仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
恭平「――さぁ祭りじゃあぁあぁ!!本日は瑠璃ちゃん生誕祭じゃああぁぁ!!略して瑠璃タン!!さぁみんなもご一緒にぃ!!」
慎二「瑠璃タンッ!!」
一樹「瑠璃タンッ!!」
零「瑠璃……タン?」
真也「うるせぇー!!てか人の妹の名前でキモい略し方すんなぁッ!!」
海鳴市にある高町家。其処ではリビングに集まって何やら会議を行う数人の少年達………聖祥大附属中学の授業を終えて集まった零達の姿があった。そしてその中にいる黒髪の糸目をした少年……"市道一樹"は楽しげに真也の方へと振り返りながら口を開いた。
一樹「それにしても、今日が瑠璃ちゃんの誕生日だったんッスね?俺ら全然知らなかったッスよ♪」
真也「ん?あ、あぁ……まあな。せっかくのアイツの誕生日だし、どうせなら皆で祝った方がアイツも喜ぶかと思ってさ」
苦笑いを浮かべながら頭を掻いて笑う真也。そもそも何故こうして皆が集まったかと言うと、実は今日真也の妹である"荒井 瑠璃"の誕生日なのだ。それで真也は最愛の妹である瑠璃の誕生日を盛大に祝ってやりたいと零やなのは達に頼み込み、こういう事になっていたのである。因みに零達は瑠璃の誕生会のための飾り付けの為にこのメンバーが残り、その間になのは達は瑠璃の気を引くために外に出て買い物に行っているのだが……
零「なに言ってるんだ……お前今日まで瑠璃の誕生日だって事、すっかり忘れてたじゃないか」
慎二「……へ?」
真也「うわっ!ばっかお前!!それ黙っててくれって言っただろ?!」
恭平「……ほっほぉ~?それは中々興味深い内容ですなぁ真也殿ぉ?」
零の発言にあわてふためく真也を見て恭平はニヤニヤと口元を緩ませ、一同の視線は真也へと集中していく。
真也「うっ……しゃ、しゃーねだろ?!最近期末テストとかが立て込んでたせいでうっかりしてたんだよ!」
慎二「あー……そういえば真也先輩、テスト期間中は零先輩や終夜先輩のとこに行ったり来たりしてましたよね、確か」
気弱な外見をして零達より一つ年下に見える少年……"天野慎二"は真也がテスト期間の最中、必死に零や終夜から勉強を教えられてたことを思い出して苦笑いを浮かべていく。
零「まったく……授業中に居眠りばかりしているからそうなるんだ。恭平なんか見てみろ、こんなんでも一応学年中位だぞ?」
真也「うぅ……だってよ~、先生の授業って聞いてる最中どーしても眠くなっちまうんだぜぇ?てか聞いてても全然意味分かんねぇーし……だから寝るのさ!」
慎二「いや、そこは頑張って授業受けましょうよ」
恭平「……つーか零っち?なんか俺の事さりげなくこんなんとか言わなかった?つか言ったよね?」
零「気にするな。事実だ」
恭平「ガビーン?!俺様ショーーック!!あぁ……最近の零っちは冷たくて俺様寂しいよぉ~」
ヨヨヨヨッ…っと嘘泣きしながら泣き崩れる演技を見せる恭平だが、零は完全に無視を決め込みながら真也の方へと顔を向けて言葉を紡ぐ。
零「それで、瑠璃へのプレゼントは一体どうする気だ?どうせお前の事だから、まだ何も買えていないんだろう?」
一樹「へ?…マジッスか?!マズイッスよそれ!だったら高町達が外で瑠璃ちゃんの気をそらしている間に決めないと?!」
真也「う……そりゃ分かってるんだけどさ……朝いきなりだったから全然思い付かねぇんだよ……それに、今時の女の子が喜ぶプレゼントなんて俺知らねぇしっ」
恭平「あぁ~~、真也は女にプレゼントあげた事とか全然ないもんな~♪」
真也「余計なお世話だっ!!てか、そういうお前は何か良い案とかあんのかよ?!」
恭平「ムッフフフ~、当然だろぉ?俺様は此処に来る前からバッチリ決めてあんだぜ♪」
一樹「へぇ~以外ッスね?どんなプレゼントッスか?」
