仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
時刻は昼前。アズサの記憶探しの為にカフェから外に出た零とアズサの二人は、取りあえずアズサが心当たりがあると思うような場所を探してクラナガンを適当に徘徊していた。のだが……
零「…………………何だ、それは……?」
『うにゃー』
クラナガンの街角の一角、両手にコーヒーとジュースの入ったストロー付きの紙コップを持った零は訝しげにそう言った。そしてそれを聞かれたアズサは両手に抱いた黒い毛をなびかせる生物……世間一般的には猫と呼ばれる生き物を零へと突き出しながら一言。
アズサ「猫」
零「……いやそんなのは見れば分かる。俺が聞きたいのは、何故俺がジュースを買いに行って戻ってくるまでの三分間の間にお前は猫なんぞ持っとるんだ?」
アズサ「拾ったの」
零「何処で?」
アズサ「其処の道端で」
零「何時?」
アズサ「さっき」
零「……で、俺にどうしろと?」
アズサ「飼って」
零「何を?」
アズサ「この子を」
零「何故だ?」
アズサ「欲しい」
零「それが?」
アズサ「うん」
零「何故?」
アズサ「この子に一目惚れした」
零「………………」
アズサ「………………」
会話終了。二人の間に沈黙が流れる中、アズサは無言のまま飼ってくれと主張するように黒猫を突き出してくる。零は両目を細めながらそんなアズサの手に抱かれる黒猫を睨むと、ガクリッと肩を落しながら呆れたように溜め息を吐いた。
零「……お前な、今自分が置かれてる状況を分かってるか?お前の記憶を探す為にこうやって街の中を歩き回ってるんだぞ?」
アズサ「うん、知ってる」
零「だったら分かるだろ?今はそんなの飼ってる場合じゃないんだ。それに今の俺の持ち合わせじゃ、その猫の面倒を見るだけの余裕はない……お前だって金はないんだろう?」
アズサ「……お金……」
そう、実際の所、今の零の所持金ではアズサの分も足してホテルに三日ほど泊まれる程度しか持ち合わせていないのだ。そんな状況で猫一匹買えば、餌代などが掛かってホテルに泊まれるほどの余裕すらなくなってしまう。その意味を込めて零が告げると、アズサは猫を胸に抱きながら何かを探すかのように辺りをキョロキョロと見渡し、此処から少し離れた所にある銀行を見つけて指差した。
アズサ「あそこに行けば、お金を下ろせる」
零「………生憎だが、俺は今銀行から金を下ろす為に必要な物を忘れてきてるんだ(正確にはちゃんとした方法でこの世界に来たわけじゃないから下ろせない)。だから、あそこに行っても金は下ろせないんだよ。残念ながら……」
アズサ「お金、下ろせない………………………………………なら、強盗する?」
零「無表情でサラリと怖いこと言うなバカタレ!」
何処を探せば猫を飼う為に銀行強盗する奴がいるかッ?!と内心叫びそうになる零だが、目の前の少女は首を傾げながら零を見上げ、これでは恐らく何を言っても無駄だろうと叫び掛けた言葉を飲み込んだ。
零「はぁ……とにかく、今はその猫を飼うだけの余裕はないんだ。元の場所に返してこい」
アズサ「……どうしても、駄目?」
零「駄目だ」
アズサ「…………」
飼うのは無理だから帰してこい。そう告げられてアズサはシュンッと落ち込んだように顔を俯かせてしまい、そんなアズサの両腕に抱かれた黒猫は『にゃ~』と鳴きながらアズサの顔を見上げていく。
零「そんな顔しても無理な物は無理だ。返してこい」
アズサ「…………」
こんな状況がいつまで続くか分からない以上、あまり無駄な出費を掛けるわけにはいかない。だから此処は心を鬼にしなければと、零は目を伏せて返してこいの一点張りを通そうとする。だが……
アズサ「……家族……」
零「……ん?」
