仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十七章/桜ノ神の世界⑰決戦ー4

桜ノ町・住宅街―

 

 

ベル達が信長と決着を付けた頃、住宅街方面では裕己が変身したアギトがトライデントレクイエムへと姿を変えて幻魔達を薙ぎ払い、その隣では翔一が変身したジョーカーがマーベラスと戦っていた。

 

 

―ガギィンッ!ガキィィィィィィンッ!!―

 

 

ジョーカー『グウアァッ!クッ!クソッ!!』

 

 

マーベラスに正面から殴り掛かっていくジョーカーだが、マーベラスは左腕の盾を使ってそれを簡単に弾いてしまい、攻撃を弾かれてしまった反動でバランスを崩したジョーカーに大剣で何度も斬り付けてしまう。元よりマーベラスとの体格に差があるのを加え、リーチの差やパワーに開きがあるジョーカーでは戦力的にも分が悪すぎる為、一方的に追い詰められていたのだ。そして……

 

 

―グガアァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―

 

 

ジョーカー『グッ?!グアァァァァァァァァァァアッ!!』

 

 

アギトTR『?!翔一?!』

 

 

マーベラスが振るった大振りの一撃がジョーカーへともろに直撃し、ジョーカーはその衝撃で吹っ飛んで壁に叩き付けられてしまい、地面に倒れて翔一に戻ってしまった。その様子を見たアギトはすぐに翔一に駆け寄ろうとするが、周囲の幻魔達が立ちはだかって思うように動けないでいた。

 

 

翔一「うぁ……ぐうっ……ちっきしょおっ……」

 

 

『…………』

 

 

ボロボロの身体を引きずりながらも立ち上がうとする翔一。マーベラスは無言のままズンッ!と重い震動を響かせながら翔一へと歩み寄って目の前に立ち、一度大剣を肩に担ぎ、そこから更に大きく振り上げた。

 

 

アギトTR『クソッ!!逃げろ翔一!!早くっ!!』

 

 

翔一「……ッ!!」

 

 

アギトに言われてすぐさま動き出そうと両腕を地面に付けて起き上がろうとするが、その時左腕の力が不意に抜けて再び倒れてしまい、それと同時にマーベラスの大剣が翔一の頭部目掛けて振り下ろされた。同時に……

 

 

 

 

 

 

―ドバアァァァァァァァァァァァァァァアッ!!―

 

 

『……ッ?!』

 

 

 

 

 

 

大剣を振り下ろそうとしたマーベラスに突如衝撃波が襲い掛かり、そのまま周りの幻魔達もろとも吹っ飛ばしていったのだ。いきなり薙ぎ倒されたマーベラス達に翔一やアギトは戸惑いを隠せないが、そんな翔一の目の前にいつの間にか一人の人物が立ちはだかっていた。

 

 

 

 

 

 

メモリー『ふむ、幻魔共の無双に夢中になってこっちに来てみれば……また意外な奴等に会ったな』

 

 

翔一「?!アンタ……?!」

 

 

アギトTR『師匠っ?!』

 

 

そう、翔一の目の前に立ちはだかった人物とは、先程時の方舟のモニターにハッキングしてフォーティンブラスと会話していたメモリーだったのだ。突如現れたメモリーに翔一やアギトも驚愕を隠せず、メモリーはそんな二人の反応を他所に翔一の方へと振り返った。

 

 

メモリー『……どうやら、まだラストメモリを使っていないようだな?』

 

 

翔一「っ……使える訳ねぇだろっ……こんな得体の知れないメモリなんてっ……」

 

 

メモリー『ふむ……まあ、普通なら確かにそう思うかもしれんな。だが――』

 

 

そこでメモリーは目の前に視線を戻した。その視線の先には、メモリーの放った衝撃波で吹っ飛ばされたマーベラス達が立ち上がろうとしている姿がある。

 

 

メモリー『ジョーカーだけじゃ、奴らに対抗することは叶わないだろう。無論、他のメモリであるメタルやトリガーでもな……それとも、お前には他に手が残ってるのか?』

 

