仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―ドゴオォォォォォォォォォォオンッ!!!―
鬼王『キャアァァァァァァァァァァアッ!!!』
そして場所は戻り、山頂にある空洞の中では鬼王がフォーティンブラスの打撃を受けて吹っ飛ばされ、壁に叩き付けられた衝撃で桜香へと戻ってしまっていた。フォーティンブラスはそんな桜香を見てつまらなそうに首の骨を鳴らし、ゆっくりと桜香へと近づいていく。
『つまらんな……これでは準備運動にもならん……これなら昔遊んでやった貴様の祖先の方がもっと楽しめたぞ?』
桜香「ぁ……くっ……こんのぉっ……!」
『まぁ、蟲相手では勝負になるはずもないか……ああそうだ。殺す前に聞くが、桜ノ神は今何処にいる?』
桜香「っ……知らないわよ……そんな事っ……!」
『……つくづく使えん蟲だ……だったらもういい……さっさと死ね』
敵意を込めた目で睨みつけてくる桜香にフォーティンブラスは興味を無くしたように息を吐き、指先に膨大なエネルギーを溜めながら桜香に向けていく。そしてそれを見た桜香は悔しげに唇を噛み締めると目の前にある物……昨日零に貰ったお守りが落ちている事に気付き、ボロボロの身体を引きずりながらお守りを手に取った。
桜香(っ……ごめんね……皆……お姉ちゃん……皆の居場所……守ってあげられなかったっ……)
右手でお守りを強く握り締めながら、胸の中で孤児院の子供達に悔しげに謝罪する桜香。そして昨日話した青年……零の姿を思い浮かべ、桜香はゆっくりと瞳を伏せた。
桜香(ごめんね零、貴方にも謝っておく……あの子達を……絢香達のことを……お願い……)
『――死ね。その薄汚い姿を見ているだけで……吐き気がする』
―ジジジジッ……ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!!!―
蔑むように笑いながらそう告げると、フォーティンブラスは指先から巨大な閃光を勢い良く撃ち出し、閃光はそのまま桜香を飲み込もうと地面を消し去りながら一直線に向かっていった、その瞬間……
―バッ!!―
零「させるかああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあーーーーーっっ!!!!!」
『……あ?』
桜香「っ?!え?―ガバッ!―キャアァッ?!」
閃光が桜香を飲み込もうとした瞬間、突然桜香を捜しにやって来た零がその場に飛び出し、直ぐさま桜香を抱き抱えてその場から飛び退いていった。そして標的から外れた閃光はそのまま上空へと軌道を変え、空の彼方へと消えていったのであった。
零「ハァ…ハァ…ハァ…なんとか間に合ったかっ……桜香、無事か?!」
桜香「っ……零?貴方……どうして……?」
零「どうしても何もあるか!昨日は一人で戦わないって言った癖に、勝手に幻魔神と戦いやがってっ……!」
桜香「……仕方ないじゃない……こんな状況だったんだし…………でも…………」
一人で勝手にフォーティンブラスと戦った事に対して怒鳴る零とは対照に、桜香は零に抱き抱えられながら右手に持つお守りを見下ろして微かに微笑んだ。
桜香「貴方が来てくれたのは……ちょっと嬉しかった、かな……このお守り……結構効くじゃな…………い…………」
零「ッ!桜香?!しっかりしろ桜香!!―ズガガガガガガガガガガガガッ!!―ッ?!」
気絶した桜香の体を慌てて揺さ振る零だが、突然不意を突くように背後から無数の剣や槍が襲い掛かり、零は桜香を抱き抱えてその場から飛び退き辛うじて回避した。そしてその剣や槍が撃たれてきた方には、フォーティンブラスが不愉快な顔で零を睨みつけていた。
『貴様……一体誰の断りを入れてその女を助けている?その女はこの我が死ねと申したのだ。ならば即この世界から消えるのが筋であろう!!』
零「……随分と自分勝手なことを言ってくれるな……お前が幻魔神とやらで間違いないか?」
『質問しているのはこっちだ……偉大な神であるこの我が貴様のような蟲ごときに質問してやってるのだぞ?慎んで答えるのが貴様達蟲の責務であろうが!!』
零「ッ!」