アズサ「……私はただ……家族が欲しいと思っただけ……家族の記憶がないから……一人だから……この子を家族にしたいって思ったの……この子も一人で……淋しそうだったから……」
『にゃー……』
零「…………………………………………………」
家族の記憶がなくて淋しいから、この猫を家族にしたかった。シュンッとした顔で猫を見下ろしながら淋しそうに告げたアズサに零も思わず動揺してしまうが、直ぐにハッとなっていかんいかんと頭を左右に振った。
零(馬鹿か俺は?あんなの猫を飼いたいが為の口実に決まってるだろ。騙されるなっ……今財布を握ってるのは俺なんだっ………………だが…………)
―チラッ―
アズサ「…………」
アズサの方を盗み見れば、アズサは淋しげな顔を浮かべながら胸に抱いた黒猫の耳を軽く撫でていた。その姿を見た零は強引にアズサから視線を逸らして自分の意思を必死に保とうとするが……結局は無駄だった。
零「…………チッ…………世話…………」
アズサ「…?」
零「……出来るだけ出費が掛からないように世話するというなら……勝手に飼えばいい……」
アズサ「!……うん、ありがとう」
『にゃー』
猫を飼う事を許可すれば、アズサは無表情のまま何処となく明るげに言いながら胸に抱いた黒猫の喉を軽く撫でていく。そんなアズサの姿に零は疲れた溜め息を吐きながら頭を抑えた。
零(クソッ、予想外の食いぶちが増えてしまった……まあいい、俺が昼食を抜けばまだ余裕が出来るだろう……)
アズサ「?どうかした?」
零「……別に……それより、そいつ飼うなら名前ぐらいつけてやれよ?」
アズサ「……名前?」
頭を抑えながら溜め息混じりでそう告げた零であるが、アズサは猫を抱いたままその意味が分からないように小首を傾げた。
零「名前だ名前、そいつ呼ぶ時に必要だろう?猫ってそのまま呼ぶわけにもいかないんだから、お前が責任持ってつけろ」
アズサ「……名前……」
名前をつけろと言われて、アズサは両手で黒猫を掴みながらジッと感情の読めない目で猫を見つめる。そして……
アズサ「……猫じゃらし」
零「……は?」
アズサ「猫じゃらし、この子の名前「却下だ!」…?どうして?」
零「どうしてもなにもあるか!なんだ猫じゃらしって?!そんなの名前でもなんでもないだろう?!というか絶対適当に考えて付けただろ?!」
アズサ「そんなことない、ちゃんと『猫』ってついてる。ダメなら猫舌、猫被り、猫背、猫まんまとかイロイロ……」
零「名前に猫をつける必要はないと言ってるんだっ!とにかく却下!」
アズサ「猫じゃらし、ダメ……なら、どん兵衛」
零「何処のインスタント食品だソイツは……頼むからもっとマシな名前を考えてくれ!」
アズサ「じゃあ………ヘルメス・トリスメギストス」
零「なんかいきなり伝説的な錬金術師の名前言い出したぞコイツ?!てか長いし言いにくいだろ猫の名前にしては?!却下だ!」
アズサ「これもダメ?頭良さそうなのに………なら、キャット」
零「もうそのまま猫って言い出した?!というかもう絶対に投げやりだろう?!却下だ!」
アズサ「また却下……貴方さっきからそればっかり」
零「お前のネーミングセンスが最悪だからだ!!」
もうなんなんだこの女?!と思わず頭を抱えたい衝動に駆られてしまう零だが、アズサは猫をジッと見つめながら黙々と猫の名前を考えていた。しかし、アズサはそこで何かを思い付いたように顔を上げ、零の方へと振り返った。
アズサ「だったら……貴方も何か考えて」
零「…は?何で俺が?」
アズサ「私じゃ良い名前が思い付かない……だから、貴方にも何か候補を考えて欲しい」
零「……めんどくさい」
思わずそう愚痴りつつも、このままこの猫が変な名前を付けられるよりかはマシだろう。ならば此処はちゃんとした名前か、それまでの代用の名前でもつけるかと考える零であった。
◆◇◆
