仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十七章/桜ノ神の世界⑰ー決戦11

 

 

―ドグオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!―

 

 

『ガッ?!グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオッ?!!!!!』

 

 

そして場所は戻り、外では巨大フォーティンブラスが腹の内側から発生した二度目の爆発に悲痛な絶叫を上げ、頭を抱えながら悶え苦しみ出した。一同がそんな巨大フォーティンブラスの様子と謎の爆発に首を傾げていると、咲夜は何かに気が付いたように両目を見開いた。

 

 

咲夜『これは……奴の力が逆流してる?』

 

 

ディケイドA『!逆流だと?どういう意味だ?』

 

 

巨大フォーティンブラスの力が逆流してる。それを聞いたディケイドが訝しげに問い返すと、咲夜は苦しむ巨大フォーティンブラスを見つめながら言葉を紡いだ。

 

 

咲夜『私にも理由は分からないが、どうやら奴は方舟の力を制御出来なくなっているらしい。それで制御出来なくなった方舟の莫大な力が奴の中を逆流し、奴はあんなにも苦しんでいるんだ』

 

 

ディケイドA『つまり暴走してる訳か……だが、何でいきなり力が制御出来なくなったんだ?さっきまではあんなに……』

 

 

何故いきなりフォーティンブラスは力を制御出来なくなってしまったのか?その理由が分からないディケイドは困惑の表情を浮かべるが、その時ディケイド達の下に一つの通信が届いた。

 

 

アナザーアギト『皆!聞こえてるか?!』

 

 

ディケイドA『ッ?!この声……』

 

 

エクスL『龍弥さん?』

 

 

一同の下に届いた通信の声……アナザーアギトの声を聞いてディケイド達は不思議そうな顔を浮かべ、アナザーアギトはそんな一同の反応に構わず話を続ける。

 

 

アナザーアギト『たった今、こっちで魔空石を破壊した!!今ならあの堕神を倒せるぞ!!』

 

 

ディケイドA『?!魔空石を?!というかお前等いつの間に?!』

 

 

アナザーアギト『お前達があの堕神と戦っている間に侵入したんだよ。とにかく、魔空石を失って奴が力をコントロール出来なくなった今がチャンスだ!!』

 

 

アナザーアギトが叫ぶようにそう言うと、ディケイドは無言で頷いて何処からか桜神剣を取り出しながら一同と顔を見合わせて頷き合い、一斉に巨大フォーティンブラスの上空へと高く飛翔して散開した。

 

 

エクスL『よし、先ずは俺達からだ!!』

 

 

グレイ「エキストラ、ウェイクア~ップ!!」

 

 

アテナ「ずっとあの堕神にぶち込んでやりたかったからね、手加減はしない!!」

 

 

冥華『さて、私も真面目にやりますか!!』

 

 

ディエンドW『俺も本気でやらせてもらう!!』

 

 

『WIND!MAXIMUM DRIVE!』

 

 

バロン神龍『いくぜスティール!!』

 

 

ST『おうっ!さっき溜めたエネルギーを全部使うぜっ!!』

 

 

『SHINRYUU MAXIMUMDRIVE!』

 

 

先陣を切るようにエクス達が巨大フォーティンブラスの背後へと回り、エクスは両手で握り締めた剣の刃に黄金の光を集約させ、バロンは膨大なエネルギーを溜めた剣を両手で振り上げ、ディエンドとアテナと冥華はそれぞれの武器の銃口に莫大なエネルギーを集めて巨大フォーティンブラスの背中に狙いを定め……

 

 

エクスL『シャイニングブレイカー!!いけえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっっ!!!!』

 

 

アテナ「星神アテナが命じる!!彼の者を滅せよ!!ジャスティスブレイカァァァァァァァァァァァァアッ!!!」

 

 

冥華『ゼロ・バスター!!発射ァ!!』

 

 

ディエンドW『ウィンド!ファイナルバースト!!』

 

 

バロン神龍『斬り裂けえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーっっ!!!!』

 

 

―チュドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―

 

 

『ガアァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』

 

 

四人の撃ち出した必殺技が巨大フォーティンブラスの背中へと全て撃ち込まれ、巨大フォーティンブラスは背中に撃ち込まれる四つの閃光を受けて更に絶叫を上げた。そしてそれを見たアストレア、アンジュルグ、ゼオも巨大フォーティンブラスの真上へと飛び上がり、武器を構えた。

 

 

アストレア『よーし!行くわよ二人共!!』

 

 

アンジュルグ『うん……!』

 

 

ゼオ『分かった!!』

 

 

