仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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番外編⑧
番外編/ルミナのトラックツアー


 

 

―風麺―

 

 

零「―――全く、いきなり呼び出すなんて何の用だ?あの女は……」

 

 

とある昼下がり。写真館でゆっくりくつろいでいた零は何故か風麺のアルバイトであるルミナに呼び出されて風麺にやって来ていた。

 

 

なんでも見せたい物があると電話で言っていたが……一体何なのだろうか?

 

 

零「ふむ……まあ実物を見られば何か分かる筈だが、アイツ一体何処だ?」

 

 

風麺に着いて早々ルミナを探して辺りを見渡す零だが、肝心のルミナも店主の大輝の姿も見当たらない。

 

 

ルミナはともかく、大輝は多分出前でいないのだろう。そんな事を思いながら首を動かして周りを見回していると……

 

 

ルミナ「――ああ来た来た、おーい!こっちこっち~!!」

 

 

屋台の裏の方からひょいっとルミナが顔を出し、零を見付けて手招きしてきたのだった。零もそんなルミナを見てめんどくさそうに溜め息を吐きながらルミナに歩み寄っていく。

 

 

零「いきなり呼び出してなんだ?なんか見せたい物があるとか言っていたが…」

 

 

ルミナ「えぇ、さっき出前の途中で見かけてね。師匠に見せる前にアンタから見せてあげようと思って♪」

 

 

零「……?何をだ?」

 

 

イマイチ話が見えない零は思わず首を傾げて聞き返してしまうが、ルミナはそれに答えずに胸を張りながら屋台の裏に回っていった。

 

 

零「お、おい!……ったく、何なんだアイツは……」

 

 

何も話ささずに屋台の裏に行ってしまったルミナに零は早くも疲れた様子を浮かべてしまうが、取りあえずルミナの後を追おうと歩き出そうとするが……

 

 

 

 

―……ギギギギギギッ!!ブルゥンッ!!ドドドドドドドドドドッ……!!―

 

 

零「……は?何だ?」

 

 

いきなり屋台の裏から何かのエンジンが掛かるような轟音が響き渡り、零はその音に思わずたじろぎながらも屋台の裏に回っていく。

 

 

零「おい!お前一体なにをやっ…………て…………」

 

 

屋台の裏に回り一体なにをしているのかとルミナから問い正そうとした零だが、屋台の裏に存在するソレを見て硬直してしまった。

 

 

 

 

圧倒的な存在感を感じさせる巨体……

 

 

青色にきらめくボディ……

 

 

そしてその巨体の中から顔を出すルミナ……

 

 

ルミナ「どうどう?かなり良いでしょ?出前の時っていつも徒歩だったから正直めんどくさかったんだけど、これなら楽々で出前だって行けるでしょう♪」

 

 

零「………………………」

 

 

ルミナ「ホントなら自転車とかの方が良いんだろうけど、こっちの方が断絶速いし荷台もあるでしょ?これならラーメン何十人分も楽チンで運べちゃうし♪」

 

 

零「………………………………そういう問題じゃないだろうっ……なんで……なんで……」

 

 

楽しそうに喋るルミナを余所に零は顔を俯かせ、体中をフルフルと震わせていく。そして……

 

 

 

 

 

 

零「――なんで……なんでこんなとこにトラックなんぞがあるんだっっ?!!」

 

 

腹の底から大声を出しながら目の前の巨体……ルミナが運転席から顔を出すトラックをビシィッ!!と指差したのであった。

 

 

ルミナ「あれ?良くなかったこれ?」

 

 

零「良いとか悪いとか聞いてるんじゃない!!というかどっから持ってきたこんなものっ?!」

 

 

ルミナ「道に落ちてた♪」

 

 

零「嘘つけぇっ!!!」

 

 

 

普通に道に落ちてるようなものではないだろう明らかに!

