仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
アズサ「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…!」
食堂を飛び出し、機動六課を出たアズサが訪れたのは六課から少し離れた場所に位置する土手だった。
アズサは底の浅い河原の前で足を止めると、苦しげに肩で息をしながら遠くを見つめ、そのまま足元から崩れ落ちるように芝生に膝を付いてしまう。
アズサ「っ……どうして……どうしてこんなっ……」
全てに絶望したかのように、大粒の涙を瞳から落としながら嘆くアズサ。
零の遺体。食堂ではやて達が話していた中で出たその単語を思い出すと、アズサは芝生の草を握り締めて顔を俯かせ、再び声を出して泣き出してしまう。
アズサ「生きてるって信じて……待つって決めたのに……私も頑張るって決めたのに……私のせいでっ……私のっ……」
アレンの言葉の通り、零の帰りを待つと決めた。
それを希望にして、皆にも心配をかけないようにと、少しでも元気を取り戻そうと仕事をしようと思った。
なのに……
アズサ「……ごめんなさい……ごめんなさい零っ……ごめんなさいっ……」
その零も、今はもうこの世にはいない。
自分の命を救ってくれた彼は、どんなに待ってももう帰って来ないのだと。
その事実を突き付けられたアズサは土で汚れた両手で顔を覆い、何度も彼に謝るように泣きながら謝罪の言葉を口にする。その時……
「……辛いでしょうね……大切な人を失った悲しみというものは……」
アズサ「っ……?」
不意に、背後から聞き慣れない女の声が聞こえた。
俯かせていた顔を上げて振り返ると、其処には局員の格好をした二人の女性がゆっくりと歩み寄ってくる姿があり、それを見たアズサは頬を伝った涙の線を拭って口を開いた。
アズサ「貴方達…誰…?」
「怯えなくてもいいわ……私達はただ、貴方を救いに来ただけなんだから」
アズサ「救いに…来た…?」
救うとはどういう意味なのか?アズサは女性の言葉の意図が読めず疑問げに聞き返し、女性は黙ってそれに頷きアズサに手を差し延べていく。
「辛いのでしょう?大切な人を失った悲しみで押し潰されそうなんでしょう?でも安心していいわ……私達と一緒に来れば、その悲しみは私達が癒してあげる」
アズサ「…………」
「大丈夫…貴方は何も心配しなくていいのよ。さぁ、行きましょう?貴方の新しい居場所を……私達が作ってあげるわ」
女性は笑みを浮かべてそう告げると、アズサに手を差し延べながらゆっくりと歩み寄っていく。
その一方で、アズサは虚ろな瞳のまま動こうとする素振りを全く見せず顔を俯かせてしまい、そんなアズサの様子を見た二人は妖しげな微笑みを浮かべていく。だが……
アズサ「――魔装転神…」
『CHANGE UP!SYUROGA!』
『ッ?!なっ…?!』
アズサは突如腰にベルトを出現させてシュロウガへと変身し、ゆっくりと立ち上がって右手に出現させた剣の切っ先を二人に向けていったのだった。対して二人はアズサの予想外な行動に驚きを隠せないでいた。
「アンタ、一体何のつもり?!」
シュロウガ『……それで、人間の振りでもしているつもりなの?ワーム……』
「ッ!……気付いてたの……私達の正体を?」
シュロウガに切っ先を向けられながら二人の女性局員……カラフィナとリリスはシュロウガを睨み、シュロウガは感情の篭らない口調で淡々と話し出した。
シュロウガ『見た目で正体を隠せても……貴方達から発せられる禍々しい気配までは隠せていないから……だからワームだって直ぐに分かった……』
リリス「へぇ…人間か怪人かも見分けられるんだぁ?人形の癖に中々使えるじゃない?流石は破壊者抹殺の為に造られた殺人兵器ってところかしら」
シュロウガ『っ!違う……私は人形でも……殺人兵器でもない……零だって殺さないっ……!』
カラフィナ「殺さない?……ふふふ……可笑しな事を言うわね、貴方?」
シュロウガ『……え…?』
零を殺さない。カラフィナはそう強く断言したシュロウガを嘲笑うように笑みを零し、それを聞いたシュロウガは思わず疑問げな声をあげてしまう。
カラフィナ「だってそうでしょう?殺さないと言っておきながら、貴方は既に殺してるじゃない?その手で……世界の破壊者を……」
シュロウガ『ッ?!』
カラフィナ「自分は人形でも、殺人兵器でもないですって?笑わせないでちょうだい。貴方は予言者の操り人形になって、破壊者をその手で殺めたのよ?そんな貴方が人形ではないなんて……ホントにそう言い切れるの?」
シュロウガ『ッ……それ……は……』
言い切れる筈がない。全て目の前の女の言う通りなのだ。
自分は鳴滝の操り人形となり、零と戦い、傷付け、そして殺してしまった。
そんな自分が人形でも殺人兵器でもないと言うなら、一体何だと言うのだ?
