仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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GEAR電童の世界
第十八章/GEAR電童の世界


 

 

 

数々の死闘を繰り広げた桜ノ神の世界を漸く後にし、行方不明となった優矢を捜しに新たな世界へと訪れた零達一行。果たして、この世界で彼等を待つ試練とは……?

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

―初音島・風見市―

 

 

季節に関係なく、桜が咲き誇るという初音島。そんな初音島の中心に存在する町……風見市では、今一人の青年がカメラを構えて町の風景を撮影していた。

 

 

零「ふむ……此処が優矢がいるっていう世界か」

 

 

首に掛けたカメラを構える青年……零はそう呟きながらカメラのレンズを街中の様々な風景に向けてシャッターを切っていき、何枚か写真を撮ると撮影を止め、ズボンのポケットから一枚の絵柄も何もないカードを取り出していく。

 

 

零「それにしても、此処は一体何の世界なんだろうな……全然心当たりがないから何も分からんし……」

 

 

ライダーの絵柄も何もないカードをひっくり返したりなどして眺めながら溜め息を吐くと、零はカードを仕舞い町の方へと目を向けた。

 

 

零「まぁ、分からないなら調べてみればいいだけの話か……とにかく、優矢の奴をさっさと見付けないとな……」

 

 

零はいつになく意気込んだ様子でそう呟き、早く優矢を見付けなければと気合いを入れていた。だが……

 

 

翔「――なあ零……ちょっといいか?」

 

 

何故かそんな零とは違い、翔はそんな零を見て額から冷や汗を流していた。零は翔に振り返る事なく「んー?何だー?」と軽く返事をしながら再びカメラを弄っており、翔はそんな零の背中を見つめながら……

 

 

翔「いやさ…そんな格好でカメラとか弄ってたら不審人物とかにしか見えないぞ……?υυ」

 

 

零「ぐっ……お前、少しは察しろよ……それ突っ込んで欲しくなくて今一人語りしてたんだろうがっ……」

 

 

翔に指摘されて苦虫を噛み潰したような顔で振り返る零。そんな彼の格好は現在白いワイシャツ、黒い上下のスーツに両手には革製の黒い手袋、そして黒いサングラスという何処からどう見てもヤクザかマフィアにしか見えない格好となっていたのだ。

 

 

零「クソッ、前の世界じゃ格好が変わることなんてなかったのに、何でこの世界じゃコレなんだっ……」

 

 

翔「いや俺に言われても分からんてυυ」

 

 

姫「まあまあ、別に良いじゃないか?格好が変わるという事は、ソレが君のこの世界での役割なんだろう?だったら分かりやすくて良いじゃないか♪」

 

 

そんな二人の会話に割り込むように話し掛けてきたのは、零達一行をこの世界へと運んだ姫だ。見れば彼女の後ろにはアズサ、シロ、カリム、シャッハの四人の姿もあるのだが、零はそんな彼女達を見て再び溜め息を吐いた。

 

 

零「なにが役割だ。俺達はただ優矢を捜しに来ただけだろう……というか、何でお前等までそんな格好なんだ?」

 

 

そう言って呆れた視線を送る零の目に映るのは、何故か自分と同じ黒いスーツに革製の黒い手袋、黒いサングラスという格好をした姫達の服装だった。零にそれを指摘されたカリムは乾いた笑みを漏らし、黒いサングラスを少しずらした。

 

 

カリム「あはは……話には聞いてましたけど、世界を超える度に格好が変わるというのは本当だったんですねυυ」

 

 

シャッハ「ですね……その格好がその世界での役割という話も聞きましたが……この格好が示す役割とは何でしょうか?」

 

 

姫「うむ、やはりアレじゃないか?銃とかマシンガンとか持って何処かの組に殴り込み、『此処は儂等のシマじゃゴラァァァァァ!!』とか叫んで銃撃戦したりとか♪」

 

 

零「……そんな物騒なことしてなんになる?まさか、ヤクザに捕まった優矢を救出しろとでも?」

 

 

幾らアイツでもそんな災難な目には合っとらんだろうと、零は馬鹿馬鹿しいと言うように軽く溜め息を吐いて黒猫を胸に抱くアズサへ目を向けた。

 

 

零「取りあえずこの世界について情報が欲しいんだが……アズサ、お前何か分かるか?」

 

 

前の世界でも様々な情報を保有していたアズサなら、この世界に関しても何か分かるんじゃないかと問い掛ける零であるが、アズサは小さく首を左右に振った。

 

 

アズサ「ごめんなさい……私もこの世界については、何も知らないの……」

 

 

零「?知らないって、何もないのか?この世界のライダーに関する情報は」

 

 

アズサ「うん……でもこの世界のライダーが戦ってる怪人、アルシェインについてなら分かる……」

 

 

シャッハ「アルシェイン?」

 

 

聞き慣れない怪人の名を口にしたアズサに一同は首を傾げ、アズサはコクッと小さく頷きながら話を続けていく。

 

 

アズサ「アルシェインは超古代時代に現れた怪人で、嘗て無限の古代神によって封印されていたらしいけど、ある組織に封印を解かれてこの世界で暴れ回ってるって……」

 

 

零「ッ!無限の……古代神?」

 

 

無限の古代神。アズサの説明に出たその単語を聞いた零は僅かに眉を寄せると、ライドブッカーから一枚のカード……インフィニティのカードを取り出した。

 

 

零「――無限の古代神がアルシェインと関わっていたなら、この世界はインフィニティと何か関係があるのか?」

 

 

アズサ「……其処までは私も知らない……でも、その可能性はないとは言い切れないと思う……」

 

 

