仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十六章/NXカブトの世界⑪

 

―機動六課・食堂―

 

 

零が消息不明となってから一週間後。あれから噂を聞き付けて様々な平行世界からやって来た仲間達の協力を得て零の捜索をしていた一同だが、未だ零が発見される事がなかった。そして午後の捜索を他のメンバーに任せた光達は、食堂に集まって捜索状況を報告しあっていた。

 

 

光「――やはり、そっちもダメだったか…」

 

 

翔「あぁ……フェニックスとケルベロス、それに四神と四霊にも手伝ってもらったんだけど……結果は同じだった……」

 

 

総一「右に同じく……」

 

 

ジェノス「俺も何度か検索し直したけど……やっぱりダメだ。零の居場所は全く掴めない……」

 

 

勇司「そっか……」

 

 

翔達から話を聞いた光達は肩を落として顔を俯かせ、翔達も溜め息を吐きながら肩を落としてしまう。この一週間、様々な平行世界からやって来た住人達の力を借りて零の捜索を続けてきたが、結果は一週前と何も変わっていなかった。

 

 

勇司「こっちも相変わらず零の気は感じられないし、この前捜索を頼んだラルクの方もそれらしい人物はまだ発見出来ていないらしい……」

 

 

総一「クソッ……ホントに何処行っちまったんだよ、あいつっ……」

 

 

ジェノス「これだけ探して見つからないとなると……やっぱりもう……」

 

 

翔「縁起でもないこと言うな!アイツがそんな簡単にくたばる訳ないだろう?!」

 

 

勇司「……けどさ……こんだけ探しても手掛かりも何も見つかんねぇんだぜ?そう思うのも無理ねぇって……」

 

 

光「…………」

 

 

平行世界から来た仲間達の特殊能力も加え、既に考えられる手段は全て使った。神に頼んで探してもらっても、それでも零は見つからないのだ。濁流に飲まれてそのまま海に流されたかもしれないという可能性も考えて海の方も捜索してみたが、それでも見つからない。

 

此処まで探しても見つからないとなると、もしかしたら見知らぬ誰かに拾われて何処で静養しているのか、それとも最悪……

 

 

ジェノス「……そ、そういえばさ?アズサの方はどうなんだ?」

 

 

勇司「へ?あ、あぁ。アイツならほら、彼処だよ」

 

 

なんだか暗いムードになり始めた所で話題を変えようとジェノスが勇司にアズサのことを問い、勇司は一瞬戸惑いながらも食堂の厨房の方を指差し、全員がその方へと振り向いた。其処には……

 

 

 

 

神夜「――じゃあアズサ、次はそっちの食材の皮剥き、お願い出来る?」

 

 

アズサ「……うん……分かった……」

 

 

 

 

厨房では他のコック達と共に二人の女性と少女……アズサの護衛の為に紫凰響の世界からやって来た"紫凰神夜"とアズサが調理をしている姿があった。神夜は手慣れた手つきで手際良く調理していき、アズサも何処か危なげではあるも食材の皮剥きや完成した料理を器に盛りつけていくなど、そんな二人の姿に総一達は若干目を見開いて呆然とした顔を作っていた。

 

 

翔「な、何やってんだアズサの奴?」

 

 

勇司「いや、その……実はこの前、自分にも何か仕事をやらせて欲しいって俺達に言って来たんだよ、アイツ」

 

 

総一「言ってきたって……アズサから?」

 

 

勇司「そっ。んで、はやて達とも相談して厨房の手伝いでも任せてみようかって決めたんだ。アズサが自分から何かをしようと言ってきたのも元気になってきた証拠だろうし、神夜さんも護衛に付いててくれるから安心だろうから、やらせて見ても良いんじゃないかって」

 

 

もちろんちゃんとシャマルの診断を受けさせて、仕事をやらせても大丈夫かどうかを確認してから決めた事だ。因みに診断では精神面もある程度安定してきてるようだから誰かが付いててあげれば心配ないだろうし、仕事していく内に自然と元気も取り戻せていくかもしれないから、寧ろ手伝わせてあげた方が良いかもとの事だった。

 

 

ジェノス「そっか……まあ確かにこの前までのアズサと比べたら、ちょっと元気も取り戻して来てるよな」

 

 

勇司の話を聞きながら厨房で神夜の手伝いをしているアズサを見て少しだけ安心した顔を見せるメンバー達。数日前までのアズサはまるで死人のように誰とも口を聞かなかった状態だったが、此処最近は少しだけ元気を取り戻してきている。ここまで来れば、後は零を見付けてくればまた以前のように元気になるだろうと思い、少し諦め気味だった一同にもやる気が出始めていた。その時、一人の人物が一同の座るテーブルに近づいてきた。

 

 

はやて(別)「……光君……勇司君……皆……ちょっとええかな?」

 

 

翔「ん?」

 

 

勇司「?はやて?どうかしたのか?」

 

 

一同が座るテーブルに近づいてきた人物……はやてが何やら暗い表情を受かべながら少し時間良いだろうかと一同に問い掛け、一同はそんなはやての様子に首を傾げながら取りあえず同席を許可し、はやてを空いている席に座らせた。

 

 

ジェノス「で、どうかしたのかはやて?っていうかなんでそんな暗い顔してんだよ?」

 

