仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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番外編⑨
番外編/異世界に跳ばされたもう一人の青年


 

 

黒月零達が桜ノ神の世界に飛ばされている頃、とある並行世界に存在する町では零と同じく一人の青年が飛ばされてきていた―――

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

―???の世界―

 

 

とある並行世界に存在する何処にでもあるような町。様々な人達が街の中を行き交う一方で、街角にある小汚い路地裏ではある異変が起きていた。それは……

 

 

 

 

 

―……キイィィィィィィィィィィィィィインッ!!―

 

 

 

 

 

誰もいない路地裏の上空に突如まばゆい光りが集まり始め、薄暗い路地裏を緑色の輝きで光り照らしていく。そう、その異変は黒月零がNXカブトの世界に飛ばされた時に起きたのと同じ現象だった。そして……

 

 

 

 

 

 

―キィィィィィィィィィィィィンッ……カッ!!―

 

 

優矢「―――え?……う、うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!?」

 

 

―ガシャアァァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

緑色の光が徐々に収まって消えていくと、光の中から出て来た一人の青年………零と同じくハイパークロックアップによって何処かに飛ばされてしまった優矢が上空から落下し、そのまま路地裏の一角に置かれていたゴミ箱の山へと落ちてしまった。

 

 

優矢「ぁ……ぐっ……いっててて……な、何なんだよ一体っ……」

 

 

ゴミ箱の山に打ち付けてしまった後頭部を摩りながら、状況が理解出来ないままふらついて起き上がり周囲を見渡していく優矢。

 

 

優矢「……あれ?何処だよ此処?さっきまで写真館にいたはずなのに……おーい零!!みんなぁーっ!!」

 

 

何故写真館ではないこんな場所にいるのか分からないまま、零達を探して一同の名前を叫ぶ優矢。だが一同の声が返ってくる筈もなく、優矢は静寂な雰囲気が漂う路地裏でガクリと肩を落とした。

 

 

優矢「くそっ……一体どうなってんだよっ……此処が何処かもわかんねぇし……しゃーない……自分の足で調べるしかねぇか……」

 

 

此処が何処かは分からないが、こんな場所に居続けても意味はないだろう。こうなれば自分で此処が何処か調べて光写真館に帰るしかないと、優矢が町に出ようと歩き出した。その時……

 

 

 

 

 

 

―バチバチィッ……キィィィィィィィィィィィィンッ……カッ!!―

 

 

優矢「……え?―ドシャアァァァァァァァアッ!!―ウギャアァッ?!」

 

 

 

 

突然優矢の頭上に再び緑色の光りが発生し、光りの中から一台のバイク……優矢のバイクであるトライチェイサーが落下し真下にいた優矢を踏み潰してしまったのであった。

 

 

優矢「あがっ……うぅ……なんなんだよ次から次へと……もう嫌だぁぁぁぁぁっ……」

 

 

まだ何もしていないにも関わらず、いきなり落下してきたトライチェイサーに踏み潰されたまま涙を流して嘆く優矢だった。

 

 

 

 

 

◆◇◇

 

 

 

 

 

数十分後、取りあえず優矢は写真館に帰る為に町へと飛び出し、トライチェイサーに寄り掛かりながら先程コンビニで買った地図を見て光写真館までの帰り道を調べていた。しかし……

 

 

優矢「――な、なんだこれ……どうなってんだ?」

 

 

我が目を疑うように地図を何度も見直し、思わずそう呟いてしまう優矢。地図を見たところによると、どうやらこの町はある島の上に存在する町であり、季節に関係なく桜が咲き誇るという。その地図の内容を見た優矢は信じられないという表情を浮かべながら地図を凝視して口を開いた。

 

 

優矢「何なんだよこれ……此処はカブトの世界じゃないのか?!」

 

 

地図を何度見直してみても、自分がカブトの世界で見た地図とは明らかに違う。信じ難い現実に優矢は地図を持つ手をダラリと下ろし、桜の花びらが舞う青空を仰いだ。

 

