仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
/桜ノ神の世界⑮ー決戦3]
―桜ノ町・公園―
一方、町の中心に位置する公園では信長と戦闘を開始したディエンド(ベル)達の姿があった。周りの幻魔達は三人の巧みな連携によって既に全滅してるが、異形の怪物と化した信長に圧され、三人は回避で精一杯という状況に置かれていた。
『ヌンッ!!』
―ドガシャアァァァァァァァァァァアッ!!―
ディエンド(ベル)『くッ!中々面倒ね、アイツ……!』
天海「確かにっ、私が以前戦った時とは比べ物にならない……以前とは違うとは良くいった物だ……」
アスファルトの地面すら簡単に粉々にしてしまう信長の一撃を見てそう呟くと、ディエンド(ベル)と天海はバックステップで後退していく。だがその時、そんな二人の間を何か……虎鬼が勢いよく追い抜いた。
天海「なっ?!待て鋼っ!迂闊に近付くなっ!」
虎鬼『このメラメラ野郎!俺が相手だぁーーっ!!』
真っ正面から信長へと突進していく虎鬼を見て静止を叫びを投げ掛ける天海だが、虎鬼はそれを聞かずに地を蹴って上空へと飛び上がり、両手にオーラのような物を集約させていき……
虎鬼『行っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!炎気技・咆咆弾ッ!!』
虎鬼が両手を信長に向けて勢いよく突き出すと、両手から虎の姿を模したオーラが撃ち出され信長へと飛び掛かっていった。だが……
『――フンッ!』
―バシュウゥッ!!―
虎虎『いっ?!―ドガシャアァッ!!―ウアァァァァァァァァァァアッ?!!』
天海「鋼ッ!」
信長は拳を飛ばしただけで咆咆弾を打ち消し、更にそのまま虎鬼を殴り飛ばしてディエンド(ベル)と天海の下まで吹っ飛ばしてしまったのだ。天海は咄嗟に前に飛び出て吹っ飛んできた虎鬼を受け止めていき、信長はそれを見つめながら三人へと近付いていく。
『どうした左馬介よ?逃げてばかりいないで、少しは其処の小僧を見習って向かって来たらどうだ?』
ディエンド(ベル)『ちっ、こっちが下手に攻められないって分かってる癖に……!』
天海「だが、逃げてばかりではいられないのも確かだ……一体どうするか……」
パワーは完全に信長の方が上だ。正面から力比べしても虎鬼のように返り討ちにされるのは目に見えている。だとしたら一番得策なのは……
天海「――ベル。少しの間、奴の気を引けるか……?」
ディエンド(ベル)『?まぁ、出来ないって訳じゃないけど……』
天海「ならば、一瞬だけ奴の注意を引き付けてくれ。其処を私達が……」
ディエンド(ベル)『……成る程ね……でも、ちゃんと決めなさいよ?私でもそんなに長くは持たないんだからね……』
近付いてくる信長を見据えながら天海にそう言うと、ディエンド(ベル)は何処からか一本のガイアメモリを取り出し、ボタン部分を人差し指で押していく。
『VANITY!』
ディエンド(ベル)『これはあまり使いたくなかったんだけど、今はそうも言ってらんないわよねっ!』
『VANITY DI-END!』
そう言ってディエンド(ベル)がガイアメモリをディエンドライバーに取り付けられたスロットに装填すると電子音声が響き、それと同時にディエンド(ベル)の身体が突如成長していき、更に背中から黒い翼が生えていった。
『ッ!姿が変わった?』
ディエンド(ベル)『っ……覚悟しなさいよ信長?消し飛ばされないように気を付けなさいッ!』
ヴァニティメモリの強大な力に若干よろめきつつも、ディエンド(ベル)は信長に対し強気な口調で叫びながらヴニティメモリを抜き取り、ディエンドライバーに取り付けられたマキシマムスロットへと装填していった。
『VANITY!MAXIMUM DRIVE!』
ディエンド(ベル)『更にっ!』
ドライバーから電子音声が鳴り響くと同時にディエンド(ベル)は直ぐさま左腰のホルダーから一枚のカードを取り出し、ドライバーへと装填してスライドさせていった。
『FINALATTACKRIDE:DI・DI・DI・DI-END!』
再び電子音声が響くとディエンド(ベル)はドライバーの銃口を信長へと向けていき、それと同時にディエンドライバーの銃口に凄まじい量のエネルギーが収束されていく。そして……
ディエンド(ベル)『喰らいなさい!ハァッ!!』
―ズガアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
『?!!―ドガアアアアアアアアアアアァァァァァィァァァァァァァァァアンッ!!!!―ヌウゥッ?!!』
ディエンド(ベル)の放った必殺技……ヴァニティコロナシュートが凄まじい勢いで信長へと放たれていき、それを真っ向から受けた信長は十数メートル以上足を地面で引きずりながら後方へと下がっていくも、全身に力を篭めて止まってしまった。
ディエンド(ベル)『!持ちこたえた?!』
『ヌウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウッ!!』
ヴァニティコロナシュートを真っ正面から受けて持ちこたえた信長にディエンド(ベル)も驚きを隠せず驚愕し、信長はヴァニティコロナシュートを胴体で受け止めながら前進しようと一歩踏み出した。その時……
天海「信長あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーっっ!!」
『ッ?!!』
頭上。真上から突如響いてきた怒号に信長が思わず顔を上げると、其処には上空から錫杖を振り上げて降下してくる天海の姿があったのだ。信長が呆然と天海を見上げる中、天海はそのまま降下の勢いを利用し錫杖を信長に向けて振り下ろしていった、が……
―ガシィッ!―
『…甘い』
天海「くっ?!」
信長は自分の顔ギリギリのところで錫杖を受け止めてしまったのだ。天海は信長の怪力のせいで空中で静止したまま錫杖を抜き取る事が出来ず、信長はゆっくりと天海に向けて左腕で振り上げた。
『愚かだな、左馬介よ……この程度の策略で私を討ち取ろう等、片腹痛いわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!』
天海「ッ!」
信長は天海を殴り飛ばそうと全力を篭めた拳を飛ばし、天海は物凄い勢いで迫りくる信長の拳を見て静かに瞼を閉じた。その時……
信長の懐。其処にはいつの間にか、虎鬼が飛び込んで必殺技の発射態勢に入っていた。
『な……っ?!』
虎鬼の存在に漸く気付いた信長は、天海に向けて放った拳を思わず止めて驚愕した。信長の懐に潜り込んだ虎鬼の姿は先程までとは違い、ボディの全体がゴツく黒いラインが入った姿……強化変身した『虎鬼・焔』へと変化し、その両手には炎撃とは違う膨大なエネルギーが込められていた。
『しまっ――?!』
虎鬼・焔『過炎気技――』
虎鬼の両手に込められるエネルギーから危険を感じ取り直ぐさま離れようとする信長だが、それよりも早く虎鬼が信長の懐へと飛び込み、そして……
虎鬼・焔『頑頑ナックル落としいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーっっ!!!!!』
―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!―
『なっ、ガアァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』
虎鬼・焔の必殺技……頑頑ナックル落としが信長の胴体へと打ち込まれた瞬間、虎鬼は一撃だけでは終わらず連続高速で拳を放っていき、その速さはガトリングの弾ように肉眼では捉えられなくなっていた。
虎鬼・焔『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああああああああっっ!!!!!』
―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ……!!!!!!!―
『ウグオォッ?!ガッ?!ガアァッ?!!』
十発、百発、千発………。虎鬼は両腕が引きちぎられそうな錯覚を覚えながらも拳を飛ばし続け、終わりを知らない拳の嵐に信長もボロボロになり始め、そして……
虎鬼・焔『これでえぇ!!終わりだあああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!』
―ズガアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
『ガァ……グウウウウアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!!?』
虎鬼が最後に飛ばした拳が信長の顔面に突き刺さり、信長は断末魔の悲鳴を上げながら数百メートル先まで吹っ飛ばされていき、公園の一角に激突して爆発を起こしていったのであった。そして虎鬼は信長の消滅を確認すると一人の少年……鋼・アルティスへと戻っていった。
鋼「ハァ……ハァ……か、勝ったぁ~……」
ディエンド(ベル)『っ……そうねっ……一先ず……は…………』
天海「ッ!ベルッ!」
地面にへたりこんで大の字にねっころがる鋼の言葉で緊張の糸が切れ、ディエンド(ベル)は必死に保っていた意識を手放してその場に倒れてしまい、変身も解除されてベルに戻っていった。天海と鋼はそんなベルを見て慌てて駆け寄っていき、ベルの身体を抱き抱えていく。
鋼「おいベルっ!大丈夫か?!ベルっ!」
天海「……心配ない、気を失ってるだけのようだ……鋼、一度ベルを神社に運ぶぞ!」
このままベルを置き去りにして戦いに向かうにはいかないと、天海がその意味を込めて呼び掛ける。それを理解した鋼はベルを背中に担いで走り出し、天海もその後を追うように公園を後にしたのだった。