仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT   作:風人Ⅱ

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第十八章/GEAR電童の世界⑯(前編)

 

 

 

―シュパアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!!―

 

 

 

 

 

GEAR電童『ッ?!これは?!』

 

 

メフィスト『な、なんだ?!この光は?!』

 

 

初音島の方角から現れた、無数の黄金の光を乗せた風。それは石像と化したディケイドの腰に巻かれたディケイドライバーへと次々と集まり、全ての光がドライバーに集まると同時にディケイドの身体から光の柱が発生し、ディケイドの体が黄金の輝きに包み込まれていったのだ。その光景に先程まで戦っていたGEAR電童とメフィストも戦いを止めて驚愕を露わにし、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

『GLITTER!DECADE!』

 

 

―シュウゥゥ……バシュウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーッ!!!!―

 

 

『グウゥッ?!』

 

 

 

 

 

 

 

 

光の中から電子音声が響き渡り、それと同時に黄金の光が辺りに広がって徐々に消えていった。そして光が消え去ると、其処には……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………………………』

 

 

 

 

 

 

GEAR電童『ッ?!零……なのか……?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光が完全に晴れた先には、石化した筈のディケイドが悠然と佇んでいた。しかしその姿は先程までと違い、全身が金色の光に包まれ、背中の羽根も大きく外側に展開された姿……初音島の人々の光を得た事で蘇った『ディケイド・グリッターアマテラスフォーム』へと姿を変えていたのであった。

 

 

『グウゥ……ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!!』

 

 

上空のデモンゾーアも復活したディケイドを見て警戒しているのか、世界すらも揺るがせるような叫び声を上げていく。だがディケイドはそれに億する事なく、力強い目でデモンゾーアを見上げながら両腕を外回りに回転させて右腕の籠手に光を集め、そして……

 

 

『ハアァァァァァァッ……セヤアァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!』

 

 

―ドシュウゥッ!!!!!ドグオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!!―

 

 

『ッ?!!!ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!』

 

 

メフィスト『ッ?!なっ?!』

 

 

GEAR電童『と、通った…?デモンゾーアにダメージが?!』

 

 

ディケイドがデモンゾーアに向けて勢いよく右腕を突き出した瞬間、ディケイドの右腕から放たれた金色の螺旋状の光がデモンゾーアに直撃しダメージを与えていったのだ。光の直撃を受けたデモンゾーアが苦しみ叫ぶ中、ディケイドは再び外回りに両腕を回転させて両足に光を溜め……

 

 

『フッ!!ハアァッ!!!デヤアァァッ!!!』

 

 

―バシュウゥッ!!!!ドシュウゥッ!!!!ドッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!―

 

 

『ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!』

 

 

デモンゾーアに向けて右足を振り上げ、更にそのまま回し蹴りを放って螺旋状の光を二度撃ち出し、デモンゾーアに再びダメージを与えていったのだった。

 

 

メフィスト『ば、馬鹿な…有り得ない!!あのデモンゾーアは闇そのもの!!あの怪物にはいかなる武器も通じない筈なのに、何故っ?!』

 

 

GEAR電童『―――光?島の皆の思いが、光になって力に……いいや違う……あれは……!』

 

 

ディケイドとデモンゾーアの戦いを見つめ、GEAR電童は何かに気が付いたように声を上げた。ディケイドは光で苦しむデモンゾーアを見据えながらドライバーから金色に輝くティガメモリ……グリッターメモリを抜き取り、ライドブッカーのスロットへ装填していく。

 

 

『GLITTER!MAXIMUMDRIVE!』

 

 

GEAR電童『あれは…島の皆の思いを力にしてるんじゃない…』

 

 

スロットからの電子音声と、GEAR電童の声が重なる。そして――――

 

 

 

 

 

 

GEAR電童『…戦ってるんだ…アイツ等は島の皆の思いと…"一緒に"…!』

 

 

 

 

 

 

――ディケイドと……ディケイドの内に宿る『初音島の人々の思い』は共に拳を作った両腕を肘を曲げながら腰の後ろへ下げ、前方で交差するように突き出す。そして両腕を左右に大きく開き、それに伴い光の閃光が走り、そして……

