仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十六章/NXカブトの世界③(後編)

 

 

キャロ(別)「……す、凄い……」

 

 

なのは(別)「あ、あの仮面ライダー……一体何者なの?」

 

 

フェイト(別)「いきなりバッタみたいなライダーに変身したと思えば、今度は光のカブトになって……アレは一体……?」

 

 

ワームの大群をたった一人で倒したディケイドに六課メンバーは驚きを通り越して唖然としていたが、ディケイドはただ無言で足元に転がっているワームの残骸を足で弄っていた。

 

 

ディケイド(成る程な……確かにコイツ等、カブトの世界のワームより戦闘力が上だ……チッ……また面倒な世界に飛ばされたモノだな。さっさとアズサの記憶を見つけてカブトの世界に『おい、ディケイド』……あ?)

 

 

ワームの残骸を見下ろして内心めんどくさそうに舌打ちしていたディケイドだが、その時誰かに呼ばれて顔だけを振り向かせていく。すると其処には、フェイトとなのはに身体を支えられながらこちらを見据えてくるカブトとガタックの姿があった。

 

 

ディケイド『なんだ?助けた礼ならいらないぞ?別にそんなの欲しくないし、男から貰われても嬉しくない』

 

 

カブトR『そうじゃない、助けてもらった事に関しては礼を言う。だがその前にこちらの質問に幾つか答えろ……お前、門矢士か?』

 

 

ディケイド『かどやつかさ?……誰の事を言ってるのか知らんが俺はそんな名前じゃないし、そんな奴の名前も知らんな』

 

 

ガタックR(な、何だ……士じゃねぇのかよ……)

 

 

ディケイドの返答を聞いて何故か何処となくガッカリしたように肩を落とすガタックだが、カブトはそれを横目に見ただけで何も言わず再びディケイドに質問する。

 

 

カブトR『ならば二つ目だ……さっきお前が変身したライダー……あれはfirstだろう?お前、滝を知ってるのか?』

 

 

ディケイド『へぇ?アイツの事を知ってるのか?中々有名人になってるじゃないか、アイツも』

 

 

カブトR『…御託はいい、質問に答えろ』

 

 

ディケイド『……確かに知ってるぞ……何せ、アイツとは命懸けで殴り合った仲でもあるからな』

 

 

カブトR『?!命を掛けて……だと?お前、まさか滝を襲ったのか?』

 

 

ディケイド『あ?』

 

 

カブトの言葉にディケイドは思わず間抜けな声で聞き返してしまうが、其処で間を置いて少し考えていく。

 

 

このカブトはどうやら滝のことを知っているらしい。つまりは滝の性格も知っているという事だ。だから恐らく命懸けで戦ったと聞いてこんな質問をして来たのだろう。

 

 

滝は自分から命を掛けてまで相手に喧嘩を売るような真似をする性格ではない。あるとすれば、それは滝の世界のはやて達や仲間達の身が危機に曝された時などしかない。

 

 

だから必然的に自分から何かをした、という風に思われてしまってるのだろう。

 

 

ディケイド(……やれやれ……原因は滝の方にもあるんだが、我ながら信用がないな……全く、随分と素敵な信頼関係を築き上げたな滝?ホントに素晴らし過ぎてこっちはものすごく迷惑してるんだが……)

 

 

それを差し引いても此処まで信用がないのだろうか、自分は?と溜め息を吐いてカブトの方を見れば、後ろにいるなのは達まで自分を警戒するような目で見つめている。恐らく滝と戦ったと聞いて自分を敵ではないかと疑い始めているのだろう。

 

 

ディケイド(……チッ……この世界でも厄介者扱いか……俺は……)

 

 

今までの世界でもそうだったが、それは何時も傍に居てくれたなのは達がいたから気にしなくても済んだ。だが今は自分一人だけ……自分を庇ってくれる仲間など存在しない。だから自分の仲間と同じ存在であるこの世界のなのは達にあんな目で見られるのは、正直心にかなりきていた。まるで仲間にまで否定されているような錯覚を感じてしまうから。だから居心地が悪すぎる。