 

 

零「それ絶対に持ち主いるから!早く元の所に帰してこい!!」

 

 

ルミナ「略奪なら師匠もやってるから私も好むところよ?」

 

 

零「お前のはもう単なる窃盗だろうがっ!!」

 

 

ルミナ「分かってないわねディケイド……考えてみなさいよ。私ってライダーだけどバイクみたいな乗り物とか持ってないでしょう?そんなんでライダーとか名乗るのは可笑しいじゃない」

 

 

零(……それ言ったらお前の師匠の海道はどうなるんだと口にするのは野暮なんだろうか……)

 

 

ルミナ「でも今さらバイクに乗るのも何か違うと思ったの。もっと他に威厳さを感じさせるマシンはないのかと……そう思ってた時にこれと出会ったのよ!見なさないこの照り輝く青の車体!正に瑠璃の華を連想させるじゃない!!」

 

 

零「……トラックを瑠璃に例えた人類はたぶんお前が初めてだろうな……」

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

とまあそんな一連の出来事がありつつも、取りあえずルミナが一番最初にトラックに乗せてあげるということで乗せてもらったわけだが……

 

 

 

 

 

―グオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーッッ!!!!―

 

 

零「――何故こうなったああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっっ!!!!」

 

 

ルミナ「イエーイ!爽快爽快~♪」

 

 

ただ今時速制限を無視して全速力で道路を走り、何故こうなったのかと絶叫していました…………トラックの荷台で。

 

 

零「おおおおぉぉぉい?!どうして俺が荷台なんだぁ?!!」

 

 

ルミナ「えー?仕方ないでしょー?業者台は一人しか乗れない構造だって聞いたし」

 

 

零「そこは普通二人乗れるんだよ馬鹿者がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」

 

 

全速力で走るトラックから投げ出されないように必死にしがみつきながら叫ぶ零であるが、そこで一つある疑問が浮かび上がった。

 

 

零「……ちょっと待て……お前、免許証持ってるのか?」

 

 

ルミナ「メンコショウ?」

 

 

零「聞いた俺が馬鹿だったああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!!!!!」

 

 

そうだよ!!この馬鹿がそんなの持ってる筈ない!!

 

何故乗る前に気付かなかったんだ俺はっ!!

 

 

零「いいか耳をかっぽじって良く聞け?!公道を走るには資格がいるんだよ!!自動車に乗る時には!!」

 

 

ルミナ「……ディケイド、私を馬鹿だと思って甘くみないでよね」

 

 

零「……なに?」

 

 

突然ルミナは先程とは違いキリッとした表情へと一変し、ハンドルを操作しながら前を見据えていく。

 

 

ルミナ「資格なんかなくても、ハンドルさえ握ればどんな乗り物だって乗りこなしてみせる……私だって腐ってもライダーの一人よ?安心しなさい」

 

 

零「……!」

 

 

確かに―――コイツだってライダーなのだから、乗用機械を乗りこなすぐらいのことは出来る筈だ。

 

 

それにコイツは元々、俺を殺す為に鳴滝が送り付けてきた刺客。

 

 

ならばそれぐらいの知識や技術等は鳴滝によって組み込まれてるに違いない。

 

 

現に今、コイツは扱いの難しい大型自動車を軽々と乗りこなして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳴滝「クッ!またディケイドによって世界が破壊されてしまったっ……だが今度こそ!次の世界こそが貴様の墓場だディケ―ドゴオォッ!!!!―ぐべばあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっっ!!!!?」

 

 

零「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいっっ?!!!!」

 

 

はい、横断歩道を渡っていた人を全速力で思いっ切しぶっ飛ばしていったのでした…………ぶっ飛ばしたのが鳴滝とは気付いていませんが。

 

 

ルミナ「あれ?なんか当たった?」

 

 

零「轢いた!!轢いた!!今人轢いたぞお前ぇ?!!」

 

 

ルミナ「え?ホントッ?!………………まあいいか」

 

 

零「良くねぇよッ?!クソッ!!なにが腐ってもライダーだ!!コイツ等には交通ルールの一つも教えていないのか鳴滝?!今度会った時には絶対ぶっ飛ばしてやるっ!!!」

 

 

※もうぶっ飛んでます。

 

 

ルミナ「もぉー、さっきからうるさ…………ん?」

 

 