フォーティンブラスはそう叫びながら何処からか無数の剣や斧を呼び出して自身の背後に浮かせていき、そのまま零に向けて一斉掃射していった。それを見た零は桜香を抱えたままそれらを避け、ディケイドライバーを装着してフォーティンブラスと戦おうとした。が……
―ズガガガガガガガガガガガガガガガガンッ!!!―
『……ん?』
零「ッ!この攻撃は…?!」
零が変身しようとした瞬間にフォーティンブラスの足元に無数の銃弾が撃ち込まれ、零はそれに驚きつつも銃弾が放たれてきた方へと振り返った。すると其処には二人の戦士……仮面ライダーエグザムとディライトに変身した晃彦と勇二が、それぞれエグザムカリバーとライトブッカーGモードを構えながら立っていた。
零「晃彦?!勇二?!何で此処に?!」
エグザム『何でもあるか!お前が勝手に神社を飛び出すから、こうして追ってきたんだろうが!』
ディライト『それで追ってきてみれば何だか変な事になってるし……とにかく、零さんはその人を連れて逃げて下さい!そいつは俺と晃彦で倒します!』
零「何?……ま、待て?!迂闊に手を出すな!!」
フォーティンブラスと戦おうとするエグザムとディライトを見て慌てて止めようと叫ぶ零だが、二人はそれを聞かずにそれぞれの武器を剣に切り替えながらフォーティンブラスに振りかざしていく。しかし、フォーティンブラスは二人の攻撃をつまらなそうに軽々とかわしていってしまい、逆に攻撃した後に出来る隙を突いて二人を殴り飛ばしてしまう。
エグザム『ウグァッ!』
『うっとうしい奴らめ……蟲が何匹集ろうが結局は同じだと言う事が分からんのか?』
ディライト『クッ!クソ!だったらコイツだ!』
蠅を払うように次々と二人を殴り飛ばすフォーティンブラスにディライトも分が悪いと感じたのか、フォーティンブラスから距離を離して何処からか一つの端末……ケータッチを取り出し、コンプリートカードを装填してパネルをタッチしていく。
『BRAVE!SEIYA!DRAGONKNIGHT!UNICORN!BLADE!ENKI!WINGZERO!NEXDEN-O!KINGKIVA!』
『FINALKAMENRIDE:DELIET!』
九つの紋章をタッチした後にディライトの紋章をタッチしたと同時に電子音声が鳴り響き、それと共にディライトはマゼンタとシアンブルーの鎧に肩と胸に九人のライダーのカードが並んだヒストリーオーナメントが装着された姿……ディライト・コンプリートフォームへと変わり、ディライトは更にケータッチを操作していく。
『WING ZERO!FORMCHANGE:CUSTOM!』
電子音声と共にディライトがバックル部にセットすると徐々に姿を変えていき、青と白の装甲に純白の翼を背中に持ったライダー……『ウィングゼロカスタム』へと変身したのであった。そしてウィングゼロは左腰に装着したパーフェクトハイパーゼクターを弾くように叩いた。
ウィングゼロC『コイツならどうだ!』
『Perfect Clock Up!』
電子音声が鳴り響くと共に周りの風景が一瞬でスローモーションとなり、ウィングゼロはハイパークロックアップの約1000倍の速さでフォーティンブラスへと突っ込んで殴り掛かっていく。が……
『――――フンッ』
―ガシィッ!―
ウィングゼロC『…ッ?!なっ?!―ガキイィィィィィィィィィィインッ!!―ウグアァッ?!』
なんと、フォーティンブラスはウィングゼロの放った拳を意図も簡単に掴み取ってしまい、そのまま大剣でカウンターを放ちウィングゼロを斬り飛ばしてしまったのだ。更にフォーティンブラスは瞬間移動を使ってウィングゼロが吹き飛ばされた方へと先回りし、大剣をウィングゼロの肩に叩き付けて動きを封じてしまう。
ウィングゼロC『ウグッ!馬鹿なっ……パーフェクトクロックアップと互角だと?!』
『フン……完璧だが何だか知らんが、貴様等が戦っている相手が誰か分かってるのか?神!究極など越えた絶対なる存在!貴様等蟲共を創造した、お前達下郎共の主だ!!』
―バチバチバチバチッ……ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガアァァァァァァァァァァアンッ!!!―
ウィングゼロC『?!ウグアァッ?!』
