仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十七章/桜ノ神の世界⑦

 

 

―桜ノ神社―

 

 

鬼王達と冥華達との戦いを終えた零達は一先ず晃彦と勇二を連れて神社へと戻り、零が背負って連れてきた桜ノ神はカリムとシャッハに任せ空き部屋に寝かせている。そして零達は一室に集まり、晃彦達から事情を聞きながらこれからについて話し合っていた。

 

 

零「―――未来からやって来た?」

 

 

勇二「はい。過去の総一達から零さん達が行方不明になってると聞いて、俺達も二人を探しにウィングゼロのパーフェクトハイパークロックアップを使って跳んできたんです」

 

 

晃彦「この世界だけは何故か普通の方法じゃ介入出来なかったようだから、未来から過去へのタイムスリップって方法しかなかったからな(汗)」

 

 

零「……成る程な……大体分かった……なら悪いが、もう少し此処に居てくれ。ちょっとこの世界でお前達に付き合って欲しい事があるんだ」

 

 

二人の今までの経緯を聞いた零はそう言いながら二人を見つめると晃彦と勇二はそんな零の視線に疑問符を浮かべていき、零はそれに構わず今度は絢香達の方へと向き合っていく。

 

 

零「それはそうと、さっきお前が言ってた事は本当なのか?さっきツボから出て来た女が桜ノ神だって」

 

 

絢香「……はい……先程も神社の文書を見て確認しましたが、恐らく間違いないかと」

 

 

零が先程連れてきた桜ノ神について質問すると、絢香は何処からか一冊の古びた本を取り出して床に置き、あるページを開いて零達に見せていく。其処には大勢の異形達に立ち向かう鬼と龍の姿をした戦士達と、空から無数の桜の花びらを散らして異形達を薙ぎ払う桜色の着物を纏った女性……先程見た桜ノ神と同じ格好した女性の絵が描かれていた。

 

 

アズサ「この絵の人……さっきの?」

 

 

絢香「はい。これは戦国の世に、龍の籠手を持つ聖者が書き記した文書です……そしてこのページに記されている聖者と幻魔達の乱を見守っているのが、桜ノ神様なんです」

 

 

零「成る程。確かにこの絵を見た感じではさっきの女と似てるな……だが、どうしてその桜ノ神がツボに封印されていたんだ?それに肝心の幻魔神は何処に……」

 

 

絢香「それは私にも分かりません。私達はただ、ツボを守る事だけを教えられてきましたから……」

 

 

紗耶香「…………」

 

 

何故ツボに封印されていたのが幻魔神ではなく桜ノ神だったのか。そして幻魔神は一体何処に行ってしまったのか。絢香達でも分からない事態に一同は困惑してしまい暫くその場に沈黙が流れていたが、口を閉ざしていた絢香は顔を上げ零達を見つめながら語り出した。

 

 

絢香「……とにかく、今は桜ノ神様が目覚めるのを待ちましょう。何故桜ノ神様が封印されていたのかも……幻魔神の事もあの方なら知ってるかもしれませんから」

 

 

零「……それしかないようだな……」

 

 

封印されていた事も、幻魔神が何処にいるのかも桜ノ神なら知ってるに違いない。そう考えた絢香は零達に提案し、零達も仕方ないといった感じに頷き桜ノ神が目覚めるのを待つ事に決めたのだった。

 

 

絢香「……あ、そういえば零さん。気になってたんですけど、さっき零さんは桜香さんの事を名前で呼んでましたよね?零さんは桜香さんとお知り合いなんですか?」

 

 

零「ん?ああ……まあ一応はな……」

 

 

絢香が桜香の事を思い出し零に聞くと、零は若干表情を引き攣らせながら桜香との関係を話し出した。街の中で怪我をして倒れていた桜香をアズサと共に助けて治療した事。その後に桜香を病院に連れていこうとしたところ、桜香が頑なに嫌がって零を痴漢呼ばわりして逃げた事などを。

 

 

絢香「……何と言うか……災難でしたね」

 

 

晃彦「っていうか、何もしてないのに痴漢呼ばわりされて警察呼ばれるなんて……不幸過ぎんだろう」

 

