仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
冥華『フンッ!』
―ガキィンッ!ドガァッ!ギギィッ!!―
ディケイド『グッ!ハアァッ!』
そしてその近くではディケイドと冥華が互いに武器をぶつけ合い一歩も譲らずの戦いを続けていた。しかしディケイドは冥華が素早く繰り出す重い剣撃に徐々に圧されていき、徐々に防戦へと追い込まれつつあった。
冥華『フッ!……どうしたのディケイド?貴方の力はその程度なのかしら?』
ディケイド『チィッ…化け物並の腕力で斬り掛かってくる癖に、よく言う!』
全く疲労した様子を見せずに大剣……ジャッジメントブレードを振りかざす冥華とは対照に、先程の鬼王との技対決で既に限界が近いディケイド。このまま長期戦に持ち込めば完全に追い込まれる。そう考えたディケイドは冥華が横薙ぎに振りかざしたジャッジメントブレードを飛び越えて避け、受け身を取りながらライドブッカーから取り出したカードをドライバーに装填した。
『KAMENRIDE:LUNATIC!』
電子音声が響くと共にディケイドの身体が光に包まれながら変化していき、右手に巨大なライフルを持ったライダー、以前ファイズの世界で助けてもらった紫が変身するルナティックへと変わり、Dルナティックは更にもう一枚ライドブッカーからカードを取り出してディケイドライバーに装填した。
『FINALATTACKRIDE:LU・LU・LU・LUNATIC!』
電子音声が鳴り響くと共にDルナティックはルナティックライフルの照準を冥華へと合わせ、銃口に膨大なエネルギーを注ぎ込んでいく。対して冥華はそんなDルナティックを見て興味深そうに頷くと、それに対抗するように巨大なカノン砲……カオスブラスターを構えて銃口にエネルギーを溜めていき、そして……
Dルナティック『是空陣・五重っ……コイツでッ!』
冥華『カオスブラスター、シュートッ!!』
―ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
互いに向けて引き金を引くと共に二つの閃光が中央で激突し、エネルギーの塊が風船のように膨らんで巨大な爆発を巻き起こしたのであった。必殺技同士の激突で爆風が発生し、冥華はそれに吹き飛ばされないように踏ん張っていた。その時……
『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DECADE!』
冥華『ッ?!』
爆風の何処からか聞こえてきた電子音声。それを耳にした冥華がその音声が聞こえた頭上へと顔を上げると、其処には冥華に向かって展開されていくディメンジョンフィールドと跳び蹴りの態勢でフィールドを潜り抜けてくるディケイドの姿があった。
ディケイド『セアァァァァァァァァァァァァァアーーーーーーッ!!!』
冥華『―――爆風に紛れて私を仕留めるつもり?甘いわよ零ッ!!』
―ガキィィンッ!!―
ディケイド『ッ!グウゥッ?!』
冥華はそう叫びながら再びジャッジメントブレードを取り出し右手に構え、自身にディメンジョンキックを打ち込もうとしたディケイドの右足をブレードで弾いて吹っ飛ばし、ディケイドは必殺技を不発に終わらせられそのまま冥華の頭上を飛び超えるように吹っ飛ばされた。次の瞬間……
ディケイド『クッ……つああぁぁぁぁぁぁっ!!』
冥華『…?!―ガキィンッ!―グッ?!』
冥華の頭上を飛び越えようとしたディケイドは空中で強引に態勢を変え、左腰のライドブッカーを瞬時にSモードへと切り替えて破れかぶれにと冥華に真上から突きを放っていったのだ。冥華は思わぬ反撃に驚きつつも上体を逸らして直撃を避けるが、避けられたライドブッカーの刃が冥華の右肩を僅かに傷付け、ディケイドはそのまま地面を転がりながら態勢を立て直していく。
ディケイド『っ……やっとお前に傷を負わせられたなっ……』
冥華『っ……破れかぶれにしてはまあまあね。でも、この程度の傷じゃ私は倒れないわよ?』
