軽く挨拶し、ディエンドから背を向けて背後に出現した歪みの壁を通り何処かへと消えていった。

 

 

ディエンド『……君は必ず俺が倒す……それまで他の奴に倒されるのは許さないからな……』

 

 

メモリー(……クラウンか……中々面白い奴じゃないか……気に入った……)

 

 

ディエンドとクラウンの話を見ていたメモリーは一人そんな事を思いながら仮面の奥で不敵に笑い、転移の準備を始める。

 

 

Gディケイド『……?もう行くのか?』

 

 

メモリー『あぁ、此処に来たのはただの様子見だったからな……うっちゃんからちゃんとした許可が出ないと俺は動けん。だがまだ奴らはこの世界に残っているようだし……後で増援を送っておこう。あれなら充分過ぎるくらい戦力になる筈だからな……んじゃ、後は頼んだ』

 

 

メモリーはそう言うと転移を開始してその場から消えていき、バンデニウムへと戻っていった。その直後……

 

 

フェイト「………………………………ッ………………………あ…………れ?………此処………は………」

 

 

姫華「ッ!フェイト?!皆!フェイトが目を覚ました!」

 

 

バロンP『ッ?!フェイトが?!』

 

 

無事に治療を終え、姫華に抱き抱えられていたフェイトが漸く意識を取り戻したのである。そしてフェイトは姫華に支えられながら上半身をゆっくりと起こしていき、頭を抑えて辺りを見回していく。

 

 

フェイト「……此処……は……」

 

 

閃華「フェイト!大丈夫?!何処か痛まない?!」

 

 

フェイト「え…………あ、はい…………けど私、一体何を…………」

 

 

意識が混乱しているせいで自分が一体何をしていたのか思い出せないフェイトだが、落ち着きを取り戻していく内に徐々に全てを思い出していく。

 

 

フェイト「……そうだ……私ッ!あ…あの!零は?!零はどうなったんですか?!」

 

 

姫華「お、落ち着いて!零は大丈夫だからっ!ホラ、あそこ」

 

 

姫華は必死に零の安否を聞いてくるフェイトを宥めながらディエンドに抱えられるディケイドを指差し、それを見たフェイトは慌てて立ち上がりディケイドへと駆け寄っていく。

 

 

フェイト「れ、零?!大丈夫?!零ッ?!」

 

 

ディエンド『安心したまえ、単に気絶してるだけだ。放っておいても時期に目を覚ますだろう』

 

 

フェイト「!そ、そっか……良かったっ……本当にっ……」

 

 

ディエンドからディケイドの安否を聞いて安心したのか、フェイトはその場に力無く座り込み、それを見たバロンPはそんなフェイトを心配して駆け寄っていく。そんな様子を安心し切った表情で見ていたフェザーだが、そこである事に気付き何かを探すように辺りを見渡していく。

 

 

フェザー『……あれ?ねぇ、あの男の人は何処いったの?さっきフェイトちゃんを一緒に治療してた人』

 

 

クーフーリン『あ?……そーいや姿が見えねぇな……何処行ったんだあの野郎?』

 

 

共にフェイトの治療をしてくれた男性…ゼウスの姿がいつの間にか消えている事に気付いたフェザーとクーフーリンは辺りを見渡していくが、彼の影すらも見つからない。それに疑問を浮かべる二人だが、エデンとギルガメッシュに呼ばれて仕方なく捜索を打ち切り、他のライダー達と共に公園を後にした。そしてその影では……

 

 

ゼウス「……後は、アイツ等に任せとけば大丈夫そうだな」

 

 

クライシス「みたいね……じゃ、私達は帰りましょうか?」

 

 

ゼウス「ああ。此処から先は、俺らは必要なさそうだしな…」

 

 

林の影から公園を後にするライダー達を見ていたゼウスとクライシスはそんな会話をし、目の前に出現した歪みの壁を通って元の世界へと帰っていった。そしてその近くでは……

 

 

 

 

鳴滝「…ディケイド。これで分かっただろう?貴様という存在が、どれだけ許されない物なのかを!」

 

 

林の陰に身を潜めていた男……いつも零達の前に現れる鳴滝は険しい表情でそう呟き、ライダー達が去った場所を睨みつけながら背後に出現した歪みの壁を通り、何処かへと消えていったのだった。

 

 

 

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