仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十七章/桜ノ神の世界⑤(前編)

 

 

一方その頃……

 

 

 

翔一「――おっせぇなぁ……あの二人……」

 

 

ディケイド達が公園で戦闘を行う中、公園から遠く離れた場所に位置する商店街では翔一が退屈そうにベンチに座りながら誰かが来るのを待っていた。

 

 

翔一「ったく、コンビニに行くって言ったまま帰ってこねぇし……何やってんだあの二人?」

 

 

コンビニに続いている道の方を見てまだ帰って来ないのかと首を長くする翔一。だがとうとう待ち切れなくなったのか、翔一は二人の様子を見に行こうとベンチから立ち上がりコンビニに向かおうと歩き出した。その時……

 

 

 

 

『ウワアァァァァァァァァァァアーーーーーッ!!』

 

 

 

 

翔一「ッ!?」

 

 

突然背後から叫び声が響き、翔一がその方向を見ると、其処には街の人々が無数の足軽のような怪人達……幻魔の大群に襲われそうになっている光景があった。

 

 

翔一「な、なんだありゃ?ドーパント……にしちゃ雰囲気が違うな……とにかくこのままほっとくわけにはいかねぇな。アイリス!」

 

 

『JOKER!』

 

 

街の人達を襲う幻達を見て若干戸惑う翔一だが、このままほっとくわけにはいかないと直ぐに正気に戻ってアイリスの名を叫びながらジョーカーメモリを取り出しスイッチを押す。だが、翔一はそこである事を思い出して思わず舌打ちした。

 

 

翔一「そうだった……今はアイリスの奴と連絡が着かねぇんだったなっ……」

 

 

そう、この桜ノ神の世界に連れて来られてからというもの、何故かドライバーを付けてもアイリスとの連絡が着かない上に自身が持つメモリガジェットまで全て使えなくなっていたのだ。よってダブルに変身する事も出来ないのだと思い出した翔一は仕方ないといった感じに息を吐き、ポケットからダブルドライバーに似たスロットが右側しか存在しないドライバーを取り出し腰に装着した。

 

 

翔一「しゃーねぇ、此処は冥華さんから借りたコイツを使うか……変身ッ!」

 

 

そう言いながら翔一は手に持ったジョーカーメモリをドライバーの右側にセットし、バックルを横倒しのSの形へと展開しながら幻魔の大群へと駆け出した。

 

 

『JOKER!』

 

 

電子音声が鳴り響くと共に翔一の身体が徐々に装甲に覆われていき、紫のラインが入った黒一色のボディと赤い複眼の戦士へと変わって幻魔の一体を蹴り飛ばしていった。突然の乱入者に幻魔達が警戒して身構えていく中、戦士へと変身した翔一は軽く手首を鳴らしてから幻魔達を指差す。

 

 

『俺の名は、仮面ライダー……ジョーカー。さぁ、お前達の罪を数えろ!』

 

 

翔一……『ジョーカー』は決め台詞を叫ぶと幻魔達へと走り出し、接近した幻魔一体一体に拳と蹴りをお見舞いして吹っ飛ばしていく。

 

 

―ドゴォッ!バキッ!ズガァァァッ!!―

 

 

『ゲハァッ!グォォッ!?』

 

 

ジョーカー『ソラッ!どうしたどうした?!こんなもんかぁッ!』

 

 

振りかざされる刀は上体を軽く動かしたりなど無駄のない動きで回避し、攻撃した後に出来る隙を付いて拳と蹴りを幻魔達に打ち込んでいくジョーカー。傍から見ても完全にこの場の流れを掴んでいるジョーカーが明らかに優勢であり、このまま押し切れるかとジョーカーも思い始めた。その時……

 

 

 

 

「うわあぁッ!!」

 

 

 

 

ジョーカー『ッ?!』

 

 

不意に横から子供の悲鳴が響き、ジョーカーが幻魔達から視線を外してそちらを見ると、其処には肩から一筋の血を流して幻魔達に建物の壁際へと追い詰められている男の子の姿があったのだ。

 

 

ジョーカー『なっ?!おい待て!止めろぉッ!』

 

 

―バキイィッ!―

 

 

『オガアァッ?!』

 

 

