仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十五章/カブト×コードギアスの世界⑨

 

 

そしてその頃、ZECTの地下の本部ではZECTの隊員達が巨大な装置……カブト捕獲作戦に使用するクロックダウンシステムの稼動準備を開始していた。システム稼動の為に隊員達が忙しく動き回る中、隊員の一人がルルーシュの下へと駆け寄り報告していく。

 

 

「準備完了しました!」

 

 

ルルーシュ「よし、ご苦労」

 

 

「…カブトは、本当に来るんでしょうか?」

 

 

カブトは本当に此処へやって来るのか。心配と不安が入り交じった様子で疑問を投げ掛ける隊員に対し、ルルーシュは本部の一角にあるパイプ管に両腕を鎖で繋いだナナリーへと視線を向け、口元を歪めていく。

 

 

ルルーシュ「……餌がある限り、奴は必ず来る。間違いなくな」

 

 

ナナリー「ッ……お兄様っ……―ドゴオォンッ!!―……ッ?!」

 

 

ナナリーがルルーシュを睨みつけながら口を開き掛けたその時、突然轟音のような音がその場に響き、ナナリーやルルーシュ達は驚きながら入り口の方へと振り向いた。

 

 

すると其処には、入り口である鉄製の扉が何らかの衝撃を外から何度も受けて歪み出し、今にも扉が壊されそうになっている扉を見た隊員達は思わず後退りしてしまうが、ルルーシュだけは慄くこともなく高笑いを上げる。

 

 

ルルーシュ「フッ、フハハハハハハハハッ!飛んで火に入るとはこの事か……システムを作動させろ!」

 

 

「ッ!は、はい!」

 

 

ルルーシュの指示を受けた隊員達は慌てて装置を作動させていき、最終確認の為のスイッチを押していく。

 

 

するとクロックダウンシステムから大量のエネルギーが放出されていき、本部全体を行き来している無数のパイプを通って本部の外に建設された巨大なタワーから街全体へとエネルギーを拡散させていった。それと同時に扉が壊され、奥から現れた赤い閃光が目にも止まらぬ速さで隊員達の間を通り抜けながらナナリーの下に向かおうとする。が……

 

 

―シュウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥ……バチバチッ……バチイィッ!!―

 

 

カブト『……ッ?!アッ……グウゥッ?!』

 

 

『ッ?!』

 

 

ナナリーの下に向かおうとした赤い閃光……クロックアップを使用したカブトのスピードが突如下がっていき、ナナリー達の目の前にその姿を現し、片膝を付いていったのであった。

 

 

ナナリー「カ、カブト…!?」

 

 

カブト『ウッ……クッ……グッ!!』

 

 

ルルーシュ「漸く会えたな、カブト……捕えろ」

 

 

『ハッ!』

 

 

ルルーシュはそう言って膝をついて未だ立ち上がろうとするカブトに顎を向けると、周りの隊員達はそれに応えるようにカブトを捕え、ルルーシュと向き合わせていく。

 

 

ルルーシュ「フッ…フフフッ……フハハハハハハハハハハハハッ!!遂に捕らえたぞ、カブトォ!!俺の、勝ちだ……フフッ……フハハハハハハハハハハハハハハッ!!」

 

 

捕らえたカブトを見据えながら勝利を核心したようにルルーシュは高らかに笑い出し、それと共に、なんとカブトを捕える隊員や他の隊員達が突如無数のワームの集団へと姿を変え、他の隊員達へといきなり襲い掛かっていった。

 

 

『キシャアァァァァァァァァァァアッ!!』

 

 

「う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!?」

 

 

ルルーシュ「全てのライダーのクロックアップは無力化された。クロックアップ出来ない貴様など……我々の敵ではない……フンッ!」

 

 

―ドゴオォッ!!―

 

 

カブト『ウグァッ!』

 

 

隊員達がワームに襲われていく悲惨な光景を尻目に、ルルーシュはカブトに近づき蹴り飛ばした。そして蹴り飛ばされたカブトは力無く地面に倒れ込み、そのショックでカブトゼクターがベルトから離れ、変身が解除されて仮面の下の正体が露わになった。

