仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第二章/クウガ×らき☆すたの世界⑫

 

ガミオを倒し、急いで病院に戻った二人は綾瀬の病室へと戻っていく。他の患者や医者の間をすり抜け、慌てて病室に入ると、其処には……

 

 

 

 

 

綾瀬「──────」

 

 

 

 

 

優矢「……綾瀬、さん……」

 

 

零「…………」

 

 

……既に息を引き取り、眠るように目を閉じる綾瀬と、彼女の傍らに座るやまとと涙を流すなのは達の姿があった。

 

 

やまと「……綾瀬刑事……最後まで笑ってたわ……」

 

 

髪で表情を隠し、やまとが静かにそう告げると、優矢は茫然自失のまま綾瀬に近付いて彼女の手を握り締めていく。その顔にはやまとの言う通り穏やかな笑みが浮かんでおり、優矢は溢れ出しそうになる涙を堪えるように綾瀬の手に額を当てていき、やまとも何も言わずそんな優矢の背中に触れて彼を慰めていく。

 

 

零「……いくぞ……俺達の役目は終わった」

 

 

なのは「……え?ま、待ってよ零君っ!」

 

 

そんな優矢達の姿を見てこれ以上此処に留まる訳にはいかないと思った零は、なのは達と共に綾瀬の病室を出ていき、そのまま病院を後にするのだった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

同時刻、灯溶山山頂。ガミオが目覚めたこの場所で零達を監視していた謎の男が消えていくグロンギ達の中で一人、崩れた石碑を眺めていた。

 

 

「……私は許さない……ディケイド……」

 

 

男がそう言うと辺りに銀色のオーロラが出現していき、そのオーロラと共に男はその場から消えていった。

 

 

 

 

◆◇◇

 

 

 

 

―光写真館―

 

 

零「──痛ッ!ば、馬鹿っ、もう少し丁寧にやれってッ!」

 

 

なのは「いいから我慢してッ!本当にもうっ、またこんなボロボロになってっ……!」

 

 

あれから数十分後、病院を後にした四人は光写真館に戻り休息を取り、零は先程の戦いで傷付いた箇所をなのはに治療してもらっていたが、その量が半端なく多い為、治療を終えるのに大分時間が掛かっていた。

 

 

なのは「はい、終わったよ。全く、ちょっと目を離した隙に無茶ばっかりするんだから……」

 

 

零「いや、それに関してはお前が言えた口じゃないだろうよ……」

 

 

なのは「私以上に零君が無理してるよ!昔から危険な任務が終わる度に会うのはいっつも医務室のベットの上だったし、他にも──!」

 

 

零「わ、分かった!分かったから!もう十二分に分かったからそれ以上はいい!」

 

 

ちょっとボヤいただけで百になって返ってきたなのはからの文句に慌てて止めに入る零。一方でなのははまだまだ言い足りないような様子で口を尖らせており、そんな二人を見てスバルとティアナも栄次郎が煎れてくれた珈琲を飲みながら苦笑いを浮かべていたが、スバルがふと気になっていた疑問を口にしていく。

 

 

スバル「それにしても、この世界の滅びを止める……それが私達の本当の役目だったんでしょうか?」

 

 

零「さあな……ただ一つだけ言えるのは、恐らく他の世界でもこの世界と同様に滅びの危機に瀕してる可能性が高いって事だ。多分、この先でもそういった脅威と戦う事は避けられないとは思う」

 

 

なのは「……この先も……」

 

 

つまりこの先の旅でも今回のような戦いが待ち受け、零はその度に一人戦って傷付く事になるかもしれない。体中に包帯を巻いた零の痛々しい姿を見てそんな不安を覚えるなのはを他所に、零はソファーから立ち上がって背景ロールに近付いていく。

 

 

零「取り敢えず、この世界での俺達の役目が終わった事に変わりはない。次の世界に向かわないといけない訳だが……」

 

 

栄次郎「──あれ?零君、もう動いても大丈夫なのかい?」

 

 

次のライダーの世界に向かう方法を考える中、背景ロールの脇から呑気な口調と共に栄次郎がひょっこり顔を出した。

 

 

零「爺さん……?アンタそんなとこで何やって……」

 

 