 

アズサ「……因みにその前にも銭湯の女湯に転移して警察を呼ばれそうになったり、他にも女の人が乗った自転車に轢かれたりボールを打ち込まれたりしてた……」

 

 

勇二「……零さん、なんか女難が酷くなってませんか……?」

 

 

零「言うな……こっちだって散々な目に合いっぱなしで、一時は一生女に関わるのは止めようかと思い詰めたんだっ……」

 

 

紗耶香「(…アイツが街中で怪我して倒れていた?……もしかすると、その怪我は私が付けた物かもしれんな……まあ言わん方がいいかもしれないが……)」

 

 

同情の目を向けてくる一同に零は暗い影を落としながら肩を落とし、そんな零を見て密かに苦笑いと冷や汗を流す紗耶香。するとその時、部屋の襖が開いて一人の人物……別室で桜ノ神を看病していたシャッハが部屋の中に入ってきた。

 

 

シャッハ「失礼します。皆さん、少し宜しいですか?」

 

 

絢香「?シャッハさん?どうかしましたか?」

 

 

シャッハ「いえ、実は先程桜ノ神様がお目覚めになられたので、それを皆さんにお伝えしに」

 

 

零「ッ!本当か?!」

 

 

桜ノ神が目覚めた。そう聞かされた零達は驚愕して思わずシャッハに聞き返し、シャッハもそれに対し小さく頷き返した。そして一同シャッハに案内され、桜ノ神が待つ寝室へと向かっていったのだった。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

それから数十分後、零達はシャッハに案内され桜ノ神が休んでる和室へと訪れていた。そして部屋の中心に敷かれた布団の上に正座して一同と向き合う女性……桜ノ神は絢香と紗耶香を見て口を開いた。

 

 

「そうか、君達がこの神社の巫女と龍王の籠手を受け継いだ者か……」

 

 

絢香「は、はい」

 

 

紗耶香「こ、こうしてお会い出来て、光栄に思います!」

 

 

「ハハ、そう畏まらないでくれ……それで君が、私の封印を解いた者だな?」

 

 

零「まあな。と言っても、こっちは別にお前を出す気はなかったんだが……ちょっとばかりミスをしてしまったんだ」

 

 

紗耶香「お、おい黒月っ!桜ノ神様に向かってお前など……!」

 

 

「いいさそんな事。寧ろ、そうやって接してくれれば私も気が楽だ」

 

 

桜ノ神をお前呼ばわりする零に慌てて注意する紗耶香だが、桜ノ神は気にするなと宥めて紗耶香を落ち着かせ、一度咳ばらいする。

 

 

「さて……そういえばまだ名を名乗ってなかったな。私は桜ノ神……木ノ花之咲耶姫(コノハナノサクヤヒメ)だ、よろしく頼む」

 

 

アズサ「?コノハナノサクヤヒメって……日本神話に出て来るあの?」

 

 

「ん?ああいや、その神と私は別人だぞ?それは上の神が勝手に私の名前として付けただけだからな。しかし少し長すぎる気がするから……はしょって木ノ花か姫とでも呼んでくれ♪」

 

 

晃彦「いや、それはしょり過ぎじゃないか?」

 

 

自分の呼び名をはしょって名乗った桜ノ神……"木ノ花之咲耶姫"に晃彦や一同は思わず苦笑いを浮かべ、零だけは軽く息を漏らして姿勢を崩していく。

 

 

零「で、木ノ花だったか?何故お前はツボの中に封印されてたんだ?」

 

 

カリム「ちょ、零!そんな露骨に聞かなくても……!」

 

 

姫「いや、構わんさ。事情を知ってるなら疑問に思うのも無理はないからな……」

 

 

そう言いながら姫は一度瞼を閉じ、真剣な表情で零達を見据えながら淡々と語り始めた。

 

 

姫「まず始めに、私が何故ツボの中に封印されていたのかだが……アレは私自身を囮とする為だ」

 

 

勇二「囮?」

 

 

姫「そう、君達も知ってるとは思うが、私は幻魔神と奴が従える幻魔達を封印した……しかしその時、私の封印を免れた一体の幻魔がいたんだ」

 