 

 

ナナリー「───ッ?!!!お、お兄……様……?」

 

 

ルルーシュ?「クゥッ…!グッ!」

 

 

そう、カブトの正体とは、目の前の眼帯を身に付けたルルーシュと全く同じ顔をした男……ルルーシュ・ランペルージだったのである。地面に倒れるルルーシュ?を見てナナリーが信じられない物を目にしたかのように固まる中、ルルーシュは怪しげな笑みを浮かべながらゆっくりとルルーシュ?に歩み寄っていく。

 

 

ルルーシュ「久しぶりだなぁ、もう一人の俺……フンッ!」

 

 

―ドゴォッ!―

 

 

ルルーシュ?「アグッ?!グアッ…!」

 

 

ナナリー「?!」

 

 

ルルーシュは片足でルルーシュ?の胸を踏み付けていき、苦しむルルーシュ?を見下ろして邪な笑みを浮かべていく。

 

 

ルルーシュ「この世に二人の俺はいらない……消えろぉ!!」

 

 

―ギリギリギリィッ!!―

 

 

ルルーシュ?「がァッ?!グアァァァァァァァァァァァッ!!」

 

 

ルルーシュは片足に力を込めて、ルルーシュ?をゴミのように踏みにじり、ルルーシュ?が苦痛に満ちた悲鳴をあげる姿を見て愉快げに笑っていく。その一方で、ナナリーは目の前の状況が未だ飲み込めず困惑に満ちた表情で呆然としていた。そんな時…

 

 

 

 

 

「―――消えるのはお前の方だ」

 

 

 

 

ルルーシュ「…ッ?!」

 

 

ナナリー「……え?」

 

 

緊迫とした空気を切り裂く、声が響いた。

 

 

それまで愉快げにルルーシュ?を踏みにじっていたルルーシュは驚いたように、ナナリーは呆然と声がした入り口の方に振り向くと、カブトが破壊した入り口の奥から二人組の男女……零とシグナムがゆっくりと姿を現した。

 

 

ルルーシュ「貴様等ぁ……!」

 

 

ナナリー「れ、零さん?シグナムさん?!」

 

 

不意に現れた零とシグナムを見てルルーシュは不快げに眉を寄せ、ナナリーは驚きから目を見開かせる。そんな二人からの眼差しを受け止め、零は徐にに右手を上げ、まるで天を指し示すようなポーズを取ってゆく。

 

 

零「おばあちゃんが言っていた。つゆの味は目で見ただけでは分からない、ってな……見掛けに騙されるな、ナナリー」

 

 

ナナリー「で、でも私、この目で見たんです!お兄様が、カブトに殺されそうになったのを…!」

 

 

シグナム「いや、ナナリーが見たのはランペルージに擬態したワーム……つまり其処にいる眼帯の男の方であり、本物はカブトに変身していた方だ。カブト……お前の兄は、自分に擬態したワームを倒そうとしただけだ」

 

 

ナナリー「…ッ?!」

 

 

自分を餌と呼んで捕らえた兄はワームが擬態していた偽物で、今まで自分の危機を救ってくれていたカブトが本物の兄だった。

 

 

いきなり告げられた真実にナナリーは愕然とし、戸惑いを露わに地面に倒れる本物のルルーシュに目を向けると、ルルーシュは踏みつけられた胸を抑えながらゆっくりと起き上がっていく。

 

 

ルルーシュ「ッ……その戦いの後、俺はクロックアップの世界から戻れなくなった……けどナナリー、お前は戻れる……あの家に」

 

 

ナナリー「……で…でも私……私はっ……」

 

 

ルルーシュ(擬態)「そう、コイツはワームだぞ?今更帰る場所などない!」

 

 

ナナリー「…ッ!」

 

 

そう、ナナリーは人間ではなく異形の怪人……ワームなのだ。ルルーシュ(擬態)にその事実を指摘されたナナリーは思い詰めた顔を俯かせてしまうが……

 

 

零「違うな……間違っているぞ」

 

 

ルルーシュ(擬態)「…何?」

 

 

