仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
それから約一時間後、先程カブトが助けた少女がカブトと何らかの関係を持っていると予想した零達はカブトが助けた少女……ナナリーと接触し、彼女の案内でナナリー達が経営しているというおでん屋の前に来ていた。
零「…此処か?ナナリー達が開いてるという店は?」
ナナリー「はい、よろしければ皆さんも食べていって下さい。うちのおでんは美味しいですから♪」
フェイト「あ、うん。じゃあせっかくだし……食べていこうかな」
少し控え目な笑みを浮かべながらフェイトがそう言うと、ナナリーは嬉しそうな笑顔を浮かべて「はい♪」と頷き、店の扉を開けて中へと入っていく。そして店の中へと入ると、中にはライトグリーンの長髪をした一人の少女がおでん等が入った鍋の前で何やら調理のようなものをしていた。
「――ん?あぁ、帰ったのかナナリー」
ナナリー「はい!ただいまです、C.C.さん。では、そちらのテーブルどうぞ」
緑色の髪の少女……C.C.に一言挨拶すると、ナナリーは零達を入り口のすぐ近くにある席へと案内して水を用意しようと奥に向かっていく。そして零達は席に着くと早速何か頼もうとするが、テーブルの隅まで見渡してもメニューらしき物は見つからなかった。
なのは「…あれ?メニューは置いてないの?」
ナナリー「あ、はい。うちのメニューはおでんだけですから。C.C.さん!おでん五人前、お願いします♪」
C.C.「ん…またか?今日はやけに客が多いな……いい加減私もくたびれたぞ」
ナナリー「ふふ、お客さんが多いのは良い事ですよ?頑張って下さい♪」
C.C.「……ふぅ…分かったよ、ナナリー」
口では疲れたと告げるも、何処か穏やかそうに笑いながら鍋のおでんをおたまで掬い器に移していくC.C.。そんな時……
『たった今入ったニュースです。渋谷区で原因不明の爆発事故が発生し、当局はカブトによって引き起こされた可能性が高いと調査を進めています』
店内にあるテレビに突然臨時ニュースが流れ、零達は全員そのニュースへと視線を向けていく。
『カブトはクロックアップという機能を使い、異なる時間の流れの中を超高速で移動している為にその姿を目で見る事も出来ず、その正体も目的も不明のままです。これまでも様々な事件を引き起こしているカブトに対応の手をこまねている政府に、市民の不安も増すばかりです――』
フェイト「カ、カブトって……?!」
なのは「ど、どういう事?カブトが事件を起こしてるって…?!」
シグナム「……さあな。詳しくは分からないが、どうやらカブトが市民の生活を脅かしている……という事になってるらしいな……」
ナナリー「……カブト…」
零「………?」
カブトが様々な事件を引き起こし、市民の生活を脅かしている。テレビに流れた臨時ニュースの内容になのは達も動揺を隠せずにいるが、ナナリーはテレビ画面に浮き出るカブトという名を見て険しげに眉を寄せていき、それに気付いた零は怪訝そうな表情を浮かべてナナリーを見つめていた。その時……
C.C.「……何処かの口うるさい婆さんが言っていた。世の中には慌てて飲み込んではいけない物が二つある……テレビの言うことと、正月の餅だとな」
『……へ?』
台所から出てきたC.C.が五人前のおでんを乗せたおぼんを持って零達の下へと近づきながらそう言い、零達の座るテーブルの上におでんを乗せていく。
C.C.「さ、あんなニュースで無駄口叩く前にさっさと食え。食べ物は、出てきた瞬間が一番上手いのだからな」
シグナム「…あ、あぁ…」
フェイト「え、えっと……じゃあ、いただきますっ」
