仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十七章/桜ノ神の世界⑲

 

 

―桜ノ町・某所―

 

 

とあるホテルの一室。其処には今回の騒動の裏で動き回っていた慎二がベッドに腰掛ける姿があり、彼の目の前には組織のNo.3である裕司の顔が写ったモニターが存在していた。

 

 

慎二「――以上が、桜ノ神の世界での零先輩の行動に関する報告です」

 

 

裕司『……成る程な……やはり空間を遮断しただけでは、他世界の連中の介入を止められなかったか』

 

 

慎二「例の断罪の神や神々が関わってきましたからね。まぁそれを呼び寄せたのも幻魔神が好き勝手やったせいでもあるんですが……結果的に因子は第二段階へと移行したのですから問題ないかと」

 

 

裕司『そうだな……ご苦労だった、慎二』

 

 

慎二「いいえ、僕はただ与えられた任務を真っ当しただけですから……それはそうと、どうします?因子は第二段階に入った事だし、そろそろ仕掛けますか?」

 

 

慎二は笑みを浮かべていた顔から冷たい表情へと変わって裕司にそう問い掛けるが、裕司はそれに対し首を左右に振った。

 

 

裕司『まだだ。先程終夜と話し合った結果、第二段階に移行したばかりの力では"アレ"を破壊するのは無理と判断した。もう暫く様子見といったところだ』

 

 

慎二「そうですか……まあ終夜先輩達が決めた事でしたら、仕方ないですね……」

 

 

裕司からの返答に少し不満ではあるも、渋々納得して頷く慎二。裕司はそんな慎二に溜め息を吐きながら、話を続けていく。

 

 

裕司『それはそうと、調べたか?奴と桜ノ神の契約について』

 

 

慎二『?ああ、幻魔神との戦いで零先輩が手に入れたアレですか。一応調べときましたよ?』

 

 

そう言いながら慎二は足元に置いてあった黒いカバンケースを手に取ってベッドに置き、ケースを開いて中から数枚の資料を取り出し資料をめくっていく。

 

 

慎二「こちらで調べた所、アレが零先輩の因子にどう影響するか詳しくは分かりませんでした。ただ長時間あの力を使用し続ければ、因子に何らかの影響を与えるというのは確かなようです」

 

 

裕司『なるほど……ならば第二の抑止力になる可能性はないという訳か……』

 

 

慎二「みたいですね。でもこればかりは流石に予想外でしたよね?まさかあの場で桜ノ神が零先輩と契約を交わすとは……」

 

 

裕司『ああ……本来なら、因子を第二段階へ移行するだけで良かったのだが……思わぬ収穫が入ったな……今後はアレも有効的に利用させてもらおう』

 

 

裕司はそう言ってこの話題にはもう興味がないと手元にある桜ノ神の世界に関する報告書に目を通していき、慎二もそんな裕司に相変わらずだなと笑みを浮かべるが、ふとある事を思い出した。

 

 

慎二「そういえば……次の世界では誰を零先輩の監視に付けるんです?」

 

 

裕司『あぁ、次の世界では総一に監視に付いてもらう。ついでにヴァリアスが連れてきた配下にも同行してもらう予定だ』

 

 

慎二「ヴァリアス……ああ、GEAR電童と対立している勢力のトップですか」

 

 

裕司『そうだ。それとあの二人の他にも、そろそろ例のアレにも動いてもらう』

 

 

慎二「例のアレ?……もしかして、ヴェクタスが以前連れてきたっていう彼ですか?」

 

 

例のアレ。裕司の口から出たその言葉に慎二は目を細めながら問い、裕司はそんな慎二に目をやらず資料に目を通しながら言葉を続けた。

 

 

裕司『次の世界には奴の旅仲間であるクウガがいるらしい。未だ不完全体のアレの初陣には、丁度良い相手だろう』

 

 

慎二「……そうですか……んで、その彼を連れてきたヴェクタスはどうしてるんです?もしかして彼も同行するとか?」

 

 

裕司「いいや。奴は今別の任務に当たってるらしい。何でも終夜が、あるモノを回収する為にあの預言者を捜しに向かわせたようだ」

 

 

慎二「あの預言者を?」

 

 

あるモノを手に入れる為、終夜がヴェクタスに鳴滝を捜しに向かわせた。慎二はそのあるモノが何なのか分からず訝しげに眉を寄せるが、裕司はそれ以上なにも答える事はなかった。

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

―とある世界・廃墟内―

 

 

無人の廃市街地の中に存在する一つの廃墟。其処は嘗てルミナやアズサ達が造り出された場所であり、その名残である生体ポットが、今も尚不気味な機械音を響かせて稼動している。するとそんな場所に一人の男性……鳴滝がボロボロの姿で部屋へと入ってきた。

 

 

鳴滝「くっ!おのれっ……あと少しでディケイドを始末出来たというのにっ……!」

 

 

