仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―――零達一行がカブトの世界を訪れてる頃、とある平行世界に存在する廃墟と化した都市。其処では今、人知れず大きな戦いが巻き起こっていた。
『ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォッッ!!!!!!』
『グォオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォッッ!!!!!!』
都市の中心で、轟音に近い雄叫びを上げながら激しくぶつかり合う二つの軍勢。一方は不気味な姿を形取る異形達によって形成された軍勢……かつて魔界城での戦いで零達一行により半数以上の数が倒されたレジェンドルガ。もう一方は同じ姿の仮面の戦士達によって形成された軍勢……セイガやキャンセラーの世界でも零達一行に襲い掛かってきたライオトルーパー。廃墟となった都市の中で無数の光弾と爆発が飛び舞う中、双方の軍勢の戦いは段々とその激しさを増していた。
―ガギィン!ガギィン!ガギイィィィィィィィインッ!!!!―
『グ、グオォォォォォォォォォォォオッ!!?』
―ドゴオォォォォォォォォォォォオンッ!!―
都市内に展開されたレジェンドルガの軍勢の西陣内。無数の異形達によって埋め尽くされたその場所では、Aをモチーフにした金色の仮面ライダーがレジェンドルガの軍勢をたった一人で薙ぎ倒していた。そして金色のライダーはレジェンドルガ達を斬り付けていた剣のオープントレイを開き、一枚のカードを取り出して剣に通していく。
『MIGHTY!』
『ハアァァァァァァァ……ハアァッ!!』
―ズザアァンッ!!―
『グガァッ?!ギ、ギガアァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!?』
―ドッガアァァァァァァァァァァァァアンッ!!―
電子音声が鳴り響くと共に金色のライダーは残ったレジェンドルガ達に向けて流れるように剣を振りかざし、斬りつけられたレジェンドルガ達は断末魔の悲鳴と共に一斉に爆発を起こし散っていったのであった。
『……フンッ……他愛ない連中だ……』
レジェンドルガ達が爆散した後金色のライダーはつまらなそうに言いながら剣を払い、未だ一進一退の交戦が続くレジェンドルガ達とライオトルーパー達の戦いを眺めながらある人物へと通信を繋ぐ。
―ジジッ…ジジジィッ…―
綾『――はい。こちら作戦本部……と、椋さんでしたか』
『あぁ、俺だ。こちらの方は粗方片付いた。他の奴らは今どうなってる?』
金色のライダーは通信が繋がって聞こえてきた一人の少女の声……綾から状況の説明を要求し、要求を受けた綾は平たい口調で状況の説明を始めた。
綾『戦況は今の所、こちらが少し有利ですね。慎二さんの部隊は右翼の敵部隊と交戦中、一樹さんは単独で中央の敵部隊を突破しつつ敵部隊の本陣へと前進中、総一さんは一樹さんのフォローをしつつ同じく敵本陣へと前進中……といったところです』
『……チッ……慎二はともかく、一樹と総一は前に出過ぎてるな……漸く奴らの足を掴んだ事に少し浮かれているか……』
綾『恐らくそんな所でしょうね。ずっと彼等を追って様々な世界を回っていましたし、戦闘が始まる前も何処か張り切っていたように見えました……何か不都合でもありましたら、私の方からお二人に連絡して呼び戻しますが……』
『………いや、今のタイミングで下がらせたら返ってあの二人が危険になるだけだ……そうなればこちらが一気に押し返される可能性が高い……それに敵陣への突貫はアイツ等の得意分野だ。勝手にやらせておけばいいだろう』
疲れたように溜め息を吐きながらそう言ってると背後からライオトルーパーの部隊がやってきて金色のライダーと合流していき、それを見た金色のライダーは目の前へと視線を向けながら再び話し出す。
『取りあえず俺はこのまま部隊を連れて前進する。お前は本部の守りを固めつつこちらからの指示を待て。いいな?』
綾『了解しました……ご武運をお祈りします』
最後にその言葉を耳にすると金色のライダーは通信を切り、ライオトルーパーの軍勢を率いて前進を開始していったのだった。
◆◇◆
―廃墟・レジェンドルガ軍右翼―
―ドグオォォォォォォォォォォォォオン!!―
左翼にいる金色のライダーが前進を開始したのと同じ頃、レジェンドルガ軍右翼ではレジェンドルガの軍勢とライオトルーパーの軍勢が未だ激しい戦いを繰り広げている最中であった。そして右翼のレジェンドルガ部隊を率いる一人の仮面の戦士……トーレが変身したアースは向かい来るライオトルーパー達を薙ぎ伏せながら指示を出していく。
アース『前衛部隊は前面から押し寄せる敵を抑えろ!後衛部隊は前衛部隊のフォローに回りつつ後方射撃で前面からの敵を撃退!これ以上奴らの進行を許すな!』
レジェンドルガ軍に指示を送ると同時に最後の一体を撃退し、アースは前面からまるで雪崩のように押し寄せてくるライオトルーパーの軍勢を睨みつけながら思わず舌打ちする。
アース(チッ…!まさか、新たに開発したライダーシステムの稼動実験の最中に奴らに見つかるとはっ……このままアジトがある世界に戻ってしまえばドクターの居場所を奴らに教えてしまう事になる!それだけは何としても避けねば…!)
