仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
その頃、ミッドの別区域ではモスラワームと激突するHガタックとキバE、そして地上と空中から襲い来るライオトルーパーの大群と戦うディエンドとHカブトの姿があった。モスラワームと激突するHガタックとキバEはエクスハルバートとザンバットソードを巧みに扱いながらモスラワームへと攻撃し、ディエンドとHカブトは空中のライオトルーパーをアテナの砲撃に任せて地上部隊を迎え撃っていた。
Hガタック『オリャアァ!デェアァッ!!』
キバE(フラン)『ハアァッ!ハッ!!』
―ズシャアァッ!!ガキィッ!!ズバァッ!!―
『アグゥッ?!クッ…!?こんのぉ!!』
Hガタックが振りかざすエクスハルバートがモスラワームの腕を弾いて隙を作り、その隙を付くかのようにキバEのザンバットソードが縦一文字にモスラワームのボディを斬り裂き徐々に追い詰めていく。そしてある程度ダメージを与えたと思ったHガタックはエクスハルバートを腰に仕舞い、ハイパーゼクターを稼動させてガタックゼクターのフルスロットルボタンを押していき、それを横目で見たディエンドも左腰のホルダーから徐に三枚のカードを取り出してドライバーへと装填しスライドさせていった。
『Maximum Rider Power!』
『one!two!three!』
『FINALATTACKRIDE:SA・SA・SA・SAKUYA!KI・KI・KI・KIVA!KA・KA・KA・KABUTO!』
Hガタックはガタックゼクターのフルスロットルボタンを押していくとゼクターホーンを回転させ、ディエンドライバーから電子音声が鳴り響くと共にキバEはザンバットソードの根元に噛み付く黄金のコウモリ…ザンバットバットからフエッスルを取り外しベルトの止まり木に止まるキバットへと吹かせていった。
キバット「ウェイクアップッ!」
Hガタック『ハイパーキックッ!』
『Rider Kick!』
キバットの掛け声と電子音声が響くと、Hガタックは右足にエネルギーを溜め、キバEはザンバットバットを掴んでザンバットソードの剣先までスライドさせるとザンバットソードの刀身が紅く染まり、剣先まで辿り着いたザンバットバットを再び剣の根元まで戻すと共にモスラワームへと突進し、そして……
キバE(フラン)『ハアァァァァァァ……ヤアァァァァァァァァァァァァアッ!!』
―ズザアァァァァァァァァァァァァアッ!!―
『ウグアァァッ?!ガッ…?!』
Hガタック『オォォォォォォォォォォォォォォォオッ!!!』
ザンバットソードから放たれた必殺技、ファイナルザンバット斬がモスラワームの身体を斜め一閃に斬り裂いて怯ませ、更に追撃を仕掛けるようにHガタックがキバEの頭上を飛び越えモスラワームに飛び回し蹴りを打ち込もうとした、その瞬間……
―…………ピシッ!―
文字通り、時が止まった。今までディエンド達が対処していたライオトルーパーの大群、ザンバットソードを振り下ろしたキバE、そのキバEの必殺技を受けて怯んだモスラワーム、そんなモスラワームにトドメの一撃を打ち込もうと上空で固まったHガタックの動きも。
青空の雲の流れすら止まってしまったその異常な空間の中で、その『時を止める程度の能力』を発動させたHカブトは何事もないかのように上空から飛んできた一本の剣……パーフェクトゼクターを掴み取り、何処からか現れたスズメバチとトンボとサソリの姿を模したゼクター達がパーフェクトゼクターに装着されるのを確認した後、パーフェクトゼクターのボタンを押していく。
『KABUTOPOWER!THEBEEPOWER!DRAKEPOWER!SASWORDPOWER! ALL ZECTOR COMBINE!』
パーフェクトゼクターの四つのボタンを全て押していくと電子音声が鳴り響き、Hカブトはそれを確認するとパーフェクトゼクターの先端をライオトルーパーの大群に向けて構えていく。そして……
Hカブト(咲夜)『マキシマムハイパーサイクロン…』
『MAXIMUMHYPER CYCLONE!』
Hカブト(咲夜)『ハアァッ!!』
―シュウゥゥゥゥゥゥ……ドバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―
Hカブトが引き金を引くと共にパーフェクトゼクターから放たれた必殺技、マキシマムハイパーサイクロンが地上と上空のライオトルーパーの大群をまるごと飲み込んでいき、そして……
―……ゴーン!ゴーン!―
Hガタック『――…リャアァァァァァァァァァァアッ!!!』
―ドグオォンッ!!―
『ウアァッ?!!』
『ウッ?!グ、ウグアァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!?』
―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―