男の子が襲われている光景を見たジョーカーは顔色を変え、すぐに周りの幻魔達を払って走り出し男の子を囲む幻魔達を殴り飛ばし、男の子に駆け寄った。

 

 

ジョーカー『おい、大丈夫か?!立てるか?!』

 

 

「えっ…う、うん…」

 

 

ジョーカー『そうか……だったら今の内に早く逃げろ。急げ!』

 

 

「う、うん……ありがと……!」

 

 

男の子はジョーカーに礼を言って肩を抑えながら走り出し、男の子が逃げたのを確認したジョーカーは仮面越しに怒りの表情を浮かべながら幻魔達を睨みつけていく。

 

 

ジョーカー『テメェ等……あんな子供にまで手を出しやがって……絶対許さねぇッ!』

 

 

あんな子供を何の戸惑いもなく傷付けた幻魔達に怒りを覚えつつ、ジョーカーはバックルにセットされていたジョーカーメモリを引き抜き右腰のスロットにメモリをセットしていった。

 

 

『JOKER!MAXIMAM DRIVE!』

 

 

電子音声と共にジョーカーはゆっくりと腰を屈めていき、右足に膨大なエネルギーを溜め込んで幻魔達へと飛び上がり、そして……

 

 

ジョーカー『ライダーキック……ハアァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!』

 

 

『グ、グアァ…グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!?』

 

 

―ドガアァァァァァァァァァァァァーーーーーアンッ!!!―

 

 

ジョーカーの放った必殺技、ライダーキックが幻魔達へと炸裂し、幻魔の大群の半分以上が断末魔を上げて爆発していったのだった。それを見た残りの幻魔達はジョーカーの力に恐怖してたじろぎ、そのまま一目散に逃げ出してしまう。

 

 

ジョーカー『ッ!待ちやがれ!テメェ等だけは絶対に逃がさねぇぞ!』

 

 

このまま幻魔達を逃がしてしまえば、また奴らが街に現れて人々を襲う可能性が高い。そうなる前に此処で全部倒さなければと、ジョーカーが慌てて幻魔達を追おうとした。その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

『STRIKEVENT!』

 

 

『ギャオォォォォォーーーーーーーーーッッ!!!』

 

 

『ッ?!グ、グオアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!』

 

 

―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―

 

 

ジョーカー『?!なっ……うおあぁッ?!!』

 

 

突如、逃走を謀ろうとした幻魔達に向けて何処からか漆黒の獄炎が襲い幻魔達を焼き尽くし、幻魔達に追い付き掛けていたジョーカーもそれに巻き込まれて吹っ飛ばされてしまったのだ。そしてジョーカーがふらつきながら起き上がってその攻撃が放れてきた方に振り返ると、其処には黒いドラグクローを構えた龍騎に似た黒いライダーが立っていた。

 

 

ジョーカー『な、なんだ?誰だアンタ?』

 

 

『―――イクサとファムを差し向けてデータを取ろうとしたけど、全然役に立たなかったみたいだね……やっぱり直接戦ってやるしかないか』

 

 

ジョーカー『あ?何言って……』

 

 

いきなり現れて幻魔達を倒した黒いライダーの発言にジョーカーは訳が分からず首を傾げるが、黒いライダーはそれに構わずバックルのカードデッキから一枚のカードを抜き取り、左腕のバイザーへと装填しベントインした。

 

 

『SWORDVENT!』

 

 

電子音声が鳴り響くと同時に黒いライダーの近くにある窓ガラスから黒いドラグセイバーが飛び出し、黒いライダーはそれを手に取ると切っ先をジョーカーへと向けていく。

 

 

ジョーカー『なっ…おい!なんのつもりだ?!』

 

 

『なんのつもり?決まってるだろう。君が僕達組織の脅威になるかどうか試させてもらうだけさ……異世界のダブル君ッ!』

 

 

黒いライダー……リュウガはドラグセイバーの切っ先を向けられて動揺するジョーカーにそう叫ぶと共に、ドラグセイバーを振るってジョーカーに襲い掛かっていった。

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

 

アストレア『テアァッ!!フンッ!!』

 

 

アンジュルグ『フッ!ハッ!』

 

 