ルルーシュ(擬態)の言葉を否定するように力強く告げた零。ルルーシュ(擬態)は険しげにそんな零へと聞き返すと、零とシグナムはルルーシュ達へと歩み寄りながら言葉を続けていく。

 

 

シグナム「この世に一カ所だけ。例え世界の全てを敵に回しても、家族の帰りを待ってる場所がある」

 

 

零「そしてこの世に一人だけ……例え世界の全てを敵に回しても……家族の為に戦う男がいる」

 

 

ナナリー「ッ!……お兄様……」

 

 

ルルーシュ「…………」

 

 

シグナムと零の言葉を聞き、俯いていた顔を上げたナナリーの眼差しと、そんな彼女を優しげに見つめるルルーシュの眼差しが交わる。しかしそんなやり取りを前に、ルルーシュ(擬態)は苛立ちをぶつけるように柱を蹴り付けた。

 

 

ルルーシュ(擬態)「くだらん事をゴチャゴチャとっ……身を寄せ合うのは弱い者同士がする事だッ!!」

 

 

零「それも違うな。この男は誰にも声が届かない世界で、孤独に耐えながら、皆を守ってきた。お前達の流した偽りで、世界から悪だと忌み嫌われながらも、皆の為に戦い続けた……誰より強い男だ!」

 

 

ルルーシュ「…ッ!」

 

 

零の力強い言葉に呼応されるかのように、ルルーシュの表情にも徐々に力強さを取り戻されていく。それに続くように、シグナムもルルーシュ(擬態)に侮蔑を込めた目を向けて吐き捨てるように告げる。

 

 

シグナム「同じ顔をしているが、お前はこの男の足元にも及ばない……ただの虫けらだ」

 

 

ルルーシュ(擬態)「クッ……!黙れ!!最早クロックアップは無力化された!!この世界は俺の物だ!フフッ…フハハハハハハハハハハハハッ!!!」

 

 

零とシグナムの言葉にも耳を傾ける価値はないと言わんばかりに、ルルーシュ(擬態)は自信に満ちた笑い声を上げながらフィロキセラワームへと姿を変えていき、更に自身の周りにワームの大群を呼び集め戦闘態勢に入っていった。しかし零は臆する様子を見せず、シグナムの隣に立ち並んでいく。

 

 

零「どうかな?俺は全てを破壊する……無論、お前の野望すらもな」

 

 

『ッ!貴様ぁ……一体何者だ?!』

 

 

零「通りすがりの仮面ライダーだ、憶えておけ」

 

 

不敵な笑みを浮かべながらフィロキセラワームからの問いにそう答えると、その溢れる自信に満ちた答えが癪に障ったのか、フィロキセラワームは怒りの雄叫びを上げながら零とシグナムにワーム達をけしかけ、二人はワーム達の攻撃を避けながらそれぞれ応戦していく。その間にルルーシュはふらつきながら立ち上がり、ナナリーへと近づき両腕を拘束する鎖を外していく。

 

 

ナナリー「……どうして私を守ってくれるんですか?だって、私は……」

 

 

ルルーシュ「――お前は俺の妹だ。そして俺は?」

 

 

ナナリー「え?……お兄様……です」

 

 

ルルーシュからの問いかけにナナリーが戸惑いがちにそう答えると、ルルーシュは優しげな笑みを浮かべながら頷き、ナナリーの肩に手を置いていく。

 

 

ルルーシュ「大切な真実はそれだけだ……これからも俺が、お前を守る」

 

 

ナナリー「ッ!……はい」

 

 

優しく、それでいて何処か力強い笑みを浮かべてそう答えたルルーシュにナナリーは安心したように微笑み返し、ルルーシュもそれに頷き返すとナナリーを安全な場所に下がらせ、ワームの大群と戦う零とシグナムの下へと駆け寄っていく。

 

 

零「フッ!ハアァッ!……いくぞ?」

 

 

ルルーシュ「…あぁ」

 

 

零の呼びかけに対してルルーシュは力強く頷き返し、それを見た零はディケイドライバーを装着してディケイドのカードを構え、シグナムは事前にKウォッチで呼び出していたバックルにカードを装填して腰に巻き、ルルーシュはワーム達を吹っ飛ばしながら飛来してきたカブトゼクターを手に取って構える。そして……

