仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十六章/NXカブトの世界⑨(中編)

 

 

 

シュロウガ『うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!』

 

 

Dプリースト『クッ!ハアァッ!!』

 

 

―ガギィッ!!ドゴォッ!グガアァッ!!―

 

 

正面から突っ込んできたシュロウガが上下左右にと力任せに振りかざしてくる剣を、ライドブッカーの刃で受け流し距離を離していくDプリースト。シュロウガはそれを見て背中の機械的な翼を広げて上空に飛び、両肩と両腰にエネルギーを集約させていく。

 

 

Dプリースト『ッ?!あれは……またあの誘導攻撃かっ!』

 

 

シュロウガが放とうとしている攻撃の正体に気付いたDプリーストはすぐさまライドブッカーからカードを一枚取り出し、ドライバーへと装填してスライドさせていった。

 

 

『ATTACKRIDE:AGNISH WATTAS!』

 

 

Dプリースト『ハァッ!』

 

 

シュロウガ『ああああああああああああああああああああああああッッ!!!』

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガガァッ!!!―

 

 

電子音声が鳴り響くと同時にDプリーストが全身に身に纏った炎から無数の火炎が撃ち出され、それと共にシュロウガの両肩と両腰から放たれた無数のスフィアがDプリーストの放った火炎と正面からぶつかり合い、そして……

 

 

―ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―

 

 

Dプリーストのアグニッシュワッタスとシュロウガのトラジック・ジェノサイダーが激突して巨大な爆発を起こし、周囲に爆風が巻き起こり雨粒の方向がほんの数秒だけ乱れた。だが二人はそれに見向きもせずに、爆風の中を駆け抜けて互いに突っ込んでいった。

 

 

シュロウガ『あああああああああああああああああああああああッッ!!!』

 

 

―ガギイィィィィンッ!!ドガアァッ!!ドグオォンッ!!―

 

 

Dプリースト『はぁっ!!(ちっ!暴走しているとは言えやはり強いっ……が、今なら遅れを取りはしないっ!!)』

 

 

プリーストと破壊の因子。この二つの巨大な力を同時に使った今なら、驚異的な戦闘能力を持つシュロウガに遅れを取ることはない。これならアズサを救い出せる筈だ。だが……

 

 

Dプリースト『……ッ?!くっ……がはぁ?!』

 

 

ごぼっ、という水っぽい音がDプリーストの仮面の下から響き渡った。見れば、Dプリーストの仮面の下の隙間から雨水に混じって重たい血がこぼれていた。

 

 

Dプリースト『ぐっ!ぁ……クソッたれめっ……もう限界が近づいてきたのかっ……!』

 

 

体の内側からの痛みと寒気に震えながら、どろりとした血液を口から吐き出して舌打ちするDプリースト。

 

 

この異常の原因は彼も理解している。

 

 

今ディケイドが使っているプリーストの能力は、聖に取り巻く邪を伐つ力。属性で例えるなら光だ。

 

 

そしてそれと同時に使っている破壊の因子は、負の感情により進化していく悪魔の力。属性で言うのなら闇と例えてもいい。

 

 

光と闇。相反する巨大な力を同時に使えば、何らかの拒絶反応が起こっても不思議ではない。

 

 

既にそれが原因でDプリーストの身体は限界が近く、体内の血液は逆流して吐血が止まらない状態になっていた。

 

 

そんな状態で、双方の力をフルに扱える筈もない。

 

 

だが、それこそが零の狙いだったのだ。

 

 

Dプリースト(っ……まだだ……せめてっ……せめてアズサを救い出すまではっ……持ってくれ…!!)

 

 

因子の力は強大過ぎるモノだ。一歩間違えて暴走してしまえばこのNXカブトの世界を滅ぼしてしまう可能性もあるが、今はプリーストの力との拒絶反応により力を完全に発揮出来ないでいる。

 

 

今プリーストの力に抑えられた因子で使える力は、僅か10%の力しかない絶対破壊能力だけ。

 

 

そして同じく破壊の因子によって力を抑えられたプリーストの力は、聖に取り巻く邪を伐つ力だけ。

 

 

それだけの力しか使えない現状だが、今の零に必要な力はそれだけだった。何故なら……

 

 

シュロウガ『うあああああああああああああああああああああッッ!!!』

 

 

―ガギィッ!ガギンッ!!ドグオォンッ!!―

 

 

Dプリースト(っ!今必要なのはアズサの自爆装置を破壊する力と、因子の力を極限にまで抑え、アズサを傷付けずに装置だけを破壊する能力を持ったライダーの力!このプリーストの力なら、それを可能に出来る筈なんだ…!)

 

 

そう、それが零の考えた策だった。

 

 

因子だけではアズサごと自爆装置を破壊してしまうかもしれないし、プリーストの力だけでも首輪を確実に破壊出来る確証もない。

 

 

だから極限まで抑えた因子の絶対破壊能力をプリーストに上乗せさせ、プリーストの能力で聖(アズサ)に取り巻く邪(ディケイドを抹殺しようとする鳴滝の悪意が込められた自爆装置)を破壊する。

 

 

身体に掛かる負担やリスクは大きいが、アズサを犠牲にせず、自爆システムだけを取り除くにはそれしか手はなかったのだ。

 

 

―ガギインッ!!グガアァンッ!!バキィッ!!ズガアァッ!!―

 

 

Dプリースト『グゥッ!!(幸いにもさっきの鳴滝の行動で、あの首輪がアズサを操っている原因であり、自爆装置だということも大体は分かった……後はあの首輪を破壊すれば良いだけの話だがっ……!)』

 

 

シュロウガ『ハアァァァァァァァァァァアッ!!!』

 

 