 

はやて(別)「う、うん……ちょっとな……それより、皆にちょっと伝えなあかんことがあるんやけど……」

 

 

総一「伝えないといけないこと?」

 

 

口ごもりながらそう告げたはやての言葉に一同は疑問符を受かべ、はやては更に言葉を紡いでいく。

 

 

はやて(別)「実は……な……さっき捜索メンバーから連絡あったんやけど、どうやら見付かったらしいんよ……」

 

 

勇司「え?見付かったって…………もしかして?!」

 

 

はやて(別)「うん……零君と思われる人が下流から見付かったて……さっき連絡が来たんよ……」

 

 

『ッ?!』

 

 

零が見付かった。そう聞かされた一同の表情は驚愕に染まり、その表情も段々と言葉の意味を理解していく内に喜びへと変化していった。

 

 

ジェノス「れ、零が見付かったって……ホントなのかそれっ?!」

 

 

はやて(別)「う、うん……現場の写真も一緒に送られてきたから……間違いあらへん……」

 

 

翔「や、やったぁ!!本当なんだな?!本当に零が見付かったんだな?!」

 

 

何度もはやてに確認を取り、零が発見されたと聞いて喜びを露わにしていく翔達。だが……

 

 

 

 

 

 

 

 

はやて(別)「うん……零君と思われる……『遺体』が下流から見付かったって……さっき報告があった……」

 

 

『…………………………………………………え?』

 

 

 

 

 

 

 

次に告げられた事実により、その喜びもすぐに消えてしまったのであった……

 

 

総一「……お、おい……?今、なんだって……?」

 

 

はやて(別)「…………」

 

 

勇司「零の遺体って………ど、どういう意味だよ……それ……」

 

 

未だはやての言ってる事が理解出来てないのか、戸惑った様子で恐る恐るはやてに問い掛けていく勇司達。その質問を受けたはやても暗い顔を俯かせたまま、ゆっくりと口を開いた。

 

 

はやて(別)「……零君が落ちた鉄橋から大分離れた所の川辺で……成人男性の物と思われる遺体が発見されたらしいんよ……顔は原型を保ってなかったらしいから本人かどうかは分からへんけど……」

 

 

総一「そ、そんな…?!」

 

 

翔「で、でも顔は原型を保ってなかったんだろう?!だったら別人っていう可能性だって…?!」

 

 

否定するように、きっと何かの間違いだと言うように叫んで別の人物の遺体ではないかと予測する翔だが、はやては辛そうに両目を伏せて重たい口を開いた。

 

 

はやて(別)「私も最初はそう思って何度も確認を取ってもらった……せやけど……身体の体格は零君に近い感じやったみたいやし、着ていた服も当時零君が着てた服と酷似してる部分があったって言うとったから……本人である可能性は高いって……」

 

 

勇司「そん……な……」

 

 

ジェノス「嘘だ……そんなの嘘に決まってる!!もう一度ちゃんと調べ直してくれ!!その遺体が……本当に零の遺体なのかどうかを確かめ―ガシャアァンッ!―……え?」

 

 

ジェノスが本当に零の遺体なのかもう一度確認し直してくれとはやてに頼もうとした瞬間、何かが割れる音が食堂内に響き渡った。その音に驚きながらもそれが聞こえてきた方に振り返ると、其処には……

 

 

 

 

 

 

 

 

アズサ「……零の……遺体……?」

 

 

 

 

 

 

光「ッ!アズサッ…!?」

 

 

そう、其処には絶望に染まり切った表情で呆然と立ち尽くすアズサの姿があったのである。アズサの足元には先程の音の正体と思われる粉々に砕け散ったコップが四散されて床が濡れており、恐らく水のお代わりを頼んだ局員の下に届けようしていたのだろう。しかしそんなことにすら意識が向かず、アズサはグラグラと揺れる瞳で光達を見つめていた。

 

 

アズサ「零の……遺体……?……零が……死ん……だ……?」

 

 

はやて(別)「ア、アズサちゃん?!」

 

 

勇司「お、落ち着けアズサ!これはっ…!」

 

 

アズサ「私の……せいで?……あ……ぁ……うあああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!」

 

 

勇司達が違うと否定する前に、アズサは悲痛な悲鳴をあげながら食堂から飛び出していってしまった。周りでただ食事していた局員達もその声を聞いて何だ?と辺りを見渡し、今まで調理をしていた神夜も声を聞き付けて驚いたように厨房から顔を出した。

 

 

神夜「ア、アズサ?!」

 

 

光「ちっ!」

 

 

勇司「あ、光?!待てっておい!!」

 

 

翔「クソッ!俺達も追うぞ!!」

 

 

総一「あ、あぁ!」

 

 

食堂から飛び出したアズサを追うように光がテーブルから立ち上がって食堂から飛び出し、それを追うように勇司達も次々とテーブルから立ち上がって食堂から飛び出していった。そしてその端では……

 

 

「――どうやら、上手くいったみたいね……」

 

 

「えぇ、行きましょうか?姉さん……」

 

 

食堂の端のテーブルで食事をしていた二人の女性局員はその様子を見て妖しげに微笑み合い、静かにテーブルから立ち上がって食堂を後にしていったのだった。

 

 

 

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