仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十四章/キャンセラーの世界⑬(後編)

 

 

ヴェクタス『知ってるか?お前が引いてる阿南の血は俺が知る中でも殺しに長けた上質の血筋だ。その血を引いていながら家族だの親だの……そんな物に惑わされる甘ちゃんが裏世界で生きていける訳がないよなぁ?所詮お前は価値のある血を持て余し、平凡な世界でのうのうと生きてる…そこら辺の劣悪種と同じってことだッ!!』

 

 

―ギリギリギリィッ…!―

 

 

祐輔「グッ!!ウアァァァァァァァァァァァアッ!!」

 

 

ヴィヴィオ(祐輔)「やっ、やめて!!もうやめてよぉッ!!」

 

 

オーガ『ッ……』

 

 

ファム『真也……』

 

 

オーガ『……分かってる……この任務を失敗したら、終夜の信頼を失う事になる……そうすれば俺の望みは叶わなくなる……けど……だけどっ……』

 

 

アナザーアギト『………』

 

 

任務を果たしたい、だけどその為にこんな幼い子供を苦しませていいのか。ヴェクタスが愉快げに祐輔を踏み躙る光景を目にして泣き叫ぶヴィヴィオ(祐輔)を見て、オーガは割り切れない思いを抱えて思い詰めた表情を浮かべ、ファムとアナザーアギトもそんなオーガを切なげな表情で見つめていた。その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――劣悪種はお前の方だ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……ッ?!』

 

 

不意に何処からかその場にいた全員の耳に声が届き、祐輔やヴェクタス達はそれが聞こえてきた方へと振り向いていく。其処には光が差し込む工場の入り口の奥から祐輔を追ってきた零とフェイト、響と皇牙が歩いてくる姿があったのだった。

 

 

ヴェクタス『貴様等…』

 

 

祐輔「ッ……零さん……みんな……なんでっ……」

 

 

皇牙「悪いな、祐輔さん」

 

 

響「やっぱり、ほっとくなんて出来なかったからさ」

 

 

一同の登場に祐輔が驚く中、皇牙や響は苦笑しながら頭を掻きヴェクタスは一同を睨みつけながら口を開いた。

 

 

ヴェクタス『どういうつもりだ?手紙にはコイツ一人で来いと書いてあったはずだろう?』

 

 

零「…そいつ一人をおびき寄せるのに人質まで使って、その上これだけの大人数を用意しておいてよく言う」

 

 

ヴェクタス『フン……俺はただ、客人を迎えるのにそれ相応の対応をしたまでさ。なんせ相手は超ビッグな神様なんだからな?』

 

 

ヴェクタスは鋭い目で睨みつけてくる零の視線を軽く受け流しながら鼻で笑い、足で踏み付ける祐輔を見下ろしながら不気味な微笑みを浮かべていく。

 

 

ヴェクタス『だがまぁ……今更お前達が来たぐらいでどうこうなる訳じゃない。噂で最強と謳われた無効化の神は、肉親の情とやらに惑わされてこのザマだ。情けない姿だろ?阿南の戦闘本能を引き継いでおきながら母親も殺せず、こうやってみっともなく土を舐めてるって訳なんだからなぁッ!!』

 

 

ヴェクタスは見下すような目で祐輔を見下ろしながら可笑しそうに笑い声を上げていく。それを聞いていた祐輔は唇を噛み締めながら右手を握り締め、フェイト達は険しげに眉を寄せていき、そして……

 

 

零「……本当に馬鹿な奴だ。そこら辺の猿程度の知能しかないんじゃないか、お前?」

 

 

ヴェクタス『……あぁ?』

 

 

嘲笑うように笑みを漏らした零の言葉にヴェクタスは笑いを止めて殺気を込めた目で零を睨みつけるが、零は気にした様子を見せずに構わず続ける。

 

 

零「分からないか?何故そいつがお前の誘いに乗ったと思う?きっとそいつも、自分の家族を使って自分を罠に嵌めてくるかもしれない……それを分かった上で此処へきた筈だ。何故か?それは家族を………大事な妹と、たった一人の母親を守る為だ!」

 

 

ヴェクタス『ハッ、だから馬鹿だと言ってるんじゃないか?コイツは阿南の血を引いていながら肉親という理由だけでそれすらも殺せないでいる。親という存在がそれを妨げ、息子を危険な目に合わせているんだぞ?そんなもの、守る意味が何処に……』

 

 

零「守る意味なら十分ある……佐知さんは昔大切な人を亡くし、それでも悲しみに堪えて女手一つで祐輔を此処まで育ててきた………血に濡れた手で、それでも自身が歩んできた暗殺者の世界とは掛け離れた世界で幸せになって欲しいと願いながら……そんな親の愛情があったから、祐輔は祐輔として今を生きてる。そして祐輔はそんな佐知さんやミナ達………家族を大事に思い、今もそれを守ろうとしている!祐輔が戦闘本能に飲まれた中で佐知さんを手に掛けれなかったのも、佐知さんを助けたいという血に負けない思いと優しさがあったからだ!」

