仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
超古代文明の力を解き放つ鍵となる秘宝・エルクシードを巡り、激戦と化していくエルクシード争奪戦。激しさを増していく戦いの中で、零が今まで戦っていたGEAR電童の変身者は別世界の友人の一人……御薙煌一その人であった。
零「煌一が、GEAR電童……だと……?」
何故煌一がGEAR電童に変身していたのか?零は突然の事態に困惑を隠せず呆然とした表情でふらつきながら起き上がろうとする煌一を見つめるが、その時ファウストがディエンドの射撃を受けて祭壇の下へと吹っ飛ばされてしまった。
ファウスト『ウアァッ!』
ディエンド『……さ、早くエルクシードを引き渡してくれないかな?これ以上痛め付けられたくはないだろ?』
ファウスト『はぁ…はぁ…くっ…!』
疲れた様子すら見せず余裕の態度でエルクシードを渡せとジェスチャーしてくるディエンド。ファウストはそれを見て悔しげに唇を噛み締めると、自分の背後にある祭壇にチラリと視線をやり、もう一度ディエンドを見て肩を落とした。
ディエンド(ふむ……漸く諦めたって事かな?)
まるでなにかに諦めたかのように肩を落とすファウストを見てそう考え、ディエンドライバーの銃口を突き付けながらファウストへと近づこうとするが……
―シュバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!―
ディエンド『…ッ?!』
ファウストに近づこうとしたディエンドの横から突如赤黒い光線のようなモノが放たれ、いち早くそれに気付いたディエンドは咄嗟に後方へと飛んで光線を回避し、今の光線が撃ち出されてきた方に視線をやった。其処には……
『――全く……やはり監視しといて正解だったか』
ディエンド『ッ?!お前は……?!』
其処にいたのは、肩に刀を乗せて手の平をこちらに向ける鬼のような姿をしたライダー……先程まで零達を監視していた総一が変身する歌舞鬼が立っていたのだ。
歌舞鬼『ったく、本当なら監視だけが俺の役目だったのによ。まさか此処まで不甲斐ない女だったとは思いもしなかったぜ……』
ファウスト『っ……貴方は……』
歌舞鬼『……早く行け。此処は引き受けてやっから、さっさと超古代文明の力とやらを手に入れてこい』
ファウスト『ッ!』
若干苛立ちの篭った口調でファウストに告げる歌舞鬼。ファウストはそんな歌舞鬼から発せられる雰囲気に思わず後退りするも、この好機を逃すまいと祭壇へと駆け出していった。
ディエンド『あ、待て!!『させねえよ!』くっ?!』
ディエンドは祭壇に向かおうとするファウストを止めようとディエンドライバーの銃口をファウストに定め発砲しようとするが、真横から歌舞鬼が刀を振りかざしてそれを阻止してしまい、仕方なく歌舞鬼と戦闘を開始していくのだった。
ファウスト『はぁ…はぁ…もうすぐ……もうすぐ手に入る……!』
そしてディエンドと歌舞鬼が戦いを始めた頃、ファウストは息絶え絶えの状態で漸く祭壇の前へと辿り着き、右手に持つエルクシードを見て小さく笑みを浮かべた。そして……
ファウスト『目覚めろ……そして奴を――GEAR電童を葬り去る力を、私に!!』
―ガコンッ!!―
高らかにそう叫ぶと共に、ファウストは祭壇から浮き出た突起物の先端にエルクシードを嵌め込んでいったのであった。そしてそれと同時にエルクシードが嵌め込まれた突起物が祭壇の中に取り込まれていき、何処からか闇が出現して祭壇とファウストに集まっていく。そして……
ファウスト『うあぁ…ぁ…あああああああああああああああああああァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっっ!!!!!!』
―ギュイィィィィィィ……チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーンッ!!!!―
『っ?!!』
煌一「?!しまった?!」
零「ぐっ?!これは?!」
闇がファウストと祭壇へと集まった瞬間、ファウストを中心に膨大な闇のオーラが爆発のように放出され、辺りを包み込んでいったのだ。更に放出されたオーラは天井を突き破って天空を貫き、それと共に島の上空に雷鳴の鳴り響く暗雲が現れてファウストと祭壇の下へと降り注ぎ、ファウストの身体と祭壇を飲み込んで再び島の上空へと舞い上がり、そして……
『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォオーーーーーーーーーーっっ!!!!!!!』
