仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
キャンセラー『ハァッ!!ダアァッ!!』
ディケイド『フッ!セイッ!!』
―ガギンガギイィィッ!!ガギャアァンッ!!―
ヴェクタス『グアァッ?!グゥッ!!』
一方、ディケイドはキャンセラーの一撃が入りやすくなるようにキャンセラーをフォローし、キャンセラーは光を纏った刀を振るって確実にヴェクタスへとダメージを与えていた。キャンセラーの剣撃を受けたヴェクタスの身体は所々に皹が入り始め、既に全身の半分以上に皹が広がっている。
ヴェクタス『クッ!何故だ?!この身体は戦神の力を秘めた最強の身体の筈だ!なのに、何故こんな虫けら共に?!』
キャンセラー『他人の力にばかり頼って、卑怯な手段しか使わないお前には分からないさ!!』
ディケイド『これがお前が嘲笑った、人の絆と思いの力だ……ヴェクタス。人の想いを甘く見過ぎたのが、お前の敗因だ!』
ヴェクタス『ッ!!ほざくなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
ディケイドとキャンセラーのその言葉に激怒したのか、ヴェクタスは力任せに剣を振るって巨大な衝撃波を放つが、ディケイドとキャンセラーはその場から飛び退いて何とか衝撃波を回避していく。
ディケイド『チッ…完全に見境がなくなってるか…』
キャンセラー『ッ……でも絶対倒して、母さんを助け出すよ……今は、父さんもついててくれるから!』
キャンセラーが力強い表情でそう呟いた瞬間、キャンセラーの刀を纏う光がそれに応えるように一瞬淡く輝いた。それと共に突然ディケイドの左腰にあるライドブッカーが勝手に開いて中から一枚の黄色いカードが飛び出し、ディケイドがそれを手に取った瞬間絵柄が消えていたカードにキャンセラーと黒いキャンセラーの絵柄が浮かび上がり、キャンセラーのファイナルフォームライドのカードとなっていったのだった。
ディケイド『……そうだな。なら、俺も力を貸そう』
ディケイドはそう言いながらバックルを開き、カードをディケイドライバーへと装填しスライドさせていった。
『FINALFORMRIDE:CA・CA・CA・CANCELER!』
ディケイド『祐輔、ちょっとくすぐったいぞ』
キャンセラー『…へ?え、ちょ、まさかっ?!』
ディケイドの言葉でなにかに気付いたキャンセラーは慌ててディケイドから離れようとするが、ディケイドは構わずキャンセラーに背を向けさせて頭を抑え、そして……
ディケイド『そら!』
―ガゴンッ!―
キャンセラー『うわぁ?!』
ディケイドはキャンセラーの頭を掴むとキャンセラーの頭をレバーのように後ろへと勢い良く引き、それと同時にキャンセラーの身体は徐々に変化して黒い鎧へと変化していき、ディケイドがキャンセラーの頭を元に戻すと、キャンセラーの頭は身体と同じ黒く染まった仮面となっていたのだった。そう、キャンセラーは自分のもう一つの姿…自身の内側に存在するもう一つの人格である祐闇を表へと出した『キャンセラーサイドダーク』へと超絶変形したのだった。
Dキャンセラー『痛ってぇ……首が曲がっちゃいけない方向に曲がったぞ今……って、何じゃこりゃ?!』
祐輔『ちょ、なにこれ?!どうなってんの?!』
ディケイド『これが、お前達二人の力だ』
超絶変形した自分達の姿に祐闇……ダークキャンセラーと祐輔は戸惑った様子を浮かべるが、ディケイドは冷静にそう言いながら目の前に向けていく。其処には苛立った様子で剣を振り回しながら近付いてくるヴェクタスの姿があった。
ヴェクタス『貴様等ぁ……どこまでも俺をコケにする気か!!』
ディケイド『フッ…なにを言ってる?今までの事を考えたら、まだまだ足りないぐらいだろう?さ、此処からがクライマックスだ……やれるか祐闇?』
Dキャンセラー『…ッ!…ヘッ、ったりめぇだ!今まで受けた借り、此処で全部きっちり返してやるよっ!いくぜぇ!!』
Dキャンセラーはそう意気込みながらディケイドに目を向け、ディケイドはそれに頷きながらライドブッカーから一枚のカードを取り出しディケイドライバーへと装填してスライドさせていった。
『FINALATTACKRIDE:CA・CA・CA・CANCELER!』
電子音声が響くと共にディケイドとDキャンセラーが同じモーションで腰を屈めて身構えた瞬間、ディケイドとDキャンセラーが四人から六人、六人から九人へと次々と分身していき、遂にはヴェクタスの周りを埋め尽くす程の数にまで分身していったのだった。
ヴェクタス『こ、これは…?!』
『さぁ、これだけの数の攻撃……お前は何処まで耐え切れるかな?フッ!!』
―シュンッ……ズバァ!!ズバァ!!ズバズバズバズズバスバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバズバスバズバァッ!!!!!!―
ヴェクタス『ッ?!グッ!ウグアァッ?!グアァァァァァァァァアッ?!!』
最初に二人のディケイドとDキャンセラーの斬り掛かってきた瞬間、それを合図だというように周りを囲むディケイドとDキャンセラー達が素早くヴェクタスへと斬り掛かってコンボを打ち込んでいき、まったく隙を見せない斬撃の嵐にヴェクタスの装甲も徐々に削れ始めていた。そして最後の二人が斬り掛かった瞬間、突如ヴェクタスの足元から魔法陳のようなものが展開されてヴェクタスの身体を拘束し、前方からディケイド、後方から光を纏った刀を構えるDキャンセラーが動きを封じられたヴェクタスへと向かってきていた。
ヴェクタス『ッ!クッ…!小賢しい真似を!!こんなモノで、この俺を捕らえられるとでも…!』
迫り来る二人を見たヴェクタスは咄嗟に全身に力を込め、動きを封じるこの陳を砕こうとした。その時……