 

翔一「…………」

 

 

向かってくるマーベラス達を見据えながら静かに語るメモリーの言葉を聞くと、翔一はスーツのポケットに仕舞っていたラストメモリを取り出し、それをジッと見下ろしていく。

 

 

メモリー『まぁ、使うか使わないかはお前が決めればいい。お前がそいつを扱え切れるとは思ってないし、俺も強制はせん……いくぞ裕己!』

 

 

アギトTR『え?あ、はいっ!』

 

 

メモリーは呆然と佇むアギトに呼びかけながら幻魔の大群の中へと飛び込んでいき、アギトも正気に戻るとそれを追うように走り出していった。そしてその場には翔一だけが取り残され、翔一はジッと手の平の中のメモリを眺めていた。

 

 

翔一「……今の俺じゃ……勝てないってのか……あのライダーにも……アイツ等にもっ……」

 

 

昨日の黒いライダーの時も、そして今も、自分はまるで役に立っていない。あの二人は、今も自分を叩き潰した幻魔と互角以上に戦ってるというのに。

 

 

翔一「決めた筈なのに……風都を……皆を……おやっさんに託されたアイツを……守るってっ……」

 

 

脳裏に浮かぶのは、あの夜に自分が守ると決めた一人の少女の姿。このままでは守れない。此処で諦めたらアイツを守るなんて出来ない。自分の手に残されてるのは、あの男が自分では扱え切れないと言ったメモリのみ。

 

 

翔一「上等だ……」

 

 

覚束ない足で立ち上がり、翔一はスーツのポケットからダブルドライバーを取り出して腰に巻き、ボロボロの手でジョーカーメモリを取り出すとラストメモリと同時にボタン部分を押していく。

 

 

『JOKER!』

 

『LAST!』

 

 

翔一「――こちとら、伊達に悪魔と相乗りしてんじゃねえんだよっ!!!」

 

 

覇気すら感じさせる強気な口調で叫ぶと共に、翔一はバックルの両スロットへと二本のメモリを同時に差し込んで装填し、バックルをWの文字に開いていった。

 

 

『LAST!JOKER!』

 

 

バックルから電子音声が響き、翔一の身体はバチバチと凄まじい火花に包まれながら突如発生した黒い火柱に飲み込まれていく。その余波が広範囲に広がっていき、近くの幻魔達を吹っ飛ばしていった。

 

 

アギトTR『ッ?!な、なんだ?』

 

 

メモリー『……漸く使ったか……』

 

 

ゴゴゴゴゴゴッ!!と轟音を響かせながら黒い火柱に飲み込まれてしまった翔一にアギトは驚愕し、メモリーは漸くかといった感じに仮面の下で笑みを漏らしていく。そして黒い火柱に飲み込まれた翔一がゆっくりと火柱の中から出てくるが、その姿は装甲に覆われていた。

 

 

赤い瞳にシアンのラインが走る黒いアンシンメトリーな身体。更にその背中からは、まるで噴射するように二枚の翼が出現している。そんな翔一の姿にすぐさま危機感を覚えたマーベラスは翔一に向けて身構えていき、翔一は顔を俯かせたまま右手をスナップさせた。

 

 

『……その目に刻め、幻魔……俺の最後の切り札……ラストジョーカーを……』

 

 

変身した翔一……『ラストジョーカー』は静かな口調でマーベラスに告げ、それを聞いたマーベラスは世界すら揺るがす咆哮を上げながらラストジョーカーへとトラックの如く突っ込んでいき、右手の大剣を振り下ろしていった。が……

 

 

ラストジョーカー『―――フッ……』

 

 

―バリイィィィィィィィィィィィィインッ!!―

 

 

『ッ?!!』

 

 

ラストジョーカーは薄く息を吐くと共に、マーベラスの振り下ろした大剣を軽く触れただけで硝子のように破壊してしまったのである。殴った訳でもなく、ただ触れただけで大剣を壊したラストジョーカーにマーベラスも流石に動揺するも、すぐに右腕を振り上げラストジョーカーに向けて放っていった。しかし……

