仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
それから翌日、今朝の朝食を終えて零達が写真館を出ていった後、今回この世界で待機となったなのは達は栄次郎の手伝いとして週に二回はある写真館の大掃除をしていた。
なのは「――ナナリーちゃんのおでん屋を手伝いに?」
優矢「えぇ、何かナナリーちゃんとC.C.さんだけじゃ大変だろうって」
ヴィータ「へぇ、珍しい事もあるもんだな?アイツが自分から人助けしようだなんて、明日は槍でも降るんじゃねーか?」
スバル「いや、そこまで珍しくもないと思いますけどっ」
優矢「うーん、なんか良く分かんないんですけど……妹がいたような気がするって言うんですよ、アイツ」
なのは「妹?」
床や窓を雑巾で拭きながらそんな会話をしていた中、優矢のふとした言葉になのは達が反応して振り返っていく。
優矢「えぇ、なんかナナリーちゃんみたいな妹がいたような気がするって言ってましたけど……」
ティアナ「気がするって、もしかして零さん……何か記憶に関する事を思い出したんですか?」
優矢「いや、ただ気がするっていうだけで何も思い出させてないみたいなんだけど……もしかしたらアイツ、記憶を取り戻すキッカケを見付けたとかでも思ってるんじゃないんかな?だからナナリーちゃんのおでん屋を手伝ってるとか……」
ノーヴェ「なぁんだ、ようは結局自分の為って事か?やっぱそこんとこはアイツらしいな、ホントに」
シャマル「アハハハ…まあでも、ナナリーちゃん達の為になにかしたいって言う気持ちは嘘じゃないと思うけど…」
なのは「…………」
呆れたように溜め息を吐くノーヴェにシャマルがフォローを入れる中、なのはは背景ロールの絵についた汚れを雑巾で拭いながら脳裏にあの言葉……ホルスの世界での零の言葉を思い出していく。
―もしこの旅の中で、俺が記憶を取り戻すような事があれば……その時今の俺はどうなるのかって思う事がある……今こうしてる自分を無くすんじゃないのかと―
なのは(……もしも本当に、それがキッカケになって零君の記憶が戻ったら……ううん、大丈夫だよね……きっと大丈夫……)
なのははホルスの世界での会話を思い出して一瞬不安に駆られてしまうが、彼ならきっと大丈夫だろうと信じ気を取り直して掃除を続けていくのだった。
◆◇◆
一方その頃、写真館を出てナナリーのおでん屋へと訪れた零達はそれぞれ仕事服に着替え、おでん屋の仕事を手伝っていた。フェイト達は店内を掃除していき、その間に零はナナリーと共にキッチンに立ち、お客に出すおでんの仕込みをしている最中であった。
ナナリー「―――美味しい…味付けもとても良い感じです!」
零「だろう?これなら客に出しても問題はないだろうし。まぁ、俺に出来ない事なんて何もないのさ」
冗談っぽく言いながら零が軽く胸を張るとナナリーはそんな零に思わずクスクスと笑みを零し、ナナリーのその表情を見て零は微笑ましそうに笑みを浮かべていた。そんな時……
C.C.「……ん?何をしてるんだ?」
ナナリー「あ、C.C.さん…!」
店の奥から訝しげな表情をしたC.C.が現れ、キッチンで仕込みをしてる零とナナリーの下へと歩み寄り鍋の中を覗き込んでいく。
C.C.「……これは?」
零「昆布巻きだ。それにもちきんちゃくに牛すじ、静岡産の黒はんぺんも足してみた。やっぱりどう見ても店のメニューが少なすぎるし、品は豊富な方が良いだろうと思ってな」
C.C.「………ほぉ」
目を細めて鍋の中を覗き込み、関心するような声を漏らすC.C.から好感触を得たと感じた零は台所に置いておいた他の材料を手に取っていく。
零「後は他の材料を足し、つゆの味を変えれば完成だ。これならいつも以上に客足も―ザアァァァァ……―………ん?」
早速おでんの完成に取り組もうかと意気込んだその時、何かを流すような水音が聞こえそちらの方へと振り返ると、其処にはなんとC.C.が零とナナリーが仕込みをしていたおでんを流し台に捨てていたのだ。
零「なっ……待て!なにをやってる?!」
