仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第三章/キバの世界④

 

―光写真館―

 

 

あれから十数分後。一先ず誤解を解いてワタルと別れた一行は優矢とヴィータを写真館に招き入れ、二人から話を聞こうとした訳なのだが……

 

 

優矢「──ん~、旨い!幸せだ~♪」

 

 

ヴィータ「ギガうま!栄ちゃん中々やるじゃねぇか~♪」

 

 

栄次郎「そうでしょう?零君達が急にお客さんを連れてきたから慌てて用意したけど、喜んでもらえて良かったよ~」

 

 

零「……コイツら、何で来て早々無遠慮に人んちの飯をガツガツ食ってんだ……」

 

 

スバル「あ、あはは……」

 

 

ティアナ(っていうかヴィータ副隊長、確かさっき大食いチャレンジをクリアした後だった筈じゃ……どんな胃袋してるのよこの人っ……)

 

 

写真館に戻ってきた頃には丁度昼時であった為か、栄次郎が気を利かせて用意してくれていたテーブルの上の料理を優矢とヴィータが貪っていく光景を目にし、若干顔を引き攣らせる零と苦笑いを浮かべるスバル。

 

 

加えて先程まで大食いチャレンジをしていたとは思えないヴィータの食欲っぷりにティアナも引いてしまうが、このままでは話が進まないと零は薄く溜め息を吐き、優矢の隣の席に腰掛けて質問を投げ掛けた。

 

 

零「それで……?優矢、ヴィータ。お前らどうやってこの世界にきたんだ?」

 

 

優矢「ん?ん~……だって俺クウガだし♪「ブッ飛ばされたいのかお前……」……ひぇっ」

 

 

なのは「ま、まあまあ!あんまりカリカリしても話が進まないから……!」

 

 

優矢の冗談にわりとガチめなトーンと真顔でキレる零に、なのはが慌てて横から宥めに入る。そして優矢も零の放つ威圧感にビビり、今はジョークを言ってる場合ではないと悟ったのか気を取り直すように咳払いをした。

 

 

優矢「ゴホンッ。えーっと、この世界に着いた経緯だったよな……俺は綾瀬さんの墓参りを終えて家に帰ろうとした時に、突然現れた変なコウモリに誘われたんだよ。んで、気が付いたらいつの間にかキャッスルドランの中にいたってトコ」

 

 

ヴィータ「ムグムグ……あたしも六課の訓練所でシグナムと模擬戦してたら変なオーロラみたいなのに呑まれて、気付いたらあの城の中にいたんだよ」

 

 

そう言って二人はそれぞれの経緯を説明し終えると、食事を再開して再び料理を貪っていくが、話を聞いた零は頭を抑え呆れるように溜め息を漏らしてしまう。

 

 

零「ヴィータの方はだいだい分かったが、お前の方は意味が分かんねぇぞ……何なんだよその変なコウモリって……」

 

 

なのは「まあまあっ……それで二人は、この世界に着いた後にあの親衛隊に入ったってこと?」

 

 

ヴィータ「まあな。他に行く宛もなかったし、それにあのワタルって奴に興味があったし」

 

 

ティアナ「ワタルって……さっきのあの王子の事ですか?」

 

 

先程零が戦ったキバに変身していたワタルの顔を思い出し、疑問げに問うティアナの質問に対し二人は首を縦に振って肯定する。

 

 

優矢「あのワタルって子は人とファンガイアの間に生まれたらしくて、人間とファンガイアの架け橋になって本当の共存を実現しようとしてるらしいんだ。その話を聞いて、俺もその力になりたいって思ってさ」

 

 

ヴィータ「あたしも似たような理由と、助けてもらった恩もあるから親衛隊に入ったんだ。それに街の方でもさっきみたいなファンガイアが増え続けてるから、どうにかしたいって気持ちもあったからな」

 

 

どうやら二人は自分達を助けてくれたあの王子、ワタルが抱える人間とファンガイアの共存という夢に惹かれ、力がなりたいが為に親衛隊に入ったらしい。

 

 

その話を聞いてなのは達が二人に感心する中、零は無表情のまま一人黙々と料理を口にしていく。

 

 

零「まぁ、お前等のその意気込みは立派だとは思うが……あのガキがお前達の期待に応える事はないと思うぞ」

 

 

優矢「……何でだよ」

 

 

二人の話に水を差すかのようにきっぱりと言い切る零に、優矢が料理を食べる手を止めて思わず零を睨み付けるが、零はそんな優矢の目を見つめ返しながら淡々と話を続ける。

 

 

零「今のアイツには、それを行おうとする強い決意が感じられないからだ。奴と戦ってる時にも何処か迷いを感じた……今のアイツにそんな重い責任を任せても、その重みに耐え切れずに折れちまうのが目に見えてる」

 

 

優矢「やれるさ。アイツなら」

 

 

あの廃墟のような家で初めて出逢った時の人間に対する怯えよう、自分と戦っていた時のあの余裕の無さから何かを感じ取ったらしき零の言葉に、優矢は箸を置いて立ち上がりながら真剣な眼差しで零の前に立つ。

 

 

優矢「確かに、今のアイツは何処か迷ってるように見える。お前の言う通り、今のアイツに王の責務をやらせても難しいかもしれない……でもだからこそ、俺はアイツを支えてやりたいと思ったんだよ」

 

 

零「…………」

 

 

目を逸らさず、零の瞳をまっすぐ見据えて力強く語る優矢に対し、零も無言のまま優矢の目を見つめ返して何も答えない。そんな二人の間に走るピリピリとした空気になのは達も止めに入るべき若干迷う中、暫しの睨み合いの後、優矢が先に目を逸らして台所にいる栄次郎に笑顔で呼び掛けた。

 

 

優矢「ごちそうさんでした!飯、美味かったです!じゃあヴィータさん、俺、先に城に戻るから。今日は此処でゆっくりして行きなよ。せっかく仲間達と会えたんだしさ」

 

 

ヴィータ「お、おお。お前も気を付けて帰れよ?」

 

 

優矢「分かってるってっ」

 

 

それじゃ!と、優矢は片手を振って明るげに一同に挨拶しながら、写真館を出てキャッスルドランへと戻っていった。

 

 

そして、零は徐に窓際に移動し城に向かって走り去る優矢の背中を窓から無言で見送ると、そんな零の隣になのはが歩み寄り、窓から同じように優矢を見送りながら口を開く。

 

 

なのは「優矢君、本気であのワタルって子の力になりたいみたいだね……」

 

 

零「……ああ。だが、それでもあのワタルって奴の本当の心が見えなければ、アイツの助けは逆にあの王子の重荷を増やすだけだ……」

 

 

僅かに目を細めて何処か心配を含むようにそう呟くと、零は懐から絵柄の消えたキバのカードを取り出し、未だ力が戻る兆しのないシルエットのみのカードをジッと見つめていくのであった。

 

 

 

 

 


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