仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―――忘れはしない……
お前が全てを忘れようとも、俺は忘れたりはしないぞ……零……
俺はずっと待っていたんだ……
あの熱と血の舞台で、お前に崇高な血と誇りを貶められた屈辱の日から、ずっと……ずっと……
◆◇◆
――???年前。???の世界……
「―――ギ―――ア―――アアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッッ?!!!!!!!!!!!」
……爆煙に包まれる紅い空に鳴り響く、断末魔に近い悲痛な絶叫。
その絶叫を上げるのは一人の青年。しかしその右腕は存在せず、青年の傍らには青年の物と思われる右腕が無造作に転がっていた。
そんな右腕を失った痛みでのたうちまわる青年の目の前には、右手に鮮血が粘り着いた黒い剣を持つ漆黒の髪の青年が、紫色に輝く両目で右腕を失った青年を見下ろしていた。
漆黒の髪の青年は憎悪、殺意、哀しみが入り混じった瞳で倒れる青年を睨みつけ、右腕を失った青年は悔しげに唇を噛み締めながら漆黒の髪の青年を見上げた。
「あ、有り得ない……!!こんなの有り得ない!!俺は、俺は選ばれた人間なんだ!!なのに、なんでお前ごときにっ?!!」
「…………」
漆黒の髪の青年は何も答えない。代わりにゆっくりと右手に持つ剣を振り上げ、そして……
―……ズシャアアアアァァァァァァァッッ!!!!―
「?!ア――――アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ?!!!!!!!!」
……倒れる青年の左足を何の戸惑いもなく斬り落とし、左足を失った青年は再び天を貫くような絶叫を上げていったのだった。
しかし、漆黒の髪の青年はそんな青年の反応に興味がないと言った顔を浮かべ、剣の切っ先を青年に向けていく。
「答えろ……アルテマは今何処にいる……」
「があぁっ!!ぐがぁ!!ぁ……は、ははははは……だ、誰がお前みたいな人形なんかに……!!」
「…………」
―フッ……ズシャアアァァァァァァァァアッ!!!―
「っっ?!!!うあぁ……いがああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっっ?!!!!」
質問に答えなかった瞬間、漆黒の髪の青年の持つ剣が残った左腕を簡単に斬り飛ばしてしまった。
ほんの一瞬の出来事に青年も反応が遅れるが、すぐに傷口から噴水のように鮮血を噴き散らしながら三度目の絶叫を上げた。
「もう一度質問だ……アルテマは今何処にいる……」
「ひがっ……ぐっ……お、お前っ……一体誰に手を出しているのか、分かってるんだろうなっ……俺はお前みたいな人形とは違うんだぞ?!!俺は―ドガアァッ!!―アガァッ?!!!」
両腕、片足を失いながらもなにかを抗議しようとする青年だが、それを遮るように漆黒の髪の青年が青年の頭を地面に踏み付けた。
漆黒の髪の青年は有無を言わせないと言わんばかりにジリジリと青年の頭を踏みにじり、冷たい瞳で青年を睨みつける。
「質問しているのはこっちだ……答えろ。アルテマは今何処にいる……」
「ぐあぁ……がっ……!」
頭を踏み付けながら冷たい口調で再び問いかけていく漆黒の髪の青年。
まるでゴミのように踏み付けられる青年はそんな漆黒の髪の青年を睨むが、突然不気味な笑みを浮かべて笑い出した。
「く、はは、はははははははははははははははは!!どうせお前にアルテマを殺す事なんて出来ないさ!!あの女に挑んでも、お前が殺されるのは目に見えてるんだからなぁ!!」
「…………」
「あはははははははは!!可哀相になぁ?!あれだけあの女の為に尽くしたのに、結局は捨てられたんだよお前は!せいぜい絶望しながら惨めに死んでいけばいいさ!!お前が殺したあの女、リィル・アルテスタのようになぁ?あは、あははははははははははははははははははははははははははははは!!!!」
「…………」
壊れた人形のように狂った笑い声を上げ続ける青年。
漆黒の髪の青年はリィルという名を聞いた瞬間顔から感情が消え、今まで踏み付けていた青年の頭をボールのように蹴り飛ばし、数十メートル先まで地面を滑りながら吹き飛んでいった。
「がぁっ?!うあっ……ぁ……?!」
「……アルテマの居場所を聞き出してから殺そうかと思ったが……気が変わった……」
そう呟きながら漆黒の髪の青年は吹き飛んだ青年の下まで歩み寄り、濁った瞳で血だらけの青年を見下ろしながら剣を振り上げていく。
「楽には殺さん……死んだ方がマシだという様な地獄を味わせてから、あの世に送ってやる……」
「……ひ、はは、はははははははははははははは!!俺は死なない!!俺はお前みたいな道具とは違う!!特別なんだ!!お前みたいな、お前みたいな使い捨ての人形とは違うんだああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーっっ!!!!」
狂った笑い声と絶叫を空に向けて響かせる青年。
漆黒の髪の青年は人間とは思えない冷たい瞳でそんな青年を見下しながら、振り上げた剣を勢いよく振り下ろしていったのだった――
◆◆◆
―――現在……
ヴェクタス『――ウアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァア!!!!!!!……ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……』
絶叫を上げながら勢いよく上体を起こし、肩で息をして目覚めたのは漆黒の仮面のライダー……組織のNo.2である仮面ライダーヴェクタス。
アジトにある自室のベッドで休んでいた彼は辺りを見渡し、殺風景な自分の部屋を見て先程の光景が夢だと分かり、苛立ちを込めてベッドを殴りつけた。
ヴェクタス『クソがっ……またあの夢かっ……また、あの時のっ……』
ヴェクタスは忌ま忌ましげに呟きながら暫くベッドの上で休むと、ゆっくりとベッドから立ち上がって天井を仰いだ。
ヴェクタス『……俺は忘れんぞ、零……俺をこんな姿に変えた借り……必ずお前に返してやるっ……』
憎悪に満ちた声で天井を見上げながらそう呟いていると、目の前に一枚のパネルが出現した。
黒髪の青年……組織のNo.1である闇無終夜である。
終夜『ヴェクタス、今すぐ王座の間に来い』
ヴェクタス『……いきなりだな……また新しい任務か?』
終夜『そうだ、お前に探して来て欲しい物がある……詳しい内容はこちらで説明するから、準備を済ませたら王座の間に来い』
ヴェクタス『人使いの荒い奴め……ああ、了解した』
軽くそう答えると共に通信パネルは消え去り、ヴェクタスはそれを横目で見るとそのまま自室の入り口へと向かい、部屋を出て終夜達の待つ王座の間に向かっていったのだった。
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