 

優矢「嘘だろおい……どうすんだよっ……これじゃあ帰ろうにも帰れねぇし……俺、別世界に行く方法なんか持ってねぇぞっ……」

 

 

カブトの世界とは違う世界に飛ばされたという現状は分かった。しかし、それが分かったところで自分にはどうすることも出来ない。自分には単独で別世界へと向かう手段は持っておらず、何時もは誰かの手助けがあって並行世界を行き来している。だから今はそんな人物がいない状況でカブトの世界に帰る事など、優矢自身に出来る筈もなかった。

 

 

優矢「………取りあえず、もう少しこの世界について調べてみっか……もし外史のライダーの世界なら、誰か知り合いがいるかもしれないし……」

 

 

諦めるのはまだ早い。もしこの世界が外史のライダーの世界なら誰か知り合いがいるかもしれない。そうすればカブトの世界に帰る方法が見つかるかもしれないと、そう考えた優矢は街を捜索しようとトライチェイサーに跨がりエンジンを掛けた。その時……

 

 

 

 

 

 

『待て!!アルシェインッ!!』

 

 

 

優矢「……え?」

 

 

 

何処からか青年の怒鳴り声が聞こえ、トライチェイサーを走らせ様とした優矢は顔を上げてその声が聞こえてきた方へと振り返った。其処には建物の屋上を飛び越えて走る二人の異形……青い異形がバッタのような異形を追い掛ける姿が目に映った。

 

 

優矢「な、なんだありゃ?もしかしてあれがこの世界のライダーと怪人なのか?…とにかく、このまま無視する訳にもいかないか!」

 

 

二人の異形を見て一瞬驚愕してしまう優矢だが、このまま見て見ぬ振りをする訳にはいかない。そう考えた優矢はトライチェイサーのアクセルを踏んでその場でターンをし、青い異形達の後を追うように走り出していったのだった。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

それから数分後、町の海岸では先程優矢が町で見掛けた青い異形がバッタの姿をした異形に手練れた格闘術を繰り出していた。しかし、バッタの異形は持ち前の瞬発力で青い異形の攻撃を軽々とかわし、青い異形の背後に回り込んで回し蹴りを打ち込み吹っ飛ばしていってしまう。

 

 

『グゥッ?!』

 

 

『ククッ……ドウシタギアデンドウ?ソンナコウゲキデハオレハタオセンゾ?』

 

 

『ッ!チッ、ピョンピョン跳ねてめんどくさい奴だな……それなら!』

 

 

バッタの異形が軽い身のこなしで青い異形……電童と呼ばれた戦士を挑発すると、GEAR電童はおもむろに身体を起こして腰に装着していた機械のような物を取り出し腰のベルトへと当てていく。

 

 

『Unicorn Drive!Install!』

 

 

電子音声が鳴り響くと共にGEAR電童の隣に残像のような物が出現し、徐々に実体化してその姿を現していく。そして完全に実体化した幻想獣の一角獣のような姿の青い機械的な身体を持つ獣……ユニコーンドリルは天まで届くような鳴き声をあげると、ドリルのような姿へと変形してGEAR電童の右腕に装着されていった。

 

 

GEAR電童『今度はこちらの番だ……いくぞアルシェイン!』

 

 

『Unicorn Drill!Final Attack!』

 

 

GEAR電童が機械にカードを通すと再度電子音声が響き渡り、ユニコーンドリルの頭部の角がドリルのように高速回転しながら螺旋を描くようにエネルギーを集約させていき、そして……

 

 

GEAR電童『ハアァァァァァァ……ドリルクラッシュッ!!』

 

 

―ドシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥーーーーーーーーッ!!!―

 

 

GEAR電童がバッタのような異形……アルシェインと呼ばれた怪物に向けて右腕のユニコーンドリルで突きを放った瞬間、ユニコーンドリルの頭部の角から強大なエネルギーの渦が発生してアルシェインへと向かって発射されていった。しかし……