 

 

零&シグナム「「変身っ!」」

 

 

ルルーシュ「変身!」

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

『Henshin!』

 

『OPEN UP!』

 

 

それぞれのベルトから電子音声が響くと、零はディケイド、シグナムはセイヴァー、ルルーシュはカブト・マスクドフォームへと変身していき、変身を完了したカブトはカブトゼクターのゼクターホーンを掴みながら叫ぶ。

 

 

カブトM『キャストオフッ!』

 

 

『Cast Off!』

 

『Change Beetle!』

 

 

ゼクターホーンを反対側に倒すと共に再び電子音声が響き、それと同時にカブトが身に纏っていたマスクドアーマーが四方へと飛び散りカブト・ライダーフォームへと変わっていったのである。そして三人はワームの大群に向かって突っ込み、それぞれ戦闘を開始していった。

 

 

―ガキィ!!ガキィン!!ガキィッ!!―

 

 

『ギシャアァッ?!』

 

 

カブト『フンッ!ハァッ!!』

 

 

クロックダウンシステムにより動きが鈍くなっているものの、カブトはそんな素振りを見せないような動きでワーム達をクナイガンで斬り付けダメージを与えていき、其処へディケイドとセイヴァーがカードを一枚ずつ取り出してバックルとラウザーにセット&スラッシュさせながら突っ込んできた。

 

 

『ATTACKRIDE:SLASH!』

 

『SLASH!』

 

 

『ハアァァァァァァァァァァアッ!!』

 

 

―ガキィンッ!!ガキィンッ!!ガキイィィィィィィィィインッ!!―

 

 

『ギ、ギシャアァァァァァァァァァァアッ?!!』

 

 

―ドッガアァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

二つの電子音声が響くと共にディケイドとセイヴァーが振るったライドブッカーSモードとラウザーの斬撃がワームの大群を一瞬の内に斬り伏せ、ワームの大群は断末魔をあげながら爆散していったのであった。そして二人はワームを一掃して一息吐くとカブトと合流していくが、其処へフィロキセラワームが唸り声をあげながら三人へと近づいてきた。

 

 

『ヌウゥ……無駄な足掻きを!クロックアップを封じられた貴様等など、俺に勝てるかぁ!!』

 

 

フィロキセラワームは自信に満ちたように叫ぶと共にクロックアップを発動し、超高速を用いた高速攻撃でディケイドとカブトとセイヴァーを殴り付け吹っ飛ばしていってしまった。

 

 

カブト『クッ!!』

 

 

ディケイド『ッ……確かに速いな……が、残念だったな?どんなに速く動こうが、お前の攻撃パターンは既に見切った!』

 

 

態勢を立て直したディケイドはそう言いながらライドブッカーから一枚のカードを取り出し、フィロキセラワームが再びカブトへと突っ込んできたタイミングを狙いカードをバックルへとセットしていった。

 

 

『ATTACKRIDE:ILLUSION!』

 

 

電子音声が響くと共にディケイドから出現した分身がフィロキセラワームの背後に回り込んで実体化しライドブッカーで背中を斬り付けた。そして斬撃を受けて怯んだフィロキセラワームが今度はディケイドに標的を移して突っ込んできたと共に、再びディケイドから出現した分身がフィロキセラワームの死角に回り込んで実体化し、ライドブッカーでフィロキセラワームを斬り付けていく。

 

 

『ハァッ!!ダァッ!!』

 

 

―ガキィンッ!!ガキィンッ!!ガキィンッ!!―

 

 

『ヌガアァッ?!グゥッ!お、おのれぇぇぇぇっ……フンッ!』

 

 

―ドゴォンッ!!―

 

 

ディケイド達の分身攻撃で吹っ飛ばされたフィロキセラワームはよろめきながら立ち上がるが、クロックアップを牽制されて分が悪いと感じたのか背中の羽根を広げて飛び上がり、そのまま天井を突き破り地上へと逃げ出してしまう。それを見たディケイドは直ぐさまライドブッカーからカブトの力を宿した三枚のカードを取り出すとカードに絵柄が浮き上がり、その中から一枚のカードを抜き取るとディケイドライバーに装填しスライドさせていった。