一樹は恭平の用意した案に興味津々と言った感じに身を乗り出しながら質問し、恭平は不敵な笑みを浮かべながらゆっくりと立ち上がっていく。
恭平「フッフッフッ…真也にはワリィけどさ?実は俺様、瑠璃ちゃんからいつも恭平お兄ちゃん大好き~♪って言われてるんだぜぇ?驚いただろぉ~♪」
慎二「いや……それ普通に僕等も言われてますけど」
零「止めておけ慎二。コイツは一度調子に乗ると他の奴の言葉は聞かん……ある程度は聞き流せ」
一樹「そうッスね……」
得意げに胸を張る恭平の隅でそんなやり取りが行われるも、恭平はそれに全く気付かず更に言葉を続ける。
恭平「だから俺の考えた案とは、そんな瑠璃ちゃんの純粋な思いに対する感謝の気持ちが込められたプランという訳さ!!」
真也「お、おぉ!何か珍しく恭平がまともな事を言ってる?!で、そのプランって一体何なんだ?!」
恭平「フッフッフッ…聞いて驚くんじゃねぇぞ?俺の考えたプレゼントとは――――!!」
恭平「――『瑠璃ちゃんに、捧げてもいい、この肉体』きょう・へい」
真也「きしょいわぁああぁぁぁぁあああぁぁぁぁあッ!!!!!!」
―バギイィッ!!!―
恭平「おぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!?」
背景にピンクの花柄を浮かばせながら告白した恭平の案にすぐさま拳一発を放った真也……以外と良い音が鳴りました。
真也「珍しくまともな発言したと思えば結局それかっ?!つか小学生にそんなプレゼントとかアングラすぎんだろボケェッ!!」
恭平「お、おぅぅ……最近の子はおマセなのね……」
真也「テメーがおマセなんだよッ!!」
何処を探したら自分の友人を妹の誕生日プレゼントに送る兄貴がいるか!と激怒しながら恭平を怒鳴る真也。だが、そんなやり取りを見ていた零は顎に手を添えながら何やら思考に浸っていた。
零「………いや、意外性を突くならそういうのもアリかもしれんな」
真也「…………はい?」
一樹「確かにそうッスね…よし!んじゃ、プレゼントはそれでいってみましょうか!」
真也「は?いやちょ……」
零「…恭平…お前の身体、瑠璃の為に借してもらうぞ」
恭平「へ?マジで俺の肉体捧げちゃうの?イヤ~ン♪自分で言っときながら今更恥ずかしくなってきたぁ~ん♪」
真也「逃げろ瑠璃ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!!」
自分を置いて勝手に話が進んでいく中、真也の悲痛な叫び声が翠屋に響き渡ったのであった……
◇◆◆
1時間後……
零「……ふむ、意外と良い出来だな」
一樹「そうッスね♪」
慎二「カワイイですよ恭平先輩♪」
真也「……………」
ややあってわいわいと騒ぎ立てて一時間後。零達三人は裁縫箱を閉めながら視線の先にある物体を見て大層満足そうな表情を浮かべ、真也はその物体を見て何処か哀れむような表情をしていた。何故なら四人の視線の先には……
『…………』
シャララ~ンと効果音が聞こえてきそうな可愛らしい装飾で着飾ったジャックフロ〇ト……の着ぐるみを着た恭平が呆然と立ち尽くしていたのであった。
『…あの、皆さん?これは一体何なんでしょうか?』
一樹「ん?だって恭平さんが言ったじゃないッスか?自分を瑠璃ちゃんに捧げる~って♪」
『いや、確かにそう言ったけど……これは何か違うっていうか……つか、この着ぐるみどっから持って来たん?』
零「それは俺のだ。ほら、最近町内で子供受けを狙ったマスコットキャラを集めたお祭りが開かれただろ?その時にケーキを配達しに行った時に貰ったんだ。それ、色んなとこが破損してたから捨てようとしてたみたいだったから」
慎二「で、僕が破損した部分を布でカバーしつつ可愛らしく装飾したって事です♪これだけ派手におめかしすれば瑠璃ちゃんも喜ぶと思うし♪」