―バキィ!!ドゴォ!!―

 

 

『グボオォッ?!』

 

 

そして場所は戻り、ディケイド達が戦っている公園ではライダー達と幻魔の戦いが徐々に激しさを増していた。ディケイドは鬼王と、ディエンドはアストレアとアンジュルグと共にツボを狙って襲って来る幻魔達を得意のボクシングスタイルで殴り飛ばしていた。

 

 

ディエンド『フッ!ハッ!……チッ、やっぱり数が多いな。此処は彼等に任せるとしようか』

 

 

一々幻魔達を相手にするのに飽きてきたのか、ディエンドはそう言いながら左腰のカードホルダーから二枚のカードを取り出し、ディエンドライバーへと装填しスライドさせていった。

 

 

『KAMENRIDE:BARON!AGITO!』

 

 

ディエンド『ハッ!』

 

 

電子音声と同時に引き金を引くとディエンドの目の前を無数の残像が駆け巡り、それ等がそれぞれ重なると一つは刃山 翔が変身する仮面ライダーバロン、もう一つは黄金のボディと赤い瞳を持ったライダーであるアギトとなって姿を現し、ディエンドは更にホルダーから二枚のカードを取り出しドライバーへと装填していった。

 

 

『FORMRIDE:BARON!PHOENIX!FORMRIDE:AGITO!THUNDER!』

 

 

ディエンド『痛みは一瞬だ』

 

 

―バシュウゥッ!―

 

 

『グッ?!』

 

 

電子音声と共にディエンドがバロンとアギトに向けて発砲すると、バロンはフェニックスフォーム、アギトはシャイニングフォームのボディに稲妻の文様が浮かび、白と黄色を基調させた姿をしたサンダーフォームへとフォームチェンジし、二人はそれぞれの武器を構えながら幻魔の大群へと向かっていった。

 

 

ディエンド『後はアレに任せておけばいいかな。この隙に俺はトンズラ『そうはさせんッ!』うおっ?!』

 

 

バロンとアギトが幻魔達を抑えている間に逃げようとするディエンドだが、そうはさせまいと龍王が刀を振りかぶって背後からディエンドへと斬り掛かり、ディエンドはギリギリでそれを回避し龍王から距離を取っていく。

 

 

ディエンド『あっぶねぇ……いきなり後ろから斬り掛かるなんて、君って武士のクセに案外卑怯だね?』

 

 

龍王『貴様にだけは言われたくない!そんな事より、そのツボを返せッ!』

 

 

ディエンド『ふぅ……返せ返せってうるさいなぁ……そんな君には、代わりにコレをプレゼントしよう』

 

 

刀を構えて睨んでくる龍王にそう言うと、ディエンドはホルダーから再び二枚のカードを取り出しディエンドライバーへとセットしてスライドさせた。

 

 

『TOUHOURIDE:YOUMU!INDXRIDE:KAORI!』

 

 

ディエンド『そら、いってらっしゃい』

 

 

そう言ってドライバーの引き金を引くとディエンドの目の前に無数の残像が現れて辺りを駆け巡り、それらがそれぞれ重なると一つは小柄な体に長めと短めの刀を一振りずつ持った白髪の女の子、もう一つは二メートル近い太刀を構えた黒髪のポニーテールの女性となって姿を現した。

 

 

龍王『ッ?!な、なんだコイツ等は?!』

 

 

ディエンド『君にはちょうどいい相手だろう?んじゃ、楽しんでくれ♪』

 

 

突然現れた二人の戦士を見て龍王が驚愕する中、ディエンドは爽やかに微笑みながら龍王に指鉄砲を向けると二人の戦士……魂魄妖夢と神裂火織はそれぞれ太刀を構えながら龍王へと襲い掛かっていった。

 

 

―ガキィッ!ガキィンッ!ガキィンッ!!―

 

 

ディケイド『フッ!ハァッ!』

 

 

鬼王『チッ!ハッ!!』

 

 

その一方で、ディケイドはライドブッカーSモードを巧みに扱いながら鬼王の刀と激しくぶつかり合っていた。そして何度も刃をぶつけ合っていたディケイドと鬼王は互いの剣をせめぎ合わせ、一進一退の押し合いをしていく。