 

 

 

 

 

 

ラストジョーカー『―――何処を見てる……?』

 

 

『――ッ?!!』

 

 

 

マーベラスの振り下ろした右腕は何もない宙を斬り裂き、すぐ背後から冷たい声が響き渡った。

それに気付いたマーベラスは咄嗟に振り向き様に右拳を飛ばすが、マーベラスの視界からラストジョーカーが消え失せ、ビュオッ!という風を切る音と共にラストジョーカーの膝蹴りがマーベラスの顔面に突き刺さり、ラストジョーカーは地に着地すると同時に続け様に拳を放った。

 

 

―ドゴォッ!バキッ!ズガァァァッ!!―

 

 

『ゴアァッ?!ガッ?!』

 

 

ラストジョーカーは無駄のない動きで鋭い拳、鮮やかな蹴りを次々と繰り出してマーベラスの弱点を正確に突いていき、最後にその場で駒のように回転し、マーベラスの腹部に回し蹴りを打ち込んで十メートル以上吹っ飛ばしていった。そしてラストジョーカーはゆっくりと右足を下ろし、バックルのラストメモリを抜き取った。

 

 

メモリー『ッ!ヤッベ……』

 

 

アギトTR『え?……って、師匠?!何を?!』

 

 

ラストジョーカーがラストメモリを抜き取った瞬間、メモリーは何かを感じ取り直ぐにラストジョーカーとマーベラス達の周囲に結界を張ったのだ。それを見たアギトはメモリーの行動に戸惑うが、ラストジョーカーはそれに構わずに左腰のスロットへとラストメモリを装填した。

 

 

『LAST!MAXIMUM DRIVE!』

 

 

ラストジョーカー『……切り札……切らせてもらうぜ……』

 

 

電子音声が響くと同時に、ラストジョーカーの背中の黒翼が噴出の勢いを増していき、ラストジョーカーはそのままある程度の高さまで浮き上がっていくと……

 

 

ラストジョーカー『ラスト……ショウダウン……!』

 

 

―カチッ!―

 

 

ラストジョーカーは左腰のスロットのボタンを弾くと背中から噴出される黒翼の出力を全開にし、そのまま右足をマーベラス達に向けて急降下していったのだ。そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラストジョーカー『ウオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーっっ!!!!!』

 

 

『ギ、ガァ、ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!!!!』

 

 

―ドグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッッッッ!!!!!!!!!!―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラストジョーカーの必殺技……ラストショウダウンがマーベラスに炸裂する同時に黒色の爆発がドーム状に広がっていき、マーベラスだけでなく周囲に群がっていた幻魔の大群も飲み込んでメモリーの張った結界と激突していき、最後に内部で発生した二度目の爆発で結界全体に巨大なヒビが入ってしまった。

 

 

メモリー『――ふぅ、いやー危なかったなぁ~。危うくこの辺一帯が吹っ飛ぶところだった♪』

 

 

アギトTR『……「吹っ飛ぶところだった♪」じゃないですよ?!なんですかあの威力?!師匠の張った結界に皹入っちゃってるじゃないですか?!!』

 

 

メモリー『ん?いや、実はアレ(ラストメモリ)の制作途中にちょっと俺の方でも色々と弄ってしまってな?んで、完成した時には頼まれた物よりハイスペックに出来ちまったんだよ。その結果が……アレ』

 

 

アギトTR『いや、アレって言われてもっ……』

 

 

メモリー『まっ、アルティメットメモリよりかは酷くないから大丈夫だ。人体にもそれ程大した影響はない……一時は調子良く制作が進むもんだからアルティメットの二の舞になりかけたが……』

 

 

アギトTR『ヲイ』

 

 

サラリととんでもねぇこと言いやがったメモリーにアギトも思わず突っ込んでしまうが、メモリーはそれを無視して結界に手の平を翳し、結界を解いた。

 