栄次郎「いやね、君の写真を額縁に飾ろうと思ってた所なんだよ。ほら、零君にしては今回の写真、中々イイ感じに撮れてたから」

 

 

そう言いながら栄次郎が差し出して見せたのは、額縁に収められた一枚の写真。其処には先日写真館に訪れた優矢と綾瀬が笑い合う姿が写し出されており、綾瀬の姿が影のように浮き出ていた。

 

 

その二人の穏やかな写真を見てなのは達も切なげな表情を浮かべる中、零は肩を竦めて溜め息を漏らした。

 

 

零「別に額縁に収める程の出来でもないだろう?個人用のアルバムとか売ってくれればそれに収めるだけで十分……」

 

 

栄次郎「いやいや、こういう味わいのある写真はちゃんとした額縁に入れておいてやらないと。ええっと、確かもう1枚の写真を入れる用の額縁がこの辺に……―ガシャンッ!―……あっ」

 

 

背景ロールの脇の物置を漁り額縁を探す中、栄次郎の肘が背景ロールを操作する鎖に当たってしまい、その衝撃でまた新しい絵の背景ロールが現れて一瞬淡い光を放った。

 

 

零「!これは……」

 

 

新たに出現した背景ロールに描かれているのは、満月の夜と高層ビル、そしてそのビルからドラゴンの首と手足が出ている不可思議な絵だった。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

グロンギ達との戦いを終えた翌日。先の事件で今日は学校が休日となったこなた達は、こなたの従妹である"小早川 ゆたか"がグロンギの事件で怪我をして入院したという連絡を受けてお見舞いに訪れていた。

 

 

しかし実際の所は捻挫で一日病院で安静にしていただけで今日で退院出来ると聞いて安堵し、同じように彼女のお見舞いに来ていたみなみに後を任せて帰路に付いていた。

 

 

こなた「──いやぁー、でもホントに良かったよ〜。ゆーちゃんが怪我をしたって連絡受けた時は流石に私も心臓が飛び出そうなぐらいビックリしたし……」

 

 

かがみ「ホントにね。捻挫程度で済んだって聞いた時は安心したわ……っていうか、こっちはこっちでアンタから急に連絡来てパニックたってのっ」

 

 

こなた「い、いや、私もお父さんもいきなり病院から連絡もらって滅茶苦茶気が動転しちゃってたから……や、ほんとすみませんでしたっ……」

 

 

つかさ「ま、まあまあ、こなちゃんの気持ちも分からなくもないし……でも、二人とも無事で本当に良かったよねぇ」

 

 

みゆき「えぇ、本当に大事がなくて安心しました。でも、結局お二人を助けてくれたという二人の女の人、一体誰だったんでしょうね……」

 

 

こなた「ほんとにねー。名前も名乗らずにいなくなっちゃったからこっちもお礼が出来ないし、分かってる特徴と言えば、青髪のショートヘアにツインテールのオレンジ色の髪ってだけだけど……」

 

 

ゆたかとみなみが話してくれた二人を助けてくれた二人組の女の子の特徴を口にし、こなたの脳裏にふとこの前学校の校門前で出会った二人……なのはとスバルにそっくりな女子達の顔が過ぎる。

 

 

あの二人がいなくなった後、気になったこなたは後日学校の新聞部に二人を尋ねてみたのだが、何故か部員達は口を揃えてそんな二人は知らないと怪訝な反応を返されてしまった。

 

 

あの二人も結局何者だったのか。もし仮にあの二人が自分の知るアニメのキャラクターと同一人物だとするのなら、ゆたか達から聞いた特徴的に心当たりがない訳ではないのだが……

 

 

こなた「う〜、ぜんっぜん分からない……こんなにも漫画の中の名探偵が欲しいと思ったのは生まれて初めてかも……」

 

 

かがみ「なにさっきから一人でブツブツ言ってんのよ……っていうか、優矢は?アイツにも連絡したって言ってなかったっけ?」

 

 

こなた「え?あ、優矢は何か今日は大事な用があって行けないって。っていうか、何かゆーちゃんのお見舞いはもう昨日行ってて先に二人の様子を見てきてたっぽいよ?」

 

 