―………ブォン……パアァァァァァァァァアッ……―
ヴェクタス『……ッ?!な、何?!』
不意にヴェクタスの体から暖かな光が溢れ出し、陳を破壊しようとしたヴェクタスの動きを封じていったのだ。その光は間違いなく、あの公園でも自分の邪魔をした忌ま忌ましい光……
―……私がやられたままでいる訳ないでしょ……化け物さん……?―
ヴェクタス『ッ!!!この女ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
ディケイド『ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!』
Dキャンセラー『いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーッ!!!!』
―ズバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
ヴェクタス『?!グ、グ…グアァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーアッ!!!?』
―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
ディケイドとキャンセラーの必殺技……ディケイドキャンセルブレイクが見事に炸裂し、ヴェクタスは断末魔の悲鳴をあげながら爆発を起こして跡形もなく消滅していったのだった。それを確認したDキャンセラーはキャンセラーへと戻って慌ててヴェクタスが爆発した場所に視線を向けると、其処にはヴェクタスとの融合が無効化され、地面に横たわる佐知の姿があったのだった。
キャンセラー『ッ!母さん!』
佐知の姿を見たキャンセラーはすぐに変身を解除して祐輔へと戻り、佐知の下へと駆け寄り身体を抱き起こしていく。
祐輔「母さん!母さん!!しっかりして!!」
佐知「………………ッ…………………ゆう………すけ………?」
祐輔「ッ!母さん…!良かった……無事だった……」
祐輔が必死に佐知の身体を揺さ振り呼び掛け続けると、佐知はおもむろに瞼を開いて漸く意識を取り戻したのである。それを見た祐輔はホッと胸を撫で下ろすが、佐知はそんな祐輔の顔を見上げながら複雑そうな顔を浮かべていた。
佐知「……そう……か……私……みんなに迷惑……掛けちゃったみたいね………ふふふ……何やってるのかしら……私は……」
祐輔「……母さん…」
佐知「……祐輔達を守る……つもりで戦った筈なのに……逆に助けられちゃって……死ぬ覚悟だってしていたのに……情けなく助けられた……ホント、元暗殺者が聞いて呆れる……ぶざまな姿だわ……」
祐輔「っ!違うよ母さん、それは…!」
祐輔に抱き抱えられる自分の姿を自嘲するように佐知は笑みを浮かべ、祐輔はそんな佐知に何かを告げようと口を開くが、其処へ変身を解除した零が怪我をした顔でゆっくりと二人の下へ歩み寄ってきた。
零「……其処まで気にする必要はないんじゃないか?今回の原因は全てあのライダーにあるんだ。アンタが其処まで思い詰める要素は何もないだろう……」
佐知「………要素なら充分あるわ………私が油断して身体を乗っ取られたせいで、貴方やフェイトちゃんにも……祐輔達にも酷い事をしたのよ…?守られなければいけない家族にまで手を出して……私なんかを助ける為に祐輔に迷惑を掛けてしまった……それを気にしないなんて無理があるじゃない……」
零「別にアンタ自身が俺達を傷付けた訳じゃないし、俺達だってアンタのせいだと非難する気もいない……ただアイツの力が色々と規格外だっただけだ……それに」
零は一度言葉を区切ると、祐輔の方を見た後深く息を吐きながら再び口を開いていく。
零「―――家族を守ってるのはアンタだけじゃない。祐輔やミナ達だって、家族を守る為に戦う事が出来る……今回だって、祐輔達はただ大事な母親と妹を助けようとしただけだ……」
佐知「…………」
零「アンタは祐輔にとって、この世界にたった一人しかいない母親……暗殺者としての自分を捨ててまで、祐輔を此処まで育て上げた立派な母親だ。どんな罪を背負っていようと、祐輔にとってそれに変わりはない………理由なんかそれだけでいいじゃないか。家族を助けるのに一々理由なんかつける必要はないし、それを迷惑だなんて思うわけもない……それが、家族の絆って奴じゃないのか?」
佐知「………甘いわね……ホントに甘い……私みたいな罪人にそんな言葉を掛けるようじゃ、この先の旅で早死にするわよ、貴方…」
零「……あぁ……自分でもそう思うよ。嫌に思うくらいに……だが、それでいいんだ」
自嘲するように笑いながら零はそう呟き、あの光景……あの遠い日の記憶で垣間見た少女の言葉を思い出していく。
零「―――どんなに甘いと言われようが……それが俺だから、な」
佐知「……はぁ……祐輔といい貴方といい……ホントに最近の子は非常になれない甘い子達しかいないのかしら……」
はっきりと告げた零に佐知は呆れたような溜め息を吐くが、すぐに苦笑いを浮かべながら祐輔の首に掛けられた和彦のカメラを眺めていく。
佐知「……全く、貴方達がそんなんじゃ先に逝く事も出来ないわね……このままあの人の所へ逝っても……なんで祐輔達を置いて来たんだって、多分怒られるだけだと思うし……まだ当分、和君の所へは逝けそうにないわ……」
祐輔「……母さん」
溜め息混じりで苦笑しながら呟いた佐知に祐輔も苦笑を浮かべ、二人は互いの手で和彦の形見であるカメラを大事そうに包み込んでいき、零は額に付いた汚れを手で拭いながら首に掛けたカメラを構え、二人のその姿をカメラに収めていったのだった。そして数分後、後から遅れて到着した閃華と姫華の手を借りて佐知を先にGreen Cafeへと運んでてもらい、零と祐輔はそれを見送ると翔達の下へと向かっていったのだった。