それを指摘されたシュロウガは何も言い返す事が出来ず顔を俯かせ、カラフィナはほくそ笑みながらゆっくりと語り出す。
カラフィナ「所詮、貴方は人殺しの為に生み出された道具。さっきの言葉、そのまま貴方にお返しするわ……『それで人間の振りでもしているつもりなの?』お人形さん?」
シュロウガ「っ!!」
カラフィナのその言葉がトドメとなったのか、シュロウガは息を呑んで二人に向けていた剣を力無く下ろし構えを解いてしまった。そしてそれを見たカラフィナはリリスにアイコンタクトを送り、リリスはそれに応えるように指を鳴らした。その瞬間……
『シャアァァァァァァァァァァアッ!!』
シュロウガ『……ッ?!!―ガシッ!―ウァッ!』
シュロウガの背後から突如無数のサナギ体のワーム達が現れてシュロウガの両腕を拘束し、動きを封じてしまったのであった。それを見たカラフィナとリリスは勝ち誇ったような笑みを浮かべながらシュロウガへと近づいていく。
リリス「アッハハハハハ♪まんまと引っ掛かったわねぇ、お人形さん?」
シュロウガ『っ!は、離して!』
カラフィナ「いいからジッとしてなさい。リリス」
リリス「はぁーい姉さん…フンッ!」
―ズドドドドドドドドドドドドドドンッ!!!―
シュロウガ『ッ?!ウアァァァァァァァァァァァアッ!!』
リリスは手の平をシュロウガに向けて至近距離からエネルギー弾を無数に放ち、全弾直撃してしまったシュロウガは勢い良く吹っ飛ばされて地面を転がり、変身が解けてアズサへと戻ってしまった。そしてサナギ体のワーム達はアズサが逃げられないようにと包囲し、リリスもボロボロになって倒れるアズサに近付き背中を踏み付けてしまう。
リリス「クスクス、本当に馬鹿な人形よね?最初から大人しく付いてくれば、こんな痛い目に合わずに済んだのに」
アズサ「っ……ぅ……」
リリス「ん?……アハハハハハ!見てよ姉さん!この子泣いてるわよ?!人形の癖に泣いてるなんておっかしい~!アハハハハハ♪」
カラフィナ「それだけ精巧に造られてるって事でしょう?まあでも、私達が使うには必要のない機能ね……連れて帰ったら不要な機能は取り除くわよ。さっさと動けないように痛めつけなさい」
リリス「はぁーい」
リリスはカラフィナにそう応えながらモスラワームへと姿を変え、アズサを踏み付けたまま手を伸ばし、そのまま服の下に隠れていたアズサの背中の純白の翼を掴み取った。
アズサ「……っ!そ、それはっ…!?」
『私ねぇ?こーいう綺麗な色をした物って虫ずが走るくらい大嫌いなのよ。だから……"毟り取って"あげる♪』
アズサ「?!い、いやっ……やだっ……それだけはっ!!」
楽しげに笑いながら告げたモスラワームの言葉で恐怖に駆られ必死に逃げようともがくアズサだが、モスラワームは逃げられないようにアズサの背中を強く踏み付け、怯えるアズサを嘲笑いながら翼を掴む手に力を込め、そして……
―メリメリメリィッ……!ブチブチブチィッ!!!―
アズサ「い、いやあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!!」
背中から白い翼を無理矢理引きちぎり、それと同時にアズサの絶叫が木霊したのだった。
翼を無理矢理毟り取られ、背中から夥しく血を流して痛みに震えるアズサを見たモスラワームはニヤニヤと笑いながらもぎ取った翼を投げ捨て、両手を払っていく。
『どう?少しは言う事聞く気になったぁ?』
アズサ「ぅ……ぁ……」
カラフィナ「これ以上痛め付けられたくなかったら、大人しく私達について来なさい。貴方は戦う為だけに造られた人形……ただ与えられた役割を果たしてさえいればそれでいいのよ」
これ以上痛め付けられたくなかったら大人しくついて来いと、翼を毟り取られた痛みで涙を流すアズサに容赦なく告げるカラフィナとモスラワーム。だが……
アズサ「……いや……だ……」
『……あ?なんですって?』
絞り出すようにポツリと呟いたアズサの言葉にモスラワームは険しげに聞き返し、アズサは泣きながら拳を強く握り締めていく。
―……これからは宿命の……為なんかじゃ…………なく………自分の為………に………お前が生きたいように………生きろ………お前を縛るもの………なんて………もう……ないん……だから………―
アズサ「いやだっ……私はもうっ……誰も傷付けたくないっ……傷付けたく……ないっ……!」
カラフィナ「ちっ……人形風情が……リリス」
『はぁーい』
誘いを断ったアズサにカラフィナは苛立ちを込めて舌打ちしながらモスラワームに呼びかけ、モスラワームはそれに応えながらアズサの背中のもう片方の翼を掴み取った。
『じゃあ、もう片方の翼も毟っておこうかぁ♪』
アズサ「っ!いやだっ……もうやめてっ!!いやっ…―メリメリメリィッ!!―いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!!」
『アハハハハハハハハ!!叫んでも無駄よ?だぁーれもアンタみたいな人形を守ってくれる奴なんていないんだからねぇっ!!』
モスラワームは痛みで泣き叫ぶアズサを嘲笑いながら翼を掴む手に更に力を込め、また先程のように翼を毟り取ろうと腕を引こうとした。その時……