C.C.「………確かに悪くはない。だが、私はこれを店に出すつもりはない」
零「……何?」
その言葉に零が訝しげに眉を寄せて疑問げに聞き返すと、C.C.は鍋を見下ろしながらポツリと語り出す。
C.C.「種を増やしたらつゆの味が変わってしまうだろう?うちはこの場所で、このままでいる事が大切なんだ……だから余計なことはするな……私は、この味を変えるつもりはない」
零「…………」
まるで警告でもするように真剣な表情を浮かべて睨みつけてくるC.C.に零も思わず口を閉ざし、フェイト達も作業の手を止めてそんな以外な一面を見せるC.C.に驚いたといった表情を浮かべていた。
C.C.「……すまないな……私らしくなかった……ナナリー、悪いが代わりに片付けておいてくれ」
ナナリー「あ、は、はい…」
C.C.は肩を竦めて深い溜め息を吐くとナナリーに後片付けを頼んで店の奥へと戻っていき、呆然としていた零やフェイト達も何処となく気まずい雰囲気を漂わせつつもナナリーの手伝いをしていくのだった。
◆◆◆
それから一時間後、片付けを終えた零達とナナリーは先程仕込みをしていた時に使ってしまった材料を調達をする為に街へと出掛け、今買い物を終えておでん屋に帰ろうとしていた。
ナナリー「…すみません。私がちゃんと前もって言っておけば、こんなことにはならなかったのに……」
零「いいや、どうやら俺が余計な事をしてしまった様だ……でもまさか、あの女があんな事言うなんて以外だったな」
フェイト「うん、なんだか意外な一面を見られたって感じかな?C.C.さんがあそこまでにおでんにこだわってたなんて知らなかったよ」
キャロ「私達も長い事あの家でお世話になってましたけど……C.C.さんのあんな顔、初めて見ました……」
そう言いながら零達は先程のC.C.の真剣な表情を思い出していき、ナナリーは歩みを進めながら暗い表情を浮かべていく。
ナナリー「……前に決めてたんです……がんもに大根、たまご……家族が好きな物だけにしようって……私とお祖母様とC.C.さん……それにお兄様で……」
零「……兄……か……」
兄という単語を耳にした零はナナリーを見つめながら何処か遠い目をしていき、ナナリーは顔を上げて再び語り出していく。
ナナリー「もしかしたら、C.C.さんは信じてるのかもしれません……お兄様が生きてるって……」
フェイト「……ナナリー…」
シグナム「…………」
切なげにそう呟くナナリーにフェイト達もどんな言葉を掛けるべきか分からず顔を俯かせていき、暫く一同の間に気まずい沈黙が流れていた。そんな時……
『グゥルルルル………』
『ッ?!』
突如一同の目の前から一体の緑色の身体をした異形の怪人……サナギ体のワームが不気味な唸り声をあげながら現れ、一同の目の前に立ちはだかったのである。
ナナリー「ワ、ワーム…!」
零「チッ…フェイト、いくぞ!」
フェイト「うん!シグナム、アギト、ナナリーとエリオ達を安全な場所に…!」
シグナム「了解だ!」
アギト「あぁ!任せろ!」
シグナムとアギトは二人に向けて頷きながらそう言うとナナリー達を連れてこの場から離れていき、それを確認した後零はディケイドライバーを腰に装着するとカードを取り出して構え、フェイトは左腕のKウォッチを操作してベルトを装着し、上空から現れたビートゼクターを掴み取って構えていく。そして……
『変身ッ!』
『KAMENRIDE:DECADE!』
『RIDER SOUL BEET!』
『Henshin!』
電子音声が鳴り響く共に零とフェイトはディケイドとビートへと変身していき、それと同時にワームは脱皮して二人へと襲い掛かり、二人はワームの腕を掴みそのままその場から走り出していった。
◆◆◇
そしてワームを近くの廃墟工事内へと引き寄せた二人はワームへと力強い打撃を打ち込んでいき、ディケイドは一旦ワームから離れるとライドブッカーから一枚のカードを取り出していく。
ディケイド『虫相手なら、こっちも虫だ!』
『KAMENRIDE:KUUGA!』
ドライバーにカードを装填するとディケイドはクウガへと変身し、ビートと共にワームへと突っ込み攻撃を再開していった。
