仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十八章/GEAR電童の世界⑧(後編)

 

―風見市・ショッピングモール―

 

 

クウガ『ぐあぁ!あああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっっ!!!!』

 

 

一方その頃、ショッピングモールではダグバと戦っていたクウガが炎に包まれながらもがき苦しんでいた。そしてクウガはそのまま力尽きて地面に倒れ変身が解けてしまい、全身に大火傷を負った優矢に戻ってしまった。

 

 

優矢「ぁ……くっ……かお……るっ……!」

 

 

『――以外としぶといね。並のグロンギならあの炎を受けただけで死んじゃうのに……ホント、君には驚かされるよ』

 

 

ダグバは全身に火傷を負いながらも薫の名をか細い声で呼ぶ優矢にそう言うと、悠然とした足取りで地面に倒れる優矢に近づいていく。

 

 

『でも此処までだ……今度はちゃんと逝けるように、直接殺してあげるよ』

 

 

優矢「っ……!」

 

 

トドメを刺そうと近づいてくるダグバを見て起き上がろうと試みる優矢であるが、全身に激痛が走り上手く立ち上がる事が出来ない。ダグバはその間にも優矢へと歩み寄り、今度こそ息の根を止めようと右腕を振り上げた。その時……

 

 

 

 

 

 

 

 

「――はいストップ!其処までよ」

 

 

『……ッ?!』

 

 

優矢「……え?」

 

 

ダグバが優矢にトドメを刺そうとした瞬間、その場に突然女性の強気な声が響き渡ったのである。ダグバはそれを耳にして思わず動きを止め、その声が聞こえてきた方へと顔を向けると、其処にはいつの間にか二人の男女がダグバの背後に立っていた。

 

 

優矢(あれ……は……?)

 

 

『…誰だい、君達?』

 

 

「別に誰だって良いでしょ?それより、これ以上この町で暴れ回るのは止めてもらえないかな?」

 

 

「それに、そいつを殺させる訳にはいかねぇんだ。まだそいつを手に掛けようってんなら、俺達が相手になるぜ?」

 

 

そう言って青年は何処からか白いベルトを取り出して腰に巻き、懐から白いパスを取り出した。それを見た女性も懐からディエンドライバーに似た銃を回転させながら取り出し、ポケットから一枚のカードを出してドライバーに装填しスライドさせた。

 

 

『KAMENRIDE……』

 

 

「いくよ亮介。遅れないでよ?」

 

 

亮介「それはこっちの台詞だ、アヤメ」

 

 

『変身ッ!』

 

 

『G-END!』

 

『Blood Form!』

 

 

女性と青年……アヤメと亮介がそれぞれ変身を動作を行うと電子音声が鳴り響き、亮介は以前ホルスの世界で終夜と死闘を繰り広げた仮面ライダーである零王、アヤメはG3-Xとディエンドを合わせたような姿をした深蒼のライダー……『ジエンド』へと変身したのであった。

 

 

優矢「ッ?!仮面……ライ……ダー……?」

 

 

『ジエンドと零王……なるほど、君達が海鳴アヤメと火神亮介かい?』

 

 

ジエンド『へえ、私達の事は既に調査済みって訳?』

 

 

零王『まあアヤメはともかく、俺は何度も組織とやり合ってるから調べられてて当然だろうけどさ』

 

 

零王は軽い口調でそう言いながら懐から取り出した剣の刀身を軽く撫でていき、ダグバはジエンドと零王を交互に見たあと目を鋭くさせて二人と向き合った。

 

 

『君達の事はデータベースで閲覧してるからよく知ってるよ……だけど、僕にも僕の都合があるんだ』

 

 

ジエンド『そう……じゃ、止める気はないと?』

 

 

『もしそう言ったら?』

 

 

零王『突然…力付くで止めるに決まってんだろ!!』

 

 

叫ぶと共に、零王は地面を爆発させながら飛び出してダグバに剣を振りかざし、ジエンドもそれに続くようにドライバーから連射していく。しかしダグバは最初に斬り掛かってきた零王を片手であしらい、もう片方の手でジエンドの放った銃弾を弾いて零王と接近戦に持ち込んだ。

 

 

零王『ハァッ!ぜあああぁ!!』

 

 

『フンッ!』

 

 

零王は素早く剣を振りかざし何度もダグバへと斬り掛かっていくが、ダグバはそれを両腕でたやすく弾き返して怒涛の打撃技を零王に打ち込み、後方で援護射撃に徹していたジエンドはそれを見て左腰のホルダーから二枚のカードを取り出しドライバーにセットした。

 

 

『KAMENRIDE:LANCELOT!GUREN-TYPE02!』

 

