仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―????の世界―
―――とある異世界に存在する市街地。まるでミッドのように近未来を連想させる町並みが広がるこの街では、現在ある事件が起きていた。それは……
―ドガアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―
「ウグアァァァァァァァァァァァァァァアッ!!」
「ウワッ?!ま、また一人やられたぞっ?!」
「クソッ!止めろ!何としても奴を止めるんだ!!」
『コケー!!コッコッコッコケェーッ!!!』
……何故か、超巨大なニワトリが街の中を我が物顔で渡り歩き、自身を止めようと試みる都市警察を薙ぎ払いながら暴れ回っていたのだった。
「く、くそっ!部隊も殆ど全滅だ!ホントにニワトリなのかアレは?!強すぎるだろう?!」
「麻酔弾も全部かわされてしまうしっ……あの動きも突然変異の影響だというのかっ?!」
「ちぃっ!!どうしてちゃんと管理しておかないんだ養殖科の奴らはっ!!」
思わず毒づきながらも麻酔銃を巨大ニワトリに向けて発砲していく警官達。しかし巨大ニワトリはその巨体からは考えられない素早い動きで麻酔銃をかわしていき、一瞬で一人の警官の懐にまで潜り込み……
『コケエェェェェェェェェェェーーーーーっっ!!』
―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!!―
「ッ?!ウ、ウグアァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!」
巨体ニワトリの放ったマシンガンキックが警官に炸裂していき、それをモロに受けてしまった警官は悲痛な悲鳴を上げながら吹っ飛ばされビルの壁にめり込んでしまったのであった。
「ヒ、ヒロトォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ?!!!」
「ば、馬鹿な……我々が、敗れるというのか?たかがニワトリ一匹に……?」
『クォックォックォッ……クォケエェェェェェェェェェェェーーーーーーーっっ!!!』
遂に残り数人だけとなってしまった警官達は目の前の信じられない現実に呆然と崩れ落ちてしまい、巨体ニワトリはそんな警官達を嘲笑うように鳴きながら上空へと高く跳び上がり、一気にトドメを刺そうと警官達に向けて跳び蹴りを放とうとした。その時……
『―――トラジックジェノサイダー……』
―バシュンバシュンバシュンバシュン!!―
『……コケ?―ドグオォォォォォォォォォォォオンッ!!―ゴゲエェェェェェェェェェェェェェェェッ?!!!』
『……え?』
突如巨体ニワトリの横からなにかが飛来し、そのまま巨体ニワトリの顔面にぶち当たって勢いよく吹っ飛ばしていったのである。その様子に戦意喪失し掛けていた警官達も唖然とした顔で巨体ニワトリを見つめると、巨体ニワトリの前に一人のライダー……シュロウガがゆっくりと地上に降りていった。
シュロウガ『漸く見付けた……ニワトリ……』
「?!な、何だアイツ?!」
「ぞ、増援か?だがそんな知らせは聞いてないぞ?!」
いきなり現れたシュロウガを目にして驚きながらざわめく警官達。だがシュロウガはそれを他所に破壊された街を見渡していき、ゆっくりと起き上がる巨体ニワトリを見据えた。
シュロウガ『……街をこんな風にしたのは、貴方ね?どうしてこんな事をしたの……?』
『ゴゲェェェェ……コケッ!コケコッコッコッコケェーーッ!!』
シュロウガ『……そう……同じ養殖科に住んでた仲間を食べた人間達が許せず、その報復で街を破壊しようとしたのね……』
分かったの今の?!と思わず警官達が心の中で叫ぶが、未だ状況に付いていけてないせいで口には出せなかった。そして巨体ニワトリの事情を知ったシュロウガは仮面の下で悲しげな顔を浮かべるも、すぐに無表情に戻ってデスディペルを構えた。
シュロウガ『だけど、このまま貴方を放っておく訳にはいかないし……私もおつかいを果たさなければいけない。だから私は……貴方を狩るッ!』
『クォックォックォッ……コケエェェェェェェェェェェェェェーーーーーーっっ!!』
剣の切っ先を向けて告げたシュロウガを敵と認識し、シュロウガへと飛び掛かり蹴りを放つ巨体ニワトリ。そしてシュロウガもそれを迎え撃つように突っ込み、巨体ニワトリの足に向けて剣を振りかざした。
―ガギンガギンガギンガギンガギンガギンガギンガギンガギンガギンッ!!!―
シュロウガ『ハッ…!!』
『コケエェェェェェェェェェェェェーーーーーーっっ!!!』
戦闘を開始したシュロウガと巨体ニワトリの間で剣と足が火花を散らせながら何度もぶつかり合っていく。最早神速をも越えるそのスピードに誰もその目で捉える事が出来ず、ただけたたましい轟音が辺りに響き渡っていた。
「す、凄い……」
「なんなんだアイツ等……本物の化け物か?!」
目前で繰り広げられる規格外な激闘に警官達も思わず唖然とした顔になり、ただ自分の目を疑うしか出来ずにいる。
そんな彼等を他所にシュロウガは巨体ニワトリの放ったミドルキックを後方へと跳んで回避し、剣を構え直しながら巨体ニワトリを見据えていく。
シュロウガ(流石は突然変異で超巨大化したニワトリ……身体能力や知能も人間を越えるほどまでにパワーアップしてる……!)