Dクウガ『フッ!セァ!!』
ビートM『デェイ!ハァッ!!』
―ドゴォ!!バキィ!!―
『キボォッ?!』
Dクウガとビートの素早いブローにワームも反撃がままならず勢いよく吹っ飛ばされて壁へと叩き付けられていく。だがワームは身体を起こすと同時に突然物凄いスピードで動き出し、二人へと突っ込んで突進攻撃を仕掛けてきたのだった。
―ドガァッ!!ドガァッ!!ドグオンッ!!―
Dクウガ『グッ!!クッ!クロックアップを使ってきたか…!』
ビートM『ッ!零、だったら此処はクロックアップを使える私が…!』
Dクウガ『……いいや、別に速さで対抗する必要はない。対抗する手ならコイツにもある!』
ワームの突進を受けて吹っ飛ばされたDクウガはそう言うとライドブッカーから一枚のカードを取り出し、ディケイドライバーに装填してスライドさせていく。
『FORMRIDE:KUUGA!PEGASUS!』
電子音声が響くとDクウガの姿が緑色の身体と右手に黄色のラインの入ったボウガンを持った姿、感覚神経が極限まで強化されたペガサスフォームへとフォームライドしていき、Dクウガはペガサスボウガンを構えながら顔を俯かせて神経を研ぎ澄ませていく。
Dクウガ『…………』
―……………………―
Dクウガ『……………』
―………………フッ…―
Dクウガ『ッ!!其処かッ!!』
―ギギギッ……ドシュウンッ!!―
『ッ?!ギッ、ギギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!?』
―ドガアァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―
神経を研ぎ澄ませてワームの動きを捕らえたDクウガのペガサスボウガンが撃ち出され、ボウガンが撃ち出された方向にいたワームの身体を貫通しワームは赤い爆発に飲み込まれて完全に消滅していったのだった。それを確認したDクウガはディケイドへと戻りながら立ち上がり、その様子を見ていたビートはディケイドの下へと駆け寄っていく。
ビートM『やったね零!今の凄かったよ!』
ディケイド『あぁ、まあこんな所だろうな……』
ディケイドはそう言いながら両手を軽く払っていき、ナナリー達と合流する為にその場から歩き出そうとする。しかし……
―ズガガガガガガガガガガガガァッ!!―
ビートM『ッ?!』
ディケイド『……あ?』
突如ディケイドとビートの足元に無数の銃弾が放たれ、二人はそれが放たれてきた方へと顔を向けていく。其処にはこちらに向けて銃を向けてくるZECTの隊員達とザビーとガタックに変身したルルーシュとスザクが歩み寄ってきていた。
ビートM『あ、貴方達は…?!』
ザビーM『貴様等、ZECTの隊員ではないな?……ディケイドか?』
ディケイド『ほぉ……光栄だな?こんな世界にまで俺の名が知られてるとは』
ザビーM『茶化すな!お前の事は聞いてる、この世界を破壊する悪魔だとな!』
ビートM『ま、待って下さい!それは…!』
ディケイドを悪魔だと罵るザビーにビートが反論しようようと前に出ていくが、ディケイドはそんなビートを自分の後ろへと下がらせザビー達と対峙していく。
ディケイド『やれやれ……有名人は辛いなぁ?何処に行っても注目を浴びる』
ビートM『れ、零?!』
ザビーM『何を…!スザク、いくぞ!』
ガタックM『あ、あぁ!』
まるで挑発でもするかのように冗談っぽく告げたディケイドが勘に触ったのか、ザビーはガタックを従わせてディケイドへと突っ込んで殴り掛かっていき、ディケイドはそれをかわしながら二人から距離を離し一枚のカードをライドブッカーから取り出していく。
ディケイド『ちょうどいい……まだ使ってないカードを試させてもらおうか……変身ッ!』
『KAMENRIDE:DEN-O!』
カードをバックルにセットすると電子音声が鳴り響き、それと共にディケイドの身体に電王と同じプラットスーツが装着され、更にその上から銀色の装甲が装着されていく。そして鮮やかな赤いマントが背中に展開され、最後に王冠を模したオブジェが仮面後頭部から現れ展開されていく。そう、ディケイドは以前鬼退治の時に手を貸してもらったシズマ・カミシロが変身するライダー、電皇へと変身したのである。