アストレアからの呼び掛けに答えながらアンジュルグとゼオはイリュージョン・アローと砲撃の照準を巨大フォーティンブラスに向けていき、アストレアもセイントセイバーを両手で掲げ刃にエネルギーを溜めていき……

 

 

アンジュルグ『コード入力……ファントムフェニックスッ!!』

 

 

ゼオ『Jカイザー、発射ッ!!』

 

 

アストレア『ハアァァァァァァァァ……いっけえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーっっ!!!』

 

 

―ズガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!―

 

 

『グオッ?!ガアァッ?!』

 

 

アンジュルグとゼオの撃ち出した炎の矢と雷の砲撃、そしてアストレアが振り下ろした斬撃破が巨大フォーティンブラスの肩へと直撃し、その間に龍王と鬼王が肩を並べて巨大フォーティンブラスの正面に移動した。

 

 

龍王『我々もゆくぞ桜香、腕は鈍ってないな?』

 

 

鬼王『心配ないわ。そういう貴方こそ、ちゃんと付いて来れるかしら?』

 

 

龍王『フッ、吐かせ!!』

 

 

互いに口元に笑みを浮かべながら言い合うと、二人は巨大フォーティンブラスを見据えながら自身の刀を構えた。それと同時に二人の刀が紅と青の炎に包まれ、刀身が数十メートル以上も伸びていき、そして……

 

 

龍王『合体剣技っ!!』

 

 

鬼王『龍鬼破斬剣っ!!』

 

 

『セヤアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!』

 

 

―ズバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッッ!!!!―

 

 

『ゴアァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!』

 

 

二人の合体技、龍鬼破斬剣が巨大フォーティンブラスの胸へと勢い良く振り下ろされ斬り刻んでいった。そして二人の合体技を受けた巨大フォーティンブラスは更に悲痛な悲鳴を上げながら苦しみ出し、その様子を見たディケイドは桜神剣の引き金を引き、更にライドブッカーから一枚のカードを取り出しバックルに装填してスライドさせた。

 

 

『SOL!MAXIMUM DRIVE!』

 

『GLACIER!MAXIMUM DRIVE!』

 

『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DECADE!』

 

 

ディケイドA『いくぞ、咲夜!!』

 

 

咲夜『ああ!!』

 

 

『オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオッ!!!』

 

 

ディケイドは背中の羽根を羽ばたかせて勢いよく飛び立ち、ディエンド達の技で抑えられる巨大フォーティンブラスへと猛スピードで突進し、そして……

 

 

ディケイドA『デリャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!』

 

 

―ズシャアァァァァァァァァァァァァァアッ!!―

 

 

『ゴアァッ?!グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』

 

 

巨大フォーティンブラスの額目掛けて桜神剣を大きく振り下ろして額に突き刺し、桜神剣で額を突き刺された巨大フォーティンブラスは絶叫を上げながら大きく頭を振るっていく。しかしディケイドも負けじと巨大フォーティンブラスの額に桜神剣を更に深く刺していき、巨大フォーティンブラスは殺気の篭った瞳でディケイドを睨みつけた。

 

 

『グウッ!!まだだっ……まだ終わらんぞ?!貴様等屑共をこの世から殲滅し!!この世界も!!桜ノ神も手に入れるまでわっ!!』

 

 

ディケイドA『そんな野望……!俺がっ!!!』

 

 

咲夜『私がっ!!!』

 

 

『叩き潰すっ!!!!!!ウオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!!!!!』

 

 

―ズバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!!―

 

 

『ガッ……グガアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!!!!』

 

 

ディケイドと咲夜が力強く叫ぶと共に、巨大フォーティンブラスの額に突き刺した桜神剣で巨大フォーティンブラスの頭部を全力で斬り上げていったのだった。そしてディケイドは羽根を展開して巨大フォーティンブラスから離れると共に、巨大フォーティンブラスの身体の至る箇所から小規模の爆発が発生していく。

 

 

『アガッ、ガ……ク、クククク、クハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!見える!!見えるぞ!!!貴様等蟲共が我等幻魔になぶり殺され、絶望の悲鳴を上げる光景が?!ハハッ、クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ―ズシャアァッ!!―……ガッ?!』

 

 

―ドッガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!!―

 

 

巨大フォーティンブラスが爆発に包まれながら桜ノ町に腕を伸ばして不気味に高笑いを浮かべた瞬間、突如現れた何者かの剣によって頭を斬り裂かれ、断末魔を上げる間もなく巨大な爆発に飲み込まれて空に散っていったのだった。そして、巨大フォーティンブラスにトドメを刺した人物………メモリーは宙に浮きながらメモリブレイドの刀身を撫でていく。

 

 

