仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
一方その頃、キャッスルドラン地下では優矢がガルル達と戦闘を行っていた。しかし、優矢は先程までのダメージが身体に響いてまともに戦う事が出来ず、ただやられていくしか出来ずに敗れてしまっていた。
『こんな身体で乗り込んで来るなんて、馬鹿なヤツ……』
優矢「ぅ、ぐっ……ま、まだ……俺はまだ、戦えるっ……!!」
そう言って立ち上がろうとするも、優矢の身体は既に限界だった。しかし、ここで負けてはワタルに合わせる顔がない。優矢は力を振り絞って再び立ち上がろうとした。その時……
『──何故殺さない?』
『……ッ?!』
突如ガルル達の背後から声が響き、振り返る。其処には薄暗い闇の向こうから姿を現すビートルファンガイアの姿があり、地に倒れ伏す優矢を一瞥する。
『もはや掟など存在しないのだ。そいつのライフエナジーを吸え』
『ッ……王よ……!本当に掟を捨てるおつもりですか?!』
『人間との共存を断ち切れば、再び世界は混沌に満ちてしまいますぞ?!』
掟を廃しようとするビートルファンガイアに思わず反抗するガルル達。だが……
『貴様等……俺の命令が聞けぬのかッ!!』
―ガッ!―
『な、があッ?!』
反抗するガルル達に苛立ったビートルファンガイアはドッガの頭を掴み、紫色のエネルギー波をドッガに流し込む。そして……
『グゥッ?!ガアァァァァァァァァアーーーーッ?!!』
ドッガは光の粒子となってそのままビートルファンガイアに取り込まれてしまい、ビートルファンガイアの左肩の装甲に紫のステンドグラスの様な模様が浮かび上がる。
『う、うわぁあああああああッ!!』
ドッガが取り込まれる光景を目の当たりにし、恐怖を感じたバッシャーが背中を見せてその場から逃げ出そうとする。が……
『ハアァッ!』
『ウッ?!ぅ、ウァアアアアアアアアアアアスカーーーーッッ!!!』
ビートルファンガイアの片手から放たれた緑色のエネルギー波がバッシャーを捕えてしまい、バッシャーはドッガと同様に光の粒子となってビートルファンガイアに取り込まれ、今度はビートルファンガイアの左肩の装甲に緑のステンドグラスの様な模様が浮かび上がる。
『お、王よ……!何故こんな……!』
立て続けに仲間を失い、ガルルは後退りながらビートルファンガイアに問う。しかし、ビートルファンガイアは何も答えずに片手を中空にガルルに向けて掲げる。
『貴様も、俺の中で永遠に生きるがいい……ハァッ!!』
『グゥッ?!ガっ、グゥオオオオオオオオオオオーーーーーッッ!!!』
ビートルファンガイアの片手から放たれた青のエネルギー波がガルルに向かって放たれ、残ったガルルもビートルファンガイアに取り込まれてしまう。そして、ビートルファンガイアの胸部の装甲に青いステンドグラスのような模様が浮かび上がった。
優矢「あ、あいつ…自分の側近を……」
その光景を間近で見ていた優矢も、自身の部下を容赦なく取り込んだビートルファンガイアの無慈悲さに恐怖を感じてしまう中、ビートルファンガイアは倒れている優矢に目を向ける。
優矢は身体を動かして逃げようとしたがやはりダメージのせいでか全く身体が動かない。優矢は一瞬諦めて死ぬ覚悟を決めたが、しかし……
『…………』
―ザッ……―
優矢「……え?」
ビートルファンガイアは優矢に何もせず、無言で優矢に背中を見せてその場から去っていってしまった。
優矢「……あいつ……何で俺を殺さなかっ……た……」
ビートルファンガイアの不可解な行動に疑問を持ったが、優矢は其処で必死に繋ぎ止めていた意識が完全に途切れ、そのまま倒れてしまった。
◆◇◆
それから数時間後。キャッスルドランの王座の間では、以前零となのはが廃屋の家で出会った男が窓際に立ち、城下に広がる街を見下ろしていた。
「……ワタル」
男は寂しげな表情で、ワタルの名を呟く。そんな時……
―……♪~♪♪~~♪~―
「…………彼か」
何処からか聞こえて来た演奏に男は耳を傾ける。男は暫くその演奏に聞き入っていると、その演奏に誘われるかのように王座の間から出ていった。
◆◇◆
そして、その演奏を奏でていた零はキャッスルドランのある一室の部屋の中心で椅子に座ってバイオリンを奏でていた。
そして、バイオリンを弾き続けて数分後。部屋の扉が勢い良く開かれてスワローテイルファンガイアが踏み込んできた。
『人間め、最早容赦はせんぞ。王の命令だ……!』
