仮面ライダーディケイド&リリカルなのは 九つの世界を歩む破壊神 Re:EDIT 作:風人Ⅱ
―シュパアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!―
『グ、グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオッ?!!!』
…ディケイドから発生した黄金のオーラ。それはルルイエ島全体まで広がっていき、上空や地上でディエンド達が戦っていたスペースビーストの大群を一掃し、更にデモンゾーアにも光のダメージを与えていた。
メフィスト『クッ?!何なんだ、この光ッ?!』
未だに光が激しく輝く中、光に包まれるメフィストも両腕で顔を隠して光を遮り、ディケイドから発生したこの光が何なのか分からず困惑していた。その時……
『――輝刃ドライブ、インストールッ!』
―シュウゥゥ……ドグオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオンッ!!!!―
メフィスト『ッ!何?!』
突然光の向こうから誰かの掛け声が響き、それと共に目の前から巨大な衝撃波が発生してメフィストに襲い掛かってきたのだ。メフィストは咄嗟に前方に両腕を突き出してシールドを形成し衝撃波を防ぎ、衝撃波も辺りを包み込んでいた光が晴れると共に徐々に収まっていく。そして、光が晴れた先にあったのは……
GEAR電童『…………』
メフィスト『…ッ?!な、なんだ…あれは…?!』
光が晴れて、メフィストの目に映ったのは悠々と佇むGEAR電童の姿。
それだけなら別段可笑しい事は何もないが、メフィストが見ているのはGEAR電童の両手に握られた白く巨大な武器。
まるで弓矢のように見えるそれは、GEAR電童が呼び出した輝刃をハンドウェポンに変形させた姿……『輝刃ストライカー』
遠くからでもとてつもない力を持っている事が分かるそれを握ったGEAR電童の隣へとディケイドが静かに立ち、先程の光の影響で弱まったデモンゾーアを見上げながら……
ディケイドGA『…いくぞ』
GEAR電童『…あぁ!』
その応えと同時に、二人は勢いよく地を蹴って上空へと飛び上がりデモンゾーアへと接近していった。だが……
メフィスト『ちぃ!これ以上好き勝手させるかッ!』
デモンゾーアへと接近していく二人を見たメフィストもすぐさま上空へと飛び上がり、デモンゾーアへと向かおうとする二人の目の前に立ちはだかったである。だが二人は怯むことなく、ディケイドは黄金の輝きに包まれた桜神剣を取り出し、GEAR電童は輝刃ストライカーをエネルギーブレードが発生した『輝刃ブレイカー』へと切り替え……
―シュンッ……!!―
メフィスト『?!消え?!―ズシャアァッズバアァンッ!!―…ガッ…?!』
二閃。二人は一瞬でメフィストの視界から消えると共に、目に見えないスピードでメフィストを一瞬で斬り伏せていったのだ。メフィストはそのまま力無く地上へと落下して変身が解除され、二人はそれを確認することなく再びデモンゾーアへと接近していく。
『グルルルッ……ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!』
―バシュウバシュウバシュウバシュウバシュウッ!!―
GEAR電童『来た!』
ディケイドGA『任せろ!』
デモンゾーアは、接近する二人を撃墜しようと口から無数のエネルギー弾を乱射していき、それを見たディケイドは咄嗟にGEAR電童の前に出て右腕を突き出し、金色の盾を発生させてエネルギー弾を防ぎ切った。
ディケイドGA『煌一!今だ!!』
GEAR電童『ウオォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーッ!!!』
―シュンッ!ズシャアァァァァァァァアッ!!!―
『ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』
ディケイドの呼びかけと共に、GEAR電童は瞬時に輝刃ブレイカーをストライカーへ戻しながらデモンゾーアへと猛スピードで突っ込み、デモンゾーアの額に輝刃ストライカーを突き刺していった。デモンゾーアは額に突き刺さった輝刃ストライカーを振り払おうと頭を大きく振り、その隙にディケイドはグリッターメモリをライドブッカーへと装填する。