 

 

ディケイド『……ま、俺と戦ってアイツが死に掛けたっていうのは、確かに事実だが?』

 

 

『なっ…?!』

 

 

カブトR『貴様……滝を傷付けたという事か?』

 

 

ディケイド『そうだな……それに関しても別に嘘じゃない。現にアイツに怪我を負わせたのは事実だしな』

 

 

カブトR『…………』

 

 

何でもないようにそう告げたディケイドにカブト達がディケイドに向ける敵意も更に増した。別にこれに関しては嘘は言っていない。現に自分と戦ったせいで滝は事前に負っていた傷が開き少しばかり死に掛けたし、自分から攻撃して滝に怪我を負わせたのも事実だ。ただ、わざと挑発するように言ったせいか少々誤解されてしまったようだが。

 

 

カブトR『……以前鳴滝が来た時にはお前と戦う気はなかったが……気が変わった』

 

 

ディケイド『ほぉ、やはり奴から俺の話を聞いていたか?』

 

 

カブトR『あぁ……そして今お前と話して分かった。お前は門矢士とは違う……鳴滝の言う通り破壊者だとな』

 

 

ディケイド『またその名前か……誰のことを言ってるのか知らんがいいだろう。俺とやろうって言うなら、相手になるぞ?』

 

 

そう言いながらディケイドは二枚のカードを取り出しカブトに見せように構え、カブトもディケイドに向けてクナイガンKモードを構えていき、それを見ていたガタックはディケイドとカブトを交互に見てどうするべきかと焦っていた。そしてディケイドはカブトを見据えながらライドブッカーから取り出したカオスのカードと相手の時を止めるカード……クロックアップやハイパークロックアップなど時に関するものを例外なく止めてしまうタイムストップのカードをバックルに装填しようとした、その時……

 

 

 

 

 

 

『うにゃー!』

 

 

ディケイド『…は?―ガバッ!―ウオォッ?!』

 

 

『……へ?』

 

 

 

 

突如カブトとガタックの間を黒い何かが擦り抜け、そのままディケイドの仮面にへばり付いていったのだ。突然の事態にディケイドも思わずバランスを崩し地面に倒れてしまい、その衝撃で変身が解除されてしまった。そして零は訳も分からないまま視界を阻む何かの背中と思われる部分を掴み、それを確かめるのに十分な距離までそれを離した。それは……

 

 

零「……シロ?」

 

 

シロ『にゃー!』

 

 

零の顔にへばり付いた物の正体、それは先程アズサに拾われた黒猫のシロだったのだ。黒猫が零に捕まれて鳴く中、アズサがカブト達の背後から現れ零の下へと駆け寄っていく。

 

 

アズサ「零、大丈夫?」

 

 

零「ッ……アズサ……お前自分の猫ぐらいちゃんと見てろ…!」

 

 

アズサ「……ごめんなさい……でも、零も喧嘩は良くないと思う」

 

 

零「…何?」

 

 

アズサの言葉に零が思わず訝しげに聞き返すとアズサは零から離したシロを胸に抱きながら屈み、零の目を見つめながら話し出した。

 

 

アズサ「零、悲しそうな目をしてる。でもだからって、自棄になってわざと悪者になっちゃ駄目……そんな事しても、零が苦しいだけだから」

 

 

零「…!」

 

 

変わらず無表情のままではあるが、まるで自分の心を見透かしたようなことを告げたアズサに零は思わず息を呑んだ。が、零は直ぐに舌打ちしながらアズサから目を逸らした。

 

 

零「別にお前には関係ないだろう……俺は破壊者……悪魔なんだからな。別に悲しいなんて「嘘」…は?」

 

 

アズサ「破壊者って言われた時、あの人達に睨まれてた時の零……凄く傷ついてた。なのに零はそれを否定しなかった……どうして?」

 

 

零「……どうせ俺の言葉なんて聞くワケないだろう?優矢もワタルも滝もそう、初めは俺が破壊者じゃないと言っても誰も信じてはくれなかった……なのは達が違うと否定してくれるまではな……なら今回も同じに決まってる。それなら最初から破壊者と思われて戦った方が楽だ」

