仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
第十五章/カブト×コードギアスの世界
色々あったものの、何とか無事にキャンセラーの世界を旅立った零達一行。新たな世界に訪れた零達は前の世界での戦闘の疲労を癒す為、次の世界に訪れた初日は疲れた身体を休める為にそれぞれ自室で休むことにしていた。
◇◆◆
―光写真館・零の自室―
零「かー……くー……」
新たな世界に訪れた始めての朝。写真館にある一室では零が自室のベッドで静かに寝息を立てながら眠っていた。そんな零の自室の扉がゆっくりと開き、其処から一人の人物が現れベッドで眠る零に近づき顔を覗き込んでいく。
零「すぅ……すぅ……」
『ふむ……安らかに眠っていますね』
零の寝顔を眺める人物……滝の世界のダークライダーであるクラウンは微笑を浮かべ、零の左目を見つめながら口を開く。
クラウン『祐輔氏の世界で因子の力による暴走……少し心配しましたが……彼女の力で、なんとか治まりましたね……』
何処となく安心したようにクラウンはそう呟き、零の顔を見つめながら再び語り出す。
クラウン『まったく……因果なものですね……零氏が望もうが望むまいが彼は運命に巻き込まれて行く……『運命とは地獄の歯車である』……過去の偉人が言った事は馬鹿に出来ませんね。彼の運命は、まるで地獄の誰かが定めた様に彼を苦しめる……』
まるで遠くを見つめるように語りながらクラウンは懐から一枚のカードを取り出し、机の上に置いて有ったライドブッカーを手に取って開いていく。
クラウン『これは私からの選別です。アナタなら扱えるかも知れませんからね……昔の私の力を……』
クラウンはそう言ってライドブッカーに一枚のカード……『priest』と書かれたライダーカードを入れるとライドブッカーを机の上に戻し、そのまま踵を返して自室の扉を開いていく。
クラウン『…まあ、暫くは使えないカードでしょうがね……私自身が使えない力ですから……』
零の方に振り返って少し寂しそうに呟き、クラウンは零の部屋を出て扉を閉めていった。そして零の部屋を出た同時に……
なのは「――ッ?!な……なななっ!?」
優矢「クラウン!?」
クラウンが部屋を出たと共に丁度零を起こしにやって来たなのはと優矢とバッタリ鉢合わせ、零の部屋から出てきたクラウンに二人も驚愕して後退りした。
クラウン『しー、静かにして下さい。零氏が起きてしまいますよ?』
クラウンは指を口元に這わせてそう言うと、漸く正気を取り戻した優矢はクラウンを睨みつけながら身構えていく。
優矢「ショッカーが一体何の用だ?!」
クラウン『ですから、静かにして下さい。話は彼方で……』
クラウンはそう言って二人に手招きをすると下の階へと続く階段を下りていき、優矢となのはは一度顔を見合わせるとクラウンを追うように階段を下りていった。
◇◆◆
場所は変わって写真館のリビング。其処には椅子に腰掛けるクラウンと向き合い、警戒して身構える優矢となのはの姿があった。
優矢「それで、ショッカーが何の用なんだ?まさか零を狙って……」
クラウンと向き合った優矢は何時でもクウガに変身出来るように警戒心を全開にしながらそう問い掛けるが、クラウンは首を左右に振ってそれを否定した。
クラウン『いえ、違いますよ……そうですね……しいて言うなら、お見舞いですね』
なのは「……へ?」
クラウンの予想外な言葉になのはは思わず目を丸くしてポカンとした表情になり、隣に立つ優矢も唖然とした表情で固まっていた。そんな二人の反応にクラウンは微笑を浮かべ更に言葉を続ける。
クラウン『先日の祐輔氏の世界で零氏は暴走しましたからね。力の流出による副作用が零氏を蝕むと心配していたんですが……』
優矢「副作用!?そんなのが有るのか!?」
クラウン『えぇ、ですがご心配無く。特に副作用に苦しんでいる様子は見受けられませんでしたから、心配には及びません。(恐らく、彼女の力のお陰でしょうね)』
クラウンは二人を安心させるように告げると、ゆっくりと椅子から立ち上がっていく。
クラウン『さて、私はこれでお暇しますね。次の世界へ行かねばならないので……ああそれと、優矢氏にはコレを』
なにかを思い出したようにそう呟くとクラウンは何処からかに一枚の写真を取り出し、優矢へと渡していく。
優矢「?なんだよコレ――っ?!こ、これって……」