ファンガイアは敵意を剥き出しに零にゆっくりと近づいていく。すると零も演奏を止めてバイオリンをケースに仕舞うと、懐からディケイドライバーを取り出して腰に装着し、スワローテイルファンガイアと向き直りディケイドのカードを構える。
零「……変身!」
『KAMENRIDE:DECADE!』
バックルにカードを装填し、零はディケイドに変身すると共に左腰のライドブッカーをソードモードに変え、スワローテイルファンガイアに向かって駆け出し攻撃を開始した。
ディケイド『ハアァッ!!』
―ガギィイイッ!!ギンッ、ドグォオッ!!―
『グッ、ォオオオッ?!』
幾重もの残像のように放たれるディケイドのマゼンタの斬撃にスワローテイルファンガイアは押され、トドメに放たれた後ろ回し蹴りで窓際に向かって蹴り飛ばされる。そしてディケイドはライドブッカーから一枚のカードを取り出し、ディケイドライバーに投げ入れて片手でスライドさせた。
『FINALATTACKRIDE:DE・DE・DE・DECADE!』
電子音声が響くと共に、ディケイドの目の前にディメンジョンフィールドが出現していく。そしてディケイドはライドブッカーを構え直しスワローテイルファンガイアに向かってディメンジョンフィールドを一直線に駆け抜け、ファンガイアを縦一閃に斬り裂いた。
『ガァッ?!ゥグアアァァァァァァァァーーーーッッ!!!』
ディケイドの必殺技、ディメンジョンスラッシュを受けたファンガイアは断末魔の悲鳴を上げながら硝子の様に砕け散った。ディケイドはそれを確認して構えを解くと、部屋の中へビートルファンガイアが足を踏み入れディケイドに歩み寄っていく。
ディケイド『あんたが新たな王か?』
『……俺は王座などに興味はない』
ディケイド『……なんだと?なら、何故ワタルから王座を奪った?』
『くだらぬ掟など忘れさせる為だ。人間とファンガイアは殺し合い、滅ぼし合うしかない。それを証明したかっただけだ!』
ビートルファンガイアは固く握り締めた拳を振りかざし、ディケイドに向かって駆け出して殴り掛かる。対するディケイドもライドブッカーSモードで初撃を受け流しながらビートルファンガイアの拳を正面から受け止めてせめぎ合う。
『貴様も信じてはいないだろう!人間とファンガイアの共存など!』
ディケイド『ッ……俺にとって人間とファンガイアなんて関係ない……!倒すべき敵は倒すだけ、だから俺はあんたを倒す!』
『フッ……愚かな』
ビートルファンガイアはディケイドとの間合いを離し、何処からか意識の無いキバットを取り出した。瞬間、ビートルファンガイアの腰に何重もの鎖が巻き付きキバットベルトが現れる。
『我が力を見るがいいッ!変身ッ!』
ビートルファンガイアがキバットベルトの止まり木部分にキバットをセットすると、ビートルファンガイアはキバへと変身した。
しかし、その姿はワタルが変身していたキバフォームではなく、右腕がバッシャー、左腕がガルル、胴体がドッガのフォームアーマーの姿……三体の怪人の力をその身に取り込んだドガバキフォームに変化していたのである。
ディケイド『なっ……』
キバDGB『これぞ王の力……!その身を持って味わうがいい!』
ライダーに変身しただけでなく、新たな姿に変貌したキバに驚愕するディケイドを他所に、ビートルファンガイアが変身したキバは何処からともなく取り出したドッガハンマーを引きずりながら迫る。その圧倒的な威圧感にディケイドも僅かに押されながらも咄嗟にライドブッカーSモードで対抗するが…
―ガキィイイッ!!ガッ!!ドゴォオオオオオオッ!!ドゴォオオオオオオオッ!!―
ディケイド『ガァッ!ッ、クソッタレめ……!デタラメかコイツ……!』
正面からライドブッカーで斬り掛かってもドッガの分厚い装甲の前に刃が弾かれ、剣を弾かれてよろめいた瞬間に圧倒的なパワーのハンマーの反撃を喰らってしまう。殴られた肩を抑えて膝を着くディケイドに、キバは更に追撃を仕掛ける。
キバDGB『どうした……?さっきまでの威勢は何処へ行ったァッ!!』
―ドゴォオオオオオオオッ!!―
ディケイド『グゥッ?!うぉおおおおぉぉおおっ!!』
―ガッシャアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッ!!!!―
横薙ぎに振るわれるドッガハンマーをライドブッカーで受け止めようとするが、そのあまりの力強さに踏み止まる事が叶わず、ディケイドはそのまま部屋の窓を突き破って外へと吹き飛でしまい、キバもディケイドを追撃する為に割れた窓から地上へと飛び降りて行った。