 

ジエンド『頼むね、二人共!』

 

 

そう言いながらジエンドがドライバーの引き金を引くとジエンドの目の前で無数の残像が駆け巡り、残像達はそれぞれ二カ所で重なり白い騎士のような姿をしたライダー、ランスロットと紅いライダー、紅蓮弐式となってダグバへと向かっていった。

 

 

ランスロット『ハッ!』

 

 

紅蓮弐式『ヤァッ!』

 

 

―バキィッ!シュパンシュパァンッ!!―

 

 

『チッ…!数ばかり増えたところで!』

 

 

零王『そーかい!だったらコイツはどうだ?!』

 

 

ランスロットと紅蓮弐式を同時に相手して舌打ちするダグバにそう言うと、零王は一旦ダグバから距離を離して懐から白いパスと一枚のカードを取り出し、パスにカードをセットしベルトのバックル部にセタッチしていった。

 

 

『Ragnarok form!』

 

 

電子音声が響くと共に零王は灰色のオーラアーマーと灰色のデンカメンをスーツの上に装着し、右手の剣も巨大な銃に変わった姿……ラグナロクフォームへと変わっていったのであった。

 

 

『ッ!姿が変わった?!』

 

 

零王R『ドンドンいくぜ!アヤメェ!!』

 

 

ジエンド『分かってるよ!ハッ!!』

 

 

―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァッ!!!!―

 

 

『チッ?!』

 

 

零王とジエンドは互いに呼び掛け合いながらそれぞれの銃でダグバを狙い撃っていき、凄まじい勢いで降り注ぐ銃弾の雨に流石のダグバも思わず後退りしていった。そして零王とジエンドは顔を見合わせて頷くと、ジエンドはカードを、零王はパスを取り出しそれぞれのバックルとドライバーにセット&セタッチしていく。

 

 

『FINALATTACKRIDE:G-END!』

 

『Full Charge!』

 

 

二つの電子音声が重なって響くと、ジエンドはランスロットと紅蓮弐式を吸収しながらドライバーの銃口の周りにディメンジョンフィールドを展開し、零王は自身の銃にエネルギーを溜めてそれぞれダグバに狙いを定めていき、そして……

 

 

零王『トドメだ、くたばりやがれえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーッ!!!』

 

 

ジエンド『ハッ!!』

 

 

―チュドオォォォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーンッ!!!―

 

 

『クッ!』

 

 

二人の銃から巨大な銃弾が発射され、ダグバへと撃ち出されていったのであった。それを見たダグバは咄嗟に真横へと転がって何とか銃弾を回避し、かわされた銃弾はそのままダグバの背後にあったビルに直撃してアスファルトが粉々に吹き飛んだ。だが……

 

 

 

 

 

 

「きゃあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっっ!!!!」

 

 

『っ?!』

 

 

ジエンド『な、何?!』

 

 

零王『……ッ!おい見ろ、あそこ?!』

 

 

突然女性の悲鳴が何処からか響き渡り、それを聞いて動揺する一同に零王がある場所を指差した。その先には、逃げ遅れたと思われる女性が子供を抱き締めて物陰に隠れる姿があり、その頭上から二人の銃弾で破壊されたアスファルトの瓦礫が降り注いできていたのだ。

 

 

ジエンド『民間人?!まずいっ!!』

 

 

零王『ヤバいっ、間に合わねえっ!!』

 

 

女性と子供の存在に気付き慌てて助けようと動き出す二人だが、時は既に遅く……

 

 

 

 

 

―ドシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―

 

 

 

 

 

 

――アスファルトの瓦礫の落下は止まる事なく、けたたましい轟音を響かせながら無慈悲にも女性と子供を踏み潰していったのだった……

 

 

零王『なっ……』

 

 

ジエンド『……そん……な……』

 

 

その光景を目の当たりにした零王とジエンドは呆然と佇み、全身から力が抜けて手の平から銃を落としてしまった。

 

 

瓦礫は完全に女性と子供の上に落下した。どう考えても生きてる筈がない。

 

 

きっとあの灰色の粉塵が晴れた後には、グチャグチャに潰された人肉が散らばってる筈だと。二人は最悪な未来を想像し、粉塵が徐々に晴れていく光景を呆然と眺めていた。

 

 

そして粉塵が完全に晴れていくと、其処には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『――グッ……ウゥ……』

 

 

『……なっ?!』

 

 

優矢「…………かお…………る…………?」

 

 

 

 

 