ディケイド『だろうな……お前の腕はまだまだこんな物じゃないんだろう?長く教導官をやってきた性か、剣を交えただけで何となく分かった……』
冥華『へぇ、中々見る目があるじゃない。なら傷を付けてくれた礼として、少し本気を出してあげるわ!』
ディケイド『ッ!全然嬉しくない礼だなぁッ!』
互いに叫ぶと共にディケイドは再びライドブッカーSモードを構え直して冥華に向かって駆け出し、冥華もジャッジメントブレードを構えてディケイドへと突進し、二人は再び激しく鉄の音を響かせながら剣をぶつけ合っていった。
―ガキィンッ!ギィンッ!グガアァンッ!―
龍王『グゥッ?!ハアァッ!』
一方その頃、ディエンド達と戦っていた龍王は妖夢達のコンビネーションに翻弄されて徐々に圧され始めていた。そしてディエンドもトドメを刺す為にホルダーから最後のカードを取り出しディエンドライバーへと装填しスライドさせていく。
『FINALATTACKRIDE:DI・DI・DI・DI-END!』
電子音声と共にディエンドライバーの銃口の周りにディメンションフィールドが展開し、ディエンドが引金を引くと強力な銃弾が放たれ、軌道上にいた妖夢達も銃弾に吸収され龍王へと突っ込んでいき、そして……
―ドゴオォォォォォォォォォォォォォオンッ!!―
龍王『ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!?』
絢香『ッ!紗耶香さんッ!』
銃弾は龍王に直撃し、龍王はそのまま後方へと吹っ飛ばされながら変身が解除され紗耶香に戻ってしまったのだ。それを木の影で見ていた絢香は思わず紗耶香の下に駆け出して紗耶香の体を抱き起こしていき、ディエンドはドライバーを下ろして二人に呼び掛けていく。
ディエンド『さて、コレでもう終わりってことで良いだろう?君もそんなんじゃ戦えないだろうし』
紗耶香「ッ!ふざけるなっ……私はまだっ……戦えるっ……!」
絢香「だ、駄目です紗耶香さん!!そんな体では無茶です!!」
ボロボロの身体を無視して再度龍王に変身して戦おうとする紗耶香を横から止めに入る絢香。そんな紗耶香を見てディエンドはめんどくさそうに溜め息を吐き、威嚇射撃を放ってその隙に戦線を離脱しようとディエンドライバーの銃口を紗耶香の足元に向けた。そんな時……
『――鬼戦術……雷閃ッ!』
―ズドオォォォォォォォォォォォォォオンッ!!―
『…ッ?!』
突然横から青い雷撃が放たれディエンドに襲い掛かり、ディエンドはそれにいち早く気付くとすぐさま地面を転がって雷撃を回避し、それが撃たれてきた方へと振り返っていく。そこには青い槍のような武器を突き出すように構える戦士……鬼王の姿があった。
絢香「桜香さん?!」
ディエンド『……何の用かな?今忙しいんだけど?』
鬼王『決まってるでしょ?そのツボを渡しなさい……それは貴方みたいな泥棒が持ってても意味はないわ』
ディエンド『フッ……それはどうかな?少なくとも、勝てもしない無謀な挑戦をしようとする君よりはマシだと思うけど?』
鬼王『ッ?!減らず口をッ!』
何かを見透かすような発言をしたディエンドに鬼王は怒鳴り声を上げ、青い槍を両手に構えながらディエンドへと斬り掛かっていく。ディエンドは鬼王の放つ槍を軽く避けながら後退していき、ドライバーを使って鬼王に打撃を与えていく。しかし……
鬼王『うぁうっ!?グッ……うあぁッ!!』
―ガキィィィィインッ!―
ディエンド『…ッ!?』
鬼王の武器がディエンドの右手に命中し、その衝撃でツボが吹っ飛んでいったのだ。そしてそれを見た鬼王はチャンスと思い、吹っ飛んだツボを見上げるディエンドを蹴り飛ばして上空へと高く跳び上がり、ツボを掴み取ろうと腕を伸ばした。だが……
ディケイド『くっ……ッ!やらせるかッ!』
―ズドンッ!―
鬼王『?!なっ?!』
鬼王の手があと少しでツボに触れようとした瞬間、近くで冥華と戦っていたディケイドがそれを見てすぐにライドブッカーをGモードへと切り替えてツボを狙い撃った。それによりツボは鬼王から大きく離れ、その隙にディケイドは冥華を無視して上空へと跳び上がりツボをキャッチして地上へと着地した。