ガタックM『なっ…?!』
ザビーM『変わった…?!』
D電皇『まずは挨拶代わりに……コイツだ』
変身を完了したD電皇は左腰のライドブッカーを開き、其処から一枚のカードを取り出してバックルに装填しスライドさせていった。
『ATTACKRIDE:SAISHONIITTEOK!KIBATTENAKINAGARAKOURINSITABOKUNITSURARETEMIRU?KOTAEWA KITENAIORE SANJOU!』
何だから偉く長い電子音声が鳴り響くと共にD電皇は独特なポーズを取りながら……
D電皇『最初に言っておく!キバって泣きながら降臨した僕に釣られてみる?答えは聞いてない俺!参上っ!!』
『…………………』
と、どっかで聞いたような決め台詞をくっつけたような台詞と共に流れるようにポーズを決めたD電皇だが…………それ以外には何も起きなかった……
ガタックM『…………え、えぇっと……』
ザビーM『……それがどうしたというんだ?!』
D電皇『……………………………フ、フンッ……ならコイツだ!』
何処となくデジャヴュを感じつつも気のせいだと言い聞かせ、D電皇は咳ばらいをしながら新しいカードを取り出してディケイドライバーへとセットした。
『ATTACKRIDE:SAISHONIITTEOK!OBAACHANGAITTEITA!NAKINAGARAKIBATTEKOURINSITABOKUNITSURARETEMIRU?KOTAEWA KITENAIOTTEKAOSITERUARE SANJOU!MAA、TUYOSAHABEKKAKUDAGANA?TO、KOKORONONAKADEHASOUOMOTTERU!A、COFFEEIKAGADESUKA?』
と又もや長ったらしい電子音声が鳴り響くと同時にD電皇は再びポーズを取り……
D電皇『最初に言っておく!お婆ちゃんが言っていた!泣きながらキバって降臨した僕に、釣られてみる?答えは聞いてないって顔してる俺、参上!まあ、強さは別格だがな?と、心の中ではそう思っている!あ、コーヒーいかがですか?』
ザビーM『……………』
ガタックM『…………』
ビートM『…………』
『…………………』
……と先程より長くなった決め台詞を高らかに叫んだD電皇だが……やはりそれ以外には何も起こらず、代わりにザビーとガタックの背後に立つ隊員達がざわめき出した。
『なぁ、俺達コーヒー頼んだか…?』
『いや、別に頼んでないけど…?』
『頼んでねぇよなぁ……』
ガタックM『……ど、どういう意味なんだ?!』
D電皇『…………あ、ああああのヘタレ神がぁぁ……俺に聞くなぁッ!!!』
やっぱりデジャヴュだぁ!と泣きたい衝動に駆られながらも精一杯の思いを込めて叫ぶと、D電皇は次こそはと最後の願いを込めてライドブッカーからカードを取り出した……
『ATTACKRIDE:OPPAI!OPPAI!((_゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい!)』
D電皇『…………………………………………………………………………………』
撃沈。ふとそんな言葉が彼の脳裏を走った。そしてD電皇はゆっくりとカードから目を逸らしてザビー達の方へと振り返ると……
D電皇『…………あの……もう一回やり直してもいいか……?』
ザビーM『ふざけるなァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!!』
『Cast Off!』
『Change Wasp!』
『Change Stag Beetle!』
『Clock Up!』
D電皇『ちょ?!―ドグオォォンッ!!―グアァァァァァァァァァアッ!!?』
ビートM『れ、零ィ!!?』
万感の願いも虚しく、瞬時にキャストオフとクロックアップを行ったザビーとガタックの猛攻撃によりD電皇のフルボッコTIMEが開始されていったのだった……