天を指し示した指を向けてくるC.C.から言い知れぬ迫力を感じ、それに押されるようにフェイト達はそそくさと箸を取っておでんに手を付けていくが、零は自分やなのは達の器に入ったおでんを見て小首を傾げていく。
零「……がんもにたまごに大根?おい、具はこれしかないのか?」
C.C.「あぁ、うちのおでんはそれで全部と決まってるからな。不満なら他の店にいけ……それとも、特別裏メニューのピザでも出してやろうか?」
なのは「ピ、ピザ?」
アギト「ま、まさか……おでんにか?」
C.C.「決まっているだろ?うちはおでん屋なのだからな。それで、どうするんだ?」
零「……いや、断固拒否させてもらう……」
おでんにピザをいれるなどとんでもない事を口走ったC.C.に流石の零も顔を引き攣らせながらそれを拒否し、それを聞いたC.C.は「つまらん男だ」と言って台所へと戻っていった。
零「……とんでもない女だな……おでんにピザって……」
ナナリー「ふふふ♪確かに余り良いイメージはしないですけど、以外と美味しいんですよ?C.C.さんが作ってくれるおでんのピザ♪」
フェイト「……え?も、もしかしてナナリー、食べた事あるの?その……おでんに入ったピザ…?」
ナナリー「はい♪亡くなったお婆様は「そんなものをおでんに入れるなんて邪道だ!」って嫌っていたんですけど、いざ食べてみたら今まで食べた事のない味がして凄く良かったんです♪それからも何度かC.C.さんと一緒に食べていました♪」
純粋な笑みを浮かべながらおでんのピザは美味だと告げるナナリーだが、零達はおでんにピザという異色な組合せに、何とも言えない表情をして思わずタラリと汗を流していく。とそんな時……
―ガラガラガラッ―
「ただいま戻りました~」
「C.C.さん、ナナリー、出前終わりました!」
ナナリー「あっ、お帰りなさい二人共!」
C.C.「あぁ、すまないな二人共。面倒事を任せてしまって」
零「………は?」
フェイト「………へ?」
零達の席のすぐ近くにある扉が開き、其処から割烹着のような服装をした二人の少年と少女が店の中へと入って来たのだ。扉から近くの席にいた零達はその二人を見た途端思わず硬直して固まってしまい、ナナリーはそれに気づかず二人の下へと駆け寄っていく。
ナナリー「お疲れ様です、思ったり遠出だったから疲れたでしょ?今水を持ってきますから待ってて下さい」
「あっ、そんな気を使わなくていいよナナリー。ただ僕達が好きでやってるだけなんだから」
「うん、私達もただ此処に泊めてもらってるお礼を返したいから、こうして二人のお手伝いをしてるだけなんだし」
C.C.「何を言ってる?子供なのだからそう遠慮するな。水なら私が持ってきてやるから、其処で待っていろ」
そう言ってC.C.は二人に水を用意しようと台所の奥にある冷蔵庫を開いて水の入ったペットボトルとコップを二つ取り出していき、二人はC.C.に言われた通りに近くの席に座ろうと歩き出すが……
零「…お、おい待て!其処の二人!!」
『……へ?』
漸く正気に戻った零が勢いよく椅子から立ち上がって二人を呼び止め、呼び止められた少年と少女は零の方へと振り返ると、零達の顔を見て目を丸くし驚愕の顔を浮かべていた。何故ならその二人とは……
零「――やっぱり……こんなところで何をしてるんだ?!エリオにキャロ!」
エリオ「れ、零さんっ?!フェイトさん?!」
キャロ「なのはさんにシグナム副隊長達まで?!ど、どうして此処に?!」
フェイト「エ、エリオ!!キャロォ~ッ!!」
そう、その少年と少女とは異世界へと飛ばされた行方不明の仲間……"エリオ・モンディアル"と"キャロ・ル・ルシエ"だったのだ。思いもしなかった仲間との再開に動揺と驚愕を隠せない零達とエリオとキャロだが、フェイトはすぐさま席から立ち上がり泣きながら二人へと抱き着いていったのであった。