そう言って鳴滝はフラフラと近くの生体ポットに歩み寄って手を付け、全体重を掛けながら荒れた呼吸を整えようとする。

 

 

何故彼が此処までボロボロになっているのか?そんな疑問を抱く方々に説明すれば、実は先程の桜ノ神の世界での決戦の際で零が死に掛けた時、鳴滝はそれを好機に思い零に止めを刺そうと刺客を送ろうとしたのたが、突然乱入してきた紲那の世界の住人であるリオン達に阻止されてしまったのだ。

 

 

後は想像出来る通り、鳴滝は彼等に一方的にボコボコにされて逃げ帰り、此処まで何とか戻って来られたのだ。

 

 

鳴滝「っ……αやβという戦力を失い、別世界の住人達の介入もあってはディケイドを抹殺する事など出来ない……やはり……アレを動かすしかないのか……」

 

 

だが、アレだけは……と、鳴滝は思い止まるように口の中で呟きながら険しい顔を浮かべた。そんな時……

 

 

 

 

 

 

 

 

『――おや?随分遅い帰りじゃないか?』

 

 

 

 

鳴滝「……ッ?!」

 

 

 

嘲りを含んだ笑い声が廃墟の中に響き渡った。それを聞いた鳴滝は驚愕に染まった表情でバッ!と顔を上げ、目の前へと目を向けた。すると其処には、なにやら人間一人が入れるくらいの生体ポットを片手に持って奥の部屋から出て来ようとしていた人物……ヴェクタスの姿があった。

 

 

鳴滝「き、貴様は?!何故此処に?!」

 

 

ヴェクタス『ふん。なぁに、単に探し物があってソレを回収しに来ただけさ……ほら、コレだよ』

 

 

言いながらヴェクタスは手に持っていた生体ポットを床へと乱暴に投げ付けた。その生体ポットはルミナやアズサが造られた時に使用されたポットと同タイプのものであり、ポットの側面には乱暴に引きちぎられたせいか、無数のケーブルが途中でちぎれてる。そしてポットの中に眠る人物を見て、鳴滝は顔を青ざめた。

 

 

鳴滝「そ、それは……!」

 

 

ヴェクタス『確かぁ、あの三体の屑人形の前にお前が造った奴だよなぁ?しかし開発途中で想像を越える程の力をコイツが持ってる事に気が付き、それを危険視して封印したとか』

 

 

鳴滝「そ、そうだっ、それだけは動かしてはならない!一度でも動かしてしまえば、ソイツは第二のディケイドとなって世界を破壊し尽くしてしまう!」

 

 

ヴェクタス『そう言いながら、結局は処分して来なかったんだろう?もしもの為の切り札として、いつかは動かそうとか考えてたんじゃないのか?』

 

 

鳴滝「違う!下手な衝撃を与えてしまえば、ソイツが目覚めてしまう可能性があったからだ!ソイツは自我を持たず、心を持たず、ただ目前の敵を破壊するだけの存在なのだ!だから私は――!」

 

 

ヴェクタス『だがコイツを造ったのはお前だ。可哀相とは思わないか?せっかくこの世に生まれたのに一度も外の世界を見られないなんて……だから――』

 

 

ニタァと、ヴェクタスは仮面の下で歪な笑みを浮かべながらポットの表面に手を掛けた。

 

 

鳴滝「?!や、止めろ?!ソイツだけは!」

 

 

ヴェクタス『――俺が出してやるよ。さぁ、共にこの腐った世界を見て行こうじゃないかぁっ?!』

 

 

―ガシャアァンッ!!!―

 

 

ヴェクタスは鳴滝の静止の言葉すら聞かず、愉快げに笑いながらポットの表面を強引に毟り取っていったのだった。それと同時に生体ポットの内側から冷却ガスが勢い良く噴き出し、生体ポットの中で静かに眠っていた人物はゆっくりと目覚めて上体を起こしていく。その人物とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

零?「………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

漆黒の髪に真赤い瞳、黒いボロボロのコートを纏った青年……黒月零と瓜二つの容姿をした青年だったのだ。そして青年はゆっくりとポットから立ち上がり、ヴェクタスはそんな青年の顔を見て関心するような声を漏らした。

 

 

ヴェクタス『成る程なぁ。流石は『過去』の奴のデータを元に造り出しただけのことはある。この目や顔、本当にあの頃の奴にそっくりだ……』

 

 

鳴滝「くっ!何という事を……貴様、自分が何をしたのか分かってるのか?!」

 

 

ヴェクタス『あん?チッ、一々うるさい奴だ―ザッ―……あ?』

 

 

怒りを込めた表情で睨みつけてくる鳴滝にヴェクタスはめんどくさそうに思わず舌打ちするが、その時青年が鳴滝と向き合って何処からかディケイドライバーに似た漆黒のバックルを取り出して腰に装着し、左腰に現れたライドブッカーから一枚のカードを取り出してバックルへと装填しスライドさせていった。