Hカブトが止めていた時が再び動き出し、それと同時にHカブトの放ったマキシマムハイパーサイクロンに飲まれたライオトルーパーの大群が粉々に散って全滅していき、更に空中で固まっていたHガタックの飛び回し蹴りがモスラワームに直撃し吹っ飛ばしていったのだった。がしかし……
―バチッ…バチィッ……―
『グッ!クッ…中々…やってくれるじゃないっ…!』
Hガタックの必殺技を受けたモスラワームはまだ倒れることなく身体から無数の火花を散らせながらHガタックを睨みつけ、そのまま身体を起こして再び戦おうとするも途中でふらついて片膝を付いてしまう。
『ッ!どうやらここいらが潮時のようねっ……今は引いてあげるけど、次は必ずぶっ潰してあげるから首を洗って待ってなさい!』
Hガタック『ッ!コイツ、逃げる気か?!』
Hガタックはモスラワームが逃走を謀ろうとしている事にいち早く気付いて直ぐさまモスラワームへと走り出すが、それより早くモスラワームは背後から出現した歪みの壁に呑まれて何処かへと消えていってしまった。
Hガタック『クッ!クソ、逃げられたっ…!』
後一歩という所まで追い詰めたのにまんまと逃げられてしまい、モスラワームが消えた虚空を睨みながら悔しげに地面を蹴り付けるHガタック。ディエンドはそんなHガタックを尻目にHカブトとキバEを消していき、そのままもう用はないと言うようにHガタックから背を向けて歩き出す。
Hガタック『……ッ!お、おい待て!何処に行く気だ?!』
Hガタックは何処かへ去ろうとするディエンドを見て慌てて引き止めようと叫び、呼び止められたディエンドは足を止めてゆっくりとHガタックの方へと振り返りながら告げる。
ディエンド『悪いけど、君に構ってる暇は無くなったみたいでね。これから調べないといけないことがあるから、俺はこれで帰らせてもらうよ』
Hガタック『か、帰るって……お前、俺のマスクドライダーシステムを狙って来たんじゃねぇのか?!』
ディエンド『あぁ、もちろんゼクターはいずれ頂くさ。でもそれより優先しなければいけないことが出来たし、あんな雑魚の駆除もさせられて興ざめもしたから帰らせてもらうよ(というか、此処で彼に何かしたらアテナさんが何してくるか分からないし)』
恐らくまだこちらの様子を見ているだろうと視線だけ動かして空を眺め、軽く息を吐きながら左腰のカードホルダーから一枚のカードを取り出していく。
ディエンド『まぁそういう訳だから、これで失礼させてもらうよ。じゃあねぇ~♪』
『ATTACKRIDE:INVISIBLE!』
そう言ってディエンドがドライバーに一枚のカードを装填してスライドさせると電子音声が響き、それと共にディエンドの身体は無数のビジョンと化して何処かへと消えていってしまった。
Hガタック『ま、待てよおい!……クソッ!ワームには逃げられるし、アイツは気を消してどっか消えちまったし……何なんだよ一体っ…!』
ワームに続いてディエンドにまで逃げられてしまったことに更に腹を立たせてしまうHガタックだが、今は先ず光と零のところに向かわねばと思考を切り替え、近くに止めておいた自身のバイクに跨がりその場から走り去っていった。
◆◇◆
同時刻……
―ズシャアァッ!ガキィ!ザシュウゥッ!!―
『フンッ!ハアァッ!』
カブトR『グッ?!チィッ!』
Hガタックが戦いを終えてディケイドとカブトの下へと向かっている頃、カブトはアゲハワームとワームの大群に周りを囲まれて四方からの攻撃に襲われつつも、エクスブレードを用いてそれらを迎撃し続けていた。しかしカブトのその動きは何処となくキレがなく、時折何かを気にするかのようにアゲハワームやワームの大群とは違う方へと視線を向けることが多い。何故なら……
『……フフッ……そんなに気になるのかしら?ディケイドとあの人造人間の戦いが』
カブトR『…ッ!』
そう、カブトが時折視線を向ける先にあるのは、ディケイドがシュロウガに追い詰められながらも必死に止めろと叫び掛ける光景があったのだ。それを見抜かれたカブトは目を鋭くさせてアゲハワームを睨みつけ、エクスブレードの切っ先をアゲハワームに向けながら話し出す。
カブトR『貴様、確かさっき言っていたな?あの子が私達の目的に役立つかどうかとか……つまり、お前達が探していたのはアズサという事か?』
『あはっ!思ったより頭の回転が早いじゃない?そ、あの子は私達……ていうか、私達の上司の目的に有効活用させてもらおうと思ってね。その為にも、あの子の力が使えるかどうか今見極めているってわけよ』
カブトR『アズサの力を?どういう意味だ?アイツには何か特別な力でもあるというのか?』
『さぁ?そこまで詳しい事は知らないけど、使える物なら回収しようと思ってるわけよ……でも、結構使えそうなモノをあの子は既に持ってるみたいねぇ』
カブトR『何?』