クラウンから渡された写真を怪訝そうに受け取ると、優矢はその写真を見て驚愕した。何故ならその写真とは優矢の世界の友人達……こなた、かがみ、つかさ、みゆきの四人が写っている写真だったのだ。
クラウン『優矢氏が突然居なくなったので心配していた様ですよ。ご友人は大切にした方がいいでしょう』
クラウンは驚愕した様子で写真を見つめる優矢にそう言うと、二人から背を向け写真館から出ようとするが……
なのは「あ、あの!」
写真館を出ようとしたクラウンをなのはが呼び止め、呼び止められたクラウンは頭上に疑問符を浮かべながら振り返っていく。
クラウン『何でしょうか、なのは嬢?』
なのは「あ、その……ありがとうございました」
質問してきたクラウンになのはは深く頭を下げて礼を言い、そんななのはの行動にクラウンは小首を傾げていく。
クラウン『おや?私は礼を言われる事をしましたか?』
なのは「………他の世界のライダーの人達から聞いたんです………祐輔君の世界で零君が暴走した時、最初に零君を止めてくれたのはクラウンさん……アナタだったって……」
クラウン『あぁ、それで私に礼を?……フフフ』
真剣な雰囲気で礼を告げたなのはにクラウンは思わず笑みを漏らし、クラウンに笑われたなのはは思わず頭を上げ恥ずかしそうにクラウンを睨んだ。
なのは「な、何が可笑しいんですか!?」
クラウン『フフ……いえ、幾ら止めたのが私とは言えど……まさか礼を言われるとは思わなかったので……失礼しました。零氏の件はお気になさらず……私としても、あの様な形で世界が消えるのは嫌だった物ですから』
クラウンは微笑を浮かべてそう言うとなのはから背を向けて写真館を出ていこうと歩き出すが、一度足を止めてなのは達の方へと顔を向け……
クラウン『ああそう言えば……私達が話している間に、すずか嬢が零氏の部屋に入った様です。今頃は……クスクス……』
なのは「え?――っ!!」
―ガタン!!バタバタバタバタッ……!!―
クラウンの言葉になのはは一瞬首を傾げるが、すぐにその意味に気づいて慌ててクラウンの横を通りすぎ零の部屋に向かっていった。
優矢「………………お前、解ってて言っただろ」
クラウン『クスクス…さて、なんの事でしょう?』
部屋から出ていったなのはに優矢は冷や汗を流しながらクラウンを見つめるが、クラウンは特に詫びれた様子もなく笑みを押し殺していた。すると其処へ、キッチンの奥から珈琲を乗せたお盆を持った栄次郎が奥から顔を出した。
栄次郎「あれ?クラウン君、もう帰っちゃうのかい?」
クラウン『えぇ、私も先を急ぐ用がありますからね。すみません栄次郎氏』
優矢「…………って、お前栄次郎さんと知り合いなのか?!」
クラウン『えぇ、栄次郎氏の煎れてくれる珈琲は一度飲むと癖になりますからね。時々貴方達が留守の時に足を運ばせてもらってます。さて、それでは巻き添えを食う前に私は失礼させて頂きます……栄次郎氏、今度来る時にはお土産をお持ちして来ますね』
栄次郎「はいよ、楽しみに待ってるからね」
栄次郎は笑みを浮かべながらそう言って手を振り、クラウンもそれに見送られて今度こそ写真館を出ていったのだった。
優矢「……何か、アイツの性格が良く分かんなくなってきたよ、俺」
栄次郎「そうかな?私はクラウン君は良い人だと思うよ。良く美味いお酒を持ってウチに飲みにも来るし♪」
優矢「あ、そうなんスか……」
クラウンと意外な関係を持つ栄次郎に優矢も思わず苦笑いを漏らし、栄次郎が奥に戻ると先程クラウンから受け取ったこなた達の写真に視線を落としていく。
優矢「敵のくせに変な奴だったけど……今度会った時にはちゃんと礼を言っておかないとな……」
優矢は写真に写るこなた達を見つめながら静かに笑みを浮かべ、写真をポケットに仕舞い栄次郎の手伝いでもしようかとキッチンへと向かっていったのだった。
因みに…………
トランス『零君のえっちスケベ変態!!!馬鹿ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!』
零「何故だッ?!俺はただすずかの胸がお前より大きかったという事実を言っただけであってそれ意外に他意はなぐわァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!?」
―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!!―
……クラウンが写真館から去ったと共に零の自室から桜色の閃光が撃ち出され、写真館内に青年の断末魔の悲鳴が響き渡ったのは言うまでもない……