 

 

『ヌウゥッ……ヌンッ!』

 

 

―ドシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥーーーーーーーーッ!!!―

 

 

GEAR電童『?!何っ?!』

 

 

なんと、アルシェインはGEAR電童の放ったファイナルアタックを先程より高く跳び上がっただけで回避してしまったのだ。予想もしていなかった事態にGEAR電童も驚愕してしまうが、アルシェインは地上に着地するとGEAR電童を馬鹿にするかのように鼻で笑った。

 

 

『フン、ドウシタ?イッタイドコヲネラッテイル?』

 

 

GEAR電童『チッ……口先だけの相手じゃないって訳か……だが!』

 

 

挑発してくるアルシェインに舌打ちして返すと、GEAR電童はベルトの右側の腰に装着されたパックから電池のようなものを外して乱暴に投げ捨て、新たな電池を取り出しパックに装着していく。そして電池の交換を終えたGEAR電童は再度必殺技を放とうと構えを取り、アルシェインはそんなGEAR電童に対して余裕の態度を取っていた。そんな時……

 

 

 

 

 

 

「変身ッ!」

 

 

 

『……アッ?―バキィッ!―ウグエェッ?!』

 

 

GEAR電童『ッ!何?』

 

 

 

不意にアルシェインの背後から一人の青年が飛び出し、そのまま赤と金の戦士に変わりながらアルシェインを殴り飛ばしていったのだ。突然吹っ飛ばされたアルシェインを見てGEAR電童が呆気に取られる中、アルシェインを殴り飛ばした赤と金の戦士……二人を追ってきた優矢が変身したクウガ・ライジングマイティフォームはアルシェインに向け構えを取っていく。

 

 

クウガRM『おいっ!アンタ大丈夫か?!』

 

 

GEAR電童『ハ?……あっ、あぁ……別に何ともないが……お前は一体?』

 

 

『グウゥッ?!ナ、ナンダキサマハ?!』

 

 

クウガRM『ん?俺か?そうだな……通りすがりの仮面ライダーってところだ!』

 

 

GEAR電童とアルシェインにそう答えると、クウガは吹っ飛ばされたアルシェインに向かって突っ込み力強く殴り掛かっていく。突然の乱入者に驚いてクウガの拳を受け続けていたアルシェインだが、徐々に慣れてきたのか持ち前の瞬発力でクウガの拳をかわしていってしまう。

 

 

クウガRM『ッ!そっちがそう来るなら……超変身ッ!』

 

 

ジャンプして拳をかわしていくアルシェインを見たクウガはすぐに構えを取り、全身からプラズマを放ちながら徐々にその姿を変えていった。ドラゴンフォームとは違って肩のパーツまで青く染まり、青いボディに金のラインが入った姿……ライジングドラゴンフォームにフォームチェンジし、それと共にクウガは地面に落ちていた木の棒を拾うと棒は青いロッドの先に金の矛先を装備した棒……ライジングドラゴンロッドへと変化しそれを構えていく。

 

 

GEAR電童『ッ!色が変わった?』

 

 

『ヌウゥゥ……コザカシイヤツメッ!!ハッ!!』

 

 

ライジングドラゴンフォームに変わったクウガを見て電童は驚くが、アルシェインは構わずと言わんばかりに空高く飛び上がりクウガを攻撃しようとする。

 

 

対するクウガはライジングドラゴンロッドを軽く振り回して構えると、ドラゴンフォームより極限まで跳ね上がった瞬発力で上空へと高く跳び上がりあっという間にアルシェインに迫っていった。

 

 

『ッ?!ナンダト?!』

 

 

クウガRD『オリャアァァァァァァァァァァァァァアッ!!』

 

 

―ドシュウゥッ!!―

 

 

『オガアァッ?!』

 

 