『GLITTER!MAXIMUMDRIVE!』
電子音声が響くと共に、ディケイドは両腕を外回りに回転させながら全身に虹色の光を溜めていき、それに気付いたGEAR電童が輝刃ストライカーを抜き取ってデモンゾーアから離れた瞬間……
『ハアァァァァァァァ……ハアァァッ!!!!』
―ドシュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーッ!!!!―
『ッ?!!ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!』
グリッターアマテラスフォームの必殺技の一つ……グリッターフラッシュスペシャルがデモンゾーアに向かって撃ち出されて炸裂し、デモンゾーアは悲痛な悲鳴をあげながら再び怯んでいった。
そしてディケイドはGEAR電童と共に地上に降り立ってライドブッカーから絵柄のないカードを三枚取り出すと、絵柄のなかったカード達がGEAR電童の力が秘められたカードとなっていき、ディケイドはその中から一枚カードを取り出してディケイドライバーへと装填した。
『FINALFOMARIDE:GE・GE・GE・GEAR DENDOH!』
ディケイドGA『ちょっとくすぐったいぞ』
GEAR電童『?何を―ドンッ!―うあッ?!』
ディケイドがGEAR電童の背後に回って背中を開くと、GEAR電童はそのまま宙に浮きながら身体を変化させていき、GEAR電童は輝刃ストライカーに似た巨大な鎗のような姿……『GEARスピナー』へと超絶変形していったのだ。ディケイドは一度両手を払うとGEARスピナーへ飛び乗り、そのまま上昇してデモンゾーアへと飛び上がっていった。
『グ、グウゥッ…シャアァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!』
―シュバババババババババババババババババババァッ!!!―
自身へと接近してくるGEARスピナーを見て危険を感じ取ったのか、デモンゾーアは慌ててGEARスピナー目掛けて口からエネルギー弾を連射していく。だがディケイドも負けじとGEARスピナーをサーフボードのように乗りこなしてそれらを全て回避し、ライドブッカーからもう一枚カードを取り出してディケイドライバーへと装填しスライドさせ、更にグリッターメモリを再びライドブッカーへとセットした。
『FINALATTACKRIDE:GE・GE・GE・GEAR DENDOH!』
『GLITTER!MAXIMUMDRIVE!』
電子音声が鳴り響くと共にGEARスピナーの全体が金色に輝き出し、先端のドリルが激しく回転し始めた。そしてディケイドは桜神剣を双剣にして両手に構えると、身体を前にしGEARスピナーを更に加速させてデモンゾーアへと突っ込んでいき、そして……
『ハアァァァァァァッ……セヤアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ!!!!』
―ズバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアンッ!!!!―
『ッッ?!!!!グォ……ギシャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッッ?!!!』
―チュドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォオンッッ!!!!!―
ディケイドとGEAR電童の必殺技…グリッタースピナークラッシュがデモンゾーアの頭を見事に貫き、デモンゾーアは悲痛な断末魔をあげながら閃光と共に爆発し跡形も残さず消滅していったのだった。それを確認したGEARスピナーは上空でGEAR電童へと戻り慌ててデモンゾーアが爆発した場所に視線を向けると、其処にはデモンゾーアから解放され地上へ落下していく紗耶香の姿があった。
GEAR電童『ッ!紗耶香!』
慌てて紗耶香の下へと飛び出しながら叫ぶGEAR電童だが、紗耶香は気絶しているらしく何も答えない。GEAR電童はそんな紗耶香の下へ飛びながら必死に右手を伸ばし、グリッターからアマテラスフォームへと戻ったディケイドも静かにその様子を見守っていた。
GEAR電童(もう少し!あと少しで!)