 

同時に物凄い勢いで二人に爆風が襲い掛かるが、二人はそれをものともせず前へ進んでいく。

 

 

そしてある程度爆風の中を突き進んでいくと、五十メートル以上の深さはあるクレーターを発見し、その中に……

 

 

 

 

 

 

翔一「………………」

 

 

 

 

 

 

巨大なクレーターの一番深い所に、俯せに倒れる翔一の姿があったのだ。二人はゆっくりと翔一の傍にまで降りていくと、翔一の状態を確認していく。

 

 

メモリー『ふむ、どうやら気絶してるだけのようだな。特に目立った外傷は見当たらないが……全身筋肉痛になってる上に、一部肉離れしてる。ラストメモリの影響だな』

 

 

アギトTR『まぁ、師匠が作った物だからそうなっても仕方ないですよね(汗)』

 

 

メモリー『ほっとけ……取りあえずコイツ運び出して、こっから出るぞ』

 

 

そう言ってメモリーは気絶している翔一を肩に担ぎ、そのままアギトと共に宙を浮いて一気にクレーターから脱出していく。だが……

 

 

『シャアァァァァァッ……!!』

 

 

アギトTR『ッ!コイツ等っ……!』

 

 

メモリー『ちっ、また懲りもしないで出て来たか……』

 

 

クレーターから出てみれば、二人の周りは何処からか溢れ出た幻魔達に包囲されていたのだ。不気味な奇声を上げながら押し寄せてくる幻魔達に二人もウンザリとした調子で溜め息を吐き、それを合図に幻魔の大群が二人に突進しようとするが……

 

 

 

 

 

 

―ズガガガガガガガガァッ!!―

 

 

『ッ?!』

 

 

 

 

メモリー達と幻魔達の間に突然無数の弾幕が放たれ、メモリー達に襲い掛かろうとした幻魔達の動きを止めていったのだ。そして何が起きたのか分からず幻魔達が動揺してると、メモリーとアギトの前に突如二人の少女……冥華の仲間である"シエル・ミクトラン"と"ルナ・アメジスト"が転移してきた。

 

 

メモリー『お?レッタに二号じゃねえか。何しに来たんだよ?』

 

 

シエル「だから今はフェルって言ってるでしょ?……冥華がこっちで決戦やってるから、ちょっと加勢に来たのよ」

 

 

ルナ「私も同じです…っていうか二号ってもう止めて下さい!今の私はルナですルナ!!」

 

 

メモリー『知らん。何度転生しようがお前の呼び名は二号しかありえんわ、この二号め』

 

 

ルナ「うぅぅぅぅ……!!いつか絶対に復讐してやるっ……」

 

 

メモリー『止めとけ、返り討ちに合うだけだ(笑)』

 

 

ニッコリ笑顔で相手にすらされてねえぇっっ?!と、涙を撒き散らしながら泣き崩れるルナ。シエルはそんなルナを軽く無視し、押し寄せる幻魔達を見据えて声を出した。

 

 

シエル「ま、状況はなんとなく掴んだわ。私達はこの雑魚達の相手をするから、幸助はそのハーフボイルドを安全な所に」

 

 

メモリー『……ま、お前がいるなら心配はいらんだろうからな……頼んだぞ?』

 

 

長年の友に対する信頼からか、メモリーは多く語らずにそれだけ告げて翔一と友に何処へと転移していき、残されたのはアギトとシエルと泣き崩れるルナだけとなった。

 

 

シエル「さてっと、じゃあやりますか?いくわよ二人共っ!」

 

 

アギトTR『へ?……あっ、はいっ!』

 

 

ルナ「ぐぬぬぬぬ……こうなればこの怒り、コイツ等にぶつけてやるわいっ!!シャーッ!!」

 

 

シエルが先陣を切り、未だ増えつつある幻魔達に突っ込んでいく三人。幻魔達はそんな三人に不気味な咆哮を上げ、一斉にシエル達へと飛び掛かっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

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