巨大ニワトリの能力を冷静に分析しながら牽制するようにラスターエッジを放つシュロウガ。
だが巨大ニワトリはそれを容易く避けると、突然シュロウガに背中を向けて尻を突き出し、そして……
『コケエェェェェェーーーーーーーっっ!!!』
―ポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポンッ!!!―
「なっ?!た、卵ォ?!」
そう、巨大ニワトリはいきなりシュロウガに向けて、尻からボウリングの玉並の大きさの卵を高速で乱射し始めたのである。
まるでガトリングのように撃ち出されるそれらは猛スピードでシュロウガへと襲い掛かり、シュロウガは背中の翼を広げて何とか卵を回避していくも、かわされた卵達は地面や建物に直撃し中身の黄身をぶちまけてしまう。
シュロウガ『ッ!卵が……』
地面に黄身をぶちまけた卵の残骸を見てシュロウガは思わず動きを止めてしまい、巨大ニワトリはそれを好機に思いシュロウガに卵の弾丸を高速連射していく。しかしシュロウガは顔色を変える事なく、何処からかバッグを取り出すと……
シュロウガ『……零がいつも言ってた……食べ物を粗末にしたら―――』
そう言いながらシュロウガはバッグを素早く振り回して卵を次々とキャッチしていき、そのまま卵をバッグで受け止めながら巨大ニワトリへと突進し、卵を一個掴んで大きく振りかぶって……
シュロウガ『――メッ!』
―ズボオォッ!!―
『ッ?!ゴ、ゴゲェェェェェェェェェェーーーーーーっっ?!!』
今正に次の卵を撃ち出そうとした巨大ニワトリの尻に、巨大な卵を突っ込んで詮をしていったのだ。
そして尻に卵を突っ込まれた巨大ニワトリは白い羽根をばたつかせながら絶叫を上げ、シュロウガはその隙に巨大ニワトリから距離を離して右手に持つ剣を手の中でクルリと回転させ……
シュロウガ『魔神剣……ハアァァァァァァァァァァァァァアッ!!』
―フッ……ズバンッ!ズババババババババババババババババババッ……!!!―
『ゴッ?!ゴゲエッ?!』
突然シュロウガの姿が巨大ニワトリの視界から消えた瞬間、黒い閃光と化したシュロウガが凄まじい速さで巨大ニワトリの身体を斬り刻んでいき、巨大ニワトリは何が起きてるのか理解出来ずに困惑してしまう。
そして黒い閃光と化したシュロウガが巨大ニワトリの背後に姿を現し、デスディペルを消した瞬間……
『……コ……コケエェェェェェェ……』
ズシンッ……という重たい震動を響かせながら、巨大ニワトリの身体がゆっくりと地面へと沈んでいったのであった。
「……た、倒した?」
「我々が手も足も出せなかった奴を……たった一人で……?」
地面に俯せたままピクリとも動かない巨大ニワトリ。それを見た警官達が信じられない物を見たような顔で呆然とシュロウガを見つめてると、シュロウガはゆっくりと警官達の方へと振り返り、地面に倒れる巨大ニワトリを指差した。
シュロウガ『……この子とこの子の卵……貰って良い……?』
「は?……え、えっと……良いんじゃないか?どうせソイツは処分される予定だし……」
シュロウガ『ん……ありがとう……』
警官達から承諾を得たシュロウガは警官達に向かってお辞儀をすると、巨大ニワトリと向き合い何処からか一本のロープを取り出した。それを巨大ニワトリの体に巻き付けていき、ボウリングの玉並の大きさの卵が入ったバッグを手に取った。
シュロウガ『鶏肉と卵は確保……後はお芋だけど……何処で手に入れよう……』
ロープに縛られた巨大ニワトリを見下ろし、次の芋は何処で手に入れるか思考に浸るシュロウガ。
デザートで頂くならそれなりに美味しい芋が良いのだろうが、それだけの芋となると高いかもしれないし、メンバーの分とお代わりの分を考えれば普通に買っては大出費だ。
美味しい芋を買う事なく手に入れ、しかも大量に手に入れる方法は……
シュロウガ『―――そうだ……あの世界に行けば手に入る……』
何やら心当たりがあるらしく、シュロウガは顔を少し上げて空を見上げた。そしてロープに巻かれた巨大ニワトリと卵の入ったバッグをしっかりと掴むと、そのまま上空へと飛翔し真上に出現した歪みを通って何処かへと消えていってしまった。
「……な、何だったんだ……今の……?」
「さ、さあ……」
結局あの黒いのは何者だったのか?と残された警官達はシュロウガが消えた空を見上げながら呆然と立ち尽くし、現場に別部隊が到着するまでそうしていたらしい……