 

 

アズサ「…………」

 

 

誤解から始まった自分とライダーの戦いを止めてくれたのは何時もなのは達だった。だがそのなのは達がいない今、どうせ自分が何を言っても信じてはくれないだろう。そう勝手に解釈して喧嘩を買った方があまり傷付かずに済む。だが……

 

 

アズサ「……じゃあ、私が違うってあの人達に説明する。零は破壊者なんかじゃないって」

 

 

零「は?………って待て!いきなり何いってるんだ?!大体、お前は俺の事情なんて何も知らないし関係もないだろう?!」

 

 

アズサ「うん。事情は知らないし、関係ないけど大体分かった……零が破壊者や悪魔なんかじゃない、優しい人だってこと」

 

 

零「なっ……」

 

 

コイツは何を言ってるんだろうか?当然のようにそう言い放ったアズサに零も開いた口が塞がらず呆然とした表情になってしまうが、アズサはシロを抱いたままカブト達の方へと駆け寄り事情を説明し出した。

 

 

零(……何を考えてるんだあの女は?会ったばかりの俺が優しい人間だと?何故根拠もないのにそんな風に思えるんだ……)

 

 

別に自分はそんな優しい人間でもないと思うし、今回のアズサの記憶探しだって結局は自分の失態にアイツを巻き込んだという責任感から生まれた物。別にあの女を助けたいから、という善意の為の行動じゃない。なのに……

 

 

零(……なのになんで……あそこまで必死になっているんだ……)

 

 

アズサの方を見れば、口数の少ない言葉でカブト達に自分が悪人ではないと何処か必死になりながら説明している姿が目に映った。

 

 

零(……クソッ……本当に面倒な女を拾ってしまったなっ……)

 

 

内心そう思いながら思わず舌打ちしてしまう零だが、取りあえず事情を詳しくは知らないアズサだけにこのままカブト達の説得をやらせる訳にはいかない。そう思いながら零はゆっくりと立ち上がり、事情を説明しようとアズサとカブト達の下へと歩き出していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ねぇ姉さん……アレが例のやつ?」

 

 

「えぇ、首に身につけた鈴のついた首輪……間違いないわ」

 

 

その一方、一つの建物の影では零達の様子を盗み見る妖しい二つの人影があった。それは先程ビルの屋上で何かを話し合い、街に向けてワームの大群を放った張本人である二人の女性であった。

 

 

「それにしても、まさか私達の放ったワームが倒されちゃうなんてねぇ?せっかく脱皮の時期を見計らって放ったっていうのに」

 

 

「それについては大体予想通りよ……でも、予想外な展開が一つだけあったわね」

 

 

「あの子が破壊者と一緒にいるっていう事でしょう?っていうかなにやってんのあの子?もしかして自分の使命を忘れちゃってる?」

 

 

「さぁね……作戦の為に彼に近づいたという可能性も捨て切れないけど……もし何らかの事故で全てを忘れているなら、チャンスよ」

 

 

「もうパクっちゃう?でもあの胡散臭い預言者に見つかったら何言われるか分かんないよ?」

 

 

「あぁ、あの預言者に関してはもうどうでもいいそうよ。何でもあの方があの男には利用価値がないらしいから、もう目を盗む必要はないそうよ」

 

 

「そうなの?じゃあなんだもう簡単じゃない、それならもうアイツ捕まえて良いんでしょう?」

 

 

「いいえ、まだ駄目よ……今はまだ破壊者とカブトとガタックに六課メンバーがいる……十分に捕獲出来る状況になってからじゃないと駄目よ」

 

 

「ちぇ、じゃあまだお預け?つまんないのぉ~」

 

 

まだ今はその時ではない。そう言われた太股を開いた女性はつまらなげに口先を尖らせながら路地裏の方へと歩き出し、零達を観察していた黒いローブの女性もそれを追うように歩き出した。そして二人の行き先に歪みが出現し、二人はそれを潜り抜けて何処かへと消えていっていったのだった。

 

 

 

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