 

 

祐輔「ッ…!」

 

 

オーガ『……家族を……守りたい……』

 

 

零の言葉を聞いた祐輔はその表情に力強さを取り戻していき、オーガも何処からか水色のペンダントを取り出し、その中にある写真に写った少女をジッと見つめていた。

 

 

零「例えどんな血を引いていようと、コイツは自分の血に負けて暴走し、家族を手に掛けるようなことはしない!そいつは俺とは違い、それに負けない心の強さと優しさ……そして決して断ち切れない、家族との絆を持っているから……」

 

 

ヴェクタス『ッ!ほざけ!そんなくだらないものが…―シュババババババババババッ!!―……ッ?!』

 

 

ヴェクタスが苛立ちを込めながら叫ぼうとした瞬間、突如ヴェクタスの真横から無数の魔力弾が降り注ぎ、ヴェクタスは思わずバックステップしてかわしそれが放れてきた方へと振り返ると、其処には別の入り口の方からヴェクタスに向けて右手を構える一人の少年の姿があった。

 

 

「……なんとか、間に合ったみたいだな?」

 

 

零「ッ!お前…」

 

 

祐輔「れ、煉さん?!」

 

 

零達の目の前に現れた少年……それは以前、零が優星の世界で共に戦った時に知り合った"赤坂 煉"だったのである。煉の登場に一同が驚く中、煉は構えを解くと祐輔へと歩み寄り祐輔を抱き起こしていく。

 

 

煉「話しは此処へ来る前にユウ達から聞いたよ。なんだかまた面倒事に巻き込まれてるみたいだし、頼りないかもだけど手を貸しにきた」

 

 

零「……いや、来てくれて助かった。それで来て早々悪いが、早速力を貸してもらってもいいか?」

 

 

煉「あぁ、任せてくれ」

 

 

煉はそう言ってポケットからカードケースを取り出し微笑を浮かべ、零も同じ様に微笑を浮かべると祐輔へと近付き祐輔の父親の形見であるカメラを差し出した。

 

 

祐輔「!これ……」

 

 

零「今度は俺達も……お前の父親も付いてる……まだやれるだろう?」

 

 

祐輔「……うん」

 

 

祐輔は力強い表情で頷くと零の手からカメラを受け取り、煉や響達も二人の隣に並びヴェクタスと対峙していく。

 

 

ヴェクタス『フッ……一人増えたからと言ってなんになるんだ?そいつも纏めて…「誰が一人だけって言ったのかな?」…ッ!』

 

 

ヴェクタスの言葉を遮る様に突然青年の言葉が工事に響き、ヴェクタスはそれが聞こえてきた方へと振り向いた。其処には煉がやって入り口とは反対側の入り口の前に立つ人物達……大輝とルミナ、翔と幸村と雄介達の姿があったのだった。

 

 

祐輔「ッ!みんな!」

 

 

大輝「青年君を頂くのは俺だからね。大事なお宝を奪われる前に君達を倒させてもらうよ♪」

 

 

ルミナ「今回は私も殺っちゃいますよ~♪」

 

 

翔「やられっぱなしなんて性に合わないからな」

 

 

雷「あぁ、今度は勝たせてもらう!」

 

 

煌一「義母さんが世話になった礼……たっぷり受けてもらうぞ!」

 

 

幸村「前回は逃したが……次は逃がさん!」

 

 

雄介「我が友に土を舐めさせたその罪、万死に値する!覚悟しろ道化!」

 

 

ヴェクタス『チッ…ゴミ共がぞろぞろと!分かってるんだろうな?!こちらの条件を破ったからにはまずあのガキを『グアァッ?!』…?!』

 

 

次々と現れるメンバー達に苛立ったヴェクタスはヴィヴィオ(祐輔)を消そうとライオトルーパー達に命令しようとするが、ヴィヴィオ(祐輔)を見張っていた筈のライオトルーパー達が突然上の階から落下してきたのである。そのライオトルーパー達が落ちてきた上の階では……

 

 

 

 

―ガシャンッ!ジャラァッ……―

 

 

ヴィヴィオ(祐輔)「…え?」

 

 

オーガ『…………』

 

 

何故かオーガがヴィヴィオ(祐輔)を束縛していた鎖を斬り裂き、呆然とした表情でオーガ達を見上げるヴィヴィオ(祐輔)を解放していたのだった。

 

 

ヴェクタス『ッ?!貴様……一体何の真似だ!!』

 

 

オーガ『……よくよく考えてみりゃあさ、俺等の任務は無効化の神に負けた時点で失敗してんだよ。なら、これ以上続けたって意味はねぇだろ?』

 