『…………』
何か色々とズレた事を言う三人に恭平も思わず額から汗を流す。ふと視界の端に映る真也に目を向ければ、無言のまま目をそらされてしまった……。
『……ま、まぁどっちみちこれで瑠璃ちゃんのハートは俺様の一人占めって事だよなぁ~♪これはこれでいっか♪』
真也「すっげーポジティブ精神だな……でもまぁ……確かにインパクトもあるし、これでもうよしと……」
零「いやまだだ。お楽しみはこれからだ」
真也「するか………って、なに…?」
真也の言葉に割って入った零の声。それに対して疑問げな声を漏らす真也の端で、零は何処からかパンパンに詰まった買い物袋を取り出して無造作にテーブルの上に撒き散らした。テーブルの上に広がった大量のそれには、『プリンの素』とある。
慎二「何ですか、これ?」
零「ちょっと前に瑠璃から好きなデザートは何か?って聞いたらプリンと言われてな。だから今回は、瑠璃へのプレゼントとして人生初のバケツプリンに挑戦してみようかと」
真也「ば、バケツプリンって…お前そんなの作れんのかよ?!」
零「問題ない。普段から母さんの手伝いをしてるせいか一通りのデザートは作れるようになった……だが……」
と零はいきなりガクリと肩を落とし、テーブルの上に広がる大量のプリンの素を見下ろしながら再び言葉を紡ぐ。
零「……ちょっとゴタゴタしてたせいで、バケツプリン調理用のバケツを買うのをうっかり忘れてしまったんだ……」
慎二「えぇ?!それじゃあ、バケツプリン作れないじゃないですか?!」
一樹「な、なら今から買いに行って作れば間に合うんじゃ!」
零「いや、そんな事してる間になのは達が帰ってきてしまう……だからどうにかして、バケツの代わりになるモノを見つけないといけない……」
真也「ば、バケツの代わりって、そんないきなり言われても………………ん?」
どうにかしてバケツの代わりになる物を見つけなければいけない。そう言われてあわてふためく一同だが、その中で一人を除いた一同の視線がある物体……ジャックフ〇ストの着ぐるみを着た恭平へと集まった。
零「………………」
真也「………………」
慎二「………………」
一樹「………………」
『…………ん?え?なに?―ガシッ―………へ?』
四人に一斉に見られて若干戸惑って後退りしてしまう恭平だが、いきなり慎二と一樹に両脇を捕まれ動きを封じられてしまった。
『え?ちょ、何?!何なの?!いきなりなん――!』
真也「―――恭平、ワリィな……」
零「……悪く思うな。これも瑠璃の為だ」
『へ?ちょ、あっやめ!?あっ―――――アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!』
零と真也は恭平へと徐々に迫って恭平が被るジャック〇ロストの頭を取り外し、それと同時に恭平の悲痛な悲鳴が鳴り響いたのであった。
◇◆◆
―…ガチャッ!―
なのは「ただいまー」
『お邪魔しまーす!』
瑠璃「お邪魔しま~す♪」
そして数時間後。長い時間外に出掛けていたなのは、フェイト、はやて、アリサ、すずかに麻衣や綾達、そして小学生四年生くらいの赤い長髪をした一人の少女……真也の妹である瑠璃が家の扉を開けて漸く帰ってきた。すると奥から一人の女性……零となのはの母親である高町桃子がひょいっと顔を出した。
桃子「あら、お帰りなさいみんな」
フェイト「あ、お邪魔してます」
麻衣「……こんにちは」
なのは「ただいまお母さん、零君達は?」
桃子「みんな奥にいるわよ?もう準備も終わってるみたいだから、早く行ってあげなさい♪」
なのは「うん♪じゃあ瑠璃ちゃん、みんな、奥に行こっか?」
すずか「うん。早く瑠璃ちゃんのお祝いをしないとだし、ね?」
瑠璃「うん♪」
