仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十五章/カブト×コードギアスの世界④

 

 

―光写真館―

 

 

それから三時間後、エリオとキャロに抱き着いて泣きじゃくるフェイトを宥めさせた零達はおでん屋の仕事が一段落するのを待ち、仕事を終えたナナリーとエリオとキャロを写真館に招き二人から話を聞いていた。

 

 

なのは「…そっか。二人はこの世界に飛ばされた後、ナナリーちゃん達の家に住ませてもらってたんだ」

 

 

キャロ「はい、最初は私達が知ってる地球とは別世界に飛ばされたんだって知った時は途方に暮れましたし、皆さんと連絡出来ない上に魔法やデバイスが使えない事に不安を感じてましたけど……」

 

 

エリオ「住む場所がなくて困ってた僕達を、ナナリーやC.C.さんが保護してくれたんです。そのおかげで、なんとか今日までやって来れましたっ」

 

 

零「そういうことだったか……すまないなナナリー、お前達のお陰で無事に仲間を見つけられたよ」

 

 

ナナリー「あ、いえ、私達も二人がお店を手伝ってくれて助かってましたから。そんな大した事は何も……」

 

 

フェイト「ううん!!全然大した事あるよ!!本当の本当にありがとうナナリィー!!」

 

 

ナナリー「あ、い、いえ…そんな…」

 

 

零「……フェイト……二人と再会出来て喜ぶ気持ちは分かるが、取りあえず泣きながらナナリーに詰め寄るのは止せ。ナナリーが引いてるぞ」

 

 

ナナリーの手を掴んで泣きながら礼を言うフェイトに零が呆れたように言うと、フェイトは苦笑いを浮かべるナナリーやなのは達を見渡して慌ててナナリーから離れ恥ずかしそうに顔を俯かせていた。そしてスバルはエリオとキャロへと歩み寄り、二人の肩を抱き寄せていく。

 

 

スバル「でも本当に良かったぁ~、二人が無事に見つかってぇ~」

 

 

キャロ「あ、すみませんでした。お二人にもご心配をお掛けして……」

 

 

ティアナ「ううん、二人が無事でなによりよ。それにこれで漸くFWメンバー全員が揃ったんだし、改めてよろしく頼むわよ、二人共?」

 

 

エリオ「……はい!」

 

 

微笑を浮かべるティアナにエリオは力強く頷き返し、スバルとキャロも互いに顔を見合わせて微笑みを浮かべていた。そしてFWメンバーが再会を喜んでいる中、ナナリーは写真館の中を物珍しそうに見渡していき、それに気付いた零は小首を傾げながらナナリーに声を掛けていく。

 

 

零「……もしかして、写真館とかに来るのは初めてか?」

 

 

ナナリー「…え?あ、はい。こういう写真関係の場所に来る機会は余りありませんでしたから、何だか新鮮に思えて」

 

 

アギト「?写真関係って…ナナリーって写真撮った事とかないのか…?」

 

 

ナナリー「あ、いえ。写真なら昔撮ったのが幾つかありますけど……最近お店のお仕事が多いから、中々そういう機会がなくて……」

 

 

零「…………ふむ…」

 

 

少し淋しそうな表情をするナナリーの話を聞いた零は顎に手を添え、何かを考え込むような仕草を見せる。そして……

 

 

零「――そうだな……二人が世話になった礼もあるし……此処で撮ってみるか、写真?」

 

 

『……へ?』

 

 

ナナリー「え?」

 

 

突然の零の提案にナナリーは思わず疑問そうに聞き返し、なのは達もキョトンとした表情で零の方へと顔を向けたのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

数十分後……

 

 

 

―カシャッ!―

 

 

栄次郎「うん、凄くいいよナナリーちゃん」

 

 

ナナリー「そ、そうでしょうか?」

 

 

リイン「はい!とっても似合ってるですよナナリーさん♪」

 

 

零「おいリイン、カメラのファインダーからはみ出てるぞ!キャロとアギトはもうちょっとナナリーの方に寄ってくれるか?」

 

 

キャロ「こ、こうですか?」

 

 

アギト「うぅー…この衣装動き難いな」

 

 

先程の零の提案で始まったナナリーの写真撮影。それから数十分後、ナナリーはリインやキャロとアギトと共に栄次郎が用意した衣装に着替え零に写真撮影をしてもらっていた。

 

 

ナナリー「で、でも本当に良いんですか?お金も払わないで、こんな事してもらって……」

 

 

零「ん?気にするな。コレは単に俺達からの礼なんだし」

 

 

優矢「そうそう!ま、コイツの写真がお礼になるのかどうかは微妙だけどさ?」

 

 

零「…おい、どーいう意味だソレは?」

 

 

零の肩に片腕を乗せながら笑う優矢に不機嫌そうに眉を寄せる零だが、ナナリーはお金を払わずに写真を撮らせてもらう事に少し申し訳ない気持ちになって顔を俯かせていき、それに気付いたキャロは優しげな笑みを浮かべてナナリーの顔を覗き込んだ。

 

 

ナナリー「…!キャロさん?」

 

 