零「そう、か……まあいい……取り敢えずこの世界のライダーや優矢についての情報を集めてみるか。此処でジッとしてても何か分かる訳でもないしな」

 

 

翔「そうだな。頭で考えるより、足で動いて探した方が早いだろうし」

 

 

ただ此処で考えるだけでは何も得られないので、零達は早速この世界を調べる為に調査を開始しようと町の奥へ行ってみようと歩き出した。その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

―フッ……ドシャアァッ!!―

 

 

『……ッ?!』

 

 

零「ッ!何……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

突如一同の背後からけたたましい激突音が響き、零達は突然のソレに驚きながら背後へと振り返った。すると其処には、零達の近くにあるビルの壁に一人の黒い戦士……女性的なフォルムが目立つ一人の戦士が全身ボロボロの姿でグッタリと壁に埋もれる姿があったのだ。

 

 

翔「な、何だ?!一体なにが……?!」

 

 

『……うっ……ぅ……』

 

 

カリム「ッ?!ま、まだ息があります!大丈夫ですか?!」

 

 

ビルの壁に埋もれる戦士を見て一同が唖然となる中、カリムは戦士が微かに漏らした苦しげな吐息を聞いて慌てて戦士へと駆け寄っていき、シャッハや姫もその後を追って戦士を抱き起こしていく。その時……

 

 

 

 

 

 

『――此処に居たか……』

 

 

 

 

 

 

『……え?』

 

 

不意にその場に第三者の声が響き、零達がその声が聞こえてきた方へと顔を向けると、其処にはこちらに向けて歩み寄ってくる三人の戦士……青のライダーと剣を片手に持った赤のライダー、マフラーを首に巻いた青いライダーが歩み寄ってくる姿があり、そのライダー達の一人であるマフラーを巻いた青いライダーが零達を見て小首を傾げた。

 

 

『?民間人?何故こんな場所に……』

 

 

シャッハ「な、なんですか……貴方達は……?」

 

 

マフラーを巻いたライダーが零達を見て不思議そうに小首を傾げる中、シャッハはカリムと姫を庇うように身構えながらライダー達を警戒し、そんなシャッハの前に青いライダーが近づき片腕を延ばしてきた。

 

 

『俺達が何者だろうと、お前達には関係ないことだ。そんな事より、ソイツを渡してもらおうか?』

 

 

カリム「え?わ、渡せって……この人をどうするつもりですか?」

 

 

ただならぬ雰囲気を漂わせながらいきなり戦士を渡せと告げてきた青いライダーにカリムは思わず戦士を強く抱き締めるが、青いライダーはそれに構わず腕を延ばし続ける。

 

 

『それこそお前達には関係ない話だ。さぁ、早くソイツを渡せ。大人しく引き渡せば手荒な真似はしない』

 

 

カリム「そ、そんな、強引にも程があります!ちゃんと事情を説明してもらわなければ、この人を渡すなんて出来ません!』

 

 

『……渡す気はないか……なら、仕方ないな……』

 

 

此処まで酷い怪我を負った人間を事情も話さない怪しい人間に渡せる筈がない。強気な瞳で戦士を抱き抱えるカリムを見て青いライダーは溜め息を吐くと、他の二人と共にカリム達へ歩み寄ろうとする。が……

 

 

零「――ちょっと待って」

 

 

『……ん?』

 

 

カリム達に歩み寄ろうとした青いライダー達の目の前に零、翔、アズサの三人が立ち塞がり、三人は足を止めて訝しげな表情を浮かべた。

 

 

零「会ったばかりの人間にちょっと強引過ぎやしないか?少しくらい話を聞かせてくれてもいいだろう?」

 

 

『……話す事は何もないと言った筈だぞ?お前達一般人には関係ない話なんだ。其処を退け』

 

 

翔「そう言われてはい分かりました、って言うと思うか?それに、男三人で女一人を虐めるのはどうかと思うぞ?」

 

 

零「状況から察するに、アイツの怪我もお前達が関係してるんだろう?だとしたらそう簡単には渡せんし、もしもうちの奴等にまで手を出そうっていうなら……こっちだって容赦はしない……」

 

 

零は青いライダー達を睨み付けながらスーツの懐からディケイドライバーを出して腰に装着するとカードを取り出し、翔とアズサも腰にベルトを巻いてそれぞれ構えを取り……

 

 

『変身ッ!』

 

 

『KAMENRIDE:DECADE!』

 

『CHANGE UP!SYUROGA!』

 

『GATE UP!BARON!』

 

 

三つの電子音声が響くと共に三人はディケイド、シュロウガ、バロンへ変身してそれぞれ武器を展開しながら青いライダー達と対峙し、青いライダー達は変身した三人を見て一瞬驚愕するもディケイドを見て表情を険しくさせた。

 

 

『そうか……お前達もヴァリアスの配下か?!』

 

 

ディケイド『?ヴァリアス?一体何の話だ……?』

 

 

聞いた事のない名前を口にする青いライダーにディケイドも思わず訝しげに聞き返してしまうが、青いライダーはそれに応えず腰を屈めて身構えた。

 

 

『朱焔!霧彦!お前達はあの二人を頼む!俺はあの緑目を叩くっ!!』

 

 

『応っ!』

 

 

『分かりました!』

 

 

ディケイド『チッ、質問に答える気はないってワケか……翔!アズサ!』

 

 

バロン『わかってる!』

 

 

シュロウガ『うん……!』

 

 

ディケイドからの呼び掛けに応えながらバロンとシュロウガも武器を取り出してそれぞれ構えていき、青いライダー達もディケイド達に向けて身構えながら互いに正面から激突していったのだった。

 

 

 

 

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