 

ヴェクタス『なっ……ふざけるな!分かってるのか?!終夜に任務が失敗したことが知れれば、お前の望みは叶わなくなるかもしれんのだぞ!!』

 

 

オーガ『それについては何とか許してもらうさ……罰を受けるなりなんなりしてな。俺は俺のやり方でやる……これ以上、てめぇの胸クソわりぃ作戦に付き合う気はねぇよ』

 

 

アナザーアギト『そーいう事だ。俺らは先に抜けさせてもらうぜ~♪』

 

 

アナザーアギトがそう言うとファムも同意するように頷き、ヴィヴィオ(祐輔)は未だ戸惑った様子で三人を見上げていく。

 

 

ヴィヴィオ(祐輔)「あっ、あの……」

 

 

オーガ『…別に逃げるとこを後ろから斬り掛かったりしねぇよ。気が変わる前にさっさと消えろ……』

 

 

ファム『……ごめんね……怖かったよね?ほら、早くお兄ちゃん達の所に行って?』

 

 

ヴィヴィオ(祐輔)「あ……は、はい!あの……たすけてくれて、ありがとうございます」

 

 

ヴィヴィオ(祐輔)は戸惑いがちに頭を軽く下げてお礼を言うと大輝達の下へ走り寄っていき、三人はそれを確認すると背後に出現した歪みの壁を潜り何処かへと消えていったのだった。

 

 

ヴェクタス『クッ…!役立たずどもが!!』

 

 

零「…どうやら、あっちはお前より利口らしいな」

 

 

雷「残ったのはお前だけだ……どうする?」

 

 

ヴェクタス『……フンッ、あんなクズ共がいなくなろうが問題などない。お前達のようなゴミ共には、コイツ等で十分だ!』

 

 

機嫌を悪くしたヴェクタスが右腕を掲げると共に周りの物影から無数の数のライオトルーパーが現れ、瞬く間に零達を囲んでいった。それを見た零は上着のポケットからディケイドライバーを取り出して装着し、それに応えるように祐輔達もそれぞれのツールを取り出し装着していく。

 

 

零「悪いが、倒されるのはお前の方だ。俺達はもう、お前に負けはしない」

 

 

ヴェクタス『ッ!減らず口ばかりを……何なんだお前は?!』

 

 

零「通りすがりの仮面ライダーだ、憶えておけ!変身ッ!」

 

 

『変身ッ!』

 

 

皇牙「アルト!セットアップ!」

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

『GATE UP!CANCELER!』

 

『RIDER SOUL BEAT!』

 

『Henshin!』

 

『TURN UP!』

 

AT『Set UP!』

 

 

零はそう叫ぶと共にカードをバックルに装填してディケイドへと変身し、祐輔とフェイトと響と煉もそれに続くように変身動作を行いキャンセラーとビートとゼファー、煉は紫の球が体中に身に付けた龍騎系統のライダーである『インフェルノ』に変身し、皇牙もBJを身に纏い戦闘態勢に入っていく。そして……

 

 

大輝「俺達もいかせてもらうよ?変身ッ!」

 

 

『変身ッ!』

 

 

『KAMENRIDE:DI-END!』

 

『CHANGE UP!ASTRAEA!』

 

『GATE UP!BARON!』

 

『GATE UP!EDEN!』

 

『GATE UP!FEATHER!』

 

『CHANGE RAIGA!』

 

 

大輝達もそれぞれ変身動作を行い大輝とルミナはディエンドとアストレア、幸村となのは(幸村)はエデンとフェザーに、雄介となのは(雄介)とノーヴェ(雄介)はギルガメッシュとアーサーとクーフーリン、翔と雷はバロンと雷牙、煌一は装甲を纏った銀色の身体を持つライダー『インフィニティ』へと変身していった。そしてディエンド達はディケイド達の横に立ち並び、それぞれの武器を構えていく。

 

 

ヴェクタス『…どうやら、直接痛め付けないと分からんようだな……いいだろう、貴様等全員地獄へと叩き落としてやる!』

 

 

クーフーリン『その言葉、そのままそっくり返してやるよ!』

 

 

フェザー『ヴィヴィオ、危ないから其処に隠れててね!』

 

 

ヴィヴィオ(祐輔)『う、うん!』

 

 

バロン『零!祐輔!雑魚共は俺達に任せろ!お前達は佐知さんを!』

 

 

キャンセラー『分かった!零さん!!』

 

 

ディケイド『あぁ…いくぞみんな!!』

 

 

『応ッ!!』

 

 

ライダー達はそれぞれ武器を構えて迫り来るライオトルーパー達へと突っ込んでいき、ディケイドとキャンセラーもヴェクタスへと突っ込んでいくのであった。

 

 

 

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