 

 

ディケイド『ッ!まさか、絢香が言っていた聖者がお前だったなんてなっ……』

 

 

鬼王『えぇ、私も貴方の事は予想外だったわ。まさかあの預言者が言っていた世界の破壊者が貴方だったなんてね』

 

 

ディケイド『何だ、鳴滝から聞いていたのか?だったら俺にもお前の話を聞かせて欲しいな……何故お前は幻魔に味方している?』

 

 

鬼王『そんなの関係ないでしょう?部外者の癖して、私達の問題に口を出さないで!!』

 

 

鬼王は自身の刀とせめぎ合わせていたライドブッカーSモードをディケイドごと押し返し、刀を両手で構えながら刀に膨大な力を注ぎ込んでいく。すると、刀が青い雷に包まれながら徐々にその形状を禍々しく変化させていき、雷を散らせる青い剣へと変わっていった。

 

 

鬼王『鬼武装……雷斬刀』

 

 

ディケイド『ッ!ほぉ……自在に武器を変えられるのか?なら……』

 

 

形状を変えた青い剣を構える鬼王を見たディケイドはそれに対抗しようとライドブッカーから一枚のカードを取り出し、バックルへと装填してスライドさせていく。

 

 

ディケイド『こっちも本気で鬼退治と行くか。変身ッ!』

 

 

『KAMENRIDE:DEN-O!』

 

 

電子音声と共にディケイドは白と黒のライダースーツと赤いオーラアーマーを身に纏ってD電王に変身し、ライドブッカーSモードを振りかざして鬼王へと斬り掛かっていく。

 

 

―グガアァンッ!ギンッ!ガギイィンッ!!―

 

 

鬼王『チッ!中々力があるわねっ…!』

 

 

D電王『そいつはどうも。だが余り時間も掛ける訳にはいかないんでな……さっさと終わらせて話を聞かせてもらうぞ!』

 

 

鬼王の雷斬刀と刃を交えながら横目で妖夢と神裂に圧されている龍王を見つめてそう言うと、D電王は勢いよくライドブッカーを振りかざし、鬼王はそれを紙一重でかわしながら後方へと跳んでいった。それを見たD電王は直ぐさまライドブッカーから一枚のカードを取り出し、ドライバーへと装填してスライドさせる。

 

 

『FORMRIDE:DEN-O!WING!』

 

 

電子音声が響くと同時にD電王のライダースーツの色が黒から金色へと変わり、更に白いオーラアーマーと白鳥の翼を象ったようなデンカメンが装着された電王ウィングフォームへと変わり、フォームライドと同時に両手に生成されたデンガッシャー・ハンドアックスモードとブーメランモードを左手に纏めて持つと右手でカードを取り出しディケイドライバーにセットした。

 

 

『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DEN-O!』

 

 

再度電子音声が響くと共にD電王はデンガッシャーを両手に構え直してエネルギーを注ぎ込み、鬼王もそれを見て周りに青い火花を散らせながら雷斬刀を両手で構え、刃に青い雷を纏わせていく。そして……

 

 

鬼王『鬼戦術っ……雷斬ッ!!』

 

 

D電王W『ハアァァッ!!』

 

 

―バシュウゥッ!!!―

 

 

鬼王が雷斬刀を勢いよく振り下ろして無数の雷撃を放ったと同時にD電王もデンガッシャーをブーメランの如く投げ飛ばし、D電王のデンガッシャーと鬼王の雷撃が中心でぶつかり合った瞬間……

 

 

 

 

 

―ズガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーァアンッ!!!!!!―

 

 

『グッ?!ウグアァァァァァァァァァァァァァァアッ!!』

 

 

 

 

 

D電王の放ったロイヤルスマッシュと鬼王の鬼戦術が正面から激突した瞬間巨大な爆発が巻き起こり、二人は爆発に巻き込まれて吹っ飛ばされてしまい、D電王もその衝撃でディケイドに戻ってしまった。双方かなりのダメージを受けてボロボロだが、鬼王は気にも留めずといった様子で刀を杖代わりにして起き上がっていく。

 

 

ディケイド『ッ!おいおい、まだやる気なのか?いい加減諦めたらどうだ?』

 

