仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
戦いが終わってから半日後、ZECTの本部を後にした零とシグナムはナナリーを連れておでん屋の前に戻って来ていた。そしておでん屋に帰ってきたナナリーは店の扉に恐る恐る手を伸ばし、扉を開けて店の中へと入っていく。
ナナリー「……ただいま、です……」
C.C.「…ん?あぁ、お帰りナナリー」
ナナリー「は、はい……」
少し緊張気味にナナリーがそう言うと台所でおでんを作っていたC.C.は何時もと変わらぬ様子でそう答え、無言のまま皿におでんを移しテーブルの上へと置いていく。
ナナリー「!C.C.…さん?」
C.C.「…………」
ナナリーはC.C.が用意してくれたおでんを見てC.C.に目を向けると、C.C.は何も言わないまま優しげに微笑んで頷いていき、それを見たナナリーは一瞬驚きつつも笑顔で頷き返してテーブルに着き、おでんを一口食べていく。
ナナリー「………お兄様も……何時か帰って来れるでしょうか……」
C.C.「……ルルーシュは……アイツは何時だって此処にいるさ……私達が変わらない限り、な……」
だからきっと大丈夫だと、C.C.はそう言ってナナリーに優しげな微笑みを見せ、ナナリーもC.C.の顔を見て笑顔で頷き返すとおでんを食べていく。そしてそれを見ていた零とシグナムも穏やかな笑みで二人を見つめていると、零はカメラを構えてナナリーとC.C.を写していく。そんな時……
「はぁ……はぁ……はぁ……ナナリーちゃん!」
ナナリー「…え?」
シグナム「キャロ?エリオ?」
店の入り口から二人の少女と少年……キャロとエリオが肩で息をしながら現れたのである。そしてキャロはナナリーへとゆっくりと歩み寄り、ポケットから一枚の写真を取り出しナナリーに差し出していく。それは写真館で撮影した時の写真……ナナリー、キャロ、エリオ、リイン、アギト達の五人が笑い合う姿が写った写真だった。
ナナリー「コレ……」
キャロ「……私達、零さん達と一緒に旅に出ちゃうけど……でも忘れないから。二人の事は、絶対に」
エリオ「きっとまた、何処で会える。だからその時は、また皆で写真を撮ろう?今度は零さん達やC.C.さん……ナナリーのお兄さんも、一緒に」
ナナリー「!……はい!」
ナナリーはキャロから渡された写真を両手で大事そうに胸に抱きながら笑顔で頷き、キャロとエリオも明るい笑顔でナナリーに頷き返していった。そしてそんな三人を優しげに見守っていた零やシグナムはエリオとキャロを連れておでん屋を後にし、写真館へと戻っていったのだった。
◆◇◆
―光写真館―
そしてそれから数時間後、零達が写真館に戻ってきた後なのは達は零がこの世界で撮った写真をテーブルに並べて眺めていた。そして栄次郎の手にはこの世界で撮った写真の中でも一番の出来……いつもの様に写真自体は歪んでいるが、ナナリーとC.C.が笑顔で微笑み、そしてそんな二人を見守るようにカブトの姿が映る写真が握られていた。
栄次郎「うん、なかなか良い写真じゃないか」
ディエチ「うん、二人とも良い顔してる」
なのは「……だけどナナリーちゃんのお兄さんは……何時か二人の下に帰って来れるかな?」
零「………帰ってくるさ。生きている限り、あの一家の絆が絶たれない限り……きっと……必ずな」
すずか「……うん、そうだよね♪」
きっとルルーシュは、あの二人の下に帰って来れる。なのは達もそう信じて頷くと写真をアルバムへと仕舞っていくが、いつの間にか部屋の扉の前に立っていた大輝はそんなメンバー達を見て暗いオーラを漂わせながら、深い溜め息を吐いていた。
大輝「君達は呑気で良いね……俺は結局、お宝を手に入れられなかった……」
零「……ふぅ……まあそう落ち込むな。そんなお前に、代わりにコイツをやろう」
大輝「…?なんだい?」
シャキンッ!とコートの中から何かを取り出した零に大輝が怪訝そうに聞き返すと、零は取り出した何かを大輝へと投げ渡した。それは何やらコショウみたいなモノが入った古っぽいビンであり、それを見た大輝は険しげに眉を寄せていくが、零は至って真剣な表情で高らかに語り出した。
零「そいつは大航海時代!かのバスコダガマが命懸けで捜し求め、金と同じ値段で取り引きされたという……伝説のスパイスだ!」
大輝「ッ?!……い、良いのか?そんなお宝を貰って?」
零「フッ……お前にはアルティを届けてもらった恩がある……持っていけ」
不敵な笑みを浮かべながら零が指を向けてそう告げると、大輝はビンを見つめてニヤリと笑いそのまま部屋から出ていった……零達には見えないところで静かにガッツポーズを取っていたのは誰も気付いていなかったが。
ディード「――あの、今の確か……うちのキッチンに置いてあったコショウじゃ……」
零「……言ってやるな……ただでさえお宝を手に入れられなくて落ち込んでるのに、更にあんな地獄を待ち受けていると考えたら流石に哀れだろう……気休めぐらい許してやれ」
フェイト「……へ?」
気の毒そうに首を振る零になのは達は意味が分からないと言ったように疑問符を浮かべ、それはどういう事なのかと質問しようとした。その時……