メモリー『断罪完了………幻魔神。例え幻影であろうと、テメェにその光景を見せる訳にはいかないんだよ……』

 

 

感情すら感じさせない低い声でそう言うと、メモリーはゆっくりと顔を動かしてディケイド達の方を見つめ、ディケイド達は巨大フォーティンブラスが爆発した空をジッと見上げていた。

 

 

エクスL『……終わった……のか?これで』

 

 

バロン神龍『あぁ、やっとな……』

 

 

鬼王『とうとう倒せたんだ……あの幻魔神を……』

 

 

漸く幻魔との戦いが本当に終わった。未だそれを実感出来ずエクス達がジッと空を見上げていると、ディケイドの中の咲夜が呟いた。

 

 

咲夜『――零……少し町の上に行ってもらっていいか?ちょっとやる事を思い出した……』

 

 

ディケイドA『?やる事?』

 

 

咲夜『そうだ。この状態でなければ出来ないんだ……構わないか?』

 

 

ディケイドA『……分かった……』

 

 

何をやろうとしているのかは分からないが、とにかく咲夜の言う通りにしようと桜ノ町の上空へと移動していくディケイド。桜ノ町は先の幻魔による被害によって瓦礫の町と化し、町の至る所には怪我を負った町の人々の姿がある。

 

 

咲夜『……この辺りか……零、右腕の籠手を掲げてくれ』

 

 

ディケイドA『……?こうか?』

 

 

意味は分からないが、ディケイドは取りあえず言われた通りに右腕に装着された桜神の籠手をおもむろに掲げ、咲夜もそれを見ると、ゆっくりと瞼を閉じて意識を集中させていく。すると突然、町の様々な場所から淡い光が浮かび上がり、町の上空に浮かぶディケイドの籠手へと集まっていく。その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

『痛い……痛いよっ……』

 

 

『誰か……誰か助けてくれっ……』

 

 

『お願いです神様……どうか……どうかこの子だけでもっ……!』

 

 

 

 

 

 

 

ディケイドA『……ッ?!これは……?』

 

 

咲夜『この町の人々の願いだ……幻魔の脅威に苦しめられた人々の……』

 

 

頭の中に直接響き渡る様々な人々の願い。そう告げた咲夜の言葉にディケイドが思わず町を見下ろすと、何かに気が付いたように息を呑んだ。

 

 

ディケイドA『咲夜、お前まさか……!』

 

 

咲夜『……零……悪いが少しだけ、私の我が儘に付き合ってくれ……これが、私がこの世界にしてやれる最後の恩恵だから……』

 

 

ディケイドA『…?最後?』

 

 

最後の恩恵。その言葉の意味が分からずディケイドが訝しげに聞き返すと、咲夜は微かに笑みを浮かべ、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲夜『――さあ、始めようか。これが私の……桜ノ神の最後の奇跡だ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―シュウゥゥゥゥゥゥ……シュパアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何処か陽気な口調で叫ぶと共に、ディケイドの背中の白い羽根が大きく広げられ、次の瞬間右腕の籠手からまばゆい桜色の光りが放たれていった。そして光りはオーロラのように町全体に広がっていき、光を浴びた町の建物や家は幻魔に破壊される前に修復され、町の人々の怪我も一瞬の内に治されていったのだ。

 

 

「こ、これは?」

 

 

「怪我が、治ってく?町も……?」

 

 

桜色の光りを浴びて徐々に治されていく人々の怪我と町。その奇跡とも呼べる現象に人々が戸惑う中、ボロボロのぬいぐるみを抱えた幼い少女がふと空を見上げ、白い羽根を広げて浮かぶディケイドを見つけて……

 

 

「……かみさま……?」

 

 

不思議そうに小首を傾げ、そう呟いたのだった。そんな少女の呟きを聞いた咲夜は微かに笑みを浮かべ、桜色の粒子が降り注ぐ空を見上げた。

 

 

咲夜『なあ零……私は今度こそ……人々を幸せに出来たかな……?』

 

 

ディケイドA『……さあな……ただ―――』

 

 

ディケイドは一度言葉を区切り、町へと目を向けた。すると其処には、ボロボロのぬいぐるみを抱えた小さな少女がこちらに向けて手を振り、明るい笑顔を浮かべる姿があった。

 

 

ディケイドA『――ただ、お前ほどのお人良しな神は他にはいないと思うぞ……きっと』

 

 

咲夜『……ふふ……そうか……それは光栄だ……』

 

 

皮肉を込めたディケイドの言葉に瞼を閉じながら笑みを漏らす咲夜。ディケイドもそんな咲夜の様子に薄い溜め息を吐きながら、桜色の粒子が雪のように降り注ぐ町をジッと眺めていくのだった…………

 

 

 

 

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