灰色の粉塵が晴れた先……其処にあった光景はグチャグチャに潰された人肉などではなく、何故か女性と子供を庇うように背中で瓦礫を受け止めるダグバの姿があったのだ。思わぬ光景を目にした二人や優矢は両目を見開いて唖然とした顔になり、ダグバは怯えた顔で見上げてくる女性と子供が無傷である事を確認すると、背中の瓦礫を遠くに投げ飛ばし、その場に力無く屈み込んでしまった。

 

 

優矢「ッ!薫っ…!」

 

 

「あ……あ、晃!早く!」

 

 

地面に膝を着いたダグバを見て優矢は思わず薫の名を叫び、女性は怯えた様子で子供の手を引きダグバから逃げるように走り出していった。ダグバはそんな女性の背中を見て微かに笑みを浮かべるが、すぐに胸を押さえながら苦しそうに呻き声を上げた。

 

 

ジエンド『か、庇った?グロンギが……人間を?』

 

 

優矢「薫……なんで……ッ!」

 

 

グロンギである薫が人間を庇った。そんな予想外な行動を取ったダグバに一同が困惑して戸惑う中、ダグバを見つめる優矢の脳裏にある言葉が過ぎった。

 

 

 

 

 

 

―そうだね……子供は好きかな……あの子達の笑顔を見てると、なんだか僕も嬉しくなるから……―

 

 

 

 

 

 

優矢(まさか……アイツっ……!)

 

 

脳裏を過ぎったのは、先程公園で薫が口にした言葉。それで何かに気付いた優矢は身体を起こそうと全身に力を入れていき、ダグバはそれに気付かず胸を抑えてふらつきながら立ち上がった。

 

 

『……今回は見逃すよ……でも、次は容赦しない……』

 

 

優矢「ッ!ま、待て薫!!薫っ!!!!」

 

 

冷たい口調で宣告したダグバの言葉に、優矢は慌ててダグバを引き留めようと声を荒げるが、ダグバはそれを聞かずに背後に出現した歪みの壁を通って何処かへと消えていってしまった。

 

 

優矢「ッ!薫……お前……は…………ぁ…………」

 

 

零王『……っ?!お、おい!お前!』

 

 

優矢はダグバが歪みの壁と共に消えてしまったのを見て何かを呟こうとするも気を失ってしまい、ジエンドと零王は慌てて優矢に駆け寄り優矢の状態を確認していく。

 

 

ジエンド『―――大丈夫、ただ気絶してるだけみたい』

 

 

零王『そうか……じゃあ命に別状はないのか?』

 

 

ジエンド『何とかね。でも傷や火傷が酷いから、早く研究所に運んでジェイルに診せないと……』

 

 

ジエンドは全身に大火傷を負った優矢の身体を眺めながら悲痛な表情を浮かべるが、その時彼方から雷鳴が鳴り響く轟音が響き渡った。それを聞いた二人が彼方を見上げると、其処にはルルイエ島のある方から暗雲が広がりつつあるのが見えた。

 

 

零王『ちっ、どうやら例の化け物の封印が解けちまったみたいだな……』

 

 

ジエンド『みたいだね。このままじゃ初音島……ううん、この世界が滅びる事になる……』

 

 

ジエンドはルルイエ島から広がりつつある暗雲を見上げながら険しげにそう言うと、零王は無言でベルトを外して亮介に戻りジエンドと向き合った。

 

 

亮介「そうなる前に何とかするさ。取りあえず俺は大輝を捜してくるから、お前はソイツを頼むぞ?」

 

 

ジエンド『分かった……ああそれと、ソレもちょっと頼まれてくれない?』

 

 

亮介「?ソレ?」

 

 

ソレを頼むと言いながら横を指差すジエンドに亮介は疑問げに首を傾げ、ジエンドが指を指す方に目をやった。其処には先程ダグバによって破壊された優矢のバイクであるトライチュイサーのスクラップが転がっており、ジエンドは優矢を肩に背負いながら懐から一枚の紙を渡した。

 

 

ジエンド『大輝を見付けたら、そのバイクをディジョブドの世界にいるこの男に届けてくれる?海道大輝の知り合いって言えば、きっと力を貸してくれると思うから』

 

 

亮介「……ふぅ、分かったよ……そっちの方は頼んだぜ?」

 

 

仕方がないといった感じで溜め息を吐きながらそう告げると、ジエンドは小さく頷きながら優矢の治療の為にジェイルの研究所へ転移し、亮介はそれを見送るとルルイエ島の方角を見上げた。

 

 

亮介「古代の闇か……零はアレを相手に、どう戦うのかね……」

 

 

何処か遠くを見つめるような目でそう呟くと、亮介はスクラップとなったトライチュイサーを回収し、大輝を捜しにルルイエ島へと転移していったのだった。

 

 

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