 

 

『FINALFORMRIDE:KA・KA・KA・KABUTO!』

 

 

ディケイド『ちょっとくすぐったいぞ』

 

 

カブト『何?―ドン!―ほあぁ?!』

 

 

電子音声と共にディケイドがそう言ってカブトに歩み寄り背中を強く押し出すと、カブトはそのまま身体を変形させてカブトゼクターに酷似した巨大なカブトムシのような姿…『ゼクターカブト』へと超絶変形し、ゼクターカブトはそのまま飛翔すると頭部のゼクターホーンで建物の天井を突き破り地上までの道を作り出していく。そしてディケイドとセイヴァーも互いに顔を見合わせて頷くと、ゼクターカブトが作り出した地上までの道を通りフィロキセラワームを追っていくのだった。

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

一方、地下本部から地上へと逃げ出したフィロキセラワームはそのまま上空まで高く飛び上がり、タワーの傍にまで飛翔して地上を見下ろしていた。その直後、地上に向けて地下から道を作っていたゼクターカブトが地面を突き破って姿を現し、それに続くようにゼクターカブトが突き破った穴からディケイドとセイヴァーが飛び出し、ゼクターカブトはカブトに戻り二人の間に立ってタワーを見上げていく。

 

 

『ヌウゥ……もうシステムは止められない!』

 

 

セイヴァー『システムを破壊すれば、お前はまた永遠の孤独に戻る事になる……いいのか?』

 

 

カブト『…………』

 

 

カブトはクロックアップの暴走によりクロックアップの世界から戻れなくなり、今はクロックダウンシステムの影響により現実の世界へと戻って来られている。此処でシステムを破壊してしまえば、彼はもうナナリーやC.C.に永遠に会えないかもしれない。その意味を込めてセイヴァーがカブトに問い掛けると、カブトは右手で天を指し示しながら答えた。

 

 

カブト『何時でも帰れる場所がある……だから俺は、離れていられるんだ』

 

 

ディケイド『―――それがお前達の絆……か』

 

 

迷いがない、強い決意が込められたその言葉を聞いたディケイドとセイヴァーは笑みを漏らし、三人は今度こそ迷いのない力強い瞳でフィロキセラワームとタワーを見上げていった。

 

 

『この世界は、俺が支配するのだぁ!ヌハハハハハハハハハハハァッ!!』

 

 

完全に勝利を核心しているのかフィロキセラワームはタワーの傍を浮遊しながら高らかに笑い出すが、セイヴァーはラウザーのオープントレイを開いて三枚のカードを取り出し、ディケイドはカブトを見た後ライドブッカーから一枚のカードを取り出しタワーを見上げながら告げる。

 

 

ディケイド『残念だがこの一家がいる限り……それは不可能だ!』

 

 

『FINALATTACKRIDE:KA・KA・KA・KABUTO!』

 

 

『KICK!FIRE!MACH!BURNING SONIC!』

 

 

カブト『フッ!』

 

 

二つの電子音声が鳴り響くと同時にカブトはその場でジャンプすると再びゼクターカブトへと変形し、そのまま回転しながら上空へと飛翔すると頭部のゼクターホーンでフィロキセラワームを捕らえていった。

 

 

『な、なに?!―ドシャアァァァァァァァァァァアンッ!!―ヌオォッ?!』

 

 

捕らえられたフィロキセラワームはそのままゼクターカブトによってタワーへと思いっきり叩き付けられていき、そしてフィロキセラワームをタワーへと叩き付けたゼクターカブトはそのままカブトへと戻りながら地上に着地すると、ベルトにセットしたカブトゼクターのフルスロットルボタンを順に押していく。

 

 

『one!two!three!』

 

 

カブト『ライダー…キックッ!』

 

 

カブトはカブトゼクターのフルスロットルボタンを順に押してゼクターホーンを反対側へと倒し、それと共にディケイドとセイヴァーが上空へと高く飛び上がると同時に三人はクロックアップ空間へと突入し、ディケイドとセイヴァーはカブトの下へと落下していくフィロキセラワームに向けて跳び蹴りを放っていった。そして……