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

 

低く暗い電子音声と同時に青年の周りに九つのシルエットが現れ青年へと重なっていき、体にディケイドと酷似したスーツが装着され最後に仮面部分にカード状のプレートが刺さっていき、灰色だった部分が漆黒に変化していった。

 

 

鳴滝「な、何?!」

 

 

ヴェクタス『……ククク、ハハハハハハハハハッ!!コイツはいいっ!どうやらこいつはお前より俺に付いてくれるらしいぞ?』

 

 

自分と対峙する青年を見て鳴滝が驚愕と戸惑いを浮かべる中、ヴェクタスは額に手を当てながら肩を僅かに上下させ笑っていた。その間にも青年が変身した戦士……『ダークディケイド』は無言のままライドブッカーから一枚のカードを取り出し、バックルへと装填しスライドさせた。

 

 

『KAIJINRIDE!』

 

 

再度電子音声が鳴り響くと共に、ダークディケイドの周りに無数の粒子が集って人の形を形作り、それらは全て他世界の怪人達であるグロンギ、アンノウン、ミラーモンスター、オルフェノク、アンデッド、魔化魍、ワーム、イマジン、ファンガイアとなって雄叫びをあげた。

 

 

『グオォォォォォォォォォォォォォオッ!!』

 

 

鳴滝「なっ……」

 

 

ヴェクタス『ククク、どうする?今なら見逃してやっても構わんぞ?それとも、このままコイツ等の餌になるか?』

 

 

鳴滝「くっ!お、おのれぇ……!」

 

 

愉快げに笑うヴェクタスに鳴滝は悔しげに唇を噛み締めてヴェクタスを睨むが、此処にいても怪人達に喰い殺されるのがオチだ。そう判断した鳴滝は背後から現れた歪みの壁に呑まれ何処かへと消えていき、それを見たヴェクタスは鼻で笑いながらダークディケイドへと目を向けた。

 

 

ヴェクタス『さあて、早く此処まで来いよ零?それまでコイツと一緒に、最高の舞台を整えておいてやるからさぁ……』

 

 

ダークディケイド『………………』

 

 

心底愉しそうに笑みを漏らしながら呟くヴェクタスの言葉に、ダークディケイドは虚空を見つめたまま何も答えない。ただ彼が呼び出した怪人達が獣染みた咆哮をあげ、廃墟内に響き渡っていったのだった。

 

 

 

 

 

 

第十七章/桜ノ神の世界 END

 




オリキャラ設定⑥


木ノ花之咲耶姫

性別:女

年齢:???(容姿は十八か十九歳)

容姿:腰まで伸ばした黒髪に桜色の瞳。

イメージCV:日笠 陽子


解説:桜ノ神の世界を司る神。一応神と呼ばれてるが本人は神の座に興味がないらしく、思春期真っ只中なエロボケネタをかましては周りを困らせる変神(へんじん)。


そんな変神ではあるが面倒見が良い所があり、基本的にはクール(のつもり)だが、甘いものや可愛いぬいぐるみ、動物が好きなど子供らしい一面もある。


性格とは裏腹に学力天才、運動神経抜群、料理も出来て作法も完璧だとか。


様々な奇跡を具現化するという神の力を用いた不思議な能力で記憶の書き換えや催眠術、何もない空間から物質を出したりなど様々な力が使えるが……本人曰く、ナプ〇ンを創る時以外に力を使ってないらしい。


因みに彼女自身は元々戦闘タイプの神ではないため、身体能力も人並み以上に高いだけ。戦闘に巻き込まれた場合は自分の身を自分で守る為に体術を心得ており、両手両足に神氣を纏って戦う。他にも桜の花びらを模した盾や砲撃なども少し放てる程度。


人間だった頃は『咲夜』と呼ばれていたらしく、その名は零しか知らない秘密となっている。


イメージキャラは生徒会役員共から天草シノ。





仮面ライダーイクサ・フロンティア


解説:姫が自身の力で創造したイクサベルトとイクサナックルを用いて変身するライダー。外見はイクサ・セーブモードの装甲の白い部分をピンク色に変えた姿をしており、スペックはバーストモードと同様の性能を誇る。武装は原作のイクサと同様イクサカリバーを用いて戦う。


必殺技一覧


ブロウクン・ファング

解説:ナックルフエッスルをバックル部にセットすることで発動する技。イクサナックルに全エネルギーを一点集中させ、敵を殴って粉砕する。


イクサ・ジャッジメント

解説:カリバーフエッスルをバックル部にセットすることで発動する技。必殺技発動時にバーストモードへと移行し、全エネルギーを放出しながら光りを纏ったイクサカリバーで敵を斬り裂く。


シャイニングソルブレイク

解説:桜色のフエッスル、ウェイクアップフエッスルをバックル部にセットすることで発動する技。右足に太陽の力と神力を収束し、敵にライダーキックを打ち込む
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