すずかに頭を撫でられながら瑠璃は年相応の笑みを浮かべながら頷き、なのは達はそんな瑠璃の手を引きながら家の中に入ろうとするが……
桃子「……あ、そうそう。何だか零君達、すごく面白そうなもの作ってたわよ♪」
綾「……へ?」
アリサ「面白そうな…もの?」
はやて「なんですか、それ?」
笑顔を浮かべる桃子の言葉になのは達は疑問符を浮かべて思わず立ち止まって振り返るが、桃子は「行ってみれば分かるわ♪」とだけ告げてそれ以上は教えてくれなかった。そんな桃子になのは達は更に疑問符を浮かべながら家の奥へと入っていた。そしてリビングへと足を踏み入れると……
瑠璃「――わぁ~♪」
すずか「可愛い~♪」
アリサ「へぇ、結構凝ってるじゃない?」
なのは達がリビングに入ると、其処には様々な折り紙で飾られたリビングと豪勢な料理が並べられたテーブルを囲んで座る零達の姿があったのだった。
零「よ、やっと帰ったきたか。どうだ、結構らしくはなってるだろう?」
綾「えぇ、スッゴく素敵な飾り付けです♪」
フェイト「あ、でもごめんね?準備とか全部任せちゃったみたいで」
一樹「良いッスよそんなの♪俺らも皆楽しかったッスから♪」
申し訳なさそうに謝るフェイトに一樹は手をブラブラと振りながら笑うが、其処で慎二はある事に気付いて頭上に疑問符を浮かべた。
慎二「……あれ?そういえば他の皆さんは?」
はやて「あ、終夜君と裕司君やったら、まだ生徒会の仕事があるから後で来るゆうとったよ?総一君は実家の歌舞伎の稽古があって、椋君は病院のお母さんのお見舞いでこれへんかもって……」
零「そうか……まぁ終夜と裕司はともかく、あの二人の場合は仕方ないか……」
瑠璃「真也お兄ちゃ~ん!」
はやてから他のメンバーの事情を聞いて納得する零と慎二。その隣では、瑠璃が明るい笑みを浮かべて真也の下へと駆け寄ってきていた。
真也「おかえり瑠璃、楽しかったか?」
瑠璃「うん♪あのね?なのはお姉ちゃん達が一杯プレゼントくれたんだよ♪」
真也「そっかそっか、けどな?まだプレゼントがもう一つ残ってんだぞ~♪」
瑠璃「え?」
そう言って真也はニカッと笑いながら瑠璃の頭を撫で、瑠璃は真也の言葉にキョトンとした顔を浮かべて首を傾げる。するとその時、そのタイミングを待っていたかのように部屋の奥からジャックフ〇ストの格好した恭平が出て来た。
『ハァーイ!瑠璃ちゃん、HAPPY BIRTHDAY~♪』
瑠璃「わっ?!その声……恭平お兄ちゃん?!」
アリサ「ちょ、アンタなんて格好してんのよ?!」
真也「良いから良いから…実はこん中に、俺等からのプレゼントがあんだよ」
瑠璃「本当?!あけていい?」
真也「おうよ!」
真也は期待を込めた瞳で見上げてくる瑠璃に向けて頷きながらサムズアップし、瑠璃は緊張しつつも恭平へとゆっくり歩み寄り、恭平が被るジャック〇ロストの頭を両手で掴んで、勢いよく開いた。其処には……
―……プルンッ♪―
瑠璃「……え?」
『…………へ?』
ジャックフロ〇トの頭を外した中身には、プルンッと大きく揺れる巨大なプリンがあった。のだが……何故か、着ぐるみを着てる恭平の頭までもプリンと一緒になっていたのだった。
『…………えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえッ!!!!?』
恭平「は~い♪瑠璃ちゃーん!」
瑠璃「す、すごいすごい!恭平お兄ちゃんがプリンになってる?!」
なのは「待って待って待って?!おかしいでしょ?!プリンはともかく何で中の人も一緒?!」
零「いや、実はバケツプリン作る為のバケツを買うのを忘れてしまってな?代わりにコイツの着ぐるみを使ったんだが………せっかくだから入れてみた」
アリサ「どんなせっかくよ?!てかアンタ達も少しは止められることは出来たでしょ?!」
慎二「いや、その…」