キャロ「ナナリーちゃん?そんな顔してたら、せっかくの衣装が台なしだよ?」

 

 

ナナリー「あっ…で、でもやっぱり、お金も払わないでこんな…」

 

 

リイン「もぉ~、まだそんな事言って!ナナリーさん意外と頑固者ですぅ!」

 

 

アギト「ってか、そんな細かい事気にするだけ無駄だと思うぞ?此処にいる奴らって、そういうのあんま気にしないのばっかだし」

 

 

エリオ「それに零さん達もナナリーに御礼がしたくてやってるんだし、ナナリーがそこまで気にする必要はないと思うよ?」

 

 

エリオはそう言って証明の調整でああだこうだと揉める零と優矢、次にナナリー達に着せる衣装について楽しげに話し合うなのは達に視線を向けていき、キャロもそれに頷きながら再び語り出す。

 

 

キャロ「それにね?私達もちょうど良い機会かなって思ってた所だから」

 

 

ナナリー「?何がですか?」

 

 

キャロ「ん?えっと、ほら…ナナリーちゃんとお友達になれた記念を形で残せるなぁって」

 

 

ナナリー「……え?」

 

 

少し照れくさそうに告げたキャロの言葉にナナリーは思わず首を傾げ、それを見たエリオはキャロに代わって語り出した。

 

 

エリオ「実は、僕達も何かナナリーにお世話になったお礼をしようって密かに考えてたんだ。でも、どんなお礼にしようか、結局考えが纏まらなくて……」

 

 

キャロ「だから良い機会だし、写真なんてどうかな?って思って。今までお世話になったお礼と、ナナリーちゃんとお友達になれた記念として!」

 

 

ナナリー「……エリオさん……キャロさん……」

 

 

リイン「はぁーい!リインもナナリーさんとお友達ですぅ~♪アギトも同じですよね?」

 

 

アギト「おうよ!こういう事なら別に良いだろ?友情に金の話なんて無しだ!」

 

 

ナナリー「……はい!本当にありがとうございます、皆さん!」

 

 

キャロ達のそれぞれの言葉にナナリーは思わず涙ぐみながらキャロ達へとお礼を言い、それを見た零は微笑を漏らしながらカメラのファインダーをナナリー達に向けて構えていく。

 

 

零「…ほら、次の写真いくぞ!エリオ、今度はお前も入れ。キャロの隣だ」

 

 

エリオ「…えっ?あ、は、はい!」

 

 

エリオは零のいきなりの指示に戸惑いながらも、言われた通りにキャロの隣に立っていく。それを確認した零はカメラのファインダーをナナリー達へとしっかり合わせ、シャッターに指を掛ける。

 

 

零「よし、じゃあいくぞー」

 

 

ファインダーを合わせたと共に零が合図を送ると、ナナリー達はカメラに向けて笑顔を浮かべ、それを見た零がシャッターを下ろそうとした、その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―……お兄ちゃん♪―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零「……ッ?!」

 

 

零の脳裏に何故か一瞬だけ笑い掛ける女の子の映像が浮かび上がり、零はそれに驚きつつもその光景に懐かしさを感じて動揺してしまい、シャッターを下ろそうとした指を止めてしまった。

 

 

キャロ「……?零さん?」

 

 

優矢「?おい零、どうしたんだよ?」

 

 

零「……え?あ、いや……なんでもない……」

 

 

優矢に声を掛けられて漸く意識が戻った零は半ば動揺を浮かべたまま何でもないと返し、ナナリー達の写真撮影を再開していくのであった。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

数時間後、撮影を終えた頃には外はすっかり夕暮れに染まっていた。こんな時間にナナリーを一人で家まで帰すのは危険だと思ったなのはとはやてはナナリーを家まで送る事にし、三人は夕暮れに染まった橋の上を歩きながら会話をしていた。

 

 

ナナリー「すみません、写真を撮らせてもらった上に送ってもらって……」

 

 

なのは「良いよそんなの!こんな時間に女の子一人帰らせるなんて危ないでしょ?」

 

 

はやて「そや、それにこんな時間まで引き止めたんはわたし等なんやし、ナナリーちゃんが気にする事なんてあらへんよ」

 

 

申し訳なさそうに謝るナナリーになのはとはやては気にしないでと笑い返し、それを見たナナリーは微笑を浮かべながら顔を少し俯かせた。

 

 

ナナリー「………皆さん、本当にお優しいんですね。キャロさんもエリオさんも写真館の皆さんも。それに零さんは……なんだか、私のお兄様にそっくりです」

 

 

はやて「?ナナリーちゃん、お兄さんがおったんか?」

 

 

懐かしそうに自分の兄の事を呟いたナナリーにはやてが思わず聞いていき、ナナリーは軽く頷き返しながら自分の兄について話し始めた。

 

 

ナナリー「凄く優しくて、私の言うこと何でも聞いてくれて、ちょっと運動音痴なところがあったんですけど、それでも私が困っていた時には何時も助けてくれたんです……それに、C.C.さんと一緒にいた時のお兄様はなんだか凄く楽しそうで、私もそんなお兄様を見て自然と嬉しい気持ちになれたんです」