 

 

 

 

 

『ハアァァァァァァッ……ハアアァァッ!!!!!』

 

 

―ドシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!!―

 

 

『ッッ?!!!!ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!!!!!』

 

 

―トガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!!―

 

 

 

 

 

両腕をL字に組み、ディケイド達が放った金色の光線……グリッターアマテラスフォームの必殺技の一つであるグリッターゼペリオン光線がデモンゾーアの頭部に直撃し、デモンゾーアは致命的なダメージを受けて悲痛な悲鳴を上げていったのだった。だが……

 

 

『グ、グルルルルゥッ……』

 

 

GEAR電童『ッ!チッ、まだ倒れないのかッ?!』

 

 

ディケイド達の必殺技は確かに致命的なダメージを与えたものの、デモンゾーアを完全に消滅させるには至らなかったのだ。それを見たディケイドはゆっくりと構えを解き、ライドブッカーのスロットに装填されたグリッターメモリを抜き取り、再びスロットへと装填した。

 

 

『GLITTER!MAXIMUMDRIVE!』

 

 

―シュウゥゥゥゥゥゥ……バシュウゥッ!!!!―

 

 

再び電子音声が響くと共にディケイドの羽根に黄金の光が集い、金の波動を放ちながら大きく展開される。そしてディケイドも両手を広げ、漆黒の闇に包まれた空を仰ぎ、そして……

 

 

 

 

 

 

『――グリッター!オーバーリンクッ!!!!』

 

 

―シュウゥ……ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!!!―

 

 

 

 

 

 

……無数の声が重なり合って響き渡り、それと同時にディケイドの体から黄金のオーラが発生し辺りを包み込んでいったのだ。そして黄金のオーラは徐々に光りを広げてGEAR電童、デモンゾーア、メフィスト、ディエンド達、スペースビーストの群れを飲み込み、最後にはルルイエ島そのものを包み込んでいったのだった……

 

 

 

 

 

◇◆◆

 

 

 

 

 

―???―

 

 

煌一「――――……?此処……は……?」

 

 

光に包まれたとある空間。まばゆい輝きだけが辺りに広がるその場所の中心地点に、煌一は何故か一人だけ立っていた。

 

 

煌一「……どうして俺……確かあの時、光に包み込まれた筈……此処は一体……?」

 

 

自分の身に起きた出来事を一つ一つ思い出していく中で、何故自分が此処にいるのか理解出来ず困惑してしまう。そんな時……

 

 

 

 

 

 

『――此処はね?人の思いと思いが繋がり合って始めて出来る場所……人との繋がりを感じ取る事が出来る世界なんだよ』

 

 

煌一「……え?」

 

 

 

 

 

 

不意に、背後から優しげな声で誰かがそう語り掛けた。それを聞いた煌一が背後へと振り返ると、其処には一人の人物……銀髪の長髪を靡かせる少女が、いつの間にか腰の後ろに両手を回して立っていたのだ。

 

 

煌一「アンタ……は……?」

 

 

『久しぶりだね?キャンセラーの世界以来……じゃないか……あの時は声だけだったし、貴方は彼とは違う別世界の存在だしね』

 

 

煌一「?何を言って……というより、アンタは何者だ?」

 

 

『うーん……詳しいことはまだ言えないけど……取りあえず、貴方の敵じゃないって事は確か。それだけは信じて?』

 

 

煌一「…………」

 

 

苦笑気味にそう告げる少女からは、敵意のような物は感じられない。煌一はそれを確認すると警戒を解いて楽になり、少女の顔を見つめながら口を開いた。

 

 

煌一「アンタが敵じゃないってことは、まあ分かった……だが、アンタがさっき言っていた人との繋がりを感じ取る事が出来る世界というのは、どういう事だ?」

 

 

先程少女が言っていた言葉を思い出し、怪訝な口調で少女にそう問い掛ける煌一。そしてその問いを受けた少女は、煌一から光で包まれたこの世界へと視線を移しながら語り出す。

 

 

『貴方はさっき、あの光に包み込まれた……その時、貴方の意識は此処へ飛ばされてきたの。人々の思いという名の光が集い、繋がり合って作られた、この世界へ……』

 