つかさ「え、そうなの?でも優矢君、何でゆたかちゃんが入院してるって知ってたのかなぁ……?」

 

 

みゆき「病院側も先日の事件の影響で混乱が続いてたせいで、泉さん達に連絡があったのも今朝頃になったという話でしたしね……。それに大事な用というのは一体?」

 

 

こなた「うーん、その辺の事は話してくれなかったんだよね……まぁ、どうせこれから優矢の家に寄ろうと思ってたとこだし、ついでに聞いてみたらいいんじゃないかな?」

 

 

そう言いながらこなたは三人と共に優矢の家に向かうべく歩き出していくが、この時の彼女達は知る由もない。彼の家を尋ねても優矢に会う事はなく、暫くこの世界に戻って来なくなる事を……。

 

 

 

 

◇◇◆

 

 

 

 

一方その頃、優矢はやまとと共に綾瀬家の墓に花を添えて拝んでいた。その顔は昨日までとは違い、力強い決意が秘められた顔付きとなっている。

 

 

―世界中の人の笑顔の為なら、貴方はもっと強くなれる……私に見せて……―

 

 

優矢「……綾瀬さん。俺、今なら出来る気がするよ。だから、見ていてくれ」

 

 

やまと「……先輩」

 

 

墓で眠る綾瀬に自分の想いを告げる優矢の表情は、まるで青空のように何処までも晴れやかな物だった。そんな優矢の顔を見てやまとも安堵するように微笑を浮かべていき、優矢は墓地の近くに停めておいたマシンに乗ってその場を後にしようとするも、片付けを申し出て此処に残る事を告げたやまとに申し訳なさそうな目を向けていく。

 

 

優矢「なぁ、ホントにいいのか?やっぱ俺も片付け手伝って──」

 

 

やまと「人の事を気に掛けるより、先ずは自分の心配をしなさい。まだ昨日の今日で戦いの傷も癒え切っていないのだから、ちゃんと安静にしてないと」

 

 

優矢「……そっか……悪いやまと。それと、いつもありがとうな……」

 

 

やまと「……一丁前の口を効くなんて、先輩の癖に生意気ね」

 

 

優矢「な、何でだよっ?!」

 

 

其処まで変な事は言ってないだろ?!とやまとからの辛口に慌てふためいてしまう優矢だが、やまとはそんな優矢に背中を向けて見えない所で小さく微笑む。

 

 

そして優矢も何も言わず綾瀬の墓へと戻っていくやまとの背中を疲れた顔で見つめるも、すぐに笑みを浮かべてヘルメットのバイザーを下ろし、やまとの厚意に甘えバイクを走らせてその場を後にしていくのだった。

 

 

──自分の後を追い掛けてくる、小さな白いコウモリの存在にも気付かず……。

 

 

 

 

クウガの世界 END

 

 

 





桜川 優矢


解説:らき☆すたの世界におけるオリ主的存在であり、仮面ライダークウガの変身者。凌桜学園高等部三年に所属し、こなた達と同じクラスの高校生。


こなたとは幼なじみらしく、昔からよく遊んでいて今でもこなた達と友人関係にある。


またこなたの影響でオタク趣味にもそれなりに理解があり、特に彼女に勧められて半ば無理矢理プレイさせられた型月作品にどっぷりハマる事に。


性格は明るく前向きだが、普段から個性豊かな面々に囲まれていたからか、こなた達の中ではかがみに次ぐツッコミポジションだった模様。


ある日、グロンギに攫われた凌桜学園での後輩である八坂こうの親友、永森やまとを単身で助け出そうとした事をきっかけに謎の男の導きでクウガのベルトのアークルを手に入れ、彼女や後の事件で知り合った女刑事の綾瀬翔子の協力の下、仮面ライダークウガに変身してグロンギと戦う事になる。


元々はクウガである自分を受け入れてくれた綾瀬に恋慕を抱き、彼女に認められたい一心からグロンギと戦い続けていたが、死に際の彼女との最後のやり取り、零との共闘を通じて『世界中の人達の笑顔の為に戦う』という新たな道を見出すが、綾瀬の墓参りの帰宅中の謎の白いコウモリに出会い……?


イメージキャラクターはひぐらしのなく頃にの前原圭一





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