ディケイド『……コイツは返してもらったぞ』
鬼王『くっ?!か、返しなさい!それは……!』
ディケイド『返すも何も、コレはもともと絢香達の物だろう?だったらお前に渡す道理はない』
鬼王『チィッ……だったら力付くで奪うまでよ!!』
そう言って鬼王はツボを奪い取ろうと槍を構え直してディケイドへと突っ込んでいき、ディケイドもそれに応戦しようとライドブッカーGモードの銃口を鬼王に定めていく。がその時……
―…………………パキッ…ピシピシピシッ……―
鬼王『……!?』
ディケイド『……は?』
不意にその場に何かがひび割れるような音が響いた。それを耳にしたディケイドと鬼王、更に近くで戦っていたアンジュルグ達も動きを止め、一同がその音を辿ってディケイドの手を見つめていくと……ディケイドの手に握られているツボが先程ライドブッカーで撃たれた箇所から亀裂が走っていた。そして……
―ピシピシピシィッ……パキッ……バリイィィィィィィィィィィインッ!!―
ディケイド『……あ……』
『んなっ…?!』
ツボ全体にヒビが行き渡ると共に、ツボは見るも無惨に粉々に砕け散っていったのだった。
ディケイド『…………………………………』
『…………………………』
一同突然の出来事に思わず硬直。周りが固まって動けない中、ディケイドは自分の手の平にある破片と地面に落ちた破片を交互に見た後……
ディケイド『――あっ悪い、壊れた』
『ちょっとぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっっ!!!!?』
軽い調子でディケイドが謝ったと共に時が動き出し、公園中に絢香達の叫び声が響き渡ったのであった。
カリム「なっ、何やっちゃってるんですか零ッ?!」
ディケイド『いやぁ、咄嗟のことだったからつい……しかしまさかこんなに脆かったなんてな?俺もビックリしたぁ、ハハハハハッ』
シャッハ「ハハハじゃありませんッ!!」
紗耶香「き、貴様は本物の馬鹿かッ?!!何故ツボに銃弾など撃ち込むんだ馬鹿者ッ!!!見ろ!!壊れてしまったじゃないかッ?!!」
ディケイド『……ボンド付けて直せたりしないだろうか』
絢香「そういう問題じゃないんですよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーっっ!!!!」
もうこの人目茶苦茶だぁ!とツボを壊してしまったにも関わらずボケた発言をするディケイドに絢香達も頭を抱えてしまう。そんな時……
―……ブオォンッ……シュパアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!―
『…ッ?!』
突如ディケイドの手の平と地面に落ちた無数の破片がまばゆい光りを放ち始め、公園一帯を淡い光で照らし始めたのである。
カリム「こ、これは?!」
絢香「ま、まずい!封印が?!」
紗耶香「クッ!絢香様!!お下がり下さい!!」
ディエンド『この光は……神氣?成る程、神が封印されていたというのは嘘ではなかった訳か……』
絢香達はツボから放たれる光を見て騒ぎ出し、上空で戦っていたアンジュルグ達は光と共に放たれる強風に吹っ飛ばされないように堪え、ディエンドや冥華達は悠然と光の中で佇んでいた。そして鬼王は……
鬼王(――やっと……やっとこの日が来た!漸く幻魔神をっ……!)
鬼王は激しく輝く光を見つめながら仮面の下で険しい顔付きを浮かべ、右手の槍を力強く握り締めていた。そして光は無数の粒子と化してディケイドの頭上へと集まっていき、徐々に人の形を形成してその姿を現していく。それは……
『…………え?』
ディケイド『…………おん…………な…………?』
「……………」
光の中から姿を現した人物は……桜色と白を基礎とした派手な着物に、頭には冠のような金の装飾、そして腰まで伸ばした美しい黒髪を風で靡かせる……一人の人間の女性であった。