イルス『なっ……』
バロンP『……何だよ……あれ……?!』
島の上空を埋め尽くす暗雲の中から突如禍々しい巨大な怪獣の頭が現れ、凄まじい咆哮を上げたのである。それを見た一度は呆然とした表情を浮かべてしまうが、その時怪獣の頭の額から一人の人物……胸にエルクシードを埋め込んだファウストの上半身が現れ、自分の姿を眺めて歓喜の声を上げた。
『ク、ククク……ハハハハハハハハハハハハハッ!!やりました!!遂に!!遂に手に入れたのですね?!総てを超絶した闇黒魔超獣、デモンゾーアの力を!!!!』
巨大怪獣……デモンゾーアの額でファウストが高らかに叫ぶと共に、デモンゾーアが巨大な口を開いて膨大なエネルギーを集約させていき、ボロボロで満足に動けない煌一へと狙い定めていく。
レイサー『ッ?!マズイ!逃げろ煌一!!奴の狙いはお前だ!!』
バロンP『ッ!煌一だとっ?!』
『もう遅い!!消えなさい、御薙煌一ィッ!!』
―シュウゥ……シュババババババババババババババババババババッ!!!!―
煌一「くっ?!」
デモンゾーアの狙いが煌一だと気付いた時には既に遅く、デモンゾーアは口から無数の針のようなエネルギー弾を煌一目掛けて撃ち出していったのだった。それを見たレイサー達は咄嗟に煌一を守ろうと動き出すが、辺りを埋め尽くす爆煙のせいで肝心の煌一が何処にいるのか見えず、その間にもエネルギー弾は動けない煌一へと降り注ぎ貫こうとした、が……
―ドンッ!!―
煌一「ッ?!なっ……!」
―ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
零「グッ?!グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!」
アンジュルグ『ッ!零?!』
エネルギー弾が煌一に直撃しようとした瞬間、なんと零が横から煌一を突き飛ばして代わりにエネルギー弾を受けてしまったのであった。零は巨大な爆発に巻き込まれて吹っ飛ばされてしまい、その様子を見たアンジュルグが慌てて零の下へ駆け寄り零の身体を抱き起こしていく。
アンジュルグ『零っ!しっかりっ!』
零「っ……騒ぐな……別に大した事ないっ……」
アンジュルグ『でも、血が……!』
煌一「……アイツ……どうして……?」
額から流血する零の身体をアンジュルグが抱き起こしていく中、煌一は先程敵である自分を庇った零の行動に疑問が隠せず呆然となり、デモンゾーアも狙いを外してしまったことに思わず舌打ちした。
『チッ!あと少しだったと言うのに邪魔を……!』
零「……フッ、女狐が……漸く尻尾を出しやがったな……」
『っ……その様子だと、気付いていたみたいですね。まあいいです、どの道闇黒魔超獣の力が手に入った今、最早貴方達など必要ありません!!』
漸く本性を露わにしたデモンゾーアを見て不敵な笑みを浮かべる零にそう叫ぶと、デモンゾーアは再び口を開いて先程よりも膨大なエネルギーを収束させていき、その様子を見たイルスが驚愕の表情を浮かべた。
イルス『まずい…!彼女は今度はこの遺跡ごと、私達を葬り去るつもりです!』
バロンP『?!なんだって?!』
焦りの篭ったイルスの言葉に一同の表情が驚愕に染まり、その間にもデモンゾーアは口にエネルギーを集め遺跡に狙いを定め……
『今度こそ消えなさい御薙煌一!!皆の仇……此処で!!』
―ギュイイイイイイイィィィィィィ……ズドオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!―
零「ッ!!」
レイサー『まずっ?!』
歌舞鬼『チッ!』
デモンゾーアの口から撃ち出された超巨大なエネルギー砲。遺跡を丸々飲み込める程の大きさを持つソレは真っすぐ遺跡へと向かっていき、遺跡ごと一同を消滅させようとした。そんな時……
―ピキイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィインッ!!!!!!―
『……なッ?!』
煌一「……?何だ……?」
零「ッ?!これは……!」
巨大なエネルギー砲が遺跡を飲み込もうとした瞬間、突如遺跡の上空に桜の花弁を摸した巨大な盾が出現し、エネルギー砲を受け止めていったのだ。零はその見覚えのある盾を見て驚愕しながら思わず辺りを見渡すと……
姫「――ギリギリ間に合ったか……」
カリム「みたいですね……皆さん!無事ですか?!」
零「ッ!木ノ花?!それにカリムとシャッハも?!」