自身の跳躍に追い付いたクウガに思わず驚愕するアルシェインだが、クウガは構わずアルシェインの腹部に向けてライジングドラゴンロッドで突きを放ち、腹を深く突き刺した。

 

 

そして手応えを感じ取ったクウガはそのまま地上に向けてアルシェインを突き刺したライジングドラゴンロッドをバットのように振り回しアルシェインを地上に叩き付け、そのまま落下を利用し再度アルシェインへとライジングドラゴンロッドを突き刺していった。

 

 

『グアァァッ?!ガッ……キ、キサマアァァァァァッ……!』

 

 

クウガRD『ッ!まだ生きてんのかよ?!ならもう一度『待て!』……え?』

 

 

トドメを刺そうとアルシェインの腹からライジングドラゴンロッドを引き抜こうとするクウガだが、突然横から静止の声が響きそちらに顔を向けた。すると其処には、GEAR電童がいつの間にか必殺技の発射態勢に入っている姿があった。

 

 

GEAR電童『後は俺に任せろ!お前はそいつを上に投げ飛ばしてくれ!』

 

 

クウガRD『えっ?あ、あぁ……分かった!オリャアァッ!!』

 

 

『ウ、ウオォッ?!』

 

 

GEAR電童の言葉に一瞬呆然となりながらも、クウガは言われた通りにライジングドラゴンロッドを全力で振り上げアルシェインを空に投げ飛ばした。それを見たGEAR電童は上空のアルシェインを見据えながら右腕のユニコーンドリルを構え、そして……

 

 

GEAR電童『コイツで今度こそ終わりだ……ドリルクラッシュッ!!』

 

 

―シュウゥッ……ドシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウゥーーーーーーーッ!!!―

 

 

『ッ?!グ、グアァッ……グアァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』

 

 

―ドッガアァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

GEAR電童のファイナルアタックが今度こそアルシェインへと炸裂し、身体を貫かれたアルシェインは断末魔を上げながら上空で爆発し跡形も残さずに消滅したのだった。すると上空の爆発の中から宝玉のような物が飛び出してGEAR電童の足元に落下し、GEAR電童はそれを拾って何かをしていく。

 

 

GEAR電童『――よし、これで封印完了……だな』

 

 

GEAR電童はそう言って手の中の宝玉を見つめながら疲れたように溜め息を吐き、クウガの方へと振り返っていく。

 

 

GEAR電童『すまなかったな、見ず知らずのお前にこんなこと手伝わせて』

 

 

クウガRD『あ、いや…別にいいさ。こっちが勝手に首を突っ込んだんだし』

 

 

GEAR電童『そうか……だが、正直苦戦していたから助かったよ。ありがとな』

 

 

そう言ってGEAR電童は微笑しながらクウガに向けて礼を言い、それがむず痒いのかクウガは照れるように頭を掻いていた。

 

 

GEAR電童『……そういえば名前を聞いてなかったな。お前、名前は?』

 

 

クウガRD『へ?ああえっと、俺は桜川 優矢だ。そういうアンタは?』

 

 

GEAR電童『あぁ、俺の名は……とその前に、まず変身を解かないとな……』

 

 

GEAR電童は名を名乗る前にまず変身を解除しようと、全身に淡い光を纏いながら元の青年と思われる姿へと戻っていく。が、クウガはGEAR電童が変身を解除して戻った青年を見て仮面越しに驚愕の表情を浮かべてしまう。何故なら……

 

 

 

 

 

クウガRD『ア、アンタはっ……煌一さんッ?!』

 

 

煌一?『――ん?なんだ?なんで俺の名前を知ってるんだ?』

 

 

 

そう、GEAR電童に変身していた青年の正体とは、零の異世界の友人の一人である仮面ライダーインフィニティこと御薙 煌一だったのだ。GEAR電童の正体が煌一だと知ったクウガは驚愕を隠せず唖然となり、煌一はそんなクウガを見て不思議そうに首を傾げていたのであった。

 

 

 

 

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