一樹「何というか……好奇心が勝ったていうか…」
真也「せっかくの機会だったんで……つい」
はやて「だからどんなせっかくやねん?!」
プリンに人入れるってどんだけだよ?!っと男性陣に詰め寄っていく女性陳だが、瑠璃は恭平プリンを見て物凄いはしゃぎようで零達の下へと駆け寄ってきた。
瑠璃「すごいよすごい!!瑠璃、あんなおっきいプリンはじめて見た!!みんな本当にありがとう!!」
フェイト「あ……瑠璃はご満悦……みたいだね」
綾「まあ……あんな巨大なプリン……確かにそうそう見れるような物じゃないですからね」
零「……まあ取りあえず、皆で食うか?」
なのは「……ふふ、そうだね。あんな大っきなプリン、瑠璃ちゃんだけじゃ食べ切れないもんね♪」
はしゃいで喜ぶ瑠璃を見て零達は思わず笑みを零し、一同もそれぞれテーブルからスプーンを取って恭平プリンを食べる事にしたのであった。
一樹「……Σんん?!結構イケるッスよこれ?!」
慎二「ホントだ、美味しい~!」
なのは「うん、ホントに美味しい♪」
フェイト「でも、ちょっと大き過ぎるかな……」
はやて「あ、そやったら私小皿でも取ってくるわ♪」
麻衣「……瑠璃、美味しい?」
瑠璃「うん!スッゴく美味しいよ♪麻衣お姉ちゃんも美味しい?」
麻衣「……うん……美味しいよ……中身がこれじゃなかったら……もっと良かったんだけど……」
恭平「ハァ、ハァ、ハァ…食べられちゃう!!恭平皆に突かれながら食べられちゃ~~う!!!VVvvV」
アリサ「ΣΣきしょく悪いわ!!いいからアンタは黙って私達に食べられてなさい!!�」
綾「ア、アリサさん?その発言もちょっと……問題あるような�」
すずか「アハハ……�」
そんなやり取りが行われながらも和気あいあいと恭平プリンを一同みんなで食していき、テーブルに座ってそんな様子を見ていた零と真也も思わず笑みを漏らしていた。
零「……いいのか?瑠璃と一緒に食べなくて」
真也「あんな人面プリン食えるかよ。そういうお前はどーなんだ?」
零「……右に同じだ」
零は苦笑しながらそう言うとコップに注いだ飲み物を喉に流し込んでいき、真也は恭平プリンを食べる瑠璃を見つめながら口を開いた。
真也「………ありがとな?瑠璃の誕生祝いの相談受けてくれて」
零「……瑠璃の為なら仕方ないだろう。それに、この問題はお前一人で解決出来るとは思えなかったし」
真也「うわっひっでーな?……でもそうだな……俺だけじゃどうする事も出来なかった……こういう時に限って、両親がいないと不便だよ」
零「…………」
そう呟いた真也の表情は、何処か寂しげなものに見えた。以前真也から聞いた話では、真也と瑠璃の両親は既に不運の事故で他界してしまってる。それから二人は親戚中の間で邪魔物のように扱われ、何度も転校を繰り返してこの海鳴市へと辿り着いたらしい。そして今は、親戚からの仕送りで二人だけで生活している。だから真也にとって、瑠璃はたった一人の家族とも言えるのである。
零「……だが、お前はお前で頑張ってるじゃないか?妹の為に此処までしてやれる兄なんて、きっと何処を探してもお前だけだろう」
真也「んな大したもんじゃねぇよ�俺はただ、瑠璃の為にしてやれる事をしてるだけだぞ」
零「それでもだ……お前のその妹思いなところは……きっと瑠璃にだって伝わってる筈だろう」
真也「ハハ、だったら良いんだけどな……」
そう言って真也は苦笑いを浮かべながら頬を掻き、零も微笑を浮かべながら真也へと顔を向ける。
零「――これからもちゃんと、瑠璃を守ってやれよ?」
真也「……おう、当たり前だっ」
二人はそう言いながら拳を合わせて微笑し、恭平プリンを食べるなのは達を見て笑みを浮かべ続けていた。そして、生徒会の仕事を終えて後からやって来た終夜と裕司も交え、なのは達と共に瑠璃の誕生日を大いに祝っていったのだった――