――――んで…………
アズサ「―――稟、そんなに私のペロペロ舐めて……私の足、そんなに好き?」
『にゃ~』
零「…………」
アズサ「こらツトム、アリなんか食べたらお腹壊すよ?」
『にゃー』
零「………………」
アズサ「……そうだ滝……お前の首輪を買わないとね?ペットショップに行けば買えるかな?」
『うにゃ~』
零「……………………」
アズサ「んぁあ……や……祐輔……そんなに胸に顔を埋めたら……くすぐったいっ……」
『にゃー』
零「………………………」
アズサ「そうだ……煉……ホテルにチェックインしたら、一緒にお風呂入ろうか?私がゴシゴシしてあげる……」
『うにゃー』
零「……………………………………………」
アズサ「あっ、ダメ智大。そんな所でおしっこ――」
零「もう止せ!!俺が悪かった!!だからそんな知り合いに聞かれたら誤解されそうな名前でそいつを呼ぶなっ!!」
アズサ「……?」
コロコロと名前を変えて猫を呼ぶアズサに遂に耐え切れなくなったのか、黙々とコーヒーを飲んでいた零はアズサの両肩を掴んで若干焦ったようにそれを制止した。
アズサ「これもダメなの?だって、貴方がちゃんとした名前を考えるまでの代用にすれば良いっていったのに……」
零「あぁ言った、確かにそうは言ったがっ……相手が猫だという事をもっと良く考えるべきだったっ……」
アズサ「?」
この少女には恐らく悪気はないのだろう。それは分かっているのだが……知り合いの名前を勝手に猫につけるのは止めておいた方が良さそうだ。主に彼等の名誉とかイロイロな物に傷が付きそうだし……
零「…とにかく、もう簡単に一般的な名前にでもしたらどうだ?見た目が黒だからクロとか、タマとかいろいろあるだろう?」
アズサ「ん……何か捻りがない」
零「悪かったなっ……取りあえずもうそんな感じにしておけ。あまり変な名前にしてもソイツが不憫なだけだろう?」
アズサ「…………」
もう名前を考えるのが面倒くさくなったのか、少し投げやりに言いながらこの話を終わらせようとする零。そしてアズサは鳴き声をあげる黒猫の毛を撫でながら口を開いた。
アズサ「決まった………………………………シロ」
零「……は?」
アズサ「この子の名前……シロにけってい。にゃあ」
『にゃー』
零「…………待て…………ちょっとソイツ見せてみろ」
アズサ「?」
猫にシロと命名したアズサに、零は険しげに眉を寄せながら猫を寄越せとジェスチャーし、アズサはそんな零に訝しげな顔をしながら黙って猫を渡した。そして零は受け取った猫の体中を眺めていくが……全身真っ黒……シロと呼べるような要素は何一つない。
零「……お前……コレ完全に黒猫だろう?なのに何故シロ?」
アズサ「?だってクロじゃ捻りがないから……それにシロの方が明るそうで良いと思うから」
『うにゃー』
零「……………」
……ホントにコイツはどういう思考回路をしてるのだろうか?そこのところを疑いたくなるアズサの考えに零も唖然としてしまうが、アズサは特に気にした様子もなく零の手から黒猫……シロを奪って抱っこしていく。
アズサ「今日からお前はシロだよ。シロ……にゃー」
シロ『うにゃー』
零「……もう好きにしてくれ……」
黒猫と戯れ出したアズサを見てドッと疲れが襲い掛かり、もう好きなようにさせておこうと零は疲れた表情を浮かべながらカメラを構え、ファインダーを除いて街中を行き交う人達の写真を撮影していく。
零「……それで?この辺を歩いてみて、何か思い出した事はあったか?」
アズサ「?……ううん……まだ何も思い出せない」
零「そうか……一応この辺一帯は大体歩いてみたが、お前の記憶に関係する場所はなかったみたいだな」
だったら今度は別の場所に行ってみるかとファインダーを覗いたままアズサの方へと振り返るが、アズサは何故か曇った表情で顔を俯かせていた。