 

煌一「……思いという名の……光……」

 

 

少女の口から紡がれる言葉を耳にし、光という単語を聞いた煌一は複雑な表情で自分の手を見下ろした。

 

 

煌一「何か……羨ましいな、そういうの……」

 

 

『……羨ましい?』

 

 

煌一「あぁ……光なんて、今の俺にはもう手を伸ばしても手に入らない物だからな……」

 

 

『…………』

 

 

煌一「理由があったとはいえ、俺は数え切れない命をこの手で奪ってきたんだ……それに俺の中には、二体のアルシェインがいる……契約の為とはいえ、俺は自ら闇に染まった者だ……光なんて、俺にはもうどんなに願っても『ホントにそうかな?』……え?」

 

 

煌一の言葉を遮るように、少女が瞳を伏せながら声を出した。煌一がそれを聞いて顔を上げると、少女は僅かに瞼を開いて語り出す。

 

 

『どんな人の心にだって、光と闇は必ずあるもの……どちらか一方が欠けているなんて、絶対にないんだよ?』

 

 

煌一「…………」

 

 

『それに貴方みたいな人の場合、単に闇の部分が偏ってるだけ……光が手に入らないなんて嘘だよ。だって現に、貴方はこうして光の中にいても消える事はない……受け入れてくれてるんだよ。貴方も、貴方の中の彼等も』

 

 

煌一「ッ?!」

 

 

この光が、自分や自分の中のアルシェイン達を受け入れてくれてる。それを聞いた煌一は思わず息を拒み、少女は彼方を見上げながら口を開いた。

 

 

『ほら、耳を傾けてみて?今なら貴方にも聞こえる筈だよ。貴方を思ってくれている……あの人の思いが』

 

 

煌一「?あの人…?」

 

 

疑問げに聞き返せば、少女はただ笑って頷くだけで何も言わない。煌一は疑問が晴れないが、少女に言われた通りに周りに耳を傾けてみる。すると……

 

 

 

 

 

 

―……今日の介護に行ってみたら、怪我も大分良くなってて、顔色も少し元気になってた……良かった……―

 

 

 

 

 

 

煌一「…ッ!この声…?」

 

 

不意に、煌一の耳に聞き慣れた声が届いたのだ。それに思わず驚いていると、声は再び煌一の耳へと届いていく。

 

 

―…今日はお見舞いに花を持っていったら、『すごく綺麗だ』と喜んでくれた…一瞬自分のことだと思ってビックリしてしまい、内心恥ずかしかったけど…彼が喜んでくれたみたいで、私も嬉しかった…―

 

 

煌一「……まさか……これは紗耶香の……?」

 

 

『そう。彼女が心の奥に、鍵を掛けて仕舞い込んでいた……貴方への思い』

 

 

煌一「ッ!」

 

 

耳に届く聞き慣れたこの声……これが紗耶香の内に秘められていた思いの声だと聞かされ、煌一は思わず息を呑んだ。そしてその間にも声が再び響き、煌一の耳に届いていく。

 

 

―あの人の怪我も大分よくなって…明日には、此処を出てまた旅に戻るらしい…―

 

 

煌一「これは……まさか、俺が紗耶香達の教会を出る前の?」

 

 

紗耶香の思いが語る内容を聞き、それがかつて教会で世話になった自分が教会を出る前の、紗耶香の心の声だと気が付く煌一。

 

 

―明日になれば…あの人はこの教会からいなくなってしまう…そう思うと…怖くて…悲しくて…今こうしているだけで、涙が溢れ出てしまう…―

 

 

煌一「…………」

 

 

声の感じからして、恐らく泣いているのだろう。

 

 

不安定な声音で語る思いの声を聞きながら、煌一の表情も複雑なものに変わっていく。しかし……

 

 

―……こんなんじゃ駄目だ……明日はちゃんと、笑ってあの人を見送らなないと……こんな顔を見せたら、あの人に笑われてしまう……―

 

 