ギリッ!と奥歯を噛み締めながらそう考えるとアースは目前の敵を見据え、自身も前線に向かおうとその場から走り出そうとする。しかし……
―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
アース『?!なっ…?!』
背後から鳴り響いた突然の巨大な轟音。その爆発音と衝撃波だけで思わず身体が浮き、アースは驚愕混じりにバッと勢いよく背後へと振り返った。其処には……
『ギャオォォォォォォォォォォォォオッ!!!!』
『……………』
無数のレジェンドルガ達の屍の山を踏み付け、背後に巨大な黒き龍を従わせて立つ黒いライダーの姿が其処にあったのだ。そのライダーを目にしたアースは両目を見開き、思わず後退りをしながら口を開いた。
アース『リュ、リュウガ……No.5……天野慎二か?!』
リュウガ『…………』
驚愕と恐怖の混じった声で叫ぶアースだが、黒いライダー……リュウガはそれに何も答えず、ただ顔を少し俯かせてレジェンドルガの屍を見下ろしていた。何故こちらの軍の背後に奴がいるのかと驚愕して戸惑っていると、アースはリュウガの近くに落ちている割れた鏡を発見した。
アース(そうか……ミラーワールドか?!ちぃっ!!何故よりにもよってコイツがこっちに…!!)
割れた鏡を見てすぐにその謎を理解したアースは驚愕の表情から何処か追い詰められたような表情へと変わり、左腰にあるフエッスルの中から真紫のフエッスルを取り出しベルトに止まったアースキバットへと吹かせていった。
アースキバット「ウェイクアップッ!」
アースキバットの掛け声が響くとアースの右手に大量のエネルギーが集約されて球状へと形成されていき、アースは勢いよくリュウガへと突っ込み右手のエネルギー球をリュウガに向けて放った。が……
―……ガシッ!!シュウゥゥゥゥゥゥゥゥ……―
アース『ッ?!な、何ッ?!』
なんとリュウガはアースの放った右手をたったの左手一本で受け止めてしまい、そのままエネルギー球を握り潰して打ち消していってしまったのだ。
アース『そんな…馬鹿な…?!』
リュウガ『……フンッ……ウオォォォォォォォォォォォォオッ!!!』
―バキィ!!ドガアァ!!ドゴオォ!!―
アース『ガッ?!ウグアァッ!!』
リュウガは驚愕するアースを押し返して回し蹴りを放ち、最後にアースの腹部にミドルキックを打ち込んで吹っ飛ばすとバックル部分のカードデッキから一枚のカードを抜き取り、左腕のダークドラグバイザーに装填しベントインした。
『FINAL VENT!』
電子音声が響くと共に黒き龍……ドラグブラッカーがリュウガにとぐろを巻き、その中心でリュウガは黒い炎を纏いながら宙に浮上していく。そして……
リュウガ『ハアァァァァァ……ハアァッ!!』
『ギャオォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!』
アース『グッ…?!』
『ッ?!ウ、ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォォオッ?!!!!』
―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
リュウガは自身の必殺技…ドラゴンライダーキックを発動してアースに跳び蹴りを放っていくが、アースは直ぐさまその場から飛び退いてリュウガの跳び蹴りを回避し、リュウガのキックはその背後にいた無数のレジェンドルガの軍勢に炸裂し、レジェンドルガの軍勢は断末魔をあげながら跡形もなく消え去っていったのだった。
アース『…ッ!馬鹿な……たったの一撃で……全滅だと……?』
リュウガ『……………』
たった一瞬であれだけの数のレジェンドルガ達を消し去ったリュウガにアースは信じられないといった表情を浮かべて呆然となり、リュウガは紅蓮の炎を背にそんなアースの方へと顔を向けていくのだった。
◆◇◆
―廃墟・レジェンドルガ軍本陣―
その頃、金色のライダーとリュウガが敵対するレジェンドルガ軍の本陣。其処は他の部隊より多くのレジェンドルガ達によって形成され守りを固められており、本陣の中心には一人の女性……ドゥーエが一体のレジェンドルガと話している姿があった。
ドゥーエ「―――それで、状況は?」
『……左翼は完全に崩され、右翼はトーレ様を除く兵がたった今全滅されたと……』