伸ばした右腕は、少しずつ紗耶香へと近づいていく。もう離さない、絶対に彼女から離れたりはしないと。GEAR電童はこれ以上にないほど強く誓いながら、精一杯紗耶香に向かって手を伸ばし、そして、遂に……
―ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガンッ!!!!―
GEAR電童『……ッ?!グ、グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァアッ?!!!』
ディケイドA『?!煌一ッ?!』
…遂に紗耶香の手を取ろうとした瞬間、突如GEAR電童の上空から無数の黒いエネルギー弾が降り注ぎ、GEAR電童を撃ち落としてしまったのだ。それを見たディケイドは慌ててGEAR電童の下へ飛び、GEAR電童をギリギリのところで受け止め地上へと下ろしていった。
ディケイドA『おい、しっかりしろ!大丈夫か?!』
GEAR電童『グッ…今のは…一体っ…?!』
突如襲い掛かってきた謎の攻撃。突然の出来事にGEAR電童もワケが分からず苦痛で顔を歪めながら困惑していた、その時……
『――まったく、大事な駒を勝手に取られるのは困るんだがなぁ』
『…ッ?!』
不意に目の前から溜め息混じりの声が聞こえ、二人は突然の声に驚きながら目の前に視線を向けた。すると其処には、背中にマントを身につけた禍々しい姿の黒いライダー……嘗てディケイドが電王の世界やセイガの世界でも戦ったベリアルと酷似したライダーが、気を失った溝呂木と紗耶香を背負って立っていたのだ。
ディケイドA『ッ?!お前は……ベリアルッ?!』
『ほう?その名を知っているのか?……ああそうか、貴様か?かつてベリアルが戦った世界の破壊者というのは』
ディケイドA『?なんだと……?』
意味深な言葉を放つ黒いライダーにディケイドが訝しげな表情で聞き返すと、傍らで倒れていたGEAR電童がふらつきながら体を起こし黒いライダーを睨みつけた。
GEAR電童『何故だっ…何故お前が此処にいる?!ヴァリアス!』
咲夜『ッ!ヴァリアスだと?ならもしかして、ヤツが……』
GEAR電童『そうだ…奴こそが紗耶香の教会を破壊した張本人……アルシェイン達を纏め上げている黒幕……ヴァリアスだ……!』
『ッ!』
あの黒いライダーが、紗耶香に復讐に駆り立てるきっかけを作り、この世界のアルシェイン達を率いる黒幕……『ヴァリアス』だと聞かされ、ディケイドはGEAR電童を庇うように前に出て身構えた。
ヴァリアス『そう慌てるなよ、俺は別にお前達と戦いにきたワケじゃない。単に大事な部下と駒を回収しにきただけなんだからな』
そう言ってヴァリアスは肩に担いだ溝呂木と紗耶香を見て不気味な笑みを浮かべ、それを聞いたGEAR電童は唇を噛み締めながら身体を起こそうとする。
GEAR電童『ふざけるなっ…紗耶香はお前の玩具なんかじゃない!!これ以上お前に紗耶香をっ……ぁ……』
ディケイドA『?!煌一!』
ヴァリアス『オイオイ、あまり無理しない方が良いんじゃないか?どうせさっきの戦闘で力を全部使い切ってるだろうし、此処で死に急ぐ事もないだろう?』
ディケイドに体を支えられるGEAR電童を見つめながらそう告げると、ヴァリアスは自身の背後に歪みの壁を出現させていく。
咲夜『ッ!マズイ!ヤツめ逃げる気だ!』
ディケイドA『チィッ!』
GEAR電童『ま、待てっ……紗耶香ぁっ!!!』
ヴァリアス『じゃあな御薙煌一。次もまたお前に素敵な絶望を送ってやる…その時を楽しみにしてな?クク、ハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!』
必死に手を伸ばすGEAR電童に向けて、不気味な高笑いをあげながら歪みの壁へと飲まれていくヴァリアス。ディケイドはそれを阻止しようと直ぐにライドブッカーをGモードに切り替えて乱射していくが、その前にヴァリアス達は歪みの壁と共に何処かへと消えてしまったのであった。
ディケイドA『クッ?!逃げられたっ…!』
咲夜『反応も消失…これでは追跡も出来ないかっ…』
紗耶香を連れて歪みの壁と共に消えてしまったヴァリアス。ディケイドと咲夜はそれを見て悔しげに舌打ちし、ゆっくりとGEAR電童の方へと振り返った。
ディケイドA『煌一……』
GEAR電童『……あと少し……あと少しだったのにっ……クソッ……クソオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!』
あと一歩……あと一歩で、紗耶香をヴァリアス達の下から救い出せた。
なのにそのチャンスも、予想だにしてなかった妨害のせいで無に消えてしまった。
GEAR電童はあの時……紗耶香を掴めなかったことに対し悔しさを堪え切れず地面を殴りつけ、ディケイドと咲夜もそんなGEAR電童に掛ける言葉が見つからず、ただ口を閉ざしてGEAR電童を見つめ続けていたのだった……