 

鬼王『っ……まだよっ……私はまだ、此処で倒れる訳にはいかない!』

 

 

ディケイド『……はぁ……なにをそんな気張ってるのか知らんが、良いだろう。こっちもとことん付き合ってやるよ』

 

 

刀を構える鬼王を見てディケイドも仕方ないといった感じに溜め息を吐き、ライドブッカーをソードモードに切り替えて鬼王と対峙していく。しかし……

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――お楽しみのところ悪いけど、そろそろ私も交ぜてもらっていいかしら?」

 

 

『……ッ?!』

 

 

 

 

 

ディケイドと鬼王の横から不意に女性の声が響き渡り、突然聞こえてきたそれに二人は思わず構えを解いて声がした方へと振り返っていく。すると其処には一人の女性……翔一を置いてコンビニに行った筈の冥華がこちらに歩み寄ってくる姿があった。

 

 

ディケイド『?何だ?』

 

 

鬼王『……誰よ、貴方?』

 

 

冥華「あぁ、気にしなくていいわ。別に貴女に用はないから。私が用があるのは……そっちの彼よ」

 

 

ディケイド『は……俺?』

 

 

自分を指差して用があると告げた冥華にディケイドは困惑してしまうが、冥華はそんな反応を他所にディケイドと向き合っていく。

 

 

冥華「一応名前は名乗っておくわ……私は紫音冥華、再誕の神よ。よろしくね、零?」

 

 

ディケイド『再誕の神……だと?というか、何で俺の名前を知って……?』

 

 

冥華「前から知ってるわよ?貴方が仲間と一緒に旅をしてる所を何度も見てるしね」

 

 

そう言いながら冥華は何処からかドライバーのような機械を装着してディケイドへと近づいていき、腰に手を当ててディケイドを見据えながら口を開く。

 

 

冥華「さて、まどろっこしい話は止めにしてそろそろ本題に入らせてもらうけど……零、私と戦いなさい」

 

 

ディケイド『ッ?!何だと?どういう意味だ?』

 

 

冥華「そのままの意味よ。貴方の今の実力を試す……零、あなたを見定めさせてもらいましょう……鎧装、フルドライブ」

 

 

いきなり戦えと言われ動揺するディケイドを他所に、冥華はそう呟くと共にその姿を変えていった。全身に様々な武器を装備した機械的な鎧を纏い、背中に巨大な翼を持ったライダーとは別の黒い戦士へと冥華は姿を変えたのである。

 

 

ディケイド『?!変わった?だが、ライダーじゃない……?』

 

 

『そう、私はライダーじゃない……これはイノセント・インフィニティア……私の世界に現れたアークに対抗する為に作られたAAW(アンチアークウェポン)よ』

 

 

ディケイド『?イノセント・インフィニティア?アンチアークウェポン?』

 

 

黒い鎧…イノセント・インフィニティアを纏った冥華が言い放った聞き慣れない単語に思わず首を傾げてしまうディケイドだが、冥華はそれに構わず戦闘態勢に入っていく。

 

 

ディケイド『ッ!ちょっと待て!本気で戦うつもりなのか?!』

 

 

冥華『当然でしょう?さぁ、早く構えなさい』

 

 

ディケイド『だから待て!いきなり初対面の人間から戦えと言われても、はい分かりましたって頷けるわけないだろう?!もうちょっと話を聞かせて――』

 

 

冥華『因みに断れば貴方を一秒でズタボロのボロ雑巾にして、地獄の四丁目をぶらり旅させた後に貴方と他の女の子がいちゃついている捏造写真を貴方の世界の仲間達がいる写真館に送り付けるから♪』

 

 

ディケイド『……え?俺に拒否権無し?てか今ので分かったがコイツももしかしてドS神?……ハハハハッ……また変な女に捕まってしまった……(泣)』

 

 

よし決めた。もう金輪際神頼みなんか絶対しねぇ!!とディケイドが内心頭を抱えながら強く決意すると共に、冥華が何処からか巨大な大剣のような武器を取り出しながら地を蹴りディケイドへと斬り掛かっていったのだった。

 

 

アンジュルグ『ッ?!零!』

 

 