フォーティンブラスは高らかに叫ぶと同時にウィングゼロに手の平を翳し、そのまま高出力の神氣を込めたエネルギー波を放ってウィングゼロを吹っ飛ばしてしまい、ウィングゼロは地面を転がりながら通常形態へと戻ってしまった。
零「――……?!!勇二ッ?!!」
エグザム『なっ?!勇二ッ!!』
地面に倒れるディライトを見て零とエグザムは驚愕の表情を浮かべ、エグザムは慌ててディライトへと駆け寄り身体を起こしていき、フォーティンブラスはそんな零達を見て嘲笑いを浮かべながら近づいていく。
『ハハハ!蟲にしては良く持つが、それもあと数撃か……ならば、貴様等へのトドメはこれで十分だろう……』
そう言ってフォーティンブラスは大剣を消し、右腕をゆっくりと掲げていく。その瞬間フォーティンブラスの周りに九つの残像が出現していき、そのままフォーティンブラスへと重なって姿を変えていった。その姿とは……
ディライト『くっ……?!アレは?!』
零「勇二の……ディライトだと?!」
そう、フォーティンブラスが変えた姿とは、先程ディライトが強化変身したのと同じディライト・コンプリートフォームだったのだ。突如フォーティンブラスが変身したディライトを見て零達が驚愕と戸惑いを浮かべる中、ディライト(フォ)はライトブッカーから一枚のカードを取り出し右腰のバックルにセットした。
『KAMENRIDE:ALLR・R・R・RIDER!』
電子音声が響くと共にディライト(フォ)の左右に九人のライダー達……最強フォームとなったブレイブ達が出現してエグザムとディライトに身構えていき、ディライト(フォ)は更にカードを取り出して嘲笑いを浮かべた。
ディライトC(フォ)『蟲は蟲の造り出した業で死ぬのが相応しい……だから貴様等は――』
ディライト(フォ)はそう呟きながら取り出したカードを右腰のバックルへと装填し、そして……
ディライトC(フォ)『――此処で死ね』
『FINALATTACKRIDE:ALLR・R・R・RIDER!』
『ハアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァアッッ!!!!』
―シュウゥゥゥゥゥゥ……ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!―
ディライト『クッ?!グアアアアアアァァァァァァァァァァァァァアッーーーーっっ?!!!』
エグザム『ウグアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッーーーーっっ?!!!』
零「?!!勇二?!晃彦ォッ!!」
ブレイブ達の最強技が全てディライトとエグザムへと炸裂し、最強技を諸に受けてしまった二人は勢い良く吹っ飛ばされながら変身が解除されて勇二と晃彦へと戻ってしまい、その光景を見た零は直ぐさま走り出し壁に激突しようとした二人のクッションとなって二人を受け止めた。
零「ぐぅっ!ゲホッガハッ!!くっ……晃彦、勇二、無事か?!」
勇二「くっ……ぅ……零さんっ……俺は大丈夫ですがっ……晃彦がっ……!」
零「何?……晃彦?おいしっかりしろ?!晃彦!!」
晃彦「………………」
勇二に言われて零はすぐにボロボロになってしまった晃彦の体を必死に揺さ振るが、気絶でもしているのか晃彦から返事は返ってこなかった。その間にディライト(フィ)は変身を解除してフォーティンブラスに戻り、気絶した晃彦を見て腹を抱えながら笑い出した。
『ふ、はは!ははははははははははははははは!!!中々しぶといな蟲共?!!あれだけの攻撃を受けていながらまだ死なんとは……ああそうか?それが貴様等の唯一の取り柄だからなぁ?ふははははははははははははははははは!!!!』
零「ッ?!貴様あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーっっ!!!!」
『KAMENRIDE:DECADE!』
高らかに笑い出したフォーティンブラスを見て零は直ぐさまドライバーを装着し、カードを装填してディケイドに変身しながらフォーティンブラスの腰にしがみつき、そのまま勇二達から引き離していく。
勇二「零さんっ?!」
ディケイド『グゥッ!勇二!!早く晃彦を連れて逃げろ!!』
勇二「?!けど!それじゃ零さんは?!」