ドゥーエ「ッ……流石は組織のメンバーね……本気でこちらを潰しに掛かってきてる……最早問答は無用って事かしら……」
表面では冷静さを保つも、内心ではこの状況に焦燥を覚えて呟くドゥーエ。このままでは全滅させられるのも時間の問題だろう。そうなれば自分かトーレが捕まりドクターの居場所を無理矢理にでも吐かされるかもしれない。拷問は勿論、洗脳や催眠だって奴らにはお手の物なのだから。そんな仕打ちを受ける光景を思い浮かべたドゥーエはそんな考えが過ぎった頭を左右に振り、気を引き締めて顔を上げた。
ドゥーエ「とにかく、この状況が続くのはあまりよろしくない……陣の第三から第六部隊を前面に押し出しなさい!残った部隊は砲撃準備を整いつつ周囲を警戒!敵影を確認次第反撃を――――」
―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
ドゥーエ「――ッ?!こ、これは…?!」
レジェンドルガ達に指示を出そうとした中、突如鳴り響いた爆発音。それを耳にしたドゥーエや周りのレジェンドルガ達は動揺を浮かべながら辺りを見渡していくと、其処へドゥーエの下に通信が入ってきた。
『ドゥ、ドゥーエ様!!敵が、敵がこの本陣に突っ込んできました!!』
ドゥーエ「なっ……敵?!数は?!」
『か、数は二……奴らです!!あの黒カブトと鬼が―ドグオォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―ウ、ウワアァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!』
ドゥーエ「?!ど、どうしたの?!応答しなさい!!何が起きたの?!」
通信の向こうから聞こえてきた爆音と悲鳴を耳にしたドゥーエは慌てて応答を求めるが、聞こえてくるのはザザザザァッというノイズの不愉快な音しか流れて来なかった。
ドゥーエ「……敵はたった二人?それに黒カブトと鬼って……まさか……」
通信で知らされたその二つの名にドゥーエは思わずグッと手を握り締め、額からも嫌な汗が流れて地面へと落ちた。その瞬間……
―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
『グアァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!』
『ッ?!』
突然、何かを打ち破る爆発音が目の前から炸裂した。その爆発音と衝撃波だけでドゥーエは思わず身体を投げ出されそうになり、背後にいたレジェンドルガ達がそんな彼女の身体を支えてドゥーエを守るように構えていく。爆発は外部からの衝撃で発生した物らしい。突然の展開に呆然としつつも瞬時に頭でそう理解したドゥーエは目の前に視線を向けると、目の前の爆煙の向こうから二つの影が姿を現した。
『――あれ?もしかして、もう敵の本陣に着いちゃったんスか?』
『らしいな……まぁ、あんだけ馬鹿みたいなスピードで突っ込んでいけばそりゃあっという間に着いちまうだろうよ』
『ナッハハハ♪そんな馬鹿みたいなスピードに軽々とついてきてたアンタが言えるッスかぁ?』
爆煙の向こうから姿を見せた二つの人影。一人は黒いカブトムシをモチーフにした姿のライダー。もう一つはもう一人は右側が緑、左側がオレンジ色のアンシンメトリーな鬼。その二人を見たドゥーエは震える声で呟く。
ドゥーエ「ッ……組織のNo.9、No.10……ダークカブトと歌舞鬼……市道一樹と成宮総一っ……」
二人のライダーを見据えながら苦痛を噛み締めるような表情で言ったドゥーエ。そんなドゥーエを見つけた黒いライダー……ダークカブトは口元を緩めながら喋り出した。
ダークカブト『お久しぶりッスねぇ、ドゥーエさん?まさかアンタ等が裏切るとは俺も予想してなかったッスよ』
ドゥーエ「……白々しい男ね……私達が貴方達を利用していたって事ぐらい分かっていたんでしょう?そして貴方達も私達を利用していた……あの揺り篭を動かす為に必要な聖王専用のライダーを作らせる為に……」
ダークカブト『ありゃりゃ……気付かれてましたぁ?参ったなぁ~、そう思われないように頑張ってたんッスけどねぇ?』
ナッハハハハ、と場違いな笑い声を上げるダークカブトにドゥーエは視線を鋭くさせてダークカブトを睨みつけると、ダークカブトは笑みを浮かべたまま再び口を開いた。