荷台で鳴滝を殴り飛ばしてやると誓って叫ぶ零に一言文句を言ってやろうとするルミナだが、前ガラスにべったりと赤い液体がこびりついてる事に気付いて首を傾げた。

 

 

ルミナ「あれ?何か視界が悪くなってる?」

 

 

零「……血だ……絶対に血だそれ……」

 

 

ルミナ「むぅー……邪魔で見えずらいなぁ……この仕切り取っ払っちゃおうか?」

 

 

そう言ってルミナは険しげに眉を寄せながら仕切りをガシリッと掴んで……

 

 

零「って止めろ馬鹿っ?!ワイパー動かせワイパーッ!!」

 

 

ルミナ「?わいぱあ?」

 

 

零「ハンドルの周りにあるだろう?!何かレバー的な物が…!」

 

 

ルミナ「んー?……あっ、これのこと?」

 

 

零の説明で何かを発見したのか、ルミナはハンドルの周りに見つけたそれを操作していった。その時……

 

 

 

 

 

 

―……ガコンッ!ウイィィィィィィィィィィ……!―

 

 

零「…………は?」

 

 

ルミナがソレを操作したと同時に不意に零の身体全体が一瞬揺れ、そのまま荷台が上へ上へと上がり始めたのだ。

 

 

そして上部最端まで荷台が辿り着くと共に、零の視界に目の前から迫ってくる歩道橋が映って……

 

 

零「――って危ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーっっ?!!!」

 

 

歩道橋が額を掠った瞬間に零は直ぐさま荷台からトラックの左側面にある運転席のドアにへばり付き、ギリギリで歩道橋を回避したのであった。

 

 

零「おぉっ、お前はなにをやってるんだッ?!」

 

 

ルミナ「へぇ~、こういう仕掛けもあるのね?面白い~♪」

 

 

零「ふざけるな!!こっちは死ぬかと思ったわッ!!ええいもういいッ!!」

 

 

呑気に笑いながらトラックを全速力で走らせるルミナに痺れを切らし、零はドアの窓から手を伸ばしルミナの手からハンドルを奪おうとするが、それを止めるようにルミナが零の手を掴んだ。

 

 

ルミナ「ちょ、ちょっと!いきなり何するの?!」

 

 

零「やかましい!これ以上お前に好き勝手させられるか!!ハンドル貸せ!!俺が運転する!!」

 

 

ルミナ「何言ってんの?!これは私のマシンなんだから私が運転するの!!」

 

 

零「これ以上お前に運転させてたらこっちの身がもたんだろう!!いいからハンドル寄越せっ!!」

 

 

このままコイツにトラックを走らせたらこっちの命が危ないし、また先程みたいに誰かを轢いてしまう可能性が高い。

 

 

そうなる前になんとしてもトラックを止めなければと必死にハンドルに手を伸ばすが……

 

 

ルミナ「もぉ……分かったわよ……ちょっとだけね?」

 

 

―バキッ!!―

 

 

ルミナ「はい、ハンドル」

 

 

零「………………………………………………は?」

 

 

諦め半分でそう言いながら、ルミナは渋々とハンドルを寄越してくれました。

 

 

……ハンドル"だけ"をもぎ取って。

 

 

 

 

 

 

零「――――誰がハンドルもぎって寄越せと言ったかああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!!!!!!」

 

 

―キキイィィィィィィィィィィィィィィィッッ!!!ガシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッッ!!!!―

 

 

 

 

 

 

腹の底から零が全力全開の絶叫を上げると共に、コントロールを失ったトラックはそのままビルの一角へと激突して無事?に暴走を止めたのであった…………

 

 

 

 

 

因みにこの後、零は打ち所が悪かったために救急車で病院に運ばれたが、ルミナは持ち前の頑丈さから全くの無傷だったらしい。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

それから数日後、風麺では……

 

 

 

ルミナ「ジャジャーン!!今日からまた新しいマシンを用意しましたぁー♪ショベルカーでぇーす♪」

 

 

零「返してこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉいっっ!!!」

 

 

――あんな目に合いながら懲りもせず、またもや何処からかマシンを盗ってきていたのであった……

 

 

 

 

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