『よぉ、大輝』
『なッ?!な、なんで貴方が此処に?!!』
『何、お前と零達の様子見に来ていただけだ。しかしそれにしても……クロックアップを使われたぐらいで負けるとは情けない……これからまたみっちり修行だな♪』
『嫌だァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!!!!』
『……………』
外から聞こえてきた青年の絶叫。なのは達はそれを耳にして納得したのか質問するのを止めて苦笑いを浮かべていき、零も外から聞こえてきた悲鳴に関しては敢えて触れず溜め息を吐いていった。
零「まぁ、気にしなくてもどうせまた勝手に現れるだろう。海道だし」
なのは「にゃはは……まぁ、何だかちょっと同情しちゃうけどね…………あ、そういえば零君。実は写真館の掃除してた時に、こんなの見つけたんだけど」
零「ん?」
大輝に関して余り気に止めた様子を見せていた零に苦笑いを浮かべていたなのはだが、ふと何かを思い出したようにポケットから銀色のカブトムシのような姿をした機械……以前魔界城の世界で戦ったコーカサスから奪ったハイパーゼクターを取り出し零に見せていく。
零「お、これって確か…」
なのは「うん、私の部屋を掃除してた時に机の引き出しから見つけたの。懐かしいよねぇ♪」
零「だな。まあどっちかって言えば……お前達や進があの金色にフルボッコされた記憶が一番印象的だったがな。にしても、ホントに懐かしいなぁ」
零はそう言いながらなのはの手からハイパーゼクターを受け取り、懐かしそうにハイパーゼクターをペチペチと叩きながら笑みを浮かべていく。
なのは「ちょ、そんな乱暴に扱って大丈夫なのっ?」
零「心配ないだろ?第一、コイツだけで一体何が出来るって言うんだ?せいぜい単体で空間を跳ぶ事しか出来んだろうし……というか、コレまだ使えるのか?」
心配げに聞いてきたなのはに微笑しながらそう告げると、零はハイパーゼクターを天井に向けて軽く投げてキャッチ、また軽く投げてはキャッチするとハイパーゼクターをキャッチボールのように扱い遊んでいく。がしかし……
―…………………バチッ………バチバチィッ……―
なのは「……ヘ?」
零「……ハ?」
なにやら耳に届いた不審な音。それを聞いたなのはは目を点にして呆然となり、零も手を止めてゆっくりと手に持ったハイパーゼクターへと視線を向けていく。その瞬間……
―…………バチッ…………シュバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!―
零「ッ?!なっ?!」
『えッ?!』
なのは「な、何コレ?!」
突如零の手に握られていたハイパーゼクターから無数の火花が散り、それと共にハイパーゼクターから眩い光りが放たれていったのである。
―シュバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!―
スバル「ちょっ、ど、どうなってるのコレ?!」
はやて「れ、零君!!一体何したんや?!」
零「俺が知るか?!というか寧ろ俺が聞きたい!」
優矢「と、とにかくソイツを早く捨てろって!!何かヤバそうだぜ?!」
ハイパーゼクターから放たれた輝きに一同が動揺する中、とにかく今はハイパーゼクターをどうにかせねばと思い優矢は慌てて零へと駆け寄りハイパーゼクターを掴んだ。がしかし……
『Hyper Clock Up!』
零「なッ?!」
優矢「へ?――ウ、ウワアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!」
―シュウゥゥゥゥゥゥ……シュバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
『っ?!』
優矢がハイパーゼクターに触れると共にハイパーゼクターから電子音声が響き、それと同時に輝きも激しさを増し零と優矢を包み込んでいったのだ。そして徐々に光が薄れて視界が戻っていくと……
なのは「―――ッ?!れ、零……君?」
ティアナ「ゆ、優矢……さん?」
フェイト「ふ、二人が……消えた……?」
光が晴れた先には先程まで目の前にいた筈の零と優矢の姿が何処にもなく、二人は突如光写真館から姿を消したのであった……
◆◇◆
―とある平行世界―
零と優矢が写真館から姿を消したその頃、以前ルミナが造られた場所である廃墟では鳴滝が悔しげな表情を浮かべていた。
鳴滝「チッ!またも世界がディケイドによって破壊されてしまった……このままでは、次の世界も奴の手によって破壊されてしまう!」
忌ま忌ましげに言いながら鳴滝は背後へと振り返り、目の前に置かれたもの……ルミナが造られた時に使用されたポットの隣に置かれた、もう一つのポットへと目を向けていく。
鳴滝「……前回は戦闘能力と感情制御を重視し過ぎたせいで失敗してしまったが、今度はそうはいかん。今度こそ貴様の最後だ、ディケイド!」
そう言って鳴滝の表情は鬼の形相から不気味な笑みへと変わっていき、ポットの中で眠る一人の少女をジッと見つめていくのであった――――
第十五章/カブト×コードギアスの世界 END