 

 

なのは「へぇ…C.C.さんとナナリーちゃんのお兄さんて、仲が良かったんだ?」

 

 

ナナリー「はい。だってお兄様とC.C.さんは、将来を約束した仲ですから!」

 

 

はやて「へぇ~、ナナリーちゃんのお兄さんとC.C.さんが――――」

 

 

 

 

 

 

……………………。

 

 

 

 

 

 

はやて「――って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!!」

 

 

なのは「シ、C.C.さんって……婚約してたの?!」

 

 

ナナリー「?はい、今でも左手の薬指に指輪をしてますけど……気付きませんでしたか?」

 

 

不思議そうに小首を傾げるナナリーの言葉でなのははおでん屋にいた時の記憶を思い出していく。

 

 

……………あった。確かにあった。何かおでんを運んできた時にそれっぽいものがチラッと薬指に。

 

 

なのは「(う、嘘……C.C.さんって、見た目からして私達より年下だよね?なのに、こ、婚約…?私なんてまだちゃんとした恋愛経験ないのに?)」

 

 

はやて「(な、何やろ……この言い知れぬ敗北感は……)」

 

 

なんか女としてのプライドに色々と突き刺さる感じがして深く落ち込んでしまうなのはとはやて。ナナリーはそんな二人に苦笑いを浮かべつつ、また懐かしそうに口を開いていった。

 

 

ナナリー「でも、お兄様はお仕事の事は何も教えてくれませんでした……人を守る仕事だって事しか教えてくれなくて…………そして…………」

 

 

なのは「…………ナナリーちゃん?」

 

 

楽しげに兄の事を話す中、ナナリーは突然暗い表情を浮かべて立ち止まり夕暮れを眺めていき、落ち込んでいたなのはとはやてもそれを見て足を止め、首を傾げていく。

 

 

ナナリー「――――お兄様は……殺されたんです……カブトに……」

 

 

『……え?』

 

 

ナナリーの告げた耳を疑うような言葉になのはとはやては思わず呆然とした表情を浮かべ、ナナリーは手の平を強く握り締めながら口を開いた。

 

 

ナナリー「私、この目で見たんです……去年の冬……カブトが……お兄様を手に掛ける所を……」

 

 

なのは「カブトが……そんな……」

 

 

はやて「ど、どういう事や?カブトが、ナナリーちゃんのお兄さんを…?」

 

 

この世界のライダーであるカブトがナナリーの兄を殺した。その事実を聞かされたなのはとはやては驚愕の余り言葉を失い、ナナリーは沈んでいく夕日を見据えながら口を開いていく。

 

 

ナナリー「私は、絶対にカブトを許しません……お兄様を殺したカブトを……絶対にっ……」

 

 

ナナリーはカブトに対しての怒りと悔しさを込めてそう呟き、そんなナナリーの思いを知ったなのはとはやてはナナリーに掛ける言葉が見つからずただ口を閉ざしていたのだった。そして……

 

 

 

 

 

 

零「………………」

 

 

それを物陰で見ていた零は切なげな表情でシルエットだけとなっているカブトのカードを見つめ、なにかを決意した瞳でその場から歩き去っていった。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

ZECTの地下指令室。薄暗いこの部屋ではZECTの隊員達や研究員達が一台の機械の回りで忙しなく動き回り、その部屋の片隅では、写真館から戻ってきたスザクがルルーシュからある書類を受け取っていた。

 

 

スザク「…カブト捕獲計画?」

 

 

ルルーシュ「そうだ。開発中のシステムが間もなく完成する……そうすれば、カブトは我々の手に落ちるだろう」

 

 

スザク「…けど、どうしてカブトを?」

 

 

ルルーシュ「決まっているだろう?クロックアップの世界にいるカブトを市民は恐れてる。その不安を取り除くのも、俺達ZECTの指命だ」

 

 

スザク「……でも、僕にはカブトが噂されているような悪魔とは思えないよ。カブトは何度も僕達を救って―バキィッ!―グッ?!」

 

 

カブトは噂されているような悪魔ではないのかもしれない。カブトを捕獲する事に納得出来ずそう告げようとしたスザクだが、それを聞いたルルーシュは怒りに満ちた表情でスザクをいきなり殴り飛ばしてしまう。

 

 

スザク「ッ……ル、ルルーシュ…?」

 

 

ルルーシュ「黙れ…カブトは俺達の敵だ。だからお前は奴を捕らえる事だけを考えてれば……ッ!」

 

 

ルルーシュは殴り飛ばしたスザクを見下ろして何かを告げようとするが、突然右目の眼帯を抑えながら苦痛に満ちた表情で顔を歪めていってしまう。

 

 

ルルーシュ「ッ!……俺は……カブトを許さんっ……絶対にだっ……」

 

 

スザク「…………」

 

 

ルルーシュは憎悪を込めてそう呟くと、右目の眼帯を抑えながら開発中のシステムの下へと歩き出していき、スザクはそんなルルーシュの背中からカブト捕獲計画の書類に目を落とし何処か思い詰めた表情を浮かべていたのだった。

 

 

 

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