ダークカブト『でもまぁ、先に裏切ったのはそっちの方ッスからね?開発段階で聖王専用のライダーが想像以上の出来になったからって独り占めしようとした上に、破壊の因子を手に入れた事を俺等に黙っていた。平行世界を手に入れようとか馬鹿な考えを持つようになったのがそもそも原因なんスから』
ドゥーエ「………確かに、貴方達から見れば馬鹿な事に思えるでしょうね……でもそれを可能にする方法を貴方達が持ってるじゃない。揺り篭っていう方法をね……」
歌舞鬼『だから俺等に従った振りをして、密かに考えてたって訳か?クーデターを』
ドゥーエ「それを実行する前に計画は大きく狂ってしまったけどね。ディケイド達があの世界に現れたというイレギュラーさえ起きなければ、アークとレジェンドルガ、そして聖王の力を使って貴方達から揺り篭を奪うという計画を遂行出来たのに……」
ダークカブト『だけどそれはディケイド達の介入により失敗してしまった。そうなる前に手を打とうとしてたみたいッスね?ディケイドを仲間に引き込んで因子を与え、それを使って俺等を討とうと考えてたらしいッスけど』
ドゥーエ「ドクターはそれを好機と取ったらしいわ。彼をこちら側に引き込めば、貴方達を確実に倒せる筈だと考えて……でもそれも失敗に終わった。彼の意思が予想以上に強かったから」
歌舞鬼『そしてお前等は、因子を奴に渡した……俺等という邪魔物をディケイドに倒させて、揺り篭を手に入れる為に』
ドゥーエ「貴方達さえ消えれば揺り篭を手に入れるのは簡単ですからね。貴方達の揺り篭、そしてもしもの為の保険である二つの因子を手に入れ、ドクターの新たな夢を叶える……だからそれまで捕まる訳にはいかないのよ……絶対にね」
ダークカブトと歌舞鬼を見据えながらそう告げると、ドゥーエの下に三本の角を持った黒と金のゼクターが飛来し、ドゥーエはそれを掴み取り身構える。
ドゥーエ「新たなライダーシステムの力……貴方達で試させてもらうわ……変身」
『Henshin!』
そう言いながらドゥーエがゼクターを腰に巻いていたベルトにセットすると電子音声が鳴り響き、ドゥーエはその姿を徐々に変化させていったのだった。
『Change Beetle!』
電子音声が鳴り響くと共に変身を完了させ、ドゥーエは三本の角を持った仮面に金と黒のボディを纏い、右腕に三叉の爪のような手甲を装備した翠の複眼の戦士……仮面ライダーへと変身したのである。
歌舞鬼『ほぉ……ソイツがお前のライダーか?』
『えぇ。貴方達に対抗する為に造られたライダー……アトラス。これが私の力よ』
そう言って変身したドゥーエ……『アトラス』は右腕に装備したアトラスクローをおもむろに構えていき、ダークカブトと歌舞鬼もそれぞれクナイガンと鳴刀・音叉剣を構えていく。そして……
―………ザッ―
『………ハアァッ!!』
―ガキィンッ!ドガァッ!ギギィッ!!ドグオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!―
双方が動き出した瞬間、互いの武器が激突し激しい戦いが始まったのだった。そしてそれを合図だと言う様にダークカブトと歌舞鬼に続いてきたライオトルーパーの軍勢が本陣へと攻め込みレジェンドルガの軍勢とぶつかり合い、戦いは遂に終盤を迎えようとしていたのだった……
仮面ライダーアトラス
装着者:ドゥーエ
解説:クアットロがシャドウが持参したダークカブトゼクターに改造を施したドゥーエ専用の仮面ライダー。アトラスオオカブトをモチーフとしており、三本の角を特徴に金と黒を基礎としたスタイリッシュなボディをしている。マクスドフォームは開発段階で破棄された為に存在せず、直接ライダーフォームへと変身する。使用武器は右腕に装備した巨大な三又の爪のような手甲……アトラスクローを使用して戦う。
必殺技はアトラスゼクターのフルスロットルボタンを順に押してタキシオン粒子をアトラスクローに集約させ、敵に突きを放つライダースティングとダークカブトと同じライダーキックの二つ。
アトラスゼクター
解説:クアットロがダークカブトゼクターに改造を施したアトラスオオカブトがモチーフの改造ゼクター。三本の角が特徴で黒と金のカラーリングを基礎とし、上記の通りマクスドフォーム事態は開発段階で破棄された為、ライダーベルトへとセットする事でライダーフォームへと直接変身する。