そう、祭壇の間の入り口……其処には先程落とし穴に落ちた時にはぐれたカリム、シャッハ、シロ、そして上空に手を掲げる姫の姿があったのである。
バロンP『お前等、どうやって此処まで?!』
姫「話は後だ!みんな私のところに集まれ!此処から転移するぞ!GEAR電童達も早く!」
レイサー『は?いやけど、俺達は……』
イルス『ッ!今は迷っている暇はありません!此処は彼女の言葉に従いましょう!』
姫の言葉に戸惑うレイサーにそう言うと、イルスは直ぐさま煌一の下へ駆け寄り肩を貸して立ち上がらせ姫の下に向かい、レイサーも慌ててその後を追っていく。
『ちぃ!!逃がしはしませんっ!!』
―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァッ!!!!ピシィッ!!!―
シャッハ「?!盾が!」
姫「ぐぅっ!アズサ!零!急げ!!」
アンジュルグ『ん!零…!』
零「ぐっ……!」
ディエンドと歌舞鬼以外が姫の下へ集まっていく中、デモンゾーアは煌一を逃すまいとエネルギー砲の勢いを更に強め盾に皹を入れ、徐々に盾全体に皹が広がっていき、そして……
―ビシビシビシビシィ……ズガアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーンッ!!!!!―
『…ッ!!』
―チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーンッ!!!!!!―
―――遂に盾が破壊され、エネルギー砲は勢いが殺される事なく遺跡を容赦なく飲み込み、ルルイエ遺跡は土地ごと粉々に吹き飛び消滅していったのであった。それを見たデモンゾーアは……
『――チッ……直前に転移して難を逃れましたか……』
黒煙に包まれる遺跡があった場所を上空から見つめ、煌一を逃がしてしまった事に気付き舌打ちしていた。
『ふん……まあいいです。どの道彼は私を止めようとまた来るに決まってる……それまでに、この力を馴染ませておく必要がありますね。先程は不完全で威力も弱かったですし』
デモンゾーアは不満げな声でそう言うと、闇の中から無数の触手を出現させて島の大地へ先端を突き刺していった。すると触手の先端で島の大地のエネルギーを吸収していき、島の自然が徐々に枯れ果てていく。
『あぁぁ……力が漲る……もっと、もっと力を……!』
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーッ!!!!!』
ルルイエ島の大地からエネルギーを吸収し、身体に力が漲る感覚に歓喜の咆哮を上げるデモンゾーア。そのルルイエ島の某所では……
「……漸く闇黒魔超獣の力を手に入れたか」
ルルイエ島の丘。其処には、総一と共に零達の動きを監視していた黒いコートの男が衰退していくルルイエ島の大地を眺める姿があった。そして男がジッと上空のデモンゾーアを見上げていると、男の背後に一人の青年……先程ディエンドと戦っていた総一が転移して現れた。
「生きてたか……案外しぶといんだな」
総一「ふん、当たり前だ。あの程度で早々簡単に死んでたまるかよ……」
「それは何より……ところで、あの盗っ人はどうした?」
総一「ディエンドか?直前に転移して逃げようとしてたところを一撃加えてやったから、多分アレに巻き込まれたんじゃねえか?」
そう言いながら総一は遺跡があった場所を顎でクイッと指し、それを聞いた男は「そうか……」と余り興味なさそうに上空のデモンゾーアを見上げた。
「ま、邪魔物が一人消えただけでも良しとするか……後はGEAR電童達さえ消せば、ヴァリアス様の望む世界が……」
総一「…………」
上空で咆哮を上げるデモンゾーアを見上げながら不敵な笑みを浮かべる男。総一はそんな男の背中をジッと眺めると、そのまま何も言わずにその場を後にしていった。
◇◆◆
同じ頃、ルルイエ遺跡から離れた場所に位置する森林。此処も既にデモンゾーアにエネルギーを吸い取られている為に衰退しつつあり、そんな場所に一人の青年……大輝がふらついた足取りで歩いていた。
大輝「クッ……流石は組織と言うべきか……ちょっとドジったなっ……」
そう呟く大輝の脇腹からは血が滲み出ており、大輝は右腕で脇腹を押さえながら島から脱出しようとするが、突然目眩いが襲いその場に倒れてしまった。
大輝「っ……体に力が……コレはちょっと……まずい……か……」
何とか立ち上がろうとするも身体に力が入らず、大輝はそのまま力尽き気絶してしまった。更にその直後、エネルギーを吸い尽くされた枯れ木達が突然へし折れていき、そのまま真下にいた大輝の上へと崩れ落ちていったのだった……