『SPELLRIDE:MUSOUFUUIN!』
―ズドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―
『ッ?!ギ、ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!』
―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!!―
『ッ?!』
突如何処からか電子音声が鳴り響き、それと共に無数の弾幕が飛来してアズサを包囲するサナギ体のワーム達を一瞬の内に全滅していったのだった。
カラフィナ「こ、これはっ?!」
『な、何?なにが起きたの?!』
突然の攻撃で一瞬で全滅させられたワーム達にカラフィナとモスラワームは驚きを隠せず動きを止め、二人は今の爆発で発生した黒煙の中で動揺を浮かべながら辺りを見渡した。そんな時……
『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DECADE!』
『ハアァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!』
『……え?―ドゴオォンッ!!―グッ?!ウアァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!?』
カラフィナ「っ?!リリス?!」
不意を突くように突如黒煙の向こうから何かが飛び出し、そのままアズサを踏み付けていたモスラワームをカラフィナの下まで思いっきり吹っ飛ばしていったのだった。そして自分の下にまで吹き飛んできたモスラワームを見たカラフィナは慌てて目の前へ視線を戻すと、辺りを覆っていた黒煙が晴れて徐々に視界が戻っていく。其処にいたのは……
ディケイド『……………』
『?!あ、アンタは?!』
カラフィナ「ディ、ディケイ……ド?!」
そう、其処にいたのはアズサを庇うように立ち構える一人の戦士……ディケイドが立っていたのであった。目の前に現れたディケイドを見てカラフィナとモスラワームが驚愕する中、ディケイドはバックルを開いて変身を解除していく。その正体は……
零「――これ以上……コイツに触れるなっ……」
アズサ「……れ……い……?」
全身や顔に血の滲んだ包帯を巻いた青年……零は怒気の篭った瞳でカラフィナ達を睨みつけながらそう告げ、アズサを守るように片腕を広げたのであった。
トウホウライド
大輝がカメンライドと共に好んで使う、東方Projectのキャラ達を喚び出す大輝専用のライドカード。
ディエンドライバーで喚び出される事によって各キャラの戦闘力はライダー以上の物となっており、怪人や仮面ライダーとも引けを取らない力を備えている。
カード事態は八雲 紫等が大輝の持つライダーカードを参考に作り、後に幻想郷に住む東方キャラ達と戦ったことで力を手に入れた。(勝敗は関わらず……といっても引き分けか、相手によっては大輝が返り討ちに合ったのがほとんどだったが)
ちなみに他の人間が幻想郷の住人の力を悪用するのを防ぐ為、トウホウライドは大輝にしか使えないように仕組みされている。
何故大輝が使えるのかって?……以前幻影郷のあちらこちらに盗みに入って色々な人物にボコられながらも、くじけずに宝探しを続けた大輝の度胸を気に入って八雲紫が贈ったらしい。
主なカードは……
・博麗霊夢
・霧雨魔里沙
・八雲紫(何故か自我持ち)
・射命丸文
・レミリア・スカーレット
・フランドール・スカーレット
・十六夜咲夜
・パチュリー・ノーレッジ
・蓬莱山輝夜
・八意永琳
・アリス・マーガトロイド・魂魄妖夢
・西行寺幽々子
・風見幽香
など、上記も含めて数十枚以上のカードを持参。
因みに大輝が幻想郷に訪れた際、喚び出されたキャラから勝手に召喚された事で苦情やら報復等が度々あるそうな……
スペルライド
零が大輝から送られた新たな零専用のライドカード。
本来東方キャラしか使えないスペルカードをディケイドライバー仕様のカードに創られている。因みに個々のカードに秘められた力はどれも強大なモノであり、カードを奪われて力が悪用されるのを防ぐ為に零以外の人間にはスペルライドが使えない仕組みになっている。
主なカードは……
・霊符『夢想封印』
・恋符『マスタースパーク』
・神槍『スピア・ザ・グングニル』
・禁忌『レーヴァテイン』
・禁忌『フォーオブアカインド』
など、上記のカードも含めて百枚以上のカードを持参している。
カード制作には上記のトウホウライドと同じく八雲紫や博麗霊夢等が関わったらしい。
因みに大輝が零にカードを贈った理由は……自分では使えないし持ってても邪魔なるから、とのこと。
クロスライド
零が旅した9つのライダーの世界の変身者の本当の能力を使えるライドカード。
コードギアスならギアスかナイトメア、00ならガンダムエクシア、禁書目録なら幻想殺し、マクロスFならバルキリーなどに変身や能力の使用が可能。
トウホウライドは神楽さん、スペルライドとクロスライドはゼルガーさんのネタ提供です!ありがとうございます!