剣撃の嵐を防ぎながら思考を巡らませていたDプリーストだが、その時シュロウガが背中の翼を広げて上空へと高く飛び上がり、超スピードでDプリーストへと突っ込んできた。

 

 

―ズザァッ!ザシュウッ!ズザザザザザザザザザザザザザザザザッ!!!―

 

 

Dプリースト『チッ!先ずはコイツの動きの速さをどうにかしないと話にならんかっ……』

 

 

自爆装置をどうこうする前に、肉眼でも捉えられないスピードで動かれては攻撃も出来ない。先ずはシュロウガの動きを封じねばと考えたDプリーストは地面を転がってシュロウガの攻撃を避けながらライドブッカーから一枚のカードを取り出し、ディケイドライバーへと装填しスライドさせていった。

 

 

『ATTACKRIDE:ILLUSION!』

 

 

電子音声が響くと共にDプリーストは一人から三人へと分身していき、更に分身された二人のDプリーストはライドブッカーからそれぞれ一枚ずつカードを取り出しドライバーへとセットしてスライドさせていく。

 

 

『ATTACKRIDE:REVERSE DERRINGER!』

 

 

『ハアァッ!!』

 

 

―バシュウゥッ!ガシィッ!!―

 

 

シュロウガ『…?!』

 

 

電子音声が響くと共に二人のDプリーストがある方向に向けて拳を突き出すと雷が放たれ、その方向にいたシュロウガの両足を捕えていったのだ。不意に両足に襲い掛かった負荷にシュロウガの動きが一瞬止まった、その瞬間……

 

 

 

 

 

Dプリースト『セアァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!』

 

 

―ザシュウゥッ!!―

 

 

シュロウガ『?!!』

 

 

シュロウガの上空へと一瞬で移動したDプリーストが降下を利用してシュロウガの片翼をライドブッカーで斬り落とし、それと同時にシュロウガの両足を拘束していた雷が消えていった。そしてその瞬間、片方の翼を失ったシュロウガはバランス感覚を失って地上へと落下し、地面を滑るようにして地上へと激突していったのだった。

 

 

シュロウガ『くっ……ぅ……ぐっ……』

 

 

Dプリースト『ゲホッゲホッ!はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……これでもう、ご自慢の速さで動けなくなったな……?』

 

 

仮面の下から血の塊を吐き出しながらそう言うと、DプリーストはけだるそうにライドブッカーSモードを構え直していく。それを見たシュロウガも若干ふらつきながら身体を起こし、剣を片手にDプリーストを見据える。

 

 

Dプリースト(っ……これでやっとフェアな戦いが出来る訳だが……クソッ……こっちはもう限界かっ…)

 

 

心の中で毒づきながら左目に触れてみれば、Dプリーストの仮面が左目からひび割れ始めていた。おそらくもう限界が近いのだろうとDプリーストは軽く舌打ちし、疲れている様子を全く見せないシュロウガを見つめていく。

 

 

Dプリースト(これ以上時間を掛ければ因子もプリーストの力も使えなくなってしまうっ……もう少し弱らせてからキメるつもりだったがっ……やるしかないっ!)

 

 

最早賭けるしか手はないとDプリーストは危うく吐き出しそうになった血の塊を飲み込みながらそう考え、ライドブッカーから一枚のカードを取り出してディケイドライバーへと装填し、それに気付いたシュロウガも剣の刀身にエネルギーを集束させていく。

 

 

『FINALATTACKRIDE…』

 

 

『FINAL CHARGE RISE UP!』

 

 

『……………』

 

 

二つの電子音声が鳴り響き、それと共にDプリーストとシュロウガは相手の出方を伺いながら自身の武器を構えてゆっくりと身を屈めていく。そして……

 

 

 

 

 

―ダッ!!―

 

 

Dプリースト『ハアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!』

 

 

シュロウガ『ああああああああああああああああああああああああッ!!!』

 

 

どちらからでもなく、ほぼ同時に地面を蹴って互いに走り出したDプリーストとシュロウガ。互いが鉄橋の中心地点にまで迫るとシュロウガは青い火花を散らせる紅い剣をDプリーストに向けて振りかざし、Dプリーストは下段からライドブッカーを持ち上げるように振り上げ、そして……

 

 

―ガギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

Dプリースト『ぐぅ!!』

 

 

シュロウガ『ッ!!』

 

 

すれ違い様に鉄と鉄がぶつかり合う甲高い音を響かせながら二つの刃が激突し、Dプリーストの手からライドブッカーが弾けて上空へと投げ出されてしまった。そしてシュロウガは武器を失ったDプリーストの背中に向けて剣を勢いよく突き出し、Dプリーストはそれに振り返らずにバックルをスライドさせた。

 

 

『――P・P・P・PRIEST!』

 

 

Dプリースト『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!!』

 

 

電子音声が鳴り響くと共にDプリーストの右腕がまばゆい白光と禍々しい紫色の光を纏い、Dプリーストは血まみれの唇を噛み締めながら振り向き様に右腕を振り上げた。

 

 

目の前から迫るのは剣の切っ先を突き出してくるシュロウガ。

 

 

だがDプリーストは怯む事なく、輝く手の平を鋼鉄のように握り締めて更に一歩踏み出し、ゴォッ!という轟音と共にシュロウガの首目掛けて拳を飛ばせた。

 

 

Dプリースト『届けえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!!!!』

 

 

シュロウガ『うああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!!!!!』

 

 

Dプリーストとシュロウガは叫び、拳と剣は雨粒を砕きながら互いに交わることなく交差し、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!!!!―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄橋の中心で巨大な爆発が巻き起こり、二人の視界が黒い粉塵で覆われていったのであった。

 

 

 

 

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