思わず疑問げに呟くと、アゲハワームはニヤリと笑いながらある方へと視線を向けた。其処にはシュロウガに反撃もせず攻撃を受け続けているディケイドの姿があり、それを見て何かに気付いたようにカブトはアゲハワームを睨みつけた。
カブトR『まさか……貴様!!』
『フフ、そうよ。破壊者はどんなに痛めつけられてもあの子に手を出してない。それはおそらく、破壊者にとってあの子はそれだけの存在という事……もし私達があの子を回収して破壊者に当てたら、破壊者はあの子に勝てるのかしら?勿論心の問題として♪』
カブトR『貴様はっ……零の心を弄ぶ気か?!』
『アハハハハ!何をそんなムキになってるの?あの子を作った預言者は既にそれを実行してるのよ?それに私達は、目的の為ならなんでも利用するわ。例えあの子だろうと破壊者の仲間だろうと結局は同じ事。所詮あれは世界の異物でしかない破壊者でしょう?』
だから零の心を利用するのも厭わないと、何でもないように笑って告げたアゲハワーム。それを聞いたカブトは自身の意思とは関係なく全身から殺気を漏らしながらアゲハワームを睨みつけ、エクスブレードを握る手に力を込める。コイツに絶対アズサを渡してはならないのと。
『んー?何?少しはこっちの方にも集中してくれるようになってくれたぁ?』
カブトR『あぁ…貴様だけは生かしてはおかん。貴様の存在だけは……俺が許さん!』
『あはっ!カッコイイ台詞を吐いてくれるじゃない?でも私から言っておいて何だけど、私達に構ってる暇はないんじゃない?破壊者の方はあの調子だと、すぐに潰れるわよ?』
そう言いながら顎でクイッとディケイドとシュロウガの方を指すアゲハワームに、カブトは仮面越しに思わず眉を寄せた。ディケイドはシュロウガの攻撃で既にボロボロであり、何時やられても可笑しくはない状態だ。加えてこちらは未だ増殖を続けるワームの大群を倒しながらアゲハワームを倒せねばならないが、その前にディケイドが倒される可能性もない訳ではない。
カブトR(チィッ!勇司がいればまだなんとかなったかもしれないが……仕方ない……ハイパーフォームで一気に片付けるかっ…!)
最悪の展開になる前に切り札を切るしかない。カブトはそう考えながらワーム達を一気に殲滅する為に左手を掲げてハイパーゼクターを喚び出そうとした、その時……
―ブオォォォォォォォォォォォォォオンッ!!―
『…ッ!なっ?!―ドゴオォンッ!!―ウァッ?!』
『ギシャアァッ?!』
カブトR『ッ?!何…?』
突如アゲハワーム達の背後から一台の戦車のような巨大な車が走って現れ、そのままカブトを包囲していたアゲハワーム達を弾いて吹っ飛ばしていったのだった。そしてアゲハワーム達を跳ね飛ばした謎の車は徐々に速度を落とし、カブトの前で急停止して止まっていった。
カブトR『ッ!これは……リボルギャリー?』
目の前で急停止した謎の車を見上げながらそう呟くと、謎の巨大な車のハッチが展開されゆっくりと開き、其処から一人のライダーが姿を現した。
『よし、やっと着いたな。NXカブトの世界に』
『……せやけど……なんか着いて早々いきなり戦場に飛び出したみたいやで?υυ』
カブトR『?!今の声……まさか、はやて?!』
突如現れた車を呆然と見上げていたカブトはライダーから聞こえてきた少女の声が自分が良く知る人物……はやての物だと気付き驚愕の声をあげ、その間に謎の車に跳ね飛ばされたアゲハワームは殺気を放ちながら立ち上がり二人を睨みつけていく。
『クッ!な、何なのよアンタは?!』
「ん?あぁ、悪いな?生憎こっちにはお前達に名乗る名前なんて持ち合わせてないんだよ……カブト、アンタは早く零の所に向かってくれ」
カブトR『何?どういう事だ?お前達は一体……』
『説明してる時間はない、アンタは早く零君のところに向かうんや!』
二人の言葉に疑問を持って思わず聞き返したカブトにライダーから聞こえてきたはやて?の声は早くディケイドの下に向かえと促し、カブトはディケイド達の方へと視線を向けてなにかを考え込むかのように顔を俯かせると……
カブトR『……分かった。誰かは知らんが、此処は任せる!』
そう言ってカブトはライダーにこの場を任せてディケイド達の下へと向かい、それを見たワーム達はすぐにカブトを追おうとするが、そうはさせまいと言うかのようにライダーがワーム達の前に立ちはだかった。
『おっと!悪いな?お前達には俺達の相手をしてもらうぜ』
『ッ!何なのよアンタは?!さっきから邪魔ばかり!』
先程から邪魔ばかりしてくるライダーに遂に堪忍袋の緒が切れたのか、苛立ちを込めた口調でライダーに何者かと聞くアゲハワーム。それを聞かれたライダーは軽く手首をスナップしながらアゲハワーム達を指差していく。
『そんなに知りたいなら教えてやるよ……俺達は仮面ライダーストライク!零の友人さ!』
ライダー……ストライクは力強い口調で叫ぶと共に勢いよくその場から走り出し、アゲハワーム達へと突っ込んでいったのだった。