 

 

『ハアァァァァァァァ……デリャアァァァァァァァァァァァァァアッ!!!』

 

 

『Rider Kick!』

 

 

カブト『…ハァッ!!』

 

 

―ドゴオォォォォォォォォォォォォォオンッ!!―

 

 

『ヌ、ガ…ヌガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアァーーーーーーッ!!?』

 

 

―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―

 

 

ディケイドとカブトの必殺技、ディケイドメテオとセイヴァーのバーニングソニックが見事に炸裂し、三人の必殺技を受けたフィロキセラワームは断末魔の悲鳴をあげながら倒壊していくタワーと共に跡形も残さず消滅していったのだった。そしてフィロキセラワームとタワーの消滅を確認した三人は変身を解除して元の姿に戻り、零はルルーシュに目を向けて問いかける。

 

 

零「……なにか、婚約者に伝える事はあるか?」

 

 

ルルーシュ「…………」

 

 

何かあれば代わりに伝えておくがといった風に零に、ルルーシュは少しだけ考える仕草を見せると……

 

 

ルルーシュ「―――いや、ないな。あの魔女はなんでも見通している……特に、俺に関してはな」

 

 

零「……フッ……なるほどな」

 

 

確かにあの女ならなんでも見通しているに違いない。微笑を浮かべながらサラリと惚気けるルルーシュに零も納得したように笑みを漏らし、隣に立つシグナムも目を伏せて小さな笑みを浮かべていた。そしてそんな会話をしている中、地下本部へと続く階段の方から息を乱したナナリーが駆け上がってきた。

 

 

零「ナナリー…」

 

 

ナナリー「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

ルルーシュ「…………」

 

 

ナナリーは階段を上がると、乱れた呼吸を整えながらルルーシュをジッと見つめるが、其処から何を話したらいいのか分からず唇を閉ざしてしまう。そんなナナリーの無事を確かめたルルーシュは安心したように一息吐くと、突然ルルーシュの身体が淡い光に包まれ、周りの風景に溶け込む様に徐々に消え始めていく。

 

 

ナナリー「っ?!……ッ……」

 

 

クロックダウンシステムがなくなった今、再び孤独の世界へ独り消えようとしていくルルーシュを目にしたナナリーは思わず身を乗り出していく。

 

 

今まで守ってくれてありがとう。

何も知らなかったとは言え、恨んでしまってごめんなさい。

 

 

伝えたい事や謝りたい事も沢山ある。その中で今伝えたいのは、今一番に伝えなければいけない事は…………

 

 

ナナリー「――――待って……います……」

 

 

ルルーシュ「……え?」

 

 

ナナリー「……ずっと……待っていますから……C.C.さんと一緒にあの家で……お兄様の帰りをずっと……ずっとっ…!」

 

 

ルルーシュ「……!」

 

 

溢れそうになる涙を必死に堪え、精一杯の笑顔で見送るナナリー。ルルーシュは少し驚いたように僅かに両目を見開くと、すぐにまたナナリーに優しげな微笑みを見せ、最後はカブトへと姿を変えながら風のように静かに消え去っていったのだった。

 

 

ナナリー「…………ッ…………お兄…………様っ…………ぅ…………うっ…………ぁああっ…………」

 

 

零「……ナナリー…」

 

 

シグナム「…………」

 

 

ルルーシュの姿が完全に消えてしまうまで最後まで見届けた後、ナナリーはずっと堪えてた涙をぼろぼろと流し、それを隠すように両手で顔を覆いながら静かに泣き出していく。

 

 

そんな彼女に零とシグナムも掛ける言葉が見つからず、シグナムは無言でゆっくりと寄り添うようにナナリーに近づいてその背中を優しく摩る。そして零はそんな二人の姿を遠くから見守り、ルルーシュが消えた場所をジッと見つめた後、巨大なタワーで遮られていた太陽の陽射しが差す天の空を、ただ静かに見上げていくのであった。

 

 

 

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