 

絢香「ギルデンスタン……ですね」

 

 

姫「そうだ。奴は幻魔神の右腕であり、幻魔界一知力に長けた奴だからな。奴は幻魔神の次にもっとも警戒しなければならない奴だったが、私は奴を封印出来ずみすみす幻魔界へと帰してしまった……きっと奴は再びこの世へと戻り、幻魔神を復活させようと目論むに違いない。そう考えた私はツボに封印した幻魔神を別の場所に封じ―――」

 

 

零「―――自分が囮としてツボに封印されたわけか。ギルデンスタンの目を欺く為に」

 

 

姫「あぁ。例えギルデンスタンにツボを奪われて封印を解かれてしまっても、奴は私が封印されているとは知らずに動揺するに違いない。その隙に奴も封印してやろうと考えてたわけだ」

 

 

紗耶香「なるほど……敵の意表を突いて油断させる為に……まさかその為に自らを顧みず、数百年もツボの中に封印されていたとは!流石です桜ノ神様!」

 

 

姫「いや、其処まで言われるような事はしていない。結局ギルデンスタンは君達の活躍で倒されたようだし…………それにツボに封印されたいと思ったのは……そんな大層な理由じゃないんだ……」

 

 

零「……?」

 

 

感心する紗耶香にそう言いながら最後の部分は小声で呟く姫だが、一人だけそれを聞き取った零は頭上に疑問符を浮かべながら小首を傾げてしまう。

 

 

しかし今はそんなこと気にしてる場合ではないと直ぐに頭の中から疑問を消し、次の疑問を口にしていく。

 

 

零「お前が封印されていた理由は大体分かった……なら、肝心の幻魔神は何処に封印してあるんだ?」

 

 

姫「ん?あぁ、奴ならこの街の東にある霊山の山奥に封印してある」

 

 

絢香「へ?そ、それって、ギルデンスタン達が根城にしてた山ですか?!」

 

 

姫「?奴らもあそこを拠点にしてたのか?昔もあの山は、幻魔神達が根城にして何かを造ってたようだからな。彼処なら幻魔達もそう簡単に気付ないだろうと思ったんだ」

 

 

晃彦「成る程な、灯台下暗しって訳か……」

 

 

零「……単純なんだか利口なんだか……」

 

 

姫の説明に一同が納得する隣で、呆れたように溜め息を吐きながらカメラの手入れをする零。すると姫は布団から下りて零とアズサの目の前まで寄り、何処からか包みと白い箱を取り出し二人に差し出してきた。

 

 

アズサ「?何これ……?」

 

 

姫「君達の事はカリムから聞いてある。ツボが賊に盗まれた時、ツボを神社の者達と共に取り返そうとしてくれたと。これは私からのほんのお礼だ。受け取ってくれ」

 

 

零「お礼ねぇ……俺は別に良い。そんな物に為に協力したわけじゃないからな」

 

 

姫「そう言わないでくれ。君には幻魔のことで色々と世話になったみたいだし、私の面子を守るつもりで受け取ってくれ。頼む」

 

 

零「…………はぁ…………仕方ない…………」

 

 

アズサ「ん……ありがとう、ヒメ……」

 

 

流石に其処まで言われたら受け取らないワケにはいかないかと、零は諦めたように溜め息を吐きながら姫の手から包みを受け取り、アズサも白い箱を受け取っていく。

 

 

姫「さぁ、早く開けて見てくれ。きっと君も喜ぶ物に違いない」

 

 

零「ほう?其処までハードルを上げるという事は、よほどの物が入ってると言う訳だな?」

 

 

きっと自分も喜ぶ物。そう言われて内心期待が膨らませながら零は包みを開け、包みの中に入っていた物を取り出していった。それは……

 

 

 

 

『エロス48』

 

 

 

 

零「………………………………………………………………………………………」

 

 

 

包みから出て来たのは表紙にスカートをめくって下着を露出させる女性の姿が写った本……俗に言う、エロ本であった。

 

 

姫「君が幻魔達と戦ってクタクタだろうと思ってな。疲れると結構アレなんだろ?アッレ♪」

 