アストレア『ちょ、待ってアズサ?!お姉ちゃん置いていかないでよぉっ!!』

 

 

隣で幻魔と戦っていたアンジュルグは冥華に圧されるディケイドを見て助けに入ろうと駆け出し、アストレアもそんなアンジュルグを追って走り出した。が……

 

 

―バッ……―

 

 

アンジュルグ『……え?』

 

 

アストレア『へ?』

 

 

ディケイドの元に向かおうとした二人の目の前に突然一人の少女が現れ、二人の目の前に立ち塞がったのであった。

 

 

アンジュルグ『?貴方……誰?』

 

 

「……ふふ、こうして会うのは始めてだな。ルミナ姉さん、アズサ姉さん」

 

 

アストレア『え?ね、姉さんって……まさか?!』

 

 

アストレアとアンジュルグを姉さんと呼ぶ少女にアストレアは何かに気付いたのかまさかといった表情を浮かべ、少女はそんなアストレアの様子に笑みを漏らしながら腰にベルトのような物を出現させた。

 

 

「姉さん達には悪いけど、冥華の邪魔をさせる訳にはいかないからな。暫く私の相手をしてもらうぞ………変身!」

 

 

『CHANGE ZEO』

 

 

腰に現れたベルトから電子音声と共に光が走り、少女の身体を包み込んでいく。そして徐々に光が収まっていくと、そこにはグレートゼオライマーのような姿をした白いライダーがとてつもない威圧感を放ちながら二人の目の前に立ち構えていた。

 

 

アンジュルグ『ッ?!変身した……?!』

 

 

アストレア『ま、まさかあれって……じゃあアンタは?!』

 

 

『そう、私は冥華のデータをアズサ姉さんの素体に応用して作られたβ2nd……メルティア……又の名を、仮面ライダーゼオです』

 

 

『ッ?!』

 

 

少女……メルティアが変身したライダー、『ゼオ』がそう自分の正体を明かすとアストレアとアンジュルグは驚愕の表情を浮かべて息を拒み、ゼオはそれを他所に両腕をゆっくりと構えていく。

 

 

ゼオ『さて、先ずは挨拶代わりに……デッド・ロン・フーン』

 

 

―シュウゥゥゥゥゥゥ……ドバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!―

 

 

『なっ?!』

 

 

軽い口調でそう呟くと共にゼオの身体から人間の全長を軽く越える六つの巨大な竜巻が砲撃のように撃ち出され、アストレアとアンジュルグはそれに驚愕しつつも横に転がって何とか回避し、回避された竜巻はそのまま幻魔達へと向かっていき、そして……

 

 

 

 

 

 

―ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!!!!!!!!―

 

 

『ギ、ギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!?』

 

 

『ッ?!グッ!ウアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』

 

 

ゼオの放ったデッド・ロン・フーンが幻魔達へと直撃すると同時に、公園全体にまるで大型台風の様な強風を巻き起こしながら巨大な爆発が発生し、幻魔達だけでなく二人や近くで戦っていたディエンド達をも吹っ飛ばしていったのだ。それを見たゼオは不思議そうに首を傾げ、自身の身体を見下ろしていく。

 

 

ゼオ『?あ、力加減間違えてましたか。えぇっと……パワーを20%から02%に落としてっと……これで互角かな?』

 

 

アストレア『クッ?!ちょ、何なの今のチート攻撃っ?!』

 

 

アンジュルグ『ッ……あの子のスペック……私達よりハイスペックに作られてる……多分冥華って人のデータを私の素体に応用してるからっ……』

 

 

圧倒的な攻撃力を見せ付けたゼオにアストレアとアンジュルグは警戒を強めながらそれぞれ武器を取り出しゼオに向けて身構え、設定の変更を終えたゼオは戦闘を再開したディエンド達を一度見ると二人に視線を戻していく。

 

 

ゼオ『さて、こっちもそろそろ始めましょう。ちゃんと手加減はしますから安心して下さいね、姉さん達』

 

 

『クッ!』

 

 

そう言いながらゼオは二人に向けて軽く構えを取り、アストレアとアンジュルグはゼオの放つ威圧感に呑まれそうになりながらもそれを振り切るようにゼオへと斬り掛かっていった。

 

 

 

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