ディケイド『いいから早く逃げろ!!!此処に居たら全員殺される!!!急げぇ!!!』
勇二「ッ!!っ……クソッ!!」
余裕が全くないディケイドの声を聞いて今の状況がどれだけ危険かすぐに悟ったのか、勇二はすぐさま気を失った晃彦を担いで山から駆け降りていく。
それを見たフォーティンブラスはディケイドの背中を殴り付けて地面に沈めると勇二達の後を追おうとするが、ディケイドは行かさないと言わんばかりにフォーティンブラスの足にしがみついて動きを止めた。
『ッ!蟲風情が……けがわらしい手で神に気安く触れるでない!!』
―ガキイィンッ!!ガキィッ!!ドガアァッ!!―
ディケイド『ぐあぁッ!』
フォーティンブラスは自分の足にしがみつくディケイドを見て逆鱗し、右手に大剣を召喚してディケイドをボールのように斬り飛ばしてしまった。そして自由になったフォーティンブラスは勇二達の方に視線を戻すが、其処には既に勇二達の背中は見えず軽く舌打ちした。
『チッ……蟲二匹を仕留め損なったか……』
勇二達を逃がしてしまったことに対して不快そうに舌打ちし、フォーティンブラスはそのまま地面に倒れるディケイドへと歩み寄って背中を踏み付けた。
ディケイド『アグゥッ?!グアァ……!』
『あの二匹を逃がしたせいで苛立ちが治まらん……これも全て貴様のせいだ……鬱憤払いに付き合え』
ディケイド『グゥッ!……な……にっ……?』
背中を踏まれたまま思わず聞き返すディケイドだが、フォーティンブラスは口元を不気味に歪めながらディケイドを踏み付けていた足を上げ、そのまま勢い良くディケイドに向けて足を振り下ろした―――
◇◆◆
『キシャアァァァァァァァァァァァァァァアッ!!』
勇二「ハァ!ハァ!ハァ!クソッ!何処まで追ってくんだよアイツ等?!」
そして同じ頃、山頂の空洞から免れた勇二は晃彦を担ぎながら山の中を駆け降り、背後から追い掛けてくる幻魔達の追跡から逃れようとしていた。そして勇二は走っている最中に岩を見つけ、晃彦と共にその岩の影に隠れて幻魔達をやり過ごした。
勇二「ハァ!ハァ!ハァ!……一先ず……何とかやり過ごしたか……?」
怪我を負った身体で走ったせいか、全身がひどくズキズキして流血も止まらない。それでも何とか神社まで戻って晃彦の治療をしなければと思い、勇二は辺りを見渡して幻魔達がいない事を確認すると晃彦を背負って山を下りようとした。その時……
―ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!!!!―
『ウグアァッ?!!グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアーーーーーーーーーッッ?!!!!!!!』
勇二「――?!今の声……零さん?!!」
山頂から突然けたたましい轟音と断末魔のような悲痛な叫び声が聞こえ、勇二はその声がディケイドのものだと気付いて山頂へと振り返った。
―ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!!!!―
『ガアァッ?!!ウグアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアーーーーーーッッ?!!!!!!!』
勇二「零さん!!くっ……?!」
ディケイドの断末魔のような声を聞いて勇二は思わず山頂に向かおうとしてしまうが、先程のディケイドの言葉を思い出してその場に踏み止まった。今自分達が戻ってもなにも出来ない。それに晃彦を早く治療しなければ、手遅れになるかもしれない。そう思った勇二は顔を俯かせて苦悩の表情を浮かべた。
―ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!!!!―
『ウアァッ?!!ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアーーーーーーーーッッッ?!!!!!!!!』
勇二「くっ……っ……すみません零さんっ……晃彦を連れて帰ったら必ず戻りますからっ……待ってて下さい!!」
今にも死んでしまうのではと思ってしまうディケイドの絶叫を聞きながらそう呟くと、勇二は晃彦を背負いながら急いで山から下りていくのだった。