 

零「……………………………………………………」

 

 

姫「ん?どうした?」

 

 

絢香「……って?!な、なななななな何を渡してるんですか姫様ッ?!!」

 

 

姫「うむ?何って、年頃の男子が喜ぶものと言ったらコレだろ?もしかしてマニアック系が良かったか?」

 

 

零「そういう事を言ってるんじゃないっ……」

 

 

姫「そうか?だがあんまり好評ではないみたいだな…よし、では別のプレゼントもやろう」

 

 

零「はじめっからそっちを出せっ!!全く、何だってこんな物――――!」

 

 

包みとエロ本を隣に置き、愚痴をこぼす零。そんな零に姫はスマンスマンと笑いながら謝って代わりのプレゼントを差し出してきた。それは……

 

 

 

『機動避妊用具コンドム00』

 

 

 

零「…………………………………………………………………………………」

 

 

 

何かどっかで聞いたロボットアニメを捩ったような商品名がドンッ!と載せられた青い箱……アレな行為の時に女性に子供出来ないないように男子が身につけるアレが入った箱だった。

 

 

姫「ウンウン、これは年頃の男子にとって本当に必要な物だしな。携帯してても損はないぞ♪」

 

 

零「……………………………………………………………………コイツ殴っていいか…………?」

 

 

晃彦「ちょお?!ま、待て待て待て待て待てッ!落ち着け零ッ!!一旦落ち着けッ?!」

 

 

勇二「その人もきっと悪気があったワケじゃないですからッ!!一度落ち着きましょう?!ねっ?!」

 

 

今にも拳を振りかざし姫に殴り掛かりそうな雰囲気を漂わせる零を必死になって落ち着かせようとする晃彦と勇二。とそんな時……

 

 

アズサ「……?零、これ何だか動いてるみたいなんだけど……これは何?」

 

 

零「…………は?」

 

 

横からアズサが姫から受け取った白い箱を零に見せながら首を傾げ、それを聞いた零は危ない雰囲気を消しアズサが持つ白い箱へと目を向けた。すると……

 

 

 

 

―ヴイィィィィィィッ……ヴイィィィィィッ……!―

 

 

 

零「……………………………………………………」

 

 

『………………………………………………………』

 

 

アズサ「?」

 

 

 

……白い箱全体が小刻みに奮え、中から機械のような物が振動する怪しげな音が聞こえてきていたのである。

 

 

零「……………おい………お前一体何入れた……?」

 

 

姫「ん?何って、使い方によっては君でも使えるものだぞ?主に後ろとか」

 

 

―パシッ!―

 

 

アズサ「……あ」

 

 

姫が言い切ると同時に零はアズサの手から白い箱を掴み取って立ち上がり、襖を開いて全力で空に向かって投げ飛ばした。

 

 

姫「あぁッ?!なんてことをするんだ君は?!せっかくのプレゼントを!」

 

 

零「やかましいわッ!アズサに何をやろうとしてるんだお前はッ?!」

 

 

姫「えぇ、アレではダメだったのか?……あぁ、アズサはロー〇ー派なのか」

 

 

勇二「いやそういう事じゃないから?!てかまだ言ってるよこの人?!」

 

 

零「そういうネタは色々と批判食らうから止めろッ!というかそんなのアズサにやるくらいなら自分で付けてろ馬鹿者がッ!」

 

 

姫「……悪いがそれは出来ない……それは私の主義に反するからな」

 

 

零「は……お前の主義?」

 

 

いきなり真剣な顔つきで腕を組みながら告げた姫に思わず押し黙る零。そして姫はキリッとした表情で零を見据えながら……

 

 

姫「そうだ、私は……下着とナプ〇ン以外は身に付けない主義だッ!!」

 

 

晃彦「何カミングアウトしてんのこの人ッ?!」

 

 

零「……というか、俺は神でもそういうの付けるんだって少し驚いたぞ今……」

 

 

カリム「って何処を見て関心してるんですか零ッ!」

 

 

コイツがこれなら、アテナとか冥王とかもそういうの付けてるのか?と姫の股を見下ろして関心する零に顔を赤くさせながら注意するカリム。

 

 

姫「だがまあ、今は下着を履いてないからナプ〇ンも付けられないんだがな……」

 

 

零「……は?履い……てない?」

 

 

姫「ん…?あぁ、ノーブラノーパンだが?」

 

 

『…………………はい?』

 

 

何か平然とした顔でサラリと言って除けた姫に思わず面が点となる一同。で……

 

 

シャッハ「――ってっ?!な、なななななな何をおっしゃるんですいきなり?!というか履いてないッ?!」

 

 

姫「何を驚いている?当然だろう?戦国の世にブラとパンツがあると思うか?」

 

 

絢香「だからってわざわざ公言する事ないでしょうッ?!というかそれなら早く何か付けて下さい!!」

 

 

姫「ん?まあ確かに少しスースーするが……これはこれで悪くないぞ?寧ろこの状態を見られていると思うと……非常に興奮するじゃないか」

 

 

零(駄目だコイツ、早くなんとかしないとっ……)

 

 

何の恥じらいもなくノーブラノーパンを公言した上、それを悪くないと言ってる辺り既にヤバい。そう思った零は話しの展開に付いていけず小首を傾げるアズサを横目に見ると、姫に近づいて右手を掴みそのまま姫を引っ張りながら部屋から出ていこうとする。

 

 

紗耶香「お、おい待て黒月!何処に行く気だ?!」

 

 

零「決まってる!街に行ってコイツの日用品を揃えて一般常識を身に付けさせる!このままコイツを放っておけば、主にアズサとかに余計な知識を植え付けかねんだろう?!」

 

 

勇二「いやけど……その恰好で街を歩かせたらかなり目立つんじゃ……」

 

 

零「……むっ……」

 

 

勇二に言われて足を止め、零はジト目で振り返り姫の恰好を見下ろしていく。桜色と白の着物、冠のような金のかんざし。……確かにこんな恰好で街を歩いたらかなり目立つに違いない。

 

 

姫「な、なんだ?人の恰好をジロジロ見て……照れるじゃないか……」

 

 

零「……お前、その恰好をどうにか出来んか?そんな恰好じゃ碌に外にも出られんだろう……?」

 

 

姫「恰好?……ふむ……言われてみれば、確かにこの時代では人目に付くかもしれんな……」

 

 

零に指摘され自分の恰好を見下ろしながらそう言うと、姫は部屋の中を見渡して何かを物色していき、床に座るアズサを見てゆっくりと近づいていく。

 

 

アズサ「……?何?」

 

 

姫「ふむ……君のがちょうどいいかもしれんな。少し真似させてもらうぞ?」

 

 

『?』

 

 

アズサを見てそう告げる姫の考えが読めず、疑問げに首を傾げる一同。そして姫はアズサから少し離れると両目をつむり、両手を合わせて神に拝むようなポーズを取った。とその時……

 

 

―……シュウゥゥゥゥ……パアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!―

 

 

『なっ?!』

 

 

零「な、何だ……?」

 

 

突然姫の両手からまばゆい光りが放たれ、部屋の中を照らし始めたのだ。そして光りは徐々に広がって姫の身体を包み込んでいくが、数秒もしない内に輝きが弱まって消え去っていった。すると其処には……

 

 

姫「――ふむ、中々良い感じに出来たな。思ったより上出来だ♪」

 

 

……其処には光に包まれた姫が嬉々とした表情で立っていたが、その格好は先程と変わっていた。

 

 

少し控え目なデザインの桜色と白のシャツに、女の子らしい長くも短くもない普通くらいの丈のスカート。

 

 

色は違うが、その格好は今アズサが着ている物と同じ服装だった。

 

 

アズサ「?私と同じ服……」

 

 

姫「ふふ、すまんなアズサ。少しばかり君の服を真似させてもらったよ」

 

 

晃彦「ま、真似させてもらったって……というか今のどうやって?!」

 

 

姫「何、簡単さ。少しだけ神の力を使ったんだ」

 

 

カリム「神の力……ですか?」

 

 

神の力を使った。微笑みながらそう告げた姫に不思議そうに首を傾げる一同に、姫は苦笑してスカートの端を掴みながら説明を始めた。

 

 

姫「まあ分かりやすく言えば、私はアズサの服を神の力を使って創造しただけだ。それが私の神としての力……『様々な奇跡を具現化出来る』力だ」

 

 

零「……なんか聞いた感じじゃチート臭がかなりする力だな……」

 

 

姫「別にそんな大したものじゃないぞ?大体私もある事にしかこの力は使わないからな。君が思ってるような力の使い方はしていない」

 

 

絢香「?ある事にしか力を使わないって、じゃあ普段はどんな事に力を使ってるんですか?」

 

 

姫「んー?そうだな……主にナプ〇ンばかり創造してたな。アノ日が近づくにつれて」

 

 

零「Wa~oすげぇ力の無駄遣いだぜー……」

 

 

というかナプ〇ン創るより他に力の使い道ないのかと思わずツッコミを入れたくもなる零だが、またボケられても困るので言葉を飲み込んだ。

 

 

姫「むぅ、しかしスカートにしたら余計にスースーしてきたな……というか、風でスカートがめくれたら見えるんじゃないか?履いてないのが」

 

 

勇二「じゃあ駄目じゃんッ?!」

 

 

零「ふむ……なあカリム、お前下着とか持ってるか?」

 

 

カリム「は?……え、えぇ……持ってると言えば持ってますが……」

 

 

零「そうか……なら少しの間、お前のををコイツに貸してやってくれないか?どうやらコイツのウエストはお前とほぼ同じのようだし」

 

 

カリム「え?……私と……ほぼ同じ?」

 

 

姫とカリムのウエストはほぼ同じ。淡々とした口調でそう発言した零にカリムは一瞬呆然となり、すぐにジト目で零を見上げてきた。

 

 

カリム「待って下さい零……何故姫さんと私のウエストが同じだと分かるんですか?」

 

 

零「?何故って、そんなの見ただけで分かるに決まってるだろ?どうやらあの女もお前と同じで其処まで胸に脂肪があるタイプではないみたいだし……」

 

 

カリム「んなっ?!」

 

 

零「ああいや、お前の方は前より増えてるのか……またデカくなったみたいだな?一体どれだけ成長させたら気が済む?特に上は前までは80くらいだったのに今は9――」

 

 

カリム「って何を言おうとしてるんですか貴方はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」

 

 

―ドグオォッ!!!!―

 

 

零「ガハァッ?!!」

 

 

何かのサイズを言おうとした零にカリムが顔を真っ赤に染めて悲鳴をあげながら拳を振りかざし、零の溝に渾身のボディブローを打ち込んでKOさせたのだった。そしてカリムは腹を抑えながら悶える零を無視し、姫に近づいで手を取った。

 

 

カリム「さあ着替えに行きましょう姫さん!私ので良ければ幾つかお貸ししますから!!」

 

 

姫「む?そう言うことなら助かるが……何か零が床を転がって悶えてるがいいのか?」

 

 

カリム「良いんですっ!!シャッハ!貴女も手伝って下さい!絢香さんと紗耶香さんもお願いしますっ!!」

 

 

絢香「は、はい……」

 

 

紗耶香「わ、分かった……」

 

 

シャッハ「……黒月教導官……南無です……」

 

 

カリムは顔を真っ赤に染めたまま姫を着替えさせる為絢香達と共に部屋から出ていき、シャッハは零に一度合拳するとカリム達の後を追って部屋から出ていった。

 

 

零「ぐおぉぉぉぉぉぉ……何故だぁ……何故俺が殴られなければならんのだぁぁぁぁぁぁ……」

 

 

勇二「いや、今のは流石にマズイでしょう……完全にセクハラでしたし」

 

 

晃彦「寧ろ殴られた程度で済んで良かったんじゃないか……」

 

 

アズサ「……零、もしかして学習能力ない?」

 

 

シロ『にゃー』

 

 

床に俯せる零が晃彦と勇二に看護される中で、その隣で三人を見つめながら簡単に結論を纏めるアズサとシロであった。

 

 

 

 

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