零「?どうした?その猫を飼うのは許可しただろう?まだ何かあるのか?」
アズサ「………ううん……ただ、本当に記憶が見つかるのかどうか……ちょっと不安になっただけ」
零「…どういう意味だ?」
アズサの言葉に零が思わず怪訝そうに眉を寄せながら聞き返すと、アズサはシロを抱きながらクラナガンの町並みや街の中を行き交う人達を眺めながら語り出した。
アズサ「正直に言うと……私、本当にこの街に住んでいたのか不安になってきた……暫くこの街を歩いてみたけど、この街を見て懐かしいとか知っているような気がするとか……そういう感情は全く感じなかった。寧ろ、この街の全部が目新しく感じてた……」
零「…………」
アズサ「もしかしたら……私はこの街の住人じゃないのかもしれない……けどもしそうなら、私は一体―カシャッ!―……?」
暗い雰囲気を漂わせながら何かを語ろうとするアズサの言葉をシャッター音が遮り、それを聞いたアズサが思わず振り返ると、其処にはアズサに向けてカメラを構える零の姿があった。
零「……そんなくだらん事を考えてる暇があるなら、さっさと次に行くぞ。お前がどう思おうが知らんが、記憶探しを手伝うと申し出たのはこっちなんだからな」
アズサ「……でも……それが無駄だったとしたら?私がこの街に住んでいたっていう確証はないし……」
零「確かにそういう可能性もあるかもしれんが、本当にそうだという確証もないし、手掛かりがないという確証もない。そんなの気にしてる暇があるなら、実際に動いて確かめればいいだろう?さっさといくぞ」
アズサ「……うん」
そんな事を不安に思ってる暇があるなら次にいくぞと促す零だが、アズサはまだ不安を拭い切れていないのか、変わらず無表情ではあるも若干元気がなくなったように歩き出した。それを見た零も思わず溜め息を吐いてしまうが、取りあえず先を急ごうとアズサの後を追おうとする。がそんな時……
―ドゴオォォォォォォォォォオンッ!!―
『ウワァァァァァァァァァァアーーーーーッ!!』
アズサ「……え?」
零「……あ?」
突然二人の背後から叫び声と爆発音が鳴り響き、零達がその方向を見ると、其処には今まで賑やかな雰囲気を漂わせていた街の雰囲気が一変し、街中を歩いていた人々が悲痛な悲鳴をあげながら何かから逃れようとするかのように逃げ惑っていた。そしてそんな人々が逃げてきた方向へと視線を向けると、其処には無数の異形達がクラナガンで暴れ回る姿があった。
『シャアァァァァァ!!』
アズサ「!……あれは?」
零「ッ!あれは……ワーム?いや、だが姿が少し違う?」
クラナガンで暴れ回る無数の異形達……それは、零が前のカブトの世界で戦った怪人である成虫体とサナギ体のワーム達だったのだ。だが、街の破壊活動を行うワーム達の姿は零が知る物とは何処となく違い、特にサナギ体は零が知るサナギ体と比べたら鋭い角と爪が生えており、更にボディもごつごつとかどばっていた。
零「チッ!別世界に飛ばされた先でもこれとはな……取りあえず倒しておくか」
疑問は残るが、取りあえずこのままワーム達にクラナガンを破壊させるワケにはいかないと零はディケイドのカードを取り出して変身しようとする。その時……
「――アクセルシューター……シュゥゥゥゥゥトッ!」
―ズガガガガガガガガガガガガァッ!!ドガアァァァァァァァァァァァァアンッ!!―
零「ッ?!今のは……?」
不意に零の上空から無数のスフィアが降り注ぎ、クラナガンで破壊活動を行っていたワーム達へと直撃していったのだ。その見覚えのある攻撃に零が思わず目を見開いていると、零の前に上空から見覚えのある少女と少年達が降りていた。
「時空管理局です!大丈夫ですか?!」
零(ッ!なのはとヴィータに、フェイトとシグナム?それにFWも?)