だから……と、思いの声の声音が少しだけ強くなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

―明日はちゃんと…笑ってあの人を見送ろう…また…また会える時まで…修道女として頑張って…そして…此処での生活を…またあの人に会えた時に話そう……こんな事があったって……貴方がいなくなってから、こういう事があったんだって……楽しい話しを聞いて…あの人に沢山……笑ってもらえるように……―

 

 

 

 

 

 

 

 

煌一「…紗耶香…」

 

 

 

 

 

 

 

 

―あの人は…笑ってる顔が…凄く綺麗だから…もっともっと…笑顔でいさせてあげたい…そう思っちゃうのは…変かな…?―

 

 

 

 

 

 

 

 

煌一「っ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

照れ臭そうに微笑む彼女の思いを聞き、煌一は思わず泣きそうになって顔を俯かせた。少女はそんな煌一を優しげな顔で見守り、静かに瞳を伏せた。その時……

 

 

―……シュパアァァァァァァァァァアッ……―

 

 

煌一「ッ!何だ?」

 

 

煌一の腰のポケットに突然無数の光りが集まり、淡い輝きを放ち出したのだ。

 

 

そして煌一がそれに気付いてポケットに右手を突っ込み、淡い輝きを放つ何かを取り出すと、それは画面の部分が淡い輝きを放つ青い端末……ギアコマンダーであった。

 

 

煌一「これは…?」

 

 

『それはね?彼女の思いが紡いだ奇跡。貴方を思う、彼女の光だよ……』

 

 

煌一「紗耶香の…光?」

 

 

ギアコマンダーの画面で輝くこの光が、紗耶香の光。そう聞かされた煌一がギアコマンダーを見つめていると、突然煌一の両脇に無数の光が集まって何かを形作り、光はユニコーンドリルとレオサークルとなって姿を現した。

 

 

煌一「ッ!お前等?」

 

 

『……いい子達だね。力を貸してくれるんだ?あの人を助ける為に』

 

 

煌一が両脇に現れた二体を見て驚く中、少女は二体の意思を読み取って優しげに微笑み、ユニコーンドリルとレオサークルに歩み寄り二体を優しく撫でていく。すると……

 

 

 

 

 

―シュウゥゥゥッ……シュパアァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!―

 

 

 

 

 

煌一「ッ?!ギアコマンダーが…?」

 

 

突然ギアコマンダーの画面の光りが強みを増し、淡く輝き出していったのだ。

 

 

それに呼応するかのようにユニコーンドリルとレオサークルの身体が淡く輝いて光りとなり、徐々に互いに引かれ合うようにひとつとなっていく。

 

 

そして徐々に光が止むと、其処にはユニコーンドリルとレオサークルの姿はなく、金色の刃のような角と爪を持った白い獣の姿をしたDWが佇んでいた。

 

 

煌一「ッ?!ユニコーンドリルと、レオサークルが?!」

 

 

『……友情を象徴とした獣の王……運命すら断ち切る輝ける刃を持つ者……その名は――』

 

 

煌一「――超獣王、輝刃……」

 

 

『グオォォォォォォォォォォォォォォォオッ!!』

 

 

白い獣のような姿をしたDW……ユニコーンドリルとレオサークルが紗耶香の思いによって融合した『超獣王・輝刃』は名を呟く煌一に応えるように高らかな叫びをあげ、少女はそんな輝刃を見て小さく微笑んだ。

 

 

『彼の力なら、あの闇から貴方の大切な人を救う事が出来る……彼や……零達と一緒に、彼女を救ってあげて?』

 

 

煌一「?君は……?」

 

 

零の名を口にする少女に、思わず疑問げに聞き返した煌一。

 

 

だが少女から言葉が返ってくる前に、辺りを包み込んでいた光が輝きを増していき、煌一を覆いながら温かな光が広がっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『大丈夫。私と零は、もう触れ合う事も出来ないけど……貴方達はまだ間に合う……貴方達は、私達みたいにならないで?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

煌一「…君は…一体…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴方と彼女に……再生の神の御加護がありますように……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――それは、万感の思いが篭められた祈り。

 

 

黄金の輝きが広がっていく光の先で、儚く微笑む少女の笑顔が在った……

 

 

 

 

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