零の目の前に現れた人物達……それは、それぞれBJを身に纏いデバイスを構えたなのはとヴィータ、フェイトとシグナム、そして見知らぬメンバーを加えたFW陣だったのだ。いきなり現れたなのは達に零も内心驚いていたが、なのは達はそれに気付かないまま目の前の爆煙へと視線を向けながらデバイスを構え直していく。すると、爆煙の中からなのはの攻撃を受けたはずのワーム達がまったくの無傷のまま現れた。
なのは「!やっぱり効いてないみたいだね……」
フェイト「うん、やっぱり二人が来るまで此処を死守するしかないね。みんな、いくよ!」
『はい!』
零(……成る程な……この世界のなのは達というワケか……通りで見慣れない顔がいると思ったら……)
それぞれワーム達と戦闘を開始したこの世界のなのは達を見て、零はそう思いながらFWと連携してワーム達と戦う三人の少年達に目を向けていく。
零(……取りあえず此処は様子見でもしておくか……それにワームが出たという事は、恐らく……)
ヴィータ(別)「オリャアァァァァァァァアッ!!」
フェイト(別)「ハアァァッ!!」
なのは(別)「ディバイィィィィィィン……バスタアァァァァァァァァッ!!」
シグナム(別)「ハッ!!」
『ギシャアァァァァァァァァアッ?!』
―ドッガアァァァァァァァァアンッ!!―
取りあえずなのは(別)達の戦いを様子見しておこうと零が黙視する中、ワームの大群と戦闘を開始したなのは(別)達はそれぞれ連携を取りながらワーム達に攻撃していく。だが、ワーム達はなのは(別)達の連携攻撃を喰らっても余りダメージを受けておらず、今も倒せているのはほんの数匹程度だけだった。
ギンガ(別)「クッ!やっぱり強い!」
スバル(別)「っていうか、なんかちょっと前より強くなってない?!」
「確かにっ……でも、あの人達が来るまで何とか持ちこたえないと!」
ワーム達の戦闘力に圧されつつも、まるで何かの到着を待つかのように粘り続けるなのは(別)達。だが……
『グウゥゥゥゥゥゥゥ……キシャアァッ!!』
―シュンッ……バキイィッ!!―
エリオ(別)「?!うあぁっ?!」
ティアナ(別)「エリオ?!」
『ッ?!』
ワーム達の親玉と思われる成虫体がクロックアップを使い、そのまま猛スピードで別のワームと戦っていたエリオ(別)へと突っ込んで殴り飛ばしてしまったのだ。そして成虫体はトドメを刺さんと言わんばかりに胸にエネルギーを収束させ、エリオ(別)に向けて巨大なエネルギー弾を放った。
エリオ(別)「あっ……」
フェイト(別)「エ、エリオォッ!!!」
キャロ(別)「エリオ君ッ!!!」
零(完全に直撃コース……あの距離からじゃ回避も間に合わないな……当たれば確実に死ぬか……)
成虫体の放ったエネルギー弾がエリオ(別)のすぐ間近まで迫り、フェイト(別)達の悲痛な叫びが辺りに響き渡る中、零はそんな光景を間近に見てるにも関わらず冷静にそう考えながら両目を伏せてポツリと呟く。
零「――まぁ、"当たれば"の話だがな……」
―シュンッ……ズバアァッ!!―
エリオ(別)「……え?」
―シュンッ……ガキィ!!ガキィ!!―
『グガァッ?!』
―ドッガアァァァァァァァァアンッ!!―
『ッ?!』
零が誰にも聞こえないようにそう呟くと同時に、突如エリオ(別)の目の前に現れた何かがエリオ(別)に直撃しようとしたエネルギー弾を綺麗に真っ二つへと斬り裂き、更になのは(別)達と戦っていた数匹のワーム達が何かに斬られて爆散していったのだ。そして爆発が晴れ、エリオ(別)となのは(別)達の前に姿を現したのは二人の戦士……
『――なんとか間に合ったようだな』
『だな、悪い皆!ちょいと遅れちまった!』
フェイト(別)「あ、光!」
なのは(別)「勇司君!」
姿を現した二人の戦士……一方は赤いボディに青い瞳を持った光と呼ばれたカブトムシのような姿の戦士。もう一方は青いボディに赤い瞳を持った勇司と呼ばれたクワガタムシのような姿の戦士。二人の戦士の登場になのは(別)達が安心したような表情を浮かべる中、二人の戦士は肩を並べてワームの大群と対峙していく。
『今回はどうやら数が多いようだな。勇司、散開して戦うぞ。いいな?』
『OKだ、そっちは任せたぜ光!』
二人の戦士は軽く呼びかけ合うとワーム達に向かってそれぞれ突っ込み、戦闘を開始していった。そして零は伏せていた目を僅かに開き、ワーム達と戦う二人の戦士を見つめながら呟く。
零「――NXカブトの世界……か」
零はそう呟きながら二人の戦士………『NXカブト』と